ガンダムダブルエックス

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ガンダムダブルエックスは、テレビアニメ機動新世紀ガンダムX』に登場する有人式人型ロボット兵器モビルスーツ」(MS)の内の一機。通称は「DX」。

機体解説[編集]

諸元
ガンダムダブルエックス
Gundam Double X
型式番号 GX-9901-DX
分類 サテライトシステム搭載型MS
所属 新地球連邦軍→フリーデン
生産形態 ワンオフ機
頭頂高 17.0m
重量 7.8t
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
武装 ツインサテライトキャノン×1
ハイパービームソード×2
DX専用バスターライフル×1
ブレストランチャー×2
マシンキャノン×2(文字設定では非記載)
ヘッドバルカン×2
Gビット×12
ディフェンスプレート×1
ロケットランチャーガン×1
G-ハンマー×1
ツインビームソード×1
ビームジャベリン×1
搭乗者 ガロード・ラン
副座にティファ・アディール(原作後半)

新地球連邦軍の力の象徴として開発された新型ガンダムタイプMS。MS単機としては究極的な攻撃力を持つ。機体製造は諜報統括官アイムザット・カートラル主導の下、太平洋上に建設された人工島ゾンダーエプタ島にて行われた[1]

その名の通り、第7次宇宙戦争当時最強のMSと謡われたガンダムX(GX)の強化発展機として開発された。ただし、フラッシュシステム起動に必要なニュータイプ(NT)を確保出来なかった事から、大戦当時宇宙革命軍のNT用MSフェブラルとの戦闘で中破し地球に落下したジャミル・ニートのGXを回収し、システム部分を移植され制作された[2][注 1]。また、完全新規の設計が難しかったことから、メカニックは戦前のものをベースとしている[3][注 2]。政府再建委員会が新連邦樹立前に「新たな時代を象徴する強大なMS」として極秘裏に開発が進められていた一方、その開発に積極的だったのは新連邦(政府再建委員会)の中でもアイムザット一人だけだった[5]。GX同様機体奪取等のトラブルを防止するため、起動には専用のGコントローラーを必要とする。しかし機体開発にGXのデータを使用したことから、専用のGコンだけでなくGX用の物でも起動が可能であり、ガロードによる奪取を許すこととなった[6]

戦前の基本設計をベースにした機体ではあるものの、中身は別物の機体であり、戦後に開発された機体では最強クラスの性能を誇る[3]。また、フラッシュシステムも移植されて搭載しているので、Gビットの指揮・連携能力も維持しており、戦前に開発された各種オプション兵装との連携やリンクも可能[2]。戦前のガンダムタイプ同様支援戦闘機Gファルコンとの合体機構を備えている[7]。 大幅な出力上昇に伴い増加した熱エネルギーを効率的に排熱するために腕部と脚部には放熱用のエネルギーラジエタープレートが新設されており、頭部も放熱効果を高めた形状となっている[2]。MS単機としての戦闘力も大幅に向上しており、脚部各所に機動性向上の為のスラスターが増設され、機動性も高く、白兵戦においても極めて優れた運動性能を発揮する[2][8]

武装[編集]

標準装備[編集]

ツインサテライトキャノン
背面に搭載された連装型大出力砲。GXのサテライトシステムを強化改良した「サテライトシステムMk-II」を搭載しており、リフレクターの大型化による集光率の向上、エネルギー容量の拡大、エネルギーラジエータープレートによる冷却効率の向上によって、GXのサテライトキャノンの数倍以上の威力を持つ上に連射も可能となった[3]。また、エネルギーの大容量化に伴い、砲身は2門に変更されている[3]
GXではマニピュレーターで保持する必要があった砲身は、DXでは肩部に格納されたセンサー内蔵マウントで固定された。この事によって両前腕フリーの状態で発砲可能となっている[3]。両腕・両脚にある装甲カバーを展開し広げるエネルギーラジエータープレートはエネルギーチャージの際に発生するビームに変換し切れないエネルギーを熱と光に変換し強制排出する機構であり、放熱時は激しく吹き出す熱と光によって手足が金色に発光している様に見える[3]
また、この際副次的な効果として排熱によって発生する熱エネルギーが防壁の様な役割を果たし、敵MSの接近を阻止する[9]。更に通常MSにとってははマイクロウェーブ自体が照射範囲にいるだけでも極めて危険な状態となる為。劇中ではこれを利用し、革命軍と新連邦の大軍をマイクロウエーブの照射範囲から退避させる事でフリーデンチームの進路を確保する場面もあった[10]
MSサイズの武装としては規格外の破壊力を持つ大量破壊兵器で、照射されるビームの規模はコロニーレーザーに匹敵する範囲を有する。第34話「月が見えた!」のコロニーレーザー破壊シーンではコロニーレーザーの砲口とほぼ同サイズのビームを放ち、破壊している。作中では一撃でゾンダーエプタ島を消滅させ、超長距離(約38万km)から短時間に3度の高精度砲撃を行うなど、脅威を見せつけている。
ハイパービームソード
GXの大型ビームソードを更に出力強化した接近戦用武装[3]。GXのものより更に巨大なビーム刃と強大な攻撃力を持ち、MSの白兵武装としては当時最強の武装の一つ[2]。2基存在し、左右サイドスカートに各1基ずつ装備する。
ブレストランチャー
胸部インテーク下に2門装備された三砲身ガトリング式大口径機関砲。各種弾頭を使用可能なマルチパーパス仕様となっており[4]、劇中ではバリエントを破壊しており、これのみで通常MSを破壊可能な威力を持つ。
マシンキャノン
肩・胸部に装着された二門のガトリング砲。対コルレル戦にて使用描写が見られるが文字設定では未記載。ヘッドバルカン・ブレストランチャーとの一斉射撃でコルレルを蜂の巣にして撃破した。資料によってはブレストランチャーの一部として扱われている[2]
ヘッドバルカン
頭部に2門装備された小口径機関砲。攻撃武装としては非力だが、ミサイル迎撃や接近戦時の威嚇・牽制、対人戦など幅広い用途を持つ[4]
DX専用バスターライフル
主武装の高出力型ビームライフル。徹底的な軽量化がなされ、取り回しに優れる[3]。また、シンプルな構造で整備性が高く、火力も標準的なビームライフルの数倍の威力を発揮するなど非常に優秀な武装である[2]。ビームの威力は強い反面、容量が少なめとする資料もある[11]
対コルレル戦にてビームナイフをコクピットに突き刺される寸前でガロードがこのライフルを防御に用いて、ライフルの爆発によって生じた隙をついて形勢を逆転させた事もあった。
ディフェンスプレート
ルナ・チタニウム合金製の手持ち・前腕装着両用の実体[3]。軽量なため取り回しにも優れ、正規軍以外の武装では傷一つ付けるのすら困難な強度を持つ[3][4]

オプション武装[編集]

こちらでは1/100プラモデルのボーナスアイテム等、劇中未使用の装備を記述する。これらのうちG-ハンマーとビームジャベリンは第37話で反地球連邦組織基地内の格納庫の床に置かれているのが確認出来る。なお携行オプション装備はリアスカート部に専用のマウントラッチを取り付け携帯する。ゲーム作品では、ロケットランチャーガンとビームジャベリンが『ガンダムメモリーズ 〜戦いの記憶〜』に、G-ハンマーが『SDガンダム カプセルファイターオンライン』に、G-ハンマーとビームジャベリンとロケットランチャーガンが『機動戦士ガンダムEXVSシリーズ』にそれぞれ登場している。

ロケットランチャーガン
大型ロケット弾頭を発射するMS版カンプピストル風の武装。大型弾頭のため、携行弾数は極端に制限されるが破壊力は高い。リアスカート部に専用マウントラッチ(発射機本体も折り畳んで装着可能)を使用して2発の弾頭を携行する[3]。『EXVS2』から格闘CS武装として登場。
G-ハンマー
鉄球ワイヤーを接続した接近戦用打撲武器。ワイヤー式であるため不要時はコンパクトな形態で収納可能。鉄球に内蔵されたスラスターによって、投擲後の軌道コントロールが可能[3]。『EXVSMB』では格闘の特殊格闘派生として初めて採用された。
ツインビームソード
グリップ両端に発生器を内蔵する双頭刃タイプのビームソード。出力も腰部ビームソードを上回る[3]
ビームジャベリン
ビームの刃を持つ長槍。通常のビームサーベル以上のリーチを持ち、敵の間合いの外から攻撃する事が可能[3]。なおG-ハンマー・ツインビームソード・ビームジャベリンは専用のマウントラッチに三種纏めて携帯する[3]。『EXVSシリーズ』ではメイン射撃のチャージ武装、『EXVSMB』からは後ろ格闘として登場する
Gビット
設定のみで原作未使用。GX2号機のシステムを移植しているので本機もGXビットを使用可能[2]。ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』などで登場。月のD.O.M.E.に配備されていた機体を回収したもの。ガロードはニュータイプ能力を有していないので、ティファ・アディールがサブパイロットという形で操作する。
基本的にはビームライフルによる射撃攻撃を行うが、作品によってはサテライトキャノンを一斉掃射する「Gビットサテライトキャノン」の使用も可能。
関連して、『ガンダムビルドファイターズ』第7話ではアバンタイトルに登場したカトウのDX(機体色は金基調)が12機のGXビット(機体色は緑基調)を随伴させていた。

劇中での活躍[編集]

ゾンダーエプタ島で起動テスト後輸送中にバルチャー艦フリーデンのクルーガロード・ランに奪取され、以後彼の専用機としてフリーデンにて運用された。奪取時、専用のGコントロール・ユニット及びGX用Gコントロール・ユニットはアイムザットが管理していたが、GX用Gコンはジャミルとティファに奪回され、それを受け取ったガロードによって起動に成功し機体の固定装備のみで奪取された。専用Gコンはアイムザット搭乗艦と共に消失した可能性が高い。

ガロードはDX奪取時に触れ合ったカトック・アルザミールの「過ちは繰り返すな」という遺言を深く心に刻み、大量破壊兵器たるサテライトキャノンは本当に必要な戦局以外は使おうとせず、劇中では4話6発のみしか撃っていない。そのため、基本はビームソードとライフル射撃主体の対MS戦闘機として運用した。

ガロードが革命軍への亡命者を装って宇宙に向かった際には革命軍への交渉の決め手にもなった。ダリア作戦阻止以降はティファが同乗しており、D.O.M.E.へ向かう際には正式にサブシートを増設している。なお、これはフロスト兄弟との最終決戦時には外されている。

最終話にてガンダムヴァサーゴ・チェストブレイクガンダムアシュタロン・ハーミットクラブのサテライトランチャーとの撃ち合いで大破、宇宙空間に遺棄された。

デザイン[編集]

リフレクターが展開して初めてXの字を形成するGXに対し、DXは通常の状態X字型の意匠を備えている。頬部分に髭のような突起がついており、アンテナと合わせることで『X』の文字を形成する他、折りたたんだリフレクターと2基のサテライトキャノンの砲身でもう一つのXのシルエットを形成する。

また、左右のリフレクターは展開すると横向きのW字になり、左右で合わせることで横向きの『XX』のシルエットとなる。カラーリングは白と黒(ミッドナイトブルー)を基調としており、GX直系の強化後継機ながら相当に意匠の異なる機体となった。

Gファルコンダブルエックス(GファルコンDX)[編集]

諸元
Gファルコンダブルエックス
G-Falcon Double X
型式番号 不明(一部媒体ではGX-9901-DX+GS-9900の記載がある)
所属 フリーデン
頭頂高 17.0m(DX収納時全長:25.6m)
重量 13.9t
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
武装 ツインサテライトキャノン×1
ハイパービームソード×2
DX専用バスターライフル×1
ヘッドバルカン×2
Gビット×12
バルカン砲×2
拡散ビーム砲×2
赤外線ホーミングミサイル×10
ディフェンスプレート×1
搭乗者 ダブルエックス側にガロード・ラン
副座にティファ・アディール
Gファルコン側にパーラ・シス

Gファルコンがガンダムダブルエックスと合体した形態で、ダブルエックスをAパーツとBパーツで挟むようにして収納する。Bパーツ自体はDXのバックパックの接続コネクタに合体する[7]。格納したダブルエックスごと戦闘機のような形態を取った"DX収納状態"は合体前のダブルエックスから大幅に機動性・推力・火力が上昇し、そのままツインサテライトキャノンなどの武装も使用可能となる[7]。戦闘機としては通常では有り得ない程高性能の重武装機となり、MSとしては他を圧倒する高機動性を持ち、非常にトータルバランスに優れた機体となる[7]。また、ガンダムを収納したままでの大気圏突入機能も有している[7][12]

これとは別にガンダムダブルエックスのサテライトシステムを起動した『ガンダムダブルエックス合体時サテライトキャノン発射形態』も存在し、サテライトキャノンのエネルギーを最大出力にする事ができる[7]

武装[編集]

ハイパービームソード
ヘッドバルカン
DX専用バスターライフル
ディフェンスプレート
Gビット
ツインサテライトキャノン
背部に装備された戦略級兵器。設定上は収納形態でも使用可能[7]
エネルギーパック
元々のジーファルコンには装備されていなかったものだが、ダブルエックスとの連動を踏まえ追加された[7]
機動力の強化とツインサテライトキャノン発射のエネルギーを補うために装備される[7][注 3]
2本存在し1/100キットに付属しているがゲーム作品等では装備されていない場合が多い。
バルカン砲
GファルコンAパーツ機首に2門装備した機銃。高速での命中精度には高い評価があり[7]、これだけでMSを数機まとめて破壊する威力も併せ持つ[13]
拡散ビーム砲
Bパーツの左右に1門ずつ装備された大型ビームキャノン砲。その威力は複数の敵を一瞬で消滅させる[7]
赤外線ホーミングミサイル
Bパーツコンテナ部の左右に1基ずつ装備された赤外線誘導の実弾兵器。左右それぞれ10発が装填されている[7]

劇中での活躍[編集]

劇中では爆発する衛星からの退避や、戦場からの高速離脱など機動性を生かした移動手段としての使用のみのため、直接の戦闘はしていない。またプラモの文字設定では増設Eパックを装着していないアニメ本編のGファルコンは不完全な状態である事が伺え、アニメ本編で戦闘が出来なかった理由の補完がなされている。

また現在の所、Eパック周りの設定・描写、存在を無視するようにみえる演出がなされている。特にSD体型で登場の『GGENERATION』シリーズ、『スーパーロボット大戦』シリーズ、『SDガンダム カプセルファイターオンライン』に顕著である。理由は不明である。

名称について[編集]

本形態は公式サイト等に正式名称が記されておらず、またプラモ等の資料の少なさから、呼称か統一されておらず、各種媒体によって呼び方がいくつか存在する。『GGENERATION』シリーズではGファルコンDX、『スーパーロボット大戦』シリーズではガンダムダブルエックス+Gファルコン、他にはガンダムDX(Gファルコン)などの呼び名がある。本記事ではGファルコンダブルエックス(GファルコンDX)としている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ジャミルのGXから抜き出された機体コードが流用されており、月面マイクロウェーブ送信施設からは「認証済み」システムと認識されるため、NT能力者が居なくてもシステムの初回起動ができた。サテライトシステム起動時の表示は、GXの型式番号とジャミル機の機体番号とを合わせて「GX-9900 NT-002」と表示される。
  2. ^ 作中21話にて建造中のフレーム姿を見せている他、22話で中枢制御部を抜き出したジャミルのGXはDXの背後に転がされ、ツインサテライトキャノン発射形態の初登場時に両機はケーブルで繋がれていたので、別個の機体である事が分かる。漫画版では一部の描写が省略されているためジャミル機そのものを改造したかの様な表現になっている。一方で、プラモデルキット「1/100 HG ガンダムダブルエックス」の商品パッケージ解説では「完全な新規製作が行えなかったため、ガンダムXを改修強化した機体[3]」とし、「HGAW 1/144 ガンダムダブルエックス」の組立説明書では「ジャミル・ニート搭乗機を改修した[4]」、「MG 1/100 ガンダムダブルエックス」組立説明書では「ジャミル・ニート搭乗のガンダムエックスのデータを回収して建造したワンオフ機[2]」とする複数の記述が存在する。ガンプラマスターグレードでは四肢のフレーム・外装の過半をGXと共通化している。
  3. ^ 現在のところゲーム作品でEパックを使用してツインサテライトキャノンを発射するという設定を再現した作品は存在しない。ただしツインサテライトキャノンの砲身から通常出力のビームキャノンを発射するゲーム作品として『SDガンダム GGENERATION-F』がある。ゲーム上ではツインサテライトビームと呼称されている

出典[編集]

  1. ^ 『機動新世紀ガンダムX 公式MSカタログ』講談社、1997年6月、85頁、ISBN 978-4061033115
  2. ^ a b c d e f g h i 『1/100 MG ガンダムダブルエックス』バンダイ、2015年3月、組立説明書。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『1/100 HG ガンダムダブルエックス』バンダイ、1996年10月、組立説明書および商品パッケージ。
  4. ^ a b c d 『HGAW 1/144 ガンダムダブルエックス』バンダイ、2013年10月、組立説明書。
  5. ^ 『機動新世紀ガンダムX 公式MSカタログ』講談社、1997年6月、64頁、ISBN 978-4061033115
  6. ^ 『機動新世紀ガンダムX 公式MSカタログ』講談社、1997年6月、76-77頁、ISBN 978-4061033115
  7. ^ a b c d e f g h i j k l 『HG 1/100 ジーファルコンユニットガンダムダブルエックス』バンダイ、1996年11月、組立説明書。
  8. ^ 『機動新世紀ガンダムX 公式MSカタログ』講談社、1997年6月、5-6頁、ISBN 978-4061033115
  9. ^ 第25話「君達は希望の星だ」
  10. ^ 第38話「私はD.O.M.E…かつてニュータイプと呼ばれた者」
  11. ^ 『機動新世紀ガンダムX 公式MSカタログ』講談社、1997年6月、5-6頁、ISBN 978-4061033115
  12. ^ 第34話「月が見えた!」
  13. ^ 第32話「あれはGファルコン!」


関連項目[編集]