バスターガンダム

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バスターガンダム(BUSTER GUNDAM)は、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED』に登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の有人式人型ロボット兵器の一つ。「地球連合軍」が開発した5機の試作MSの1機だが、敵対国家である「プラント」の軍隊「ザフト」に強奪され、ザフトパイロットの一人「ディアッカ・エルスマン」の搭乗機となる。連結が可能な2挺の大型砲とミサイルランチャーを装備した遠距離砲撃型の機体。「バスター」は英語で「破壊者」を意味し、更に「ガンダム」にはバクロニムが設定されており「BUSTER General Unilateral Neuro-Link Dispersive Autonomic Maneuver Synthesis System」とも表記される[1]

メカニックデザイン大河原邦男

本項では、関連作品に登場する派生機についても解説する。

機体解説[編集]

諸元
バスターガンダム[2]
BUSTER GUNDAM[2]
型式番号 GAT-X103
分類
  • X100系[3]
  • 重装砲撃用試作MS[4]
全高 18.86m
重量 84.20t
装甲材質 フェイズシフト装甲
動力源 バッテリー[5]
武装
  • 220mm径6連装ミサイルポッド×2
  • 350mmガンランチャー
  • 94mm高エネルギー収束火線ライフル
砲連結時
  • 対装甲散弾砲
  • 超高インパルス長射程狙撃ライフル
搭乗者 ディアッカ・エルスマン

地球連合加盟国の一つ大西洋連邦が、中立国家オーブ連合首長国の公営企業モルゲンレーテ社の技術協力を受け、オーブ管轄の資源宇宙コロニーヘリオポリス」で極秘開発した5機の試作MS(G兵器 / 前期GAT-Xシリーズ)の一機[6]。骨格となるフレームにはストライクデュエルと同じ汎用型のX100系を採用。人体の動きを忠実に再現することを目的に作られ、従来のMSより可動範囲が広い。機体色はダークグリーンとオレンジ、ホワイトベージュを基調としている。額部にはセンサーを保護するガードが装着されている[7]

遠距離からの支援砲撃を目的とし[2]、特性の異なる2挺の大型携行砲を装備する。砲の連射による短時間でのフェイズシフトダウンを避けるため、専用のサブジェネレーターを各砲に別個搭載している[2]。さらに両膝にも予備電源が設置されており[5]、砲の使用による運用時間短縮を抑えている。

発砲時はバックパックの左右に懸架された砲を切り離し、腰部に連結されたサブアームを軸に脇に抱えて保持する。遠距離戦を想定したことからシールド[8]や近接戦用の武装を持たず、僚機の支援を前提に運用される[7]。しかしながら、本機は2挺の砲の連結とその組み換えによって遠近両レンジをカバーしているほか[4]、X100系フレームやバックパックのスラスターによりMSならではの高い機動性を発揮[7]。近距離戦闘においても十分な戦闘能力を持つ事が実戦において証明されている[9]
他の前期GAT-Xシリーズと同様、大気圏内においてはハイジャンプは可能だが飛行能力を持たない。そのため、本機ほか奪取されたデュエル、イージスブリッツは地球での戦闘ではザフト製のサブフライトシステム「グゥル」に乗っての空中戦を主に行った。

本機の量産機としてバスターダガーが存在する[10]

武装[編集]

220mm径6連装ミサイルポッド
両肩に装備されるミサイルポッド。本機の近接戦闘能力の低さをカバーするために搭載され[2]、発射した隙に後方へ退避する戦い方を想定している[11]。メビウスを一撃で撃破し得る威力を持ち[11]、拠点爆撃や対艦攻撃、対ミサイル迎撃にも用いられる[7]。用途に応じて煙幕や放電ガス弾なども装填可能[12]
220mm口径のミサイルは地球連合においては航空機等に多く用いられる規格品であり、短距離用空対空誘導弾赤外線誘導による撃ちっ放し方式を採る[13]
350mmガンランチャー
右腰アームに接続される電磁砲(レールガン)。散弾による複数目標への攻撃など「面」の破壊に特化された武装[2]。通常の質量弾頭の他にも、AP弾(徹甲弾)やHESH弾(粘着榴弾)などの各種特殊弾頭も射出可能[2]
左右の火器と本体とを繋ぐアームは、武器の素早い取り回しに寄与するほか[11]、発砲時の反動の負担を軽減する役割を担っている[14]
94mm高エネルギー収束火線ライフル
左腰アームに接続される大型ビームライフル。他の前期GAT-Xシリーズのライフルに比べ大口径・高出力を誇り、同時期の戦艦の主砲をも上回る火力を持つ[2]
350mmガンランチャーとともに砲を支えるサブアームに接続されるが[7]、取り外して運用する事も可能としている[12]。そのため、腰部の両火器を僚機に貸与する武器庫のような運用も想定している[9]
対装甲散弾砲(連結時)
2挺の砲は前後を組み換えて連結することで双方のサブ出力を直結させ、より威力を高めた砲撃を行える[2]。ただし、この場合は砲身への負荷も大きくなるため、連射が利かないという欠点もある[2]
ガンランチャーを前に、収束火線ライフルを後に連結した広域制圧モードは対装甲散弾砲となり、密集した敵や高速移動する機体に対して効果を発揮する[11]
尚、この形態はSEEDシリーズ開始最初期には『亜光速プロジェクタイル・ガンランチャー』という呼称で記載される媒体も存在した[15]
超高インパルス長射程狙撃ライフル(連結時)
収束火線ライフルを前に、ガンランチャーを後に連結した高威力・精密狙撃モード。遠距離の敵に対して効果を発揮する[11]

劇中での活躍[編集]

オーブの宇宙コロニー「ヘリオポリス」においてザフト軍クルーゼ隊の襲撃時に奪取され、その際乗り込んだ同隊隊員ディアッカの専用機となる。同僚のイザーク・ジュールの専用機デュエルと主に連携して行動。地球連合軍第8機動艦隊との低軌道会戦ではMSとしての機動性と本機の高火力で戦艦を次々と沈める活躍を見せた。しかし、アークエンジェルおよびストライクとはヘリオポリスからの宇宙での追撃戦、地球降下後の北アフリカ砂漠地帯での戦闘(本機とデュエル)、アスラン・ザラを隊長とするザラ隊を結成しての公海上の追撃戦で再三再四戦火を交えるも撃沈には至らなかった。

アークエンジェルのオーブ出発後の戦闘で、ランチャーストライカー装備のスカイグラスパーのアグニの攻撃で片腕を失い、地面に落下した衝撃で内部駆動系が稼動不能となりディアッカと本機は投降(一方この戦闘でストライクはイージスとの戦闘で大破する)。アラスカ基地到着時には降ろされずディアッカとともに艦内に留め置かれた。

ザフト軍のアラスカ基地への大規模降下作戦の際にアークエンジェルは連合軍から離反。再度オーブに寄港し、ここでディアッカは釈放、本機は修復のためモルゲンレーテ本社に搬入される。
しかし、連合軍がマスドライバーを求めてオーブに侵攻し、その際ディアッカが修復後放置されていた本機を持ち出しアークエンジェルに加勢。オーブ脱出時にアークエンジェルに艦載されて宇宙に上がり、そのままなし崩しにアークエンジェル、クサナギ、エターナルから成る三隻同盟の所属となった(この際は左肩と左足首に機体番号「120」が記載されている)。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてクルーゼのプロヴィデンスドラグーンによる一方的な攻撃を受けて中破し行動不能に。その後合流したデュエルに砲を貸す形でレイダーを撃墜した。(ただし、スペシャルエディション3作目では、プロヴィデンスに遭遇する前に単独でレイダーを撃墜する)。
5機の初期G兵器の中でも特に数奇な運命を辿った機体であり、地球連合(製造時) → ザフト(強奪) → 地球連合(ディアッカ投降) → オーブ/モルゲンレーテ社(アークエンジェルの連合離反) → 三隻同盟と番組本編中に登場した全陣営を渡り歩いている。停戦後の本機の処遇は不明である。

なお、ザフトが強奪したガンダム4機の内、本機だけはストライクと一対一の戦闘を行うことはなかった。

『機動戦士ガンダムSEED Re:』では水中戦用の専用装備が登場。巡航形態に変形すると水中用MSであるグーンをベースにした外観になり、MS形態ではヴェルヌ35A/MPFM等の巨大補助兵装を装備しているような外観に変わる。

ヴェルデバスターガンダム[編集]

諸元
ヴェルデバスターガンダム[16]
VERDE BUSTER GUNDAM[16]
型式番号 GAT-X103AP
全高 18.46m
重量 99.36t
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト装甲
動力源 バッテリー(パワーエクステンダー搭載[16]
武装
  • 220mm径6連装ミサイルポッド×2
  • 350mmガンランチャー
  • 94mm高エネルギービーム砲
  • M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフル×2
搭乗者 シャムス・コーザ

地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」が、アクタイオン・インダストリー社を中心とした複数企業の技術協力を受け推進したエースパイロット用カスタマイズMS開発計画、通称「アクタイオン・プロジェクト」に基づき、再建造されたバスターを改修した機体[16]。パイロットは「ファントムペイン」特殊戦MS小隊に所属するシャムス・コーザ中尉。

共に小隊を構成する僚機X105E ストライクノワール、X1022 ブルデュエルの後方支援を主な任務としている[17]。ベース機の主兵装である収束火線ライフルおよび350mmガンランチャーは左右肩部の固定装備とされたため2挺による合体機構は廃止されたが、新武装として腰部サブアームに大型火器「M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフル」を2挺装備することで総合的な火力は向上[18]。さらに、武装追加によって複雑化した火器管制を補うべく最新型のFCSを搭載。センサー類の改修に伴い命中精度は大幅に向上した[19]。また、マニピュレーターはアクチュエーターの改良と可動指の再構築を施したものへ改変されている[20]。その他、ベース機の弱点であった接近戦に対応するため、ビームライフル先端に展開式の銃剣(バヨネット)を装備し、これによりオールラウンドで戦況に対応できるようになった[18]。額部にあったセンサーガードは、接近戦時に両眼のメインセンサー類を保護する必要性から、顔面を覆うサイズのフェイスガードに変更された[19]

機体名の「ヴェルデ」は、イタリア語で「緑」を意味する。

武装(ヴェルデ)[編集]

220mm多目的ミサイル6連装ポッド
ベース機と同様に両肩のアーマーに内蔵される。
350mmガンランチャー
ベース機右腰のガンランチャーを右肩上部に配置変換した装備で、スムースボアバレルを採用し各種弾頭を発射可能としている[18]
94mm高エネルギービーム砲
同じくベース機左腰の収束火線ライフルを左肩上部に移設した装備。
M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフル
火線ライフル、ガンランチャーに替わって新規装備された両腰の大型火器。
本体とはジョイントアームで接続され[16]、左右のライフルを平行に連結することで長射程用の連装キャノンモードとなる[18]。バレル先端には展開式のバヨネットが設置され(実体剣)、ベース機で問題視された接近戦能力の低さをカバーしている[18]。基本的に敵機の接近というイレギュラーに対処するための予備装備であるが、バヨネットには特殊な力場を形成するフォースフィールドジェネレーターが内蔵されており、PS装甲以外のほとんどの通常装甲を貫徹可能。また、フィールドジェネレーターはキャノンモード時のビーム誘導装置も兼ねており、有効射程の延長にも寄与している[19]

劇中での活躍(ヴェルデ)[編集]

本機はブレイク・ザ・ワールド事件発生後、キルギスプラントを襲撃したザフト軍の殲滅任務を受けストライクノワール、ブルデュエルと共に現場に急行、これを鎮圧した。
その後、西ユーラシア地方にてハンニバル級陸上戦艦ボナパルトの防衛任務を務めた(この戦闘でブルデュエルが失われ、ミューディー・ホルクロフト少尉が戦死した)。
その後、DSSD(深宇宙探査開発機構)が開発した宇宙探査用MSスターゲイザーAIユニットを奪取すべく、トロヤステーションへと侵攻した。戦闘ではシビリアンアストレイを多数撃破しステーションを損傷させ、ストライクノワールと並び大きな戦果を挙げた。しかし、シャムスがコーディネイターへの敵意、ミューディーを殺された恨みをむき出しにし、母艦管制の再三の警告も無視して無我夢中で戦闘を続けたことでエネルギーを激しく消耗し、結果PSダウンを起こして機能停止。シビリアンアストレイに多方向から反撃の集中砲火を受けて撃破、シャムスは戦死した。

ヘイルバスターガンダム[編集]

諸元
ヘイルバスターガンダム[12]
HAIL BUSTER GUNDAM[12]
型式番号 LH-GAT-X103
全高 19.04m
重量 84.91t
装甲材質 フェイズシフト装甲[21]
動力源 バッテリー[21]
武装
  • 220mm径6連装ミサイルポッド×2
  • 120mm径3連装対艦バルカン砲×2
  • バスターストライカー
    • 350mmガンランチャー
    • 94mm高エネルギー収束火線ライフル
特殊装備 ミラージュコロイドシステム
搭乗者 フィーニス・ソキウス

ライブラリアン」がバスターを独自改修・再設計した機体。型式番号冒頭の「LH」は「ライブラリアン・ヘイル」の略。「ヘイル」とは英語で「(ひょう)」を意味し、全身から無数の砲弾を降らす様になぞらえて命名された。パイロットはフィーニス・ソキウスが務める[12]

ベース機に比べ、頭部マスク部と胸部に追加された新型の複合センサーにより命中精度が格段に向上している。また、膝部に接地ユニットを追加することで片膝立ち状態での命中精度の向上も図られている。捕捉した敵機の情報はライブラリアンのデータバンクで瞬時に照合され、返信された情報に基づいた最適な攻撃が可能。そして、これらの機能を最大限に発揮するべく、狙撃機としては初めてミラージュコロイドシステムを搭載。自機の気配を絶ちつつ敵の情報を収集し、充分な対策を構築した上で確実に敵を撃破する[12]

ライブラリアンの強化型Gは全機がストライカーシステムに対応しており[注 1]ストライカーパック用背部プラグが追加されているため、機種間での装備の交換、混在が容易な設計となっている。

尚、ヘイルバスターのカラーは黒・赤・グレーの3種類からなっているが、同機体が発表された直後の機体イラストでは機体色が濃青・水色・黄色・グレーの4種類でカラーリングされていた[要出典]

武装(ヘイル)[編集]

220mm径6連装ミサイルポッド
両肩に装備されるミサイルポッド。ベース機となったバスターのものと同じである
120mm径3連装対艦バルカン砲
両肩ミサイルポッドカバー裏に追加された大口径バルカン砲。ランチャーストライカーに装備されていた120mm対艦バルカン砲を3連装に変えたもの[12]。機体の対空防御機能を高めている[12]
バスターストライカー
本機が標準装備する遠距離砲撃型ストライカー。バスターの350mmガンランチャーと94mm高エネルギー収束火線ライフルをストライカーパックとして再設計している。
二種類の砲は好みに応じて左右の入れ替えが可能で、ストライカーから取り外して使用できる[12][注 2]

劇中での活躍(ヘイル)[編集]

当初からロンド・ギナ・サハクミラージュフレームのサポート役として同行し、叢雲劾ブルーフレーム セカンドリバイと交戦する。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アストレイ ミラージュフレームは対応していない。
  2. ^ 尚、プラモデルキットの仕様ではジョイントアームの配置が変更されたために砲が届かず、取り付けた状態では連結ができなくなっている。流用パーツはそのままであるために砲連結用の銃尻部もノーマルと変わらないが、設定において砲のドッキングが可能か不可か定かではない。ただし、公式ムックにおける作例ではドッキングした姿が掲載されており、設定解説ではジョイントアームから砲を取り外し可能としている[22]。しかしながら、ドッキングを不可とした資料も存在する[21]

出典[編集]

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参考文献[編集]

  • 書籍
    • 『機動戦士ガンダムSEED MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年7月1日。ISBN 978-4-7580-1108-2
    • 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年11月25日。ISBN 978-4-7580-1126-6
    • 『機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月。ISBN 978-4-575-46469-6
    • 『機動戦士ガンダムSEED OFIFICIAL FILE メカ編Vol.1』講談社、2003年2月。ISBN 4-06-334678-1
    • 『機動戦士ガンダムSEED OFIFICIAL FILE メカ編Vol.2』講談社、2003年5月29日。ISBN 4-06-334725-7
    • 『データコレクション17 機動戦士ガンダムSEED 上巻』メディアワークス、2004年10月15日。ISBN 4-8402-2817-5
    • 『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER コンプリートガイド』メディアワークス、2006年12月。ISBN 4-8402-3729-8
    • 『機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY vol.1』メディアワークス、2010年5月。ISBN 978-4-04-868579-5
    • 『ガンダムの常識 モビルスーツ大百科 機動戦士ガンダムSEED 連合・オーブ篇』双葉社、2011年11月。ISBN 978-4-575-30366-7
  • 雑誌
    • 『電撃ホビーマガジン 2003年2月号』メディアワークス。
    • 『電撃ホビーマガジン 2004年7月号』メディアワークス。
  • 分冊百科
    • 『ガンダムファクトファイル 123号』ディアゴスティーニ・ジャパン、2007年2月。
  • プラモデルキット
    • 『ハイグレード 1/144 エールストライクガンダム』バンダイ、2002年11月。
    • 『ハイグレード 1/144 バスターガンダム』バンダイ、2003年1月。
    • 『パーフェクトグレード 1/60 ストライクガンダム』バンダイ、2004年11月。
    • 『ハイグレード 1/144 ヴェルデバスターガンダム』バンダイ、2006年8月。
    • 『MG 1/100 ストライクノワールガンダム』バンダイ、2007年3月。
    • 『1/100 ヘイルバスターガンダム』バンダイ、2009年8月。
    • 『マスターグレード 1/100 バスターガンダム』バンダイ、2012年11月。

関連項目[編集]