デスティニープラン

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デスティニープラン(Destiny Plan)は、アニメ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の社会構想。

概要[編集]

プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルにより提唱された社会システム構想[1]。デュランダルは(ロゴスによる操作を除いた)戦争の要因は自身への不当な評価や現状への不満であると考え、より効率的な社会システムの構築を目指していた[1]

デスティニープランの施行下ではナチュラル・コーディネイターを問わず全人類の遺伝子を採集、解析し、各自の適正職業が選択される[1]。そしてその解析結果は各自に伝えられ、最適職種に振り分けられるというものである[1]。このシステムは基本的に強制であり、職業選択において自由意志は存在しない[1][注 1]

デュランダルはこのプランが急速な社会変化をもたらす事から安易に支持を得られるものでないことを踏まえ、プラント内でも他の評議員に知られないように計画を進めていた[1]。そしてブレイク・ザ・ワールド後の戦乱を経て、世界の厭戦気運が高まった段階で実施を公表した[1][注 2]

デスティニープランによる職業の振り分けは遺伝子による能力で判別されるため、縁故や血統による能力以上の地位は得られない[1]。また、遺伝子のみを判断基準とするため、後天的な努力によって職業を得た者などはその職を追われる事となる[1][注 3]

プランの発表においてはプラント・ザフト内でも動揺は広がったが、プランの全貌が把握し辛かった事と、遺伝子調整によって生まれたコーディネイターにとっては有利に働くことから、明確な反対意見は聞かれなかった[1]

スタッフインタビューにおける見解
監督の福田己津央は放映終了後のインタビューにおいて「演出上、誤解を生まないようにデスティニープランは間違っている内容であると描いた」と前置きしたうえで、デュランダルが戦争のない世界を望むのは彼の信念であり、悪と断じるつもりはないとしている[5]。また、デスティニープランをめぐるストーリーにおいて、生命とは生存競争に適応した種によって進化していくものであるが、デュランダルの考えはそれを否定し、絶滅戦争よりも競争をなくす事を選んだとしている[5]
シリーズ構成を務めた両澤千晶は、製作時の世情を見て、「挫折や失敗もなく、効率よく最短ルートで生きる手段」を人々が求めるかのように向かっていると考え、それを実現してしまう存在としてデスティニープランを構想したと語っている[6]
備考
アニメ終了後に発売された『スーパーロボット大戦L』では、異星人や異世界からの侵略者であるセントラルへの防衛手段という独自の解釈がなされており、全ての人の前にレールを敷くと言う概要こそ変わらないものの、主目的として「SEED保有者やゼントラ化に適した遺伝子を持つ人間の発見及び、そうした者たちによる特殊部隊の設立」などが挙げられた。

劇中での動向[編集]

ギルバート・デュランダルによるデスティニープランの発表後、地球連合全体としては事実上の無視を決め込むが、加盟国のうち、真っ先にオーブスカンジナビア王国の二ヶ国のみが明確にこのプランへの反対を表明した。またアルザッヘル基地の地球連合軍も艦隊を出撃させるも、これに対しデュランダルは連合軍より鹵獲したレクイエムをもって艦隊及びアルザッヘル基地を攻撃し、同基地に赴いていたジョゼフ・コープランド大西洋連邦大統領もろとも消滅させた。

その後、アルザッヘル基地に対するレクイエム照射を口実にオーブ・地球連合・クライン派の連合部隊がレクイエムに駐留するザフト艦隊に攻撃を仕掛けたことによりメサイア攻防戦が発生する。連合部隊の攻撃により機動要塞メサイアが陥落し、デュランダルは死亡した。その結果、デスティニープランは推進者を失って計画は頓挫した。

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女』では、フェアネス・ツヴァイクレがデュランダルが見落としてた欠点を改良した新たなデスティニープランを計画・実行しようとしており、ベルナデット・ルルーからの取材に応じて、そのことを公表した。公表後、地球連合の一部が賛同を表明しているだけだが、叢雲劾は今後はプラントにも賛同者は出るだろうと語っている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ オフィシャルファイルマガジン『機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIALFILE』に掲載されたミニコーナーではラクスがデスティニープランについて語る記述があり、この中でラクスは上記の「自由意思の封殺」以外にも「遺伝子レベルでの格差の発生」および「現段階における遺伝子解析技術の不確実性」と言ったその他の問題点もいくつか指摘している[2]
  2. ^ デスティニープランとは、遺伝子を調査すれば職業適性でも何でもわかる、その適正を最優先させれば不満も生じない、そういう社会を作ろうという計画である。上から強制するのでは無くて、人々が自主的に賛同する形で実施するのが、デュランダルの真の狙いであり、彼はそうなるように世界を操ろうとしていた[3]
  3. ^ 小説版においては遺伝子によって才能を見出し、縁故採用なコネクションによって職業を得た人間が失脚するプランを徹底した能力主義としている[4]

出典[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j 『データコレクション機動戦士ガンダムSEED Destiny 下巻』メディアワークス、2007年11月15日、70-71頁。(ISBN 978-4840240871)
  2. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY オフィシャルファイル フェイズ02』講談社、2005年11月、46-47頁。(ISBN 978-4063671612)
  3. ^ アニメディア』2005年11月号、学研プラス、9頁。特殊設定・森田繁の説明による
  4. ^ 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 5 選ばれた未来』角川書店、2006年4月1日初版発行、212-213頁。(ISBN 9784044291129)
  5. ^ a b 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY OFFICIAL FILE メカ04』講談社、2005年11月、30-31頁。(ISBN 978-4-06-367159-9)
  6. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY オフィシャルファイル フェイズ02』講談社、2005年11月、44-45頁。(ISBN 978-4063671612)