マッシュアップ

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マッシュアップ(mashup)とは2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は伴奏トラックを取り出してそれらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法である。バスタードポップ(bastard pop)、ブートレグ(bootleg)とも言う。

目次

[編集] 解説

マッシュアップは、リミックス、アレンジ、メドレーの3種類の手法とはよく間違われるが、相違点として

  • リミックスは、元の音源の一部(ワンループ以上、もしくは一部分の音のみ)を広げて使う。
  • アレンジは、元のメロディーラインなどを流用して、違う音楽ジャンル・楽器を使うため別のもの。
  • メドレーは、元の曲をそのまま、または演奏している状態で、別の曲へカットインでつなげる手法。

が上げられ、冒頭の説明の通り、マッシュアップは別々の楽曲、またはボーカルトラック(あるいはメロディ)と伴奏トラックを合成する手法となっている。

マッシュアップとリミックスは、あくまでも元の曲をそのまま使うことが前提である。マッシュアップという名前がつく前にすでに手法としては存在し、90年代ではホワイト版(ブート音源)として売られていた。発祥元は不明だが、2000年前後から広まっているといわれている。相性がいい組み合わせは、メロディー感の少ないラップと、リズムが安定して展開のわかりやすいテクノや有名なロックなどが好まれる。有名な音源として「Nirvana Vs Destiny's Child」がある。

[編集] 80年代中盤以降

サンプラーの普及、ハウスミュージックの台頭、ヒップホップの多様化、などを時代背景に1980年代中盤以降には、M/A/R/R/S『PUMP UP THE VOLUME』、ERIC B. & RAKIM /『PAID IN FULL』、Bomb The Bass『Beat Dis』などマッシュアップの要素を多分に含んだ作品が数え切れないほど多くリリースされている。

  • 1986年 … P4F『Propaganda For Frankie』。Frankie Goes To Hollywood『Relax』とPropaganda『P.Machinery』をミックスしたもので、当時は衝撃的な作品であった。元ネタが2曲ともZTTレコードの作品というのもコア層の注目を集めた一因。マッシュアップを、元の曲をそのまま使うことを大前提、と定義するなら厳密にはマッシュアップ作品ではないが、その発想や方向性は、アレンジ、リミックス、メドレー、あるいはメガミックスやマスターミックスなどとは一線を画しており、『Relax』と『P.Machinery』がまるで最初からひとつの曲であったかの様な融合ぶりは、まさにマッシュアップの原点にあるひとつの作品と言えるという評価がある。白ジャケではなく、普通にデザインされた12インチ盤としてリリースされた。
  • 1989年 … J.t & The Big Family『Moments In Soul』。『PUMP UP THE VOLUME』以降の作品であり、既にマッシュアップ的な作品も飽和状態にあったため、当時としてはP4Fほどのインパクトは無かったが、数あるSoulIISoulネタの中でもマッシュアップ色の濃い作品。元の曲をそのまま使っているので定義的にもマッシュアップ作品にカテゴライズされる。Art of Noise『Moments In Love』とSoulIISoul『Back To Life』のマッシュアップ。白ジャケではなく、普通にデザインされた12インチ盤としてリリースされた。

[編集] 世界での反応

2002年、ベルギーのユニット、2 many DJsがマッシュアップのみで作ったミックス (as heard on radio soulwax pt.2) が話題になり広まっていった。アメリカでは、ラジオでニルヴァーナvsディスティニーズチャイルドの『スメルズライクスブーティ』(ブート版)がかけられたが、不評だった。

[編集] 日本国内での反応

クラブカルチャーでは前述のように当たり前のようにホワイト版としては存在していたが2003年Electraglideというクラブイベントで2 many DJsとともに急速に名称が広まった。またJ-POPをはじめ日本語で歌われている楽曲だけを用いDJイベントをやる申し訳ないとでもマッシュアップを中心としたミックスが用いられている。

一般的なクラブカルチャーとは別の流れとして1990年代末期、東京・名古屋・京都などのインディーズテクノミュージシャン(サイケアウツSHARPNEL.NETなど)がMOD形式のマッシュアップ楽曲をネット上で公開し人気を集めた。音源にアニメ・ゲーム・特撮などオタク嗜好の強い題材が使われており、これらの音楽スタイルは後にサブカルチャー専門誌クイックジャパン誌上で『ナードコア[1]として取り上げられ、『ソリトン(NHK-BS)』でも特集された。楽曲のほとんどは一般的知名度が低いものの、『スーパーマリオブラザーズ』のメインBGMの一部をマッシュアップしたトンガリキッズの『B-DASH』は全国的知名度を持つ。

[編集] J-POPシーンでの反応

日本においては1981年12月にザ・キングトーンズが大滝詠一プロデュースによるシングル『ラストダンスはヘイジュード』をリリースしている。これはポール・マッカートニードリフターズ(アメリカの黒人コーラスグループ)の代表曲『ラストダンスは私に』を聴きながら『ヘイ・ジュード』を作曲したというエピソードを元に、左チャンネルから『ヘイ・ジュード』、右チャンネルから『ラストダンスを私に』が流れシンクロするという作品である。また山下達郎が自身のアルバム『SONORITE』で実験的に導入したのを皮切りに、音楽専門チャンネル「MTV」で放送されている番組「TOYOTA MASH UP PROJECT」内での企画のもと制作されたHOTEI vs RIP SLYMEの『BATTLE FUNKASTIC』が音源化され、有名となって一躍ブームとなる。雑誌などではこの楽曲が日本初のマッシュアップとされていることが多いが、これは恐らく音源化されたものである程度知名度のあるもの同士の、という意味であって、本来の日本のマッシュアップの起源については諸説ある。 これに続いてHOME MADE 家族 vs 米米CLUB(HOME MADE 家族米米CLUBのコラボレーション)による『アイコトバはア・ブラ・カダ・ブラ』がある。

ちなみに、NIRGILISが05年10月に『マイレボ』というタワーレコード限定発売シングルに収録した『コモンガール』という楽曲(渡辺美里の『My Revolution』とのマッシュアップ)を発表していて、この楽曲が音源化されたものとしては日本初という説もある。NIRGILISはその後アメイジング・グレイスをマッシュアップした『sakura』をリリース。日本で唯一のマッシュアップバンドと呼ばれることもある。

また日本でマッシュアップ音源を聞けるラジオ番組としてはピストン西沢RHYMESTER宇多丸の番組などがある。しかしどちらも、元の音源から歌だけを抜き出して自前のバックトラックに載せている曲もあり、必ずしもマッシュアップオンリーではない。

[編集] ネットにおいて発表された著名な音源

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ ナード向けに特化した、またはその要素を含むハードコアなテクノ
  2. ^ 「日経エンタテイメント2008年7月号」に本人によるブームに対するコメントあり。

[編集] 外部リンク

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