江南スタイル

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江南スタイル
PSY(サイ) の シングル
リリース 2012年7月15日
時間 3分39秒
レーベル YGエンターテインメント
チャート最高順位
PSY(サイ) シングル 年表
江南スタイル
2012年
ジェントルマン
2013年

江南スタイル』(カンナムスタイル、: 강남스타일: Gangnam Style)は、PSY(サイ)の6枚目の正規アルバム『6甲』の中のタイトル曲の一つ。

目次

概略 [編集]

PSYはこの曲のプロモーションで『エレンの部屋』『The Today Show』『サタデー・ナイト・ライブ』などの有名番組に出演した[1]。特にエレンの部屋でPSYのプロモーションビデオを絶賛したブリトニー・スピアーズダンスを教え話題となった。「服はおしゃれに、ダンスはちゃちに(Dress Classy Dance Cheesy)にすればいい」と発言し、この言葉はTシャツにプリントされた[2]。 元々、韓国には乗馬をしているイメージの「江南お坊ちゃま」という言葉があり、江南(韓国でも指折りの高所得者層の居住地域)の金持ち、元からある乗馬ダンスをかけて江南に皮肉を込めて乗馬ダンスとなっている[3]。 ミュージックビデオには、キム・ヒョナBIGBANG[4]のV.IとD-LITE[5]ノ・ホンチョルユ・ジェソクが参加した。

ミュージックビデオ [編集]

2012年7月15日にYouTubeに公開されたミュージックビデオケイティ・ペリーマルーン5らによって話題にされ、公開から2ヵ月で再生回数1億回を突破した。2012年9月11日に『中央日報日本語版』は、YouTubeでのプロモーションビデオのアクセス回数で比較すると、レディー・ガガの『ポーカー・フェイス』は約3年で1億3000万回を記録したのに対して、「江南スタイル」は58日で同じアクセス回数を記録したと報道した[6]。その後、「江南スタイル」のビデオは2012年10月8日に4億回以上の再生回数を記録し、アデルの「ローリング・イン・ザ・ディープ」、ブルーノ・マーズの「ザ・レイジー・ソング」などを超えた[7]。さらに2012年10月20日には、5億回以上の再生回数を記録し、レディー・ガガの「バッド・ロマンス」、LMFAOの「パーティ・ロック・アンセム」などを超え[8]、2012年10月31日には、6億回以上の再生回数を記録し、エミネムの「ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ」、ジェニファー・ロペスの「オン・ザ・フロア」などを超えた[9]。そして2012年11月13日には再生回数7億回を突破。そしてついに、長年再生回数1位の座に居座っていたジャスティンビーバーを抑えて、2012年11月24日に8億回を超える再生回数でギネス記録を保持しているジャスティン・ビーバーの「ベイビー」の記録を4ヵ月で塗り替えた。その次のタイトルとして2012年12月21日にYouTube開設以来史上初となる一つの動画においての再生合計回数10億回を超えたのである。さらに勢いは止まることを知らず、現在(2013年4月8日時点)のYouTubeの再生回数は15億回を突破した。ギネスブック2013年版には11億回と記載されているため、短期間でのこれほどの再生回数の伸びはまれである。再生回数14億回を突破したのが2013年3月31日の出来事であるため単純計算をした場合約1か月で再生回数が1億回を記録していることになる。 またギネスに申請中である。しかし、YouTubeでランキングの仕様変更を行った際、一時的に1位から96位ランキング圏外になるという現象が起きた[10][11]。日本では「ワンクリック詐欺」「イカサマ商法」「工作スタイル」などとネットで批判が飛び交ったが、その後再び1位に復帰した[12]

2012年9月17日には、2012MTVヨーロッパ・ミュージック・アワードの最優秀ビデオ賞にノミネートされた[13]。また、YouTubeの「グッド!」クリック数最多記録を達成したとしてギネス世界記録に認定された[14][15]

2012年11月12日には、2012MTV EMAでベスト・ビデオ部門を受賞した [16]

Googleニケシュ・アローラ最高事業責任者は、「江南スタイル」のミュージックビデオがYouTubeの広告収入だけで800万ドル以上だったと語った。YouTubeでは広告収入の半分が収入となるのでPSYは400万ドル以上の利益を得たことになる[17]

撮影場所は、江南地区を流れる漢江の河川敷や、仁川地下鉄1号線国際業務地区駅のホームなどであった。

歌詞 [編集]

1センテンスの英語を除き、通じて韓国語で歌唱される。江南(カンナム)はソウルの高級住宅街で、歌詞ではそこに暮らす富裕層の贅沢な暮らしぶりを題材に、「洗練された振る舞いをするべきとき、ワイルドになるべきとき」を知っている「完璧なガールフレンド」を歌う。PSYによると、実際に江南に暮らす人々は韓国社会での嫉妬を避けるためにその事実を隠そうとする。この歌の歌詞やダンスは、そのことを揶揄するものだとPSYはインタビューに答えている[18]

パロディ [編集]

曲が世界的な注目を集めると、多数のパロディ動画が制作された。 Cody Simpson[19] や Fine Brothers [20] といったミュージシャンのほか、the Tampa Bay Buccaneers Cheerleaders[21] や The Ohio University Marching 110 [22] といったアマチュアによる動画もYouTube上にアップロードされた。2012年8月8日までに「江南」をタイトルに含む動画が1000本近くアップロードされた[23]。また、スウェーデンのプロアカペラグループのザ・リアル・グループが「Reindeer Rodeo」という題でこの曲の替え歌を歌っている[24]。ちなみに、彼らの地元であるストックホルムにちなんで, Stockholm Styleとして歌っている。

このほか各国の様々なイベントでもパロディが披露された。スイスのジュネーヴで、地元ラジオ局が「スイス版カンナムスタイル」を踊るイベントを行って300人程の参加者を集めたほか[25]、エルサレムでも同様のイベントが行われた[26]

コンテンツビジネス業界に与えた影響 [編集]

2000年代からの国内市場の縮小により海外に販路を見出さざるを得なかった韓国音楽業界は、 汎用的なパッケージ(ミュージック、ファッション、ダンス)を対象地域の言語や嗜好に即してカスタマイズした「製品」としてインターネットを宣伝媒体に売り込むという、さながら同国製工業製品と同様の販売戦略により、海外事業展開をはかっていた。日本を含むアジア地域ではこの戦略は功を奏したが、最大の音楽市場である米国ではなかなか成果が挙げられなかった。しかし、本作品が他国語によるパロディー楽曲のそのエキゾチックさ故に米国で受け入れられたことは、 今後のコンテンツビジネスのありかたへのヒントになる、という指摘もある[27]

日本での評価 [編集]

日本ではKARAなどの韓流スターがランキングの上位に入る一方で、PSYの人気は低迷しつづけている[28]

その理由については、PSYが他の韓国スターのように日本語版の楽曲を提供しなかったことや[29]、「PSYが日本市場でセールスをかけなかったこと」「パパイヤ鈴木のように小太りで意外にダンスがうまいキャラがすでに売れており、欧米で受けたPSYのダンスもそれほど目新しく映らなかった」ことなどが指摘されている[30]

また『TIME』誌の短いコラムでは、少女時代などの韓流スターが人気を集めてきた日本で「江南スタイル」のみがヒットしていないのはパラドックスであり、2012年8月に竹島の領有権が日本と韓国との間での外交問題となったことが背景にあるのではないかと指摘している[31]。一方でMSN産経ニュースは、コリア・タウンのある東京新大久保を取材して、PSYが「かっこよくない」ことが不人気の理由で、日韓関係の緊張は関係ないという韓流ファンの声を紹介している[32]

同様に、日本の別所浩郎駐韓国大使が「(PSYは)美男美女が多い従来の韓国スターとは一線を画すスタイルであるため」日本で人気がない旨を発言した、とも報道されている[33]

曲をめぐる論争 [編集]

日本のインターネットでは、YouTubeのアクセス回数が韓国のBotで操作されたとして「江南スタイル」が「F5スタイル」(F5キーはウェブブラウザの再読み込みボタン)等と呼ぶ者もいた[29]AFPの配信記事によると、韓国のNPO「韓流研究所(Korean Wave Research Institute、KWRI)」は、こうした反応が「常軌を逸した」「陰謀論」であり、「五輪マラソンの世界記録を疑うのと同じこと」などと非難し、「小学生による嫉妬と羨望とみなすべきだ」との声明を発表した。これに関連して、日本人がアップロードした動画のうち最多アクセス回数を記録しているメントスコーラにいれて噴出させる動画についても言及し「最もグロテスクでばかげたコンテンツ」と呼び、「日本人の動画の好みを示す、またしても低級な一例」などと非難した[29]。 また、YouTubeがランキングの検索結果表示の仕組みを動画のクリック回数より視聴時間を重視に変更したところ、即座にランキング外となった。加えて、日本の自動車用品店のCMに類似しているのではないかという声もあり、新聞記事で取り上げられたこともある[34]

脚注 [編集]

  1. ^ ““ワールドスター”PSY、米国ビルボード11位入りの快挙”. 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年9月20日). http://japanese.joins.com/article/903/159903.html 2012年9月23日閲覧。 
  2. ^ “PSY「服はおしゃれに、ダンスはちゃちに」、米国でも通じた”. 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年9月21日). http://japanese.joins.com/article/959/159959.html 2012年9月23日閲覧。 
  3. ^ 韓タメ!POP #58”. フジテレビジョン (2012年10月8日). 2012年10月28日閲覧。
  4. ^ 同じ所属事務所YGエンターテインメント所属。
  5. ^ NEWS Big Bang appears on Psy’s “Gangnam Style” MV?将棋を指している2人
  6. ^ “レディー・ガガが3年かかった記録を韓国人歌手PSYが58日で…” (日本語). 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年9月11日). http://japanese.joins.com/article/297/159297.html?servcode=700&sectcode=720 2012年10月28日閲覧。 
  7. ^ “歌手PSYの「江南スタイル」 86日間でユーチューブ再生4億回” (日本語). 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年10月8日). http://japanese.joins.com/article/859/160859.html?servcode=700&sectcode=720 2012年10月28日閲覧。 
  8. ^ “PSY「江南スタイル」、ユーチューブのアクセス数5億回突破” (日本語). 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年10月21日). http://japanese.joins.com/article/662/161662.html?servcode=700&sectcode=720 2012年10月28日閲覧。 
  9. ^ http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=1955233&categoryCode=PU
  10. ^ “ブームがいきなり終焉!? K-POP「江南スタイル」がランク外に消える“珍事”が勃発”. RBB TODAY (イード). (2012年10月16日). http://www.rbbtoday.com/article/2012/10/16/96033.html 2012年10月28日閲覧。 
  11. ^ ソル (2012年10月16日). “YouTubeの仕様変更により『江南スタイル』が1位から圏外へ転落 仕様変更前とランキング比較”. ガジェット通信 (東京産業新聞社). http://getnews.jp/archives/263774 2012年10月28日閲覧。 
  12. ^ 「江南スタイル」にまたまた異変!? 関連動画が一挙に5本ランクイン!”. RBB TODAY (2012年10月18日). 2012年11月6日閲覧。
  13. ^ “PSY、「MTV EMA」ベストビデオ部門にノミネート…韓国歌手で初”. 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年9月18日). http://japanese.joins.com/article/726/159726.html 2012年10月15日閲覧。 
  14. ^ “PSY「江南スタイル」、MVでギネス記録を達成”. 中央日報日本語版 (Joongang Ilbo). (2012年9月23日). http://japanese.joins.com/article/036/160036.html 2012年10月15日閲覧。 ; “Psy: the cult Korean rapper as big as Justin Bieber”. Telegraph (Telegraph). (2012年9月24日). http://www.telegraph.co.uk/culture/music/music-news/9562478/Gangnam-Styles-Psy-the-cult-Korean-rapper-as-big-as-Justin-Bieber.html 2012年11月4日閲覧。 
  15. ^ 2012年10月12日に行われた再生回数より再生時間を重視する動画検索アルゴリズムの変更により、ランキングは圏外になった[要出典]
  16. ^ “PSY「江南スタイル」 MTV EMAで最優秀ビデオ賞”. 朝日新聞. (2012年11月12日). http://www.asahi.com/showbiz/korea/AUT201211120011.html 
  17. ^ “PSY「江南スタイル」、YouTubeの広告収入だけで800万ドル”. ITmedia ニュース (ITmedia). (2013年1月24日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1301/24/news121.html 2013年1月19日閲覧。 
  18. ^ “Interview: PSY on 'Gangnam Style,' posers and that hysterical little boy”. CNN. (2012年8月17日). http://www.cnngo.com/seoul/play/interview-psy-gangnam-style-posers-and-hysterical-little-boy-285626 
  19. ^ Gangnam Style – Cody Simpson, Victoria Duffield and Crew”. YouTube (2012年9月14日). 2012年9月21日閲覧。
  20. ^ Teens react to Gangnam Style”. YouTube (2012年8月19日). 2012年9月24日閲覧。
  21. ^ Tampa Bay Buccaneers Cheerleaders (2012年9月23日). “Captain Fear & Tampa Bay Buccaneers Cheerleaders – Gangnam Style (YouTube)”. 2012年9月28日閲覧。
  22. ^ The Ohio University Marching 110 (2012年9月22日). “Ohio University Marching 110 – Gangnam Style (YouTube)”. 2012年9月28日閲覧。
  23. ^ Allocca, Kevin. “'Gangnam Style' is Your International Hit of the Month”. YouTube Trends. YouTube. 2012年9月28日閲覧。
  24. ^ The Real Group (2012年12月12日). “The Real Group-Reindeer Rodeo (YouTube)”. 2013年1月31日閲覧。
  25. ^ “And here is the "Gangnam Style" sauce Geneva!”. Le Matin (Edipresse). (2012年10月1日). http://www.lematin.ch/culture/musique/Et-voici-le-Gangnam-Style-a-la-sauce-genevoise/story/24371527 2012年10月2日閲覧。 
  26. ^ Friedman, Ron. “'Gangnam Style,' Jerusalem style”. Times of Israel. 2012年10月21日閲覧。
  27. ^ ぐっちーさん「ここだけの話 「江南スタイル」から学ぶ輸出戦略」、『AERA』2012年10月29日号、朝日新聞出版、2012年10月29日、 68頁。
  28. ^ 10月末の時点でのビルボードのランキングによると、同じく韓国のKARA「エレクトリックボーイ」が第2位に入っているのに対して、「江南スタイル」は第38位“Hot Top Airplay”. Billboard Japan. (2012年10月29日). http://www.billboard-japan.com/charts/detail/?a=top_airplay 
  29. ^ a b c KIM JAE-HWAN (2012年10月23日). “日本の「江南スタイル」への無関心、韓国では「怒り」の声”. AFPBB News (AFP). オリジナル2012年10月25日時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2012-1025-2014-51/www.afpbb.com/article/life-culture/life/2908865/9699385?ctm_campaign=txt_topics 2012年10月25日閲覧。 
  30. ^ “小太り韓国人ラッパーPSYのGangnam Style(江南スタイル)再考”. BLOGOS. (2012年10月13日). http://blogos.com/article/48304/ 2012年11月4日閲覧。 
  31. ^ Erica Ho (2012年10月15日). “‘Gangnam Style’: Is Japan Immune to PSY Mania?” (English). TIME (Time Warner). http://newsfeed.time.com/2012/10/15/gangnam-style-is-japan-immune-to-psy-mania/ 2012年10月28日閲覧。 
  32. ^ “世界的ヒットの韓国人歌手PSY 新大久保で不人気のなぜ…(1/2ページ)”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2012年10月24日). オリジナル2012年10月26日時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2012-1026-1533-02/sankei.jp.msn.com/entertainments/news/121025/ent12102506220003-n1.htm 2012年11月5日閲覧。 
  33. ^ “「江南スタイル」PSYが日本で人気ない理由は?駐韓日本大使がコメント―中国報道”. 新華経済. (2013年3月13日). http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/337722/ 2013年3月19日閲覧。 
  34. ^ 「江南スタイル」PSY“パクリ議論”激化 東京スポーツ 2012年10月17日の記事から

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]