The Fox (曲)

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ザ・フォックス
Ylvisシングル
リリース 2013年9月3日
規格 デジタル・ダウンロード
ジャンル コミックソング[1]エレクトロ・ハウスプログレッシブ・ハウスユーロダンス
時間 3:34
レーベル コンコード・レコーズ
パーロフォン
作詞・作曲 ボード・イルビサーケル、ヴェガード・イルビサーケル、クリスチャン・ロクステル、トル・エリック・ヘルマンセン、ミッケル・S・エリクセン、ニコラス・バウンディ
プロデュース スターゲート
Ylvis シングル 年表
Jan Egeland(2012年) The Fox (What Does the Fox Say?)
(2013年)
Someone Like Me(2013年)
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ザ・フォックスThe Fox)は、ノルウェーのコメディーデュオであるYlvis(イルヴィス)によるエレクトロニック・ダンス・ミュージックバイラルビデオ。いくつかの国では「What Does the Fox Say?」として発売されている。このビデオは2013年9月3日にYouTubeに投稿され、同10月14日の7時16分時点で1億2200万回もの再生回数を記録している[2]。現在、本曲はBillboard Hot 100で6位にランクインしている[3]。ちなみに、ノルウェーの歌手の歌の中でビルボードチャートで最も高い順位にランクインした曲は1985年に1位にランクインしたa-haの「テイク・オン・ミー」である。

本曲はiTunesのシングルとして2013年9月2日に発売され[4]、アメリカのiTunesで9月9日に発売される予定であった[5]。しかし、第三者からの著作権侵害の申し立てがあったことから[6]、実際の発売は一週間後の9月16日となった[7]。iTunesストアの翌週のチャートで9位にランクインした[8]。現在のところ、この曲を収録したアルバムが発売される予定はない[5]

制作の背景[編集]

本作はもともと自身が出演するノルウェーのテレビ局TVノルゲのトークショー「I kveld med YLVIS」(今夜もイルヴィスと)の新シーズン宣伝のために制作されたもので、イルヴィスのメンバーであるヴェガード・イルビサーケル、ボード・イルビサーケル兄弟によって制作された。

ノルウェーの新聞「アフテンポステン」のインタビューの中で兄弟が述べたところによると、キツネの曲のアイデアはもともと2012年に一度思いついたが棚上げになっていたところ、2013年になってボードと作詞家のクリスチャン・ロクステルがこのアイデアを再度取り上げたという。ヴェガードは当初キツネの曲を作ることに懐疑的であったが、しばらくして同意した[9]

イルヴィスはアメリカで行われたビルボードのインタビューの中で、本作の制作過程について述べている。「僕たちがやったことはただぶらぶらし、雑談してその中からアイデアを見つけ、ちょっとしたメモを取ることだった。その中でキツネはなんて鳴くんだろうって話が出たんだと思う。そしてその頃、ニューヨークにあるプロダクション会社のスターゲートと一緒に仕事をする機会があったんだ。実は彼らに親切にした代わりに、彼らに新シーズンの曲をプロデュースしてくれないか頼んでみたんだよ」[5]

ミュージック・ビデオ[編集]

本作は2013年9月3日に発表され、全編で3分45秒の長さがある。本作は典型的なエレクトロニック・ダンス・ミュージックのスタイルで演じられ、歌詞は「さも真面目そうに」歌われていく[10]

ミュージックビデオはボードがパーティーに参加しているシーンから始まる。参加者がそれぞれ違う動物に仮装しており、彼は「幼い子供向けの本から取ってきたような」動物の鳴き声(犬はワン、猫はニャー、など)を披露する[11]。そして「キツネはなんて鳴くんだ?」(what does the fox say?)と叫ぶとともに場面は替わり、森の中でボーグがフェイスペイントにもじゃもじゃした尻尾の付いたキツネの着ぐるみという格好をして踊る映像に切り替わる。そして兄も同様のシーンを演じる。コーラスの中では、キツネの鳴き声について「ゲリン・ディン・ディン・ディン・ディンガリンゲディン!」や「フラカ・カカ・カカ・カカ・カウ!」といったいくつかのあり得ない可能性が示される[12][13]

さらにバックダンサーに囲まれながら、老人が歌詞を子供に読んでいるシーンが見られる。そして歌詞はキツネについて語り、称賛する内容に変わる。そしてさらに、キツネと馬がモールス信号で交信できるかどうかに話は移っていく(「モールス」と「馬」(ホース)をかけている)。そして最後に二人は宙に舞いあがり、立ち上がったCGアニメのキツネがスキャットを唄い、そして二人が静かに森を去っていくシーンで映像は締めくくられる。

製作[編集]

本作は前述のとおり、ノルウェーのテレビ局であるTVノルゲで放送されているトークショー「I kveld med YLVIS」の新シーズン宣伝のために制作されたものであったが、TVノルゲの公式Youtubeチャンネルにアップロードされたことで爆発的に広まっていった。ミュージックビデオの監督はオレ・マルティン・ハフスモ(Ole Martin Hafsmo)で、マグヌス・フロート(Magnus Flåto)が撮影を担当した。振り付けはセア・ベイ(Thea Bay)が担当した。

曲の制作はスターゲイトとオーストラリアのプロデューサーであるM4SONICが行った[12]。本作で登場する森のシーンはオスロの中心部から22キロほど離れたニッテダルで撮影された[14]

分析[編集]

アメリカのニュージャージー州で発行されている新聞「ザ・スター・レッジャー」のトリス・マッコールは本作について「現代のクラブミュージックの乱暴さやばからしさを風刺した作品」とし、兄弟は「典型的なうぬぼれたシンセサイザー・ポップ」にのって「動物の声に関する馬鹿馬鹿しい歌詞をかわるがわる歌って」おり、キツネの声は最近のダブステップで使われるカーアラーム・シンセザイザーをわざとまねたものである。」と評している。彼はこれをイルヴィスが楽曲「サムワン・ライク・ミー」(Someone Like Me)で曲の中にダブステップを混ぜ込んで遊んでいるのと比較した[11]

イルヴィス自身は本作について、この曲は「キツネはなんと鳴くんだろうかという、知らないものに対する純粋な疑問」から生まれたものであるとしている[15]。いくらかの評論家は本作とファーリー・ファンダムが関係あるのではないかという評価をしたが[16]、二人は曲を作った時にはファーリー・ファンダムの存在を知らなかったという[17]

受容と反応[編集]

本曲は9月12日にアメリカのBillboard Hot 100で初登場29位につけ、ストリーミング曲のチャートでは3位を記録し[18]、10月19日のストリーミング曲のチャートでは1位を記録した[19]。本曲のネット上での成功と突発性はPSYの江南スタイルと比較された[20][21]

もともとノルウェー向けに制作された楽曲であったため[5]、本曲が世界的にヒットしたことをイルヴィスは驚いた。ボードはこのことについて「驚いている」と語り、「いくらかのノルウェー人が3分間楽しむだけのものと思っていた」と語った[12]。ヴェガードも「とても衝撃を受けている」と語っている[17]

曲のヒットに伴い、イルヴィスはワーナー・ミュージック・グループと契約した。そして彼らのアメリカでの最初のライブが9月20日にラスベガスで開かれた「アイハートレディオ・ミュージック・フェスティバル」(iHeartRadio Music Festival)の中で行われた[15]。また、10月9日には「エレンの部屋[22]、「レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン」に出演を果たした[15]

他のいわゆるバイラル・ソングと同じように、本曲はインターネット上のミームとなり、多くの人々に広くカバーされたり、脚色されたりした。なかでも著名なものには、過去に「江南スタイル」やLMFAOの「パーティー・ロック・アンセム」をカバーしたオハイオ大学のマーチングバンド「The Ohio University Marching 110」によるもの[23]や、アメリカの歌手タイラー・ワードによるギターでのカバー[24]、ゲーム「League of Legends」を題材にしたパロディ動画「What Does Teemo Say?」[25]、俳優たちが歌を唄うフォックス放送のビデオクリップ広告[26]アノーイング・オレンジによるパロディ動画「The Sock」[27]、さらには日本でも、インターネットコメディアン、Megwinによるパロディ動画「キツネの鳴き方知ってるよね」[28]などが挙げられる。

また、このビデオはアメリカの映像作家ファイン・ブラザーズも、とあるYoutubeの映像に対する各年代の反応を調べる人気番組「Elders React」「Teens React」のなかで取り上げている[29][30]

各国でのチャート順位[編集]

チャート(2013年) 最高順位
オーストラリア (ARIA)[31] 19
オーストリア (Ö3オーストリアトップ75)[32] 48
ベルギー (ウルトラトップ フランドル)[33] 62
カナダ (Canadian Hot 100)[34] 23
デンマーク (トラックリステン)[35] 14
フィンランド (スオメン・ヴィラリネン・リスタ)[36] 2
ドイツ (メーディア・コントロールAG)[37] 2
アイルランド (IRMA)[38] 24
ニュージーランド (RIANZ)[39] 4
ノルウェー (ヴェーゲー・リスタ)[40] 1
スコットランド (オフィシャル・チャート・カンパニー)[41] 15
スウェーデン (スヴァリイェトプリストン)[42] 4
スイス (シュヴァイツァー・ヒットパラーデ)[43] 59
全英シングル (オフィシャル・チャート・カンパニー)[44] 24
全米 Billboard Hot 100[45] 6

脚注[編集]

  1. ^ Trust, Gary (2013年9月27日). “Chart Moves: Ylvis' 'The Fox' Scampers Up Hot 100, Pearl Jam Ties Alt Rock Record, Luke Bryan Stays Atop Hot Country Songs,”. Billboard. 2013年10月6日閲覧。
  2. ^ Ylvis. “Ylvis – The Fox [Official music video HD]”. YouTube. 2013年10月15日閲覧。
  3. ^ Gary Trust (2013年10月9日). “Lorde's 'Royals' Remains Atop Hot 100”. Billboard. http://www.billboard.com/articles/news/5748210/lordes-royals-remains-atop-hot-100 2013年10月9日閲覧。 
  4. ^ The Fox – Single”. iTunes. Apple. 2013年9月10日閲覧。
  5. ^ a b c d Nagy, Evie (2013年9月7日). “Ylvis Q&A: What 'The Fox' (Viral Stars) Say About Their Surprise Hit”. Billboard. 2013年9月7日閲覧。
  6. ^ September 12, 2013 (2013年9月12日). “Hit music video pulled off iTunes”. Newsinenglish.no. 2013年9月17日閲覧。
  7. ^ Zahn, James (2013年9月16日). “YLVIS – The Fox FINALLY comes to iTunes in the U.S... and goes Metal!”. The Rock Father. 2013年9月20日閲覧。
  8. ^ iTunes Store Top 10 Songs”. 2013年9月25日閲覧。
  9. ^ Ripegutu, Halvor (2013年9月18日). “Ville ikke lage "The Fox"”. Aftenposten. 2013年9月27日閲覧。
  10. ^ Mansfield, Brian. “Your next viral video: Ylvis' 'The Fox'”. USA Today. 2013年9月10日閲覧。
  11. ^ a b McCall, Tris (2013年9月23日). “Song of the Week: 'The Fox,' Ylvis”. Entertainment. The Star-Ledger. 2013年9月28日閲覧。
  12. ^ a b c Suebsaeng, Asawin (2013年9月5日). “The Guy Behind "The Fox"—The Summer's Funniest Music Video—Talks About Going Viral”. Mother Jones. 2013年9月5日閲覧。
  13. ^ Hachman, Mark (2013年9月5日). “Must-see viral video of the moment: Ylvis 'The Fox'”. PC World. 2013年9月5日閲覧。
  14. ^ Høidalen, Sigbjørn. “Ylvis-videoen er fra Nittedal”. Varingen. 2013年9月28日閲覧。
  15. ^ a b c Zemler, Emily (2013年9月21日). “Ylvis, of Viral Sensation 'The Fox,' Lands Major Label Deal Ahead of U.S. Live Debut”. The Hollywood Reporter. 2013年9月28日閲覧。
  16. ^ Jones, Van. “If anyone missed joke, viral video "What Does The Fox Say?" is sly tribute to sex habits of "furries." (Thus correct answer: "yiff.") #Geeks”. Twitter. 2013年9月10日閲覧。
  17. ^ Gruger, William. “Ylvis' Viral Hit 'The Fox' Debuts On Hot 100”. Articles/News. Billboard. 2013年9月16日閲覧。
  18. ^ Trust, Gary (2013年10月9日). “Lorde's 'Royals' Remains Atop Hot 100”. Articles/News. Billboard. 2013年10月9日閲覧。
  19. ^ Scott Monty (2013年9月11日). “Me-too won't do: why viral marketing must be real | Technology”. theguardian.com. 2013年9月17日閲覧。
  20. ^ Ornos, Riza. “The Fox: “What Did The Fox Say?” Hits 31 Million Views And Still Counting (With Video)”. International Business Times. http://au.ibtimes.com/articles/506891/20130918/fox-what-youtube-next-gangnam-style-billboard.htm#.Uj2kFhDB-mw 2013年9月21日閲覧。 
  21. ^ TheEllenShow (2013年9月20日). “'The Fox' Is Here!”. YouTube. 2013年9月28日閲覧。
  22. ^ Ohio University Marching Band (2013年9月14日). “Ohio University Marching 110 – The Fox – Ylvis”. YouTube. 2013年9月28日閲覧。
  23. ^ Ward, Tyler (2013年9月8日). “The Fox – Ylvis (Tyler Ward Acoustic Cover) – Official Music Video & Challenge”. YouTube. 2013年9月28日閲覧。
  24. ^ Instalok – What Does Teemo Say? (Ylvis – The Fox PARODY)”. YouTube (2013年9月10日). 2013年9月28日閲覧。
  25. ^ Fox Broadcasting Company (2013年9月17日). “What The FOX Say? - Ylvis Cover – FOX BROADCASTING”. YouTube. 2013年9月28日閲覧。
  26. ^ Annoying Orange (2013年9月20日). “Annoying Orange – The Sock (The Fox By Ylvis Parody)”. YouTube. 2013年9月28日閲覧。
  27. ^ 【動物の霊に憑かれて発狂】キツネの鳴き方知ってるよね”. MEGWINTV (2013年10月27日). 2013年11月10日閲覧。
  28. ^ Fine Brothers (2013年9月19日). “ELDERS REACT TO YLVIS – THE FOX”. Elders React. YouTube. 2013年9月22日閲覧。
  29. ^ Teens React to Ylvis – The Fox”. YouTube (2013年9月29日). 2013年9月30日閲覧。
  30. ^ "Australian-charts.com – Ylvis – The Fox". ARIA Top 50 Singles. Hung Medien. 30 September 2013閲覧。
  31. ^ "Ylvis – The Fox Austriancharts.at" (in German). Ö3 Austria Top 40. Hung Medien.
  32. ^ "Ultratop.be – Ylvis – The Fox" (in Dutch). Ultratip. ULTRATOP & Hung Medien / hitparade.ch.
  33. ^ ERROR: Billboard chart was invoked without providing an artist id. Artist id is a mandatory field for this call."Ylvis Album & Song Chart History" Canadian Hot 100 for Ylvis. Prometheus Global Media.
  34. ^ "Danishcharts.com – Ylvis – The Fox". Tracklisten. Hung Medien.
  35. ^ "Finnishcharts.com – Ylvis – The Fox". Suomen virallinen lista. Hung Medien. 7 October 2013閲覧。
  36. ^ "Die ganze Musik im Internet: Charts, News, Neuerscheinungen, Tickets, Genres, Genresuche, Genrelexikon, Künstler-Suche, Musik-Suche, Track-Suche, Ticket-Suche - musicline.de" (in German). Media Control Charts. PhonoNet GmbH.
  37. ^ "Chart Track". Irish Singles Chart. GfK.
  38. ^ "Charts.org.nz – Ylvis – The Fox". Top 40 Singles. Hung Medien.
  39. ^ "Norwegiancharts.com – Ylvis – The Fox". VG-lista. Hung Medien.
  40. ^ "Archive Chart". Scottish Singles Top 40. The Official Charts Company.
  41. ^ "Swedishcharts.com – Ylvis – The Fox". Singles Top 60. Hung Medien.
  42. ^ "Ylvis – The Fox swisscharts.com". Swiss Singles Chart. Hung Medien.
  43. ^ "Archive Chart" UK Singles Chart. The Official Charts Company.
  44. ^ ERROR: Billboard chart was invoked without providing an artist id. Artist id is a mandatory field for this call."Ylvis Album & Song Chart History" Billboard Hot 100 for Ylvis. Prometheus Global Media.

外部リンク[編集]