ガンダムジェミナス

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ガンダムジェミナス(Gundam Geminass)は、テレビアニメ新機動戦記ガンダムW』の外伝作品『新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』に登場する架空の兵器。

資源衛星「MO-V」で開発された試作型ガンダムタイプMS(モビルスーツ)。後にOZ(オズ)プライズによって衛星ごと接収される。機体名の「ジェミナス」は黄道十二星座の1つ双子座に由来する[1]

メカニックデザインは阿久津潤一(ビークラフト)が担当。本項では、作中に登場する各発展機についても併せて記述する。

機体解説[編集]

諸元
ガンダムジェミナス
Gundam Geminass
型式番号 OZX-GU01A(X-GU01A)(1号機)
OZX-GU02A(X-GU02A)(2号機)
全高 17.3m
重量 7.9t
(宇宙用ユニット装着時:10.2t)
装甲材質 G-METAL(ガンダニュウム合金
ルナ・セラミック
ファイン・ケプラー複合材
出力 6,479kW
推力 96,365kg
武装 ビームソード×2
アクセラレートライフル×1
G-UNITシールド×1
搭乗者 アディン・バーネット(1号機)
オデル・バーネット(2号機)
レオス・アロイ(1号機)
ピーニャ・ハーシー(2号機)

開発は資源衛星都市「MO-V」に存在する企業「ハーマン・インダストリ」で行われ、設計は同地の科学者ドクター・ペルゲによって行われた[2]。MO-VがOZの傘下に入った事から、同組織の制式採用を視野に入れていた機体でもある[3]。「Gユニット」に分類される機種であり、ウイングガンダムゼロとそこから派生した機体とは異なり、特定のコンセプトに特化するよりも換装機構により各種任務に対応する汎用性を重視している[2]。そのため、主動力炉とコクピットを内包する胴体をコアとして、頭部や四肢まで含めた共通規格のオプションパーツを換装することで、あらゆる戦場に適応可能な汎用性を獲得している[2]。このためにガンダムジェミナスの機体各部にはリニアロック・ボルトと呼ばれる電磁駆動式のジョイントが備えられ、各パーツを接続している[4]。Gユニットとして開発された他機とは装備の互換性を有している[2]

武装・装備(ガンダムジェミナス)[編集]

ビームソード
高出力のプラズマを磁界収束によって刀身状に形成する兵装。非使用時はバックパックにマウントする[4]
アクセラレートライフル
内部に螺旋型粒子加速器を持ち、ミューオンを加速投射するビーム兵器。電磁コンデンサーが内蔵されており、ハイパーショットと呼ばれる溜め撃ちが可能[4]
非使用時はシールド裏側にマウント可能。
G-UNITシールド
ガンダニュウム合金製で出来たハニカム構造の盾で、さらにEM(電磁場)フィールド発生装置が組み込まれていることにより、実弾とビーム双方を防御可能としている[4]
質量感応型索敵システム
ガンダムジェミナスの胸部に設置される。物質による空間の歪みを増幅・補足し、モニターに投影する[4]

PXシステム[編集]

ガンダムジェミナス等の一部期待に搭載されたシステム。開発はドクター・ペルゲによるもので、PXとはPILOTS EXPERINCEの略となる[2]。これは人間の緊張が極限になったとき感覚が鋭敏になる研究から作られたもので、発動する事で機体速度を高める事ができる[2]。その反面、機体とパイロットには負担がかかるため、通常は制限時間とリミッターが施されている。このリミッターを解除する事で、さらなる高性能を発揮可能な「オーバードライブモード」も存在するが、比例してパイロットと機体双方への負荷も増大する[2]

ガンダムジェミナスのコクピットはリーオーをベースとしているが、シートにはこのPXシステムの為のヘッドレストが設置されている[2]。後にPXシステム対応の新型コクピットシートへと換装された[5]

換装形態[編集]

地上用ユニット
ジェミナスの基本ユニット。肩と脚に装備。地上用ではあるが、宇宙空間でも運用可能。
宇宙用ユニット
アサルトブースター」とも呼ばれる、宇宙空間内での機動性を重視したユニット。肩・脚・背部にスラスターが追加され、推力を向上させる[1]
高機動型ユニット
劇中未登場の形態。宇宙用ユニット(アサルトブースター)のバリエーションだが、こちらは大気圏内での使用を前提としており、飛行が可能となる[1]
ガンダムEXA』では、レオス・アロイがMO-Vに輸送前状態の01に装備させて搭乗。
陸戦重装ユニット
劇中未登場の形態。陸戦重視を目的とした装備で、増加装甲や大型火器の装備によって、耐弾性と砲撃戦能力が強化されている[1]
『ガンダムEXA』では、ピーニャ・ハーシーがMO-Vに輸送前状態の02に装備させて搭乗。

ガンダムジェミナス01[編集]

「G-UNIT」シリーズ1号機。機体色は白を基調としている。メインパイロットはアディン・バーネット。MO-VがOZに接収された際に型式番号がX-GU01AからOZX-GU01Aに変更された。オリジナルシート完成までは、コクピットシートはリーオーのものが使用されていた。シルヴァ・クラウンの駆るガンダムアスクレプオスとの戦いで損傷し、L.O.ブースター仕様に強化される。

ガンダムL.O.ブースター[編集]

諸元
ガンダムL.O.ブースター
Gundam L.O.Booster
型式番号 OZX-GU01LOB
全高 22.3m
(高速飛行モード時:26.4m)
重量 23.8t
装甲材質 G-METAL(ガンダニュウム合金)
出力 14,099kW
推力 231,840kg
武装 スラストビームキャノン×2
ビームソード×2
軽量型アクセラレートサブマシンガン
リアクティブシールド
搭乗者 アディン・バーネット
ロッシェ・ナトゥーノ

ガンダムジェミナス01に「G-UNIT SYSTEM 03」に分類される「Liner Offence-Booster」の試作1号を装備した高機動形態[6]。パイロットは引き続きアディンが務めるが、「ガンダムグリープ」に乗り換えて以降は、MO-Vに身を寄せたロッシェ・ナトゥーノの搭乗機となる。

肩部には増設された小型反応炉を持ち、装備と推進器の出力が高められている[6]。同時に機体肩部と膝部にはスラスターを設置し、推力と機動性も向上したが、進路上の物体の把握や早期回避能力も必要である事から、機体前方には大型のドップラーセンサーを備え、索敵能力を増強した[6]。高速飛行モードに変形する事も可能[7]。スラストビームキャノンにより遠距離攻撃能力も増強された[6]

武装・装備(ガンダムLOブースター)[編集]

リアクターユニット
LO2ブースターの両肩部で、小型反応炉とバインダーパーツ、スラストシザースと呼ばれる電磁誘導レールからなる[6]
スラストシザースからの電磁収束により集束・拡散切り替えが可能なビーム砲「スラストビームキャノン」として機能するほか、同部位からエネルギー噴射を行いスラスターとして機能する[6]
ビームソード
プラズマビームを磁界収束によって刀身状に形成した装備。非使用時はシールド裏面にマウントする[6]
軽量型アクセラレートサブマシンガン
標準型に比べて軽量化と小型化がなされたモデル。短時間にビームを連射可能で、高機動時の運動性向上に寄与している[6]
リアクティブシールド
サブマシンガン同様に運動性向上のために小型化された。表面には結晶構造の素子が設置されており、その素子がビームを吸収する事でエネルギーを拡散させる[6]
アクティブスラスター
脚部に装備される姿勢制御スラスター。ノズルがフレキシブル化されているため噴射方向を変更可能なほか、設置された整流フィンによって大気圏内でも機能する[6]
メインスラスター
背部に3基装備する[6]

劇中の活躍(ガンダムLOブースター)[編集]

ドクター・ペルゲが残した設計図を元に製作される。ハイドラガンダムと交戦したあと、ガンダムグリープを受け取るため小惑星に偽装された工廠への移動に用いられた。アディン・バーネットがグリープを受領した後はロッシェ・トゥナーノに譲渡される。

最終決戦ではガンダムバーンレプオスとの戦闘で脚部、頭部、両腕を破壊されて戦闘不能になった。Liner Offence-BoosterはGユニット最終型に用いられた。


ガンダムジェミナス02[編集]

「G-UNIT」シリーズの2号機。メインパイロットはアディンの兄であるオデル・バーネット。1号機と同じく、OZに接収された際に型式番号がX-GU02AからOZX-GU02Aに変更された。主に資源衛星内で試験運用されていた1号機と異なり、宇宙空間での運用を目的としており、機密保持のため低視認性の青基調の塗装が施されている[8]。PXシステムを最初に搭載した機体でもある。後にOZプライズとの戦いで破損し、OZプライズによってガンダムアスクレプオスに強化される。

ガンダムアスクレプオス[編集]

諸元
ガンダムアスクレプオス
Gundam Aesculapius
型式番号 OZ-10VMSX
全高 18.2m
(接近戦モード時:16.7m)
重量 12.8t
装甲材質 G-METAL(ガンダニュウム合金)
チタニウム合金
出力 7,935kW
推力 127,940kg
武装 ビームソード×2
パイソンクロー×2
ラピッドショット×4
アクセラレートライフル
Gユニットシールド
搭乗者 シルヴァ・クラウン
オデル・バーネット
ロッシェ・ナトゥーノ

「OZプライズ」が鹵獲したガンダムジェミナス02を改修した高機動強襲用MS[9]。パーツ換装で各戦場に対応する改修前とは異なり、大型のバックパックを頭部に被り、両肩部のパーツを接近戦用のクローとして両腕部に装備させる「接近戦モード」に変形することで作戦に対応する[9]。この状態でも大気圏内外を問わない活動が可能だが、とりわけ水中戦を得意とする[7]。また、基本性能は高く、宇宙空間・地上・空中・水中を問わない適応性を有する[9]。両肩バインダーとバックパックにはハイトルクスラスターを備え、機体に一撃離脱戦法が可能な推力を付加させている[9][注 1]。また、脚部は増量した肩部パーツに対するカウンターウェイトとエネルギータンク、スラスターからなるプロペラントレッグタンクが取り付けられた[9]


武装・装備(ガンダムアスクレプオス)[編集]

ビームソード
ガンダムジェミナスと同型の装備。非使用時は肩部アーマー裏側にマウントする[9]
バイソンクロー
接近戦モード時のマニピュレーター。爪部は超振動素子ブレードとなる[9]。通常形態においても腕部のみを変形させることで使用可能[10]
ラピッドショット
バイソンクロー中央部に設置される。ビームバルカンで、接近戦モードで使用可能[9]
アクティブジャマー
接近戦モードにおける頭部レドームユニットに装備されており、敵MSのセンサーやレーダーをかく乱する[9]
全方位アクティブスキャナー
接近戦モードにおける頭部レドームユニットに装備されており、300km四方を索敵し補足可能[9]
アクセラレートライフル
ガンダムジェミナスと同様の装備。最終決戦で使用した[11]
G-UNITシールド
ガンダムジェミナスと同様の装備。最終決戦で使用した[11]

作中の活躍(ガンダムアスクレプオス)[編集]

当初のパイロットはロッシェが務めていたが、後にMO-VからOZプライズに鞍替えしたDr.ペルゲが連れて来たシルヴァ・クラウンの搭乗機となる。シルヴァがOZプライズを脱出しMO-Vに帰還しようとした際は、ハイドラガンダムによって破壊された頭部を、改修前のパーツを流用して修復している。最終決戦においてはジェミナス純正のビームライフルとシールドを装備して出撃している。最終決戦ではPXオーバードライブの影響でアスクレプオスのパーツが破損。Gユニット最終型には本機の頭部・胸部・腕が用いられた。

∀ガンダム』のコミックボンボン連載コミカライズ版では発掘された機械人形として登場。コレン・ナンダーの搭乗機として、TV版における彼の赤いカプルの代わりに使用されている。なお、この漫画版は『デュアルストーリー G-UNIT』同様ときた洸一が執筆している。足の形が少し違っており、また非変形のMSであるため厳密にはガンダムではない。後に同作者による『ガンダムEXA』の正暦世界にも引き続き登場。こちらでは『∀ガンダム』の時の様な姿形の変化は無く、そのまま発掘されている。コレンが接近戦形態の本機に乗り込もうとした際、ダイブしたセシア・アウェアの誤作動でガンダムとしての素顔を見せ、彼はアスクレプオスがガンダムである事を初めて知り驚愕に満ちた。そのため、アスクレプオスに搭乗するのを嫌がり、TV版と同じく赤いカプルに搭乗している。

ガンダムバーンレプオス[編集]

諸元
ガンダムバーンレプオス
Gundam Burn Lapius
型式番号 OZ-10VMSX-2[12]
全高 20.9m[12]
(デュエルモード時:17.2m[12]
重量 19.2t
装甲材質 G-METAL(ガンダニュウム合金)
チタニウム合金
武装 アサルト・ベイオネット
ゴレム・クロー×2
EMFシールド
搭乗者 クラーツ・シェルビィ

Dr.ペルゲがアスクレプオスの強化発展型として開発した機体[12]。接近戦を得意とした設計となっており、スターダストナイツのクラーツ・シェルビィが搭乗する[13]

PXシステムや変形機構を持ち、「デュエルモード」へと可変する[12]。同形態ではバックパックが頭部に被さり、長い腕部クロー(ゴレムクロー)が展開される[13]。搭乗者のクラーツがシステムに対応されている訓練を受けていない上に、ペルゲによって故意的にシステムのリミッターが設置されていない為、暴走する危険性をはらんでいる[13]

武装・装備(ガンダムバーンレプオス)[編集]

アサルト・ベイオネット[注 2]
右腕に装備される剣。通常形態におけるバーンレプオスはその機動性によって敵機に接近し、この剣で撃破する戦法を得意とする[13]
ゴレムクロー[注 2]
デュエルモード時に機体の腕部が変形するクロー。
通常形態でも腕部のみを変形して使用可能[10]
EMFシールド[注 2]
左腕に装備する。

作中の活躍(ガンダムバーンレプオス)[編集]

ホワイトファングビルゴII部隊を単機で壊滅させる戦果をあげ、OZプライズがMDのコントロールを奪って逆に戦力として利用させる事に貢献している。MO-Vとの最終決戦時にも、PXシステムを発動させた事でロッシェ・ナトゥーノの駆るガンダムL.O.ブースターを圧倒的な性能で追い詰めるが、搭載されていたPXシステムにリミッターが存在しなかったため、オーバードライブに機体が耐えられず自己崩壊。パイロットのクラーツも、半ば精神崩壊を引き起こした状態で死亡した。

『SDガンダムG GENERATION F』に搭乗した際のカラーリングは、アスクレプオスと大差無かったが、後の電撃データコレクション『機動戦士ガンダムW [増補改訂版]』でリデザインが行われた際には、クラーツの搭乗機であったカスタムリーオー・レオールと同じカラーリングとなっている。


G-UNIT最終型[編集]

OZプライズとの最終決戦で大破したMO-Vのガンダム3機の可動可能なパーツをG-UNITシステムを用いて組み合わせた機体。アスクレプオスの頭部・胸部・両腕、L.O.ブースターのLiner Offence-Booster、グリープの下半身とハイパーメガ粒子ランチャーで構成。アディンがパイロットを務め、グランシャリオを撃沈した[14]


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 両肩バインダーは接近戦モードにおいてバイソンクロー、バックパックは頭部のレドームを構成する[9]
  2. ^ a b c 装備の呼称は『電撃データコレクション』を参照[12]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、52-53頁。(ISBN 978-4-04-886314-8)
  2. ^ a b c d e f g h 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、88-89頁。(ISBN 978-4-04-886314-8)
  3. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第1巻、講談社、2005年9月、42-43頁、ISBN 978-4063720693
  4. ^ a b c d e 『1/144 HG ガンダムジェミナス01』バンダイ、1997年5月、組立説明書。
  5. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第1巻、講談社、2005年9月、122-123頁、ISBN 978-4063720693
  6. ^ a b c d e f g h i j k 『1/144 HG ガンダムLOブースター』バンダイ、1997年7月、組立説明書。
  7. ^ a b 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、54-55頁。(ISBN 978-4-04-886314-8)
  8. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第2巻、講談社、2005年10月、140-141頁、ISBN 978-4063720877
  9. ^ a b c d e f g h i j k 『1/144 HG ガンダムアスクレプオス』バンダイ、1997年7月、組立説明書。
  10. ^ a b ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第3巻、講談社、2005年11月、110-113頁、ISBN 978-4063720983
  11. ^ a b ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第3巻、講談社、2005年11月、94-97頁、ISBN 978-4063720983
  12. ^ a b c d e f 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、56頁。(ISBN 978-4-04-886314-8)
  13. ^ a b c d ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第2巻、講談社、2005年10月、146-147頁、ISBN 978-4063720877
  14. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第3巻、講談社、2005年11月、154-157頁、ISBN 978-4063720983


関連項目[編集]