オーブ連合首長国

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オーブ連合首長国(オーブれんごうしゅちょうこく、United Emirates of Orb)は、アニメ機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空国家

概要[編集]

国号は一般に「オーブ」と略称される。南太平洋ソロモン諸島に存在し、大小さまざまな島(火山列島)から構成される島嶼国である。

西暦末期に行われた再構築戦争(第三次世界大戦)の果てに誕生した[1][注 1]。元々は原住民たちが暮らす島国であったが、過去、多数の日本人移民者がその技術をもって入植し、発展した経緯を持つ[3][注 2][注 1]。それ故に国家にはオーブ建国以前から島々を支配していた者達が後に「氏族」として君臨し、議会との合議制という政治形態を持っている[6]。地球上で数少ないコーディネイターを受け入れている国家である[7]公用語日本語[8][注 3]が使われ、公文書等も日本語の仮名交文で表記される。作中で判明している友好国は北欧のスカンジナビア王国[注 4]

建国時から中立国の理念を持っており[9][注 5]、それを強く印象付けるため[9]C.E.70年2月8日に代表首長ウズミ・ナラ・アスハにより中立宣言が行われた[10]

その中立の内容は、「いかなる事態が起ころうとも」「独立、 中立を貫く」[10]、「如何なる状況にあっても中立を貫く」[注 6]という永世中立国のそれである[注 7]

イージス艦大型空母戦闘ヘリコプターなどが多数配備し、高い防衛力を誇っている。

オーブ(Orb)は、光り輝く「球体」、「天体」の意。

オーブ群島[編集]

主たる国土である当該群島の所在については、先述のように南太平洋ソロモン諸島であると設定されている。ただし、『機動戦士ガンダムSEED』第1話のミリアリア・ハウのセリフでは台湾高雄市(カオシュン)の「近く」だとされており、ザフトによる高雄攻略の余波が「大丈夫かな」と懸念もされている。逆に、ソロモン諸島から見て隣国でありザフトの一大拠点であるカーペンタリアについては、この時は懸念が無い。また『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシン・アスカの回想シーンでは、国内に紅葉の観光シーズンが存在している。このため、設定上どのような整合がとられているのか今のところは明らかでない。

オーブ群島の場合は、識者の中に本島とオノゴロ島は別々であるという4島[11][12][8]の考え方と本島とオノゴロ島が一緒である3島[13]の考え方が存在している。 本件の記述は、現行の本島とオノゴロ島が別々であるという4島とする。また、補完的な扱いとして3島の考え方を脚注に入れていくことにする。

オーブ本島[編集]

正式名称はヤラファス島であり、オーブの首都オロファトが所在する[注 8]。また、4つの都市と1つの首都を持ち、中心部にオーブの地熱発電を支えるハウメア火山[11]を含む3つの火山、南方に2つの火山を備える関東ほどの大きさを持つ。東海岸には行政府が置かれ、様々な政策が決定されるオーブ連合首長国の政治拠点となっている[注 9]

存在する施設は以下の通り。

行政府
立法・司法以外の国家運営が処理・執行される、日本の国会議事堂に似た建物。首長や閣僚たちが集まって会議をおこなう。
内閣府官邸
首長をはじめとする内閣閣僚とその家族らのオフィス兼住居である建物。カガリも通常はここで寝起きしている。

オノゴロ島[編集]

本島の南方に位置する島。島名は、日本神話に登場するイザナギイザナミによって作られた最初の島「オノゴロ島」に由来する。軍事の中心地であり、国防本部(軍司令部)と軍事産業の中枢であるモルゲンレーテ社の本社及び工廠が存在している。厳重な警戒態勢が常時敷かれており、人工衛星からの監視も不可能な高いセキュリティを誇る。このため、ザフトのアスランやイザークらは、モルゲンレーテ社内のスパイの手引きでID等を入手して同地の工場敷地に潜入し、情報収集や探索活動をおこなった。また、軍港の北側の岸辺山肌にはモルゲンレーテ秘密ドックへの入り口が存在し、アークエンジェルはそこからオノゴロ島へと秘密裏に入港した。

こういった拠点としての重要性から、敵対する勢力によるオーブ侵攻の際は最大の標的となり、C.E.71年6月15日に発動した地球連合軍による「オーブ解放作戦」及びC.E.73年のザフト軍によるオーブ侵攻作戦「オペレーション・フューリー」では主戦場となった。

存在する施設は以下の通り。

国防総省
オーブの防衛を司る省庁で、大きなアンテナ塔がある建物が目印。
モルゲンレーテ本社
オノゴロ島北西に位置する軍港の北半分を占めるオーブの一大半官営企業。その敷地内に、本社ビルのみならず空港やエネルギータンクを併せ持ち、モルゲンレーテ社敷地の裏手・軍港北側から海岸線までの間の広大な森林部の地下に秘密ドック、MS地下試験場、MS工場等を秘密裏に持ち合わせている。

アカツキ島[編集]

主にマルキオ導師の孤児院や、アークエンジェルが隠蔽されていた地下海底ドック、MSアカツキが置かれていた地下施設がある。

カグヤ島[編集]

マスドライバー施設(実際には多段式ロケットの段階加速を行う重力カタパルト)有する宇宙との玄関口となる島で、イズモ級戦艦の艦橋ブロックの格納庫や、簡易ドックなど宇宙との連絡に必要とする設備を備えている。また、ヘリオポリスとの定期運行船の発着口として運営されていた。

C.E.71年の「オーブ解放作戦」において、全てのマスドライバー施設をザフト軍に奪取もしくは破壊されていた地球連合軍は、カグヤのマスドライバーを奪取し、宇宙侵攻の足がかりにする事を目的としていたが、ウズミ・ナラ・アスハによりマスドライバーは自爆し、その機能は喪失した。

その後、C.E.73年のザフト軍による「オーブ侵攻戦」の時点でマスドライバーは修復されており、「メサイア攻防戦」に向けて出撃するアークエンジェルが使用し、宇宙へ向かっている。

宇宙関連施設[編集]

ヘリオポリス[編集]

L3宙域に存在するオーブの資源衛星コロニー。崩壊前はオーブの宇宙における生産拠点であった[15]。プラントの「砂時計」型のコロニーと違い、宇宙世紀にも登場するシリンダー型になっている。キラ・ヤマト達が通う工業カレッジが存在しており、彼らの指導教授のゼミ「カトーゼミ」もそのキャンパス内にある。『機動戦士ガンダムSEED』の物語はここから始まった。

ザフトのスパイが暮らしており、情報収集をしている[16]。『機動戦士ガンダムSEED』第1話でのクルーゼ隊の行動はそこからもたらされた情報によるものであった。地球連合軍の新造戦艦アークエンジェルやG兵器が開発されていたが、ザフト軍に発見され、襲撃を受けた際に崩壊した。

ヘリオポリスは、ギリシャ語で「太陽の都」の意。

SEED ASTRAY』では、G兵器の開発データと盗用した大西洋連邦の技術からアストレイが極秘裏に開発されていた。ケナフ・ルキーニの情報でG兵器の存在を知ったザフト軍は地球連合軍と交戦になり、ヘリオポリスは崩壊した。ゴールドフレームはコロニー崩壊前にロンド・ギナ・サハクによって回収されている。また、ケナフ・ルキーニの情報でザフト軍の攻撃を知ったオーブは、サーペントテールにアストレイの完全消去を依頼する。エリカ・シモンズの情報でやって来たジャンク屋組合は、レッドフレームブルーフレームを発見し、サーペントテールと戦闘になる。しかし、依頼者の裏切りに遭い、サーペントテールは任務を放棄した。その結果、ジャンク屋組合のロウ・ギュールはレッドフレームを、サーペントテールの叢雲劾はブルーフレームを手に入れていた[注 10]

アニメ「機動戦士ガンダムSEED」第1話では駐屯していた地球連合軍の[19]地対地ミサイル搭載トラック ブルドック自走リニア榴弾砲が登場している[19]。また、ムゥ・ラ・フラガ少佐の部下であるルークとゲイル機のメビウスが迎撃に出るも、ジンに撃破されている。


アメノミハシラ[編集]

オーブが所有する宇宙ステーションであり、兵器生産を行う軍事用宇宙ステーションとして機能している。C.E.58年にウズミ・ナラ・アスハが代表首長に就任し、オーブの宇宙開発への更なる発展を目指す国家的事業として建設が開始された。

本来、アメノミハシラとは、地球上から宇宙へ物資を送る軌道エレベーターの事を指しており、最頂部である大規模ファクトリーを内蔵した宇宙ステーションが完成したC.E.70年に地球連合とプラントによる戦争が開始され、軌道エレベーターとしての建造計画はストップを余儀なくされる[15]。オーブは中立国家としての立場を貫くため、軍備の増強は必要不可欠な事項となり、それ以降アメノミハシラは軍事用宇宙ステーションとして使用される事になった[15]

MSの製造は、アメノミハシラの様に無重力空間に存在する特殊ファクトリーでなければ製造不可能な素材も数多く、必然的に兵器生産にアメノミハシラは重要なウェイトを占めていった。それに伴い、オーブ五大氏族の中でも軍事を司るサハク家の管轄に置かれる事になった[15]

その後、地球連合とプラントによる戦争はオーブを否応無く巻き込み、やがて地上から宇宙へその舞台を移すと予測したサハク首長家の後継者ロンド・ミナ・サハクによって直接管理運営が開始した。

C.E.71年6月15日、ウズミ首長らの自爆の後にオーブ本国は地球連合に降伏した。しかし、ミナ率いるアメノミハシラは本国の方針に反旗を翻し、新型宇宙用MS「M1Aアストレイ」の製造等の活動を継続した[20]。これ以降、オーブには事実上、オノゴロ島とアメノミハシラ、二つの政権(アスハのオーブとサハクのオーブ)が同時に存在するようになった。

戦線の宇宙移行に伴うオーブ本国での戦闘により、住む場所を失ったオーブ国民の多くが、サハク首長家を頼りアメノミハシラに移住し、その中に含まれていた技術者達の手でアメノミハシラのファクトリーはより優れた生産能力を有するに至った。その間、長期に渡る戦争で疲弊した地球連合・ザフト両軍は自軍の戦力回復のため、軍需工廠としてのアメノミハシラの生産能力を欲するようになり、幾度も攻撃部隊を派遣するが、その防衛戦力の前に敗退した。中でもユーラシア連邦は、一挙に30機に及ぶストライクダガーを投入し、四方から同時に攻め込ませる事でアメノミハシラの占領を試みたが、ロンド・ミナ・サハク直属の戦闘用コーディネイターソキウス」達の搭乗する少数のM1Aアストレイの前に大敗を喫してしまう[21][注 11]。以後、地球連合軍はアメノミハシラへの戦闘行為を断念している。

DESTINY ASTRAY』では、ロンド・ミナ・サハクの提案によって、自主解体に追い込まれたジェネシスαに代わって、ジャンク屋組合の新たな宇宙での本拠地となった。

FRAME ASTRAYS』では、ここでグリーンフレームブルーフレーム サードの調整が行われた。

VS ASTRAY』では、カーボンヒューマンとして再生されたロンド・ギナ・サハクが来襲し、迎え撃ったロンド・ミナ・サハクが負傷した。その後、ギナとミナの真意を知りたがったフィーニス・ソキウスがアメノミハシラを訪れていた。

アメノミハシラは、古事記日本書紀に登場するイザナギイザナミが立てた「天の御柱」に由来する。

経済[編集]

元は産油国であったが、石油の枯渇後はその資本によって工業国家へと転身した。火山列島の特性を活かした地熱発電を行っており、近代国家のアキレス腱であるエネルギーの自給自足が相当程度可能になっている[23]。これはオーブの経済発展に大きく寄与し、現在のオーブ繁栄の原動力になった。

輸入した資源を加工輸出する傍ら、赤道直下という立地を生かし宇宙港の誘致に成功し[23]、宇宙と地球の交易中継地としてさらなる発展を遂げた[24]。オーブの宇宙空間の領土であるヘリオポリスは、宇宙産業技術を大きく支えている。

国家のコーディネイター受け入れ政策は技術立国化として生き残りを考慮した思惑もあるとされ[7]、モルゲンレーテ社のような国営企業にもコーディネイター技術者が在籍している[注 12]

元々、オーブの国際的存在感は戦前はさほど強くはなかった[25]ものの、プラント・連合の対立が激化する事によって技術立国としての頭角を現していった経緯を持つ[25]。元来、地球連合(プラント理事国)は地球からの食糧供給の代わりにプラントから生産される工業製品を輸入する形で交易を行っていた[23]が、開戦によってその輸入に支障が出始めると、新たな交易パートナーとして、オーブのような地球にコーディネイターを擁する国家にそのシェアが移った[25]。軍事技術の輸出も行っていたため[26][注 13] 、ある種、戦争による恩恵を多分に受けた国家であったオーブであるが、連合の中には軍需産業複合体や国防産業連合理事であるムルタ・アズラエルのように、これを快く思わない派閥も存在したという[25]

尚、国防の観点では中立であるが、コーディネイターを擁する国家でもあるため水面下ではプラントとの交流は継続されていた[28][注 14]

政治体制[編集]

国家元首及び国政の最高責任者は代表首長であり、代表首長は、オーブ五大氏族の族長からのみ選ばれ[29]、選挙によって選出[30]される。その後、国家元首以外の4人の氏族は枢密院に入り、代表をサポートする[30]。五大氏族の顔ぶれは普遍的でなく、家系の途絶等や何らかの有事が発生した折には下級氏族から五大氏族への入れ替え・昇格も発生し、CE71年のオーブ侵攻によって多くの当主が死亡した後、CE73年代で五大氏族の地位にあったセイラン家もそのひとつである[29][注 15]。ただし、元は南海の楽園に過ぎなかったオーブをアスハ一族がその指導の下に経済成長させて来たことから[32]、氏族の中でも同一族の影響力が高く、国家元首を代々務めるに至っている[32]

五大氏族は血縁よりも能力を重視し[30]ロンド・ギナ・サハク姉弟が先代サハク家族長コトー・サハクによって最初からオーブのためのコーディネイターとして育成された[29]。また、カガリ・ユラ・アスハ養子縁組によって家門に入っている。

C.E.73年時、カガリ・ユラ・アスハ政権において、カガリ代表首長及びユウナ・ロマ・セイランの軍人としての階級はAdmiral(海軍大将、提督)であった[注 16]。同時代の大戦ではカガリ・ユラ・アスハの拉致によって同国の代表となったユウナ・ロマ・セイランがその父ウナト・エマ・セイランの意向によって国防軍最高司令官に着任した[33][注 17]

一方、首相に相当する「宰相」という閣僚ポストがあり、劇中はセイラン家のウナト・エマ・セイランがその職にあった[33][注 18]

また、国家元首は代表首長が務める傍らで主権は国民が持っており[32]、国民から一般選挙によって選出される立法機関である議会も存在する[32]。主な政策決定はこの議会が行い[32]、五大氏族と対峙させることで政治システムを成立させている[30][注 19]


オーブ軍[編集]

正式名称は「オーブ国防軍」[2]。本土防衛地上軍[2]、国防宇宙軍[2]海軍、空軍[要出典]、陸軍[35]を有する。

オーブ国防総省が実力行使のため有する部局で、ウズミ政権の中立宣言以降「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」の武装中立政策をオーブの国家理念として標榜している[注 5]

艦艇においては、大型水上戦闘艦艇であるクラオカミ級であるイージス艦と、護衛艦クラオカミ級を所持[37]。さらにイージス艦の艦載機として二人乗りの戦闘ヘリコプターが配備されている[37][注 20]

また、地球連合軍においてMBTとして制定されているリニア・ガンタンク[38]や、同軍で用いられる自走砲である自走リニア榴弾砲を有する[39]

階級名自衛隊のそれに概ね準じているが、将官クラスについては不明瞭である

第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後、制服のデザイン、カラーが新調されている。

戦力[編集]

  • 国防宇宙軍
    • 多目的宇宙戦艦イズモ級
    • ヘリオポリス配備モビルアーマー ミストラル
    • モビルスーツMBF-M1A M1Aアストレイ
    • モビルスーツMVF-M12A オオツキガタ

劇中の動向[編集]

機動戦士ガンダムSEED[編集]

地球連合軍GAT-Xシリーズ5機を製造したオーブの国営企業モルゲンレーテ社があり、大西洋連邦と共同開発したGAT-Xシリーズのノウハウを盗用して造り上げた[40]初の国産MSである「M1アストレイ」を、自国防衛のための戦力として配備した。

ザフト軍にマスドライバーを破壊された地球連合軍から、オーブのカグヤ島のマスドライバー施設やモルゲンレーテ社の技術を接収するために、強制に近い協力要請を受けるが、前代表首長ながら事実上の指導者であるウズミ・ナラ・アスハは中立を貫く立場からこれを拒否し、地球連合軍(大西洋連邦)によるオーブ侵攻が行われた[注 21]

これに対しオーブは、M1アストレイを主力とするオーブ軍に加え、身を寄せていたアークエンジェルフリーダムストライクなどの助力に加え、バスタージャスティスの援護を得て防戦する。

しかし、地球連合軍の後期GAT-Xシリーズであるカラミティフォビドゥンレイダーの3機やストライクダガーによる攻勢を凌ぎきれず、ウズミはオノゴロ島から民間島民の避難と残存戦力の宇宙への脱出の完了後、当地にあるモルゲンレーテ社本社社屋、同社工場施設、マスドライバー施設、そして他の主だった首長、閣僚らもろとも自爆した。

その後、オーブは暫定政府が置かれ[15]、地球連合の監視の元、大西洋連邦の保護下に置かれる事になった[注 22]。さらにその後、ユニウス条約を批准し、国境線回復の条項に従い主権を回復した。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY[編集]

戦後、オーブの主権はユニウス条約により回復し[33]カガリ・ユラ・アスハは代表首長に就任する。前大戦と同じく中立国であろうとするカガリと大西洋連邦寄りに傾いているセイラン家を中心とした勢力と2分されており、過去に地球連合軍に制圧された影響もあって、以前の様な不可侵の立場にいないという状態にある。

地球連合プラント軍の開戦後、オーブは大西洋連邦との間に「世界安全保障条約」を締結し、それとほぼ時を同じくしてカガリとユウナ・ロマ・セイランの婚約・結婚を発表した。しかし、挙式当日、キラ・ヤマトらアークエンジェルのクルーによるカガリの連れ去りによって式は白紙になった[注 23]

その後、セイラン首長家によりオーブ軍の地中海派遣が決定するなど、地球連合軍へ協力する形になるが、ザフト軍が行ったオーブ侵攻戦により政権は事実上崩壊し、軍部などの支持により復帰したカガリ・ユラ・アスハを代表首長とする臨時政府が成立された。

ギルバート・デュランダルによるデスティニープラン宣言時には、その導入実行に対し、オーブは臨時閣議を開きカガリ代表のもと、断固拒否の姿勢を表明する。またそれと同時にオーブは防衛体制を敷いた。

月面アルザッヘル基地レクイエムで壊滅させたザフト軍に対して、アークエンジェル並びにクライン派を正式にオーブ軍第2宇宙艦隊に編入すると共に、同艦隊を直ちに派兵、さらに大西洋連邦軍を初めとした地球連合宇宙艦隊と合流し、「メサイア攻防戦」に参戦した。この戦闘によりメサイアは陥落し、ギルバート・デュランダルは破れ、勝利を収める。

戦後、ラクス・クラインの仲介によりC.E.74年、オーブは停戦合意をプラントから得ることに成功し、終戦協議に入った。その後は代表者であるカガリ・ユラ・アスハが地球連合の中心的指導者となった事から[44]、国際社会での発言力が拡大したと見られる[注 24]

『SEED C.E.73 Δ ASTRAY』では、マーシャン達がオーブに寄航した際にカガリ・ユラ・アスハと会談を行った。また、カガリがキラ・ヤマトよってアークエンジェルに連れ去れた後、ロンド・ミナ・サハクマルキオ導師と会談を行っている。

余談[編集]

  • 劇中には日本の国会議事堂に姿が酷似した「オーブ内閣府」や「オーブ内閣府官邸」といった建物が登場する。
  • 士官の階級制度は日本の自衛隊に準じているが、将官のみ名称が異なり、事実上の将官3階級制を採っている自衛隊に対して、国防軍は完全な2階級制を採用している[注 25]。また、画面では准将の階級章が二種類確認でき、一つはキラの場合で、襟章及び襟端章が黄色で襟縁取りが佐官以下と同じ青のもの、もう一つは襟章が緑、襟端章が赤で襟縁取りが黄色の将官用のものである[45]。なお、英訳はBrigadier Generalではなく、中将や自衛隊の将を意味するLieutenant Generalである。
自衛隊と国防軍の将官階級
地球連合軍(参考) オーブ国防軍 日本国自衛隊
大将 将軍 幕僚長たる将
中将 (該当する階級なし)
少将 (該当する階級なし) 将補
准将 准将 *(該当する階級なし)

*2010年度以降に「准将」を設置予定といわれていたが、未だに設置の目途は立っていない。

  • オーブ海軍のヘルメットは、海上自衛隊と同じいわゆる「テッパチ」である。劇中で艦隊指揮官が艦隊全艦に戦闘を下令する時「合戦ようーい(用意)!」と海自及び大日本帝国海軍と同じ号令を使った。(クレタ沖海戦)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 同時に北海道を除く日本列島は朝鮮半島や中国、台湾、モンゴルといった地域と合併し東アジア共和国が成立した[1]。そのため、コズミックイラにおいては日本という国家は消滅している[2]
  2. ^ 多数の日本人移民を受け入れて来た事などの背景は、『SEED DESTINY』公式サイトの「D-I.Q.」のPHASE_14とPHASE_28などを参照[4][5]
  3. ^ 一例として、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」第14話にて、カガリがキラに宛てた手紙が日本語で書かれている。
  4. ^ 「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」アニメーション第31話においては、連合によるオーブ侵攻の折に支援を行った事がアマギの口頭で明かされている。
  5. ^ a b オーブは国防軍を有するが、CE73年の連合加盟までは災害救助などを除いて、国外に派兵された事はなかったとされる[36]。尚、アニメーション作中においては「SEED DESTINY」第28話においてウズミ・ナラ・アスハによる中立宣言の様子が描かれたのみで、その成立時期は説明されていない。
  6. ^ 『機動戦士ガンダムSEED』第11話でのカガリ・ユラ・アスハのセリフ。
  7. ^ ただし、アニメーション作中や各種資料において中立の法的地位を保障し第三国により独立を侵害された場合武力支援義務のある中立条約締結国、中立保障国を海外に持っているような描写はなされていない。
  8. ^ オノゴロ島をオーブ本島とする資料も存在する。
  9. ^ ハウメアという女神を奉っている文化が劇中頻繁に登場する。国家元首の結婚にもこの様式。アメリカ合衆国ハワイ州伝説に同名の女神Haumeaがいる。ただし現実のソロモン諸島にはハウメア信仰はない。尚、「SEED」放送当時の雑誌記事ではオノゴロ島をハウメア島と呼称していた記述も存在する[14]
  10. ^ この際にオーブの所有するメビウスがイライジャ・キールや叢雲劾へ攻撃を加えた[17]。後にこれらの機体はアストレイの情報を秘匿しようとするサハク家の一部の差し金であった事が判明する[18]
  11. ^ ロンドによる支配後はアメノミハシラはオーブから独立した立ち位置にある[22]
  12. ^ シリーズ第2作『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で主人公シン・アスカはモノローグで、オーブが「高い工業力」を持っていると説明しており、かつそれをコーディネイターの貢献のおかげであるとしている。元在住者も含めたコーディネイター技術者で明示的なキャラクターはエリカ・シモンズやリンナ・セラ・イヤサカが挙げられる。
  13. ^ 国営企業であるモルゲンレーテ社は地球連合加盟国にも国外支社を持っており、初期GAT-X開発計画の際には大西洋連邦との窓口として用いられた[27]
  14. ^ 地球連合のオーブ侵攻(オーブ解放作戦)の際にはオーブの技術とマスドライバーが奪取される事を恐れ、ザフト側からの救援も打診されたが、当時のオーブ政府はこれを断っている[28]
  15. ^ 代表首長は長らくアスハ家が代々務めており、この事実にサハク家のロンド姉弟は反感を持っていた[29]。彼らはCE71年のオーブ解放作戦後はオーブの主導権を握るべくカガリ・ユラ・アスハの暗殺計画を立てるが、失敗に終わっている[31]。その後、姉であるロンド・ミナ・サハクはオーブから独立し、アメノミハシラを拠点として活動している[22]
  16. ^ 設定書「オーブ軍階級章」による。ただし、この設定書はAdmiralと記しているにもかかわらず、その添え書きの説明では「カガリは将軍(=陸/空軍大将General)である」とも書かれており内容が矛盾している。
  17. ^ 『機動戦士ガンダムSEED Destiny』でカガリがユウナ・ロマ・セイランに対し、周囲の将兵に逮捕を命令したが、これが代表首長の権限として定められているかは定かではない
  18. ^ アニメーション劇中においては計12脚の閣僚会議の席が描かれている。
  19. ^ ただし、アスハ家の政策を議会側が妄信している事から、このシステムは形骸化している[30]。『SEED C.E.73 Δ ASTRAY』では、オーブ国民はカガリ達首長家に頼り切っているとマーシャンからは見られている[34]
  20. ^ 連合で採用されているものとは異なるデザイン
  21. ^ これは大西洋連邦とムルタ・アズラエルの意向が大きかったため、同じ連合内でもユーラシア連邦や東アジア共和国は反対を表明していた[41]
  22. ^ 小説版ではウズミの死後、その弟ホムラに地上での国政が任された事が示唆されている[42]。また、CE73年以降は、こうした戦後処理に携わった人員は責任から地位を退いている[43]
  23. ^ 『SEED DESTINY』の小説版第2巻では、カガリ・ユラ・アスハとユウナ・ロマ・セイランの挙式について、一部の軍人達はアークエンジェルが現れた理由などを理解して、連れ去りについては黙認した。
  24. ^ この時既にムルタ・アズラエルやロード・ジブリールといった地球連合の軍産複合体幹部は他界しており、それらの事態に彼らはコミットしていない。
  25. ^ 現実に似たような制度を採っている国にルクセンブルグ大公国があるが、大将相当官である「最高司令官たる将軍(Général-Commandant en chef)」は戦時における大公の名誉階級といった意味合いが強く、平時は准将相当官の「参謀総長たる将軍(Général-chef d'Etat-Major)」が最高位である。

出典[編集]

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  1. ^ a b 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 256頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  2. ^ a b c d ホビージャパン「機動戦士ガンダムSEED DESTINYモデル VOL.2 DESTINY MSV編」(ISBN 4-89425-415-8) 134頁参照
  3. ^ 『機動戦士ガンダム機動戦士ガンダム SEED RGB ILLUSTRATIONS DESTINY』より
  4. ^ 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 公式 PHASE_14
  5. ^ 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 公式 PHASE_28
  6. ^ 「電撃ホビーマガジン」2003年5月号 メディアワークス 64頁
  7. ^ a b 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 231頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  8. ^ a b ホビージャパン「機動戦士ガンダムSEED DESTINYモデル VOL.2 DESTINY MSV編」(ISBN 4-89425-415-8) 205頁参照
  9. ^ a b プラモデルキット「1/60 PG ストライクルージュ+スカイグラスパー」組立説明書参照
  10. ^ a b 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 217頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  11. ^ a b 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED 3 平和の国」角川スニーカー文庫 2003年9月1日初版発行 115頁。(ISBN 4-04-429103-9)
  12. ^ 徳間書店「ロマンアルバム機動戦士ガンダムSEED ストライク編」(ISBN 978-4197202263) P.89
  13. ^ 角川書店「公式ガイドブック2 機動戦士ガンダムSEED-大地の戦士-」(ISBN 978-4048536301)P80-81のオノゴロ島全体地図より。
  14. ^ 電撃ホビーマガジン2003年5号月 60-61頁参照
  15. ^ a b c d e 千葉智宏「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 2」角川スニーカー文庫 2004年7月1日 164-167頁。(ISBN 9784044297039)
  16. ^ 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 218頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  17. ^ 千葉智宏「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 1」角川スニーカー文庫 2003年9月1日初版発行 41-42頁。(ISBN 4-04-429701-0)
  18. ^ 千葉智宏「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 2」角川スニーカー文庫 2004年7月1日 82-83頁。(ISBN 9784044297039)
  19. ^ a b メディアワークス「電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED」(ISBN 4-8402-2817-5) 63頁参照
  20. ^ ホビージャパン『機動戦士ガンダムSEEDモデルVol.3 SEED MSV編』(ISBN 4-89425-336-4) 17頁
  21. ^ 千葉智宏「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 2」角川スニーカー文庫 2004年7月1日 180-182頁。(ISBN 9784044297039)
  22. ^ a b 「1/100 ガンダムアストレイ ゴールドフレーム天」バンダイ 組立説明書参照
  23. ^ a b c 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 228頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  24. ^ 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 1 怒れる瞳」角川スニーカー文庫 2005年2月 294頁。(ISBN 4-04-429108-X)
  25. ^ a b c d 別冊宝島『僕たちの好きなガンダムSEED』(ISBN 978-4796654203) 81頁参照
  26. ^ 講談社『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル メカ編Vol.03』(ISBN 4-06-334770-2) 15頁参照
  27. ^ 「マスターグレード 1/100 GAT-X105 エールストライクガンダム」バンダイ 2003年10月 組立説明書参照
  28. ^ a b 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED 4 舞い降りる剣」角川スニーカー文庫 2003年11月1日初版発行 300-301頁、および380-382頁。(ISBN 4-04-429104-7)
  29. ^ a b c d 『データコレクション機動戦士ガンダムSEED外伝』メディアワークス (ISBN 978-4-8402-3907-3) 70-71頁参照
  30. ^ a b c d e 千葉智宏「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 2」角川スニーカー文庫 2004年7月1日 66-67頁。(ISBN 9784044297039)
  31. ^ 千葉智宏「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 2」角川スニーカー文庫 2004年7月1日 91-101頁。(ISBN 9784044297039)
  32. ^ a b c d e 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED 3 平和の国」角川スニーカー文庫 2003年9月1日初版発行 136-137頁。(ISBN 4-04-429103-9)
  33. ^ a b c 『電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 上巻』メディアワークス (ISBN 978-4-8402-4058-1) 70-71頁参照
  34. ^ ときた洸一「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY」1巻 角川書店 (ISBN 978-4047139015)
  35. ^ 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED 3 平和の国」角川スニーカー文庫 2003年9月1日初版発行 127頁。(ISBN 4-04-429103-9)
  36. ^ 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2 さまよう眸」角川スニーカー文庫 2005年6月 310-311頁。(ISBN 978-4044291099)
  37. ^ a b 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 188-189頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  38. ^ 「機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド」双葉社 2012年11月 183頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  39. ^ アニメ「機動戦士ガンダムSEED」第38話「決意の砲火」参照
  40. ^ プラモデル「1/144ガンダムアストレイレッドフレーム」付属解説書(バンダイ
  41. ^ 『電撃ホビーマガジン』2004年3月号、メディアワークス、86頁
  42. ^ 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED 4 舞い降りる剣」角川スニーカー文庫 2003年11月1日初版発行 404-405頁。(ISBN 4-04-429104-7)
  43. ^ 後藤リウ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 4 示される世界」角川スニーカー文庫 2005年10月 343-344頁。(ISBN 4-04-429111-X)
  44. ^ プラモデルキット「1/144 HG オオワシアカツキガンダム」解説より
  45. ^ SEED DESTINY PHASE-40「黄金の意志」

関連項目[編集]