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摂津市

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せっつし ウィキデータを編集
摂津市
摂津市旗 摂津市章
摂津市旗 摂津市章
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 大阪府
市町村コード 27224-8
法人番号 8000020272248 ウィキデータを編集
面積 14.87km2
総人口 87,070[編集]
推計人口、2024年5月1日)
人口密度 5,855人/km2
隣接自治体 大阪市吹田市茨木市高槻市寝屋川市守口市
市の木 クスノキ
市の花 ツツジ
摂津市役所
市長 森山一正
所在地 566-8555
大阪府摂津市三島一丁目1番1号[1]
北緯34度46分38秒 東経135度33分43秒 / 北緯34.77728度 東経135.56183度 / 34.77728; 135.56183座標: 北緯34度46分38秒 東経135度33分43秒 / 北緯34.77728度 東経135.56183度 / 34.77728; 135.56183
摂津市役所
地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

摂津市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト

摂津市(せっつし)は、大阪府北摂三島地域に位置する。1966年(昭和41年)市制施行。

本項では市制前の名称である三島町(みしまちょう)についても述べる。

大阪市の北東端に隣接し、大阪都心から10km圏内にある。東海道新幹線鳥飼車両基地、吹田操車場跡地、阪急電鉄正雀工場がある。

地理

大阪府の中北部、淀川右岸に位置する。市域はくさび形ないしレ点に似た形で、面積14.87km2と狭い市である[注 1]。市の北端を阪急京都線東海道本線JR京都線)が東西に通り、市の中央を大阪モノレール線が南北に通る。

川は、市の南端を淀川が北東から西へ流れ、南西端の大阪市東淀川区との境で淀川から神崎川が分流されている。また、市の中央を東西に安威川が流れ、北の千里丘陵から流れてきた、大正川山田川正雀川が合流する。

安威川
  • 河川:淀川神崎川安威川山田川正雀川大正川境川
  • 番田井路:摂津市内で安威川と平行して流れる用水路。元々はこちらの番田井路が安威川の本流であって、現在の安威川の流れの方が支流だった。元々の本流であった番田井路には、神崎川からの逆流を防止する番田堰が現在も設置されている。
  • 主な橋(いずれも淀川にかかる):鳥飼大橋(守口市と接続)、鳥飼仁和寺大橋有料道路(寝屋川市と接続)
  • 全体的に淀川や安威川の堆積物でできた沖積平野が広がっている平坦な市で、山や丘陵といったものは存在しない。千里丘地区も実際には千里丘陵上ではなく、そのふもとに位置する。
  • 大阪市東淀川区南江口3丁目の区域中に飛び地大字別府)が存在する(大阪広域環境施設組合東淀工場の南東に位置)。
  • 電話市外局番は大半の地域が大阪市と同じ06(大阪MA)だが、鳥飼各町、新在家2丁目の一部、鶴野、学園町、桜町、昭和園、香露園、千里丘東1〜3丁目は072(茨木MA)である。

隣接している自治体・行政区

摂津市中心部周辺の空中写真。1985年撮影の12枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

歴史

年表

自治体名について

当初合併時の町名「三島」は所属する三島郡から採ったと考えられる[2]。新町名を「三島」とする案は1955年の合併構想の際に初めて現れるが、決定の経緯は記録に残っておらず不明である[2]

「摂津」は旧国名摂津国」から採ったものである[3]。市制施行にあたってそのままの名称では静岡県三島市と同名になることから、事前に新市名の選定が行われた[4]。選定は町内外からの公募の上、市名審議会を通して町長に答申し、町議会で決定するという手順が採られた[5]。21名の委員で構成された市名審議会では、1233通の応募による254案が投票により14案、次いで3案に絞り込まれた[6]。残った「摂津市」「三島野市」「北大阪市」で最終投票が行われ、結果「三島野市」が町長に答申された[7]。「三島野」は古くからの郡名である「三島」に「野」を附したものである[7]。公募では同案が20通で第12位であったが、「三島」やその同音異字を含む案は252通と、単独1位の千里丘市の144通を上回る数があった[7]。しかし、千里丘駅周辺の住民や町内企業を中心に反対の声が挙がり、千里丘陵で行われる日本万国博覧会を念頭に「千里丘市」を主張する声も根強かった[8]。三島野市に反対する請願を受けた町議会では協議の末、新市名を最終投票で次点であった「北大阪市」とし、支障がある場合は「摂津市」とすると決めた[9]。一方で、大阪府筋からは北大阪地域での合併の可能性から「北大阪市」に対して消極的な示唆があり、最終的に町長が「摂津市」を町議会に提案して了承された[10]

同じく旧国名を自治体名として採った大阪府の自治体としては、和泉国府が置かれたとされる泉北郡和泉町1933年合併、現:和泉市)や、河内市1955年合併、現:東大阪市)がある。

行政区域の変遷

行政

市長

三島町時代の町長を含む。

歴代 氏名 就任年月日 退任年月日 備考
三島町長1 深田丈夫 1956年昭和31年)10月12日 1960年(昭和35年)10月11日 合併前に味舌町長を務めた。合併後最初の町長選挙に当選以後、三島町時代の全期を通じて町長を務めた。
三島町長2 1960年(昭和35年)10月12日 1964年(昭和39年)10月11日
三島町長3 1964年(昭和39年)10月12日 1966年(昭和39年)10月31日
1 深田丈夫 1966年(昭和41年)11月1日 1968年(昭和43年)10月11日 市制施行にともない市長に就任し、町長時代からの残りの任期を務めた。
2 井上一成 1968年(昭和43年)10月12日 1972年(昭和47年)10月11日 鳥飼村(現・鳥飼野々)出身。最年少市長(当時)36歳で就任。
3 1972年(昭和47年)10月12日 1976年(昭和51年)10月11日
4 井上信也 1976年(昭和51年)10月12日 1980年(昭和55年)10月11日 井上一成の弟。無投票で就任。前職は日本社会党大阪府議会議員。
5 1980年(昭和55年)10月12日 1984年(昭和59年)10月11日
6 1984年(昭和59年)10月12日 1988年(昭和63年)10月11日
7 森川薫 1988年(昭和63年)10月12日 1992年平成4年)10月11日 森川鑿泉工業所の代表取締役。水道に関する技術士資格を持つ。
8 1992年(平成4年)10月12日 1996年(平成8年)10月11日 1995年阪神・淡路大震災に遭遇、陣頭指揮。
9 1996年(平成8年)10月12日 2000年(平成12年)10月11日
10 2000年(平成12年)10月12日 2004年(平成16年)10月11日
11 森山一正 2004年(平成16年)10月12日 2008年(平成20年)10月11日
12 2008年(平成20年)10月12日 2012年(平成24年)10月11日
13 2012年(平成24年)10月12日 2016年(平成28年)10月11日 自由民主党民進党公明党推薦。
14 2016年(平成28年)10月12日 2020年(令和2年)10月11日
15 2020年(令和2年)10月12日 現職

なお、衆議院小選挙区は隣接する吹田市とともに大阪府第7区を構成する。

市議会

定数は19人。2023年7月14日時点での会派構成は以下の通り。

会派名 議席数 所属党派
大阪維新の会 4 大阪維新の会
公明党 5 公明党
自民党・市民の会 3 自由民主党無所属
日本共産党 4 日本共産党
民主市民連合 2 立憲民主党・無所属
無所属 1

経済

東海道新幹線鳥飼車両基地

産業

金融機関

  • りそな銀行
    • 千里丘支店(千里丘東2-10-1)
  • 京都銀行
    • 摂津支店(南千里丘5-25-101)
  • 関西みらい銀行
    • 千里丘駅前支店(千里丘1-8-8、旧近畿大阪)
    • 正雀支店(正雀本町1-1-35、旧近畿大阪)
    • 鳥飼支店(鳥飼西2-37-4、旧関西アーバン)
  • 池田泉州銀行
    • 摂津支店(東一津屋13-3)
    • 千里丘支店(千里丘2-15-10)
  • 北おおさか信用金庫
    • 千里丘支店(千里丘1-7-12)
    • 正雀支店(正雀本町1-33-12)
    • 鳥飼支店(鳥飼八防1-8-7)
  • 尼崎信用金庫
    • 摂津支店(千里丘5-6-26)
  • JA北大阪
    • 南支店(三島3-4-5)
    • 東支店(鳥飼西2-10-10)

指定金融機関りそなグループ(りそな・関西みらい)2行による輪番制。

日本郵政グループ

日本郵便

  • 摂津郵便局 - 集配局(東正雀) ★
  • 摂津正雀郵便局(正雀) ★
  • 摂津市場(いちば)郵便局(千里丘)
  • 摂津千里丘郵便局(千里丘) ★
  • 摂津千里丘東郵便局(千里丘東)
  • 摂津鳥飼郵便局(鳥飼中)
  • 摂津八防(はちぼう)郵便局(鳥飼野々=とりかいのの)
  • 摂津香露園郵便局(香露園)
  • 摂津別府(べふ)郵便局(東別府)

ゆうちょ銀行

  • 大阪支店 アトリウム南摂津内出張所(東一津屋=ひがしひとつや)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
その他各郵便局にATMが設置されており、★印の郵便局ではホリデーサービスを実施(2011年5月現在)。

※摂津市内の郵便番号は「566-00xx」(摂津郵便局が集配を担当)となっている。

姉妹都市・提携都市

国内

  • 全国伝統地名(旧国名)市町村連絡会議

海外

国際機関

領事館

地域

人口

平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、1.54%減の83,696人であり、増減率は府下43市町村中30位、72行政区域中52位。

摂津市と全国の年齢別人口分布(2005年) 摂津市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 摂津市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
摂津市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 60,116人
1975年(昭和50年) 76,704人
1980年(昭和55年) 80,684人
1985年(昭和60年) 86,332人
1990年(平成2年) 87,453人
1995年(平成7年) 87,330人
2000年(平成12年) 85,065人
2005年(平成17年) 85,009人
2010年(平成22年) 83,720人
2015年(平成27年) 85,007人
2020年(令和2年) 87,456人
総務省統計局 国勢調査より


教育

小学校
中学校
高等学校
大学・短期大学
特別支援学校
専門学校

住宅団地

  • 都市再生機構鳥飼野々二丁目団地
  • 府営摂津南別府住宅
  • 府営摂津味生住宅
  • 府営摂津正雀住宅
  • 府営摂津鳥飼西住宅

交通

鉄道路線

北西部を阪急京都本線東海道本線JR京都線)、中央部を東海道新幹線が東西方向に通り、中央部を南北方向に縦断する形で大阪モノレール本線が通っている。南摂津駅を除く全ての旅客駅が安威川以北(市域北西部)、古くからの市街地である旧味舌町の町境沿いに所在する。

摂津市駅東口改札口

バス

市域東部の鳥飼地区は、鉄道駅から遠いためバスに頼ることが多く、阪急バス近鉄バス京阪バスが運行している。千里丘駅南摂津駅など摂津市内の各鉄道駅との連絡もあるが、茨木市にある阪急茨木市駅、JR茨木駅との連絡も多い。また、摂津市と近鉄バスがJR千里丘駅から正雀、江口橋、摂津市役所を経て、千里丘駅へ戻る市内循環バス(平日のみ)を走らせている。なお、近鉄バスは市内東別府の新幹線線路沿いに鳥飼営業所と整備工場を設けている。京阪バスはJR茨木駅から淀川新橋を渡って寝屋川市駅へ至る。その他、摂津市と阪急バスがコミュニティバスとして、公共施設巡回バス・セッピィ号を運行している。

市域南西部の別府地区は東淀川区と隣接しているが、大阪シティバス(旧・大阪市営バス)に市境を走る路線があり(37号系統など)、その停留所の一部(江口橋、井高野南口の大阪駅方向)が摂津市側に設置されている。そのため大阪シティバスの利用者も多く、東淀川区内の阪急上新庄駅Osaka Metro今里筋線瑞光四丁目駅井高野駅への連絡などに利用されている(井高野駅から摂津市内までは300mに満たず、徒歩でも行き来可能)。[要出典]

道路

大阪府道2号大阪中央環状線が市域を南北に縦断し、中心的役割を果たしている。ただし、鳥飼大橋周辺は大阪府下で有数のボトルネックであり、渋滞が頻発する(特に、何方向も分岐がある鳥飼和道交差点は南北方向共に渋滞のメッカである)。1950年代の有料時代からある北行車線の鳥飼大橋は現在、架け替え工事が実施されている。

市域を走る国道高速自動車国道近畿自動車道のみで一般国道は存在しないが、主要地方道が6路線あり、近年になってから重要視されてきたことが窺える。

国道

高速自動車国道

近畿自動車道が南北に縦断し、2つのインターチェンジを有する。ただし、摂津北インターチェンジは市域の北方にあり松原方向との行き来のみ、摂津南インターチェンジは市域の南方にあり吹田方面との行き来のみのハーフインターチェンジとなっており、摂津市民にとっては使いづらくなっている。したがって、吹田インターチェンジ大東鶴見インターチェンジがよく使われる。大阪市内へは、鳥飼大橋を経て阪神高速道路12号守口線守口出入口が近い。一般道の鳥飼大橋同様、摂津北または摂津南付近がボトルネックであるため、渋滞しやすい。

府道

主要地方道
一般府道

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

摂津市の出身者

ゆかりのある人物

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 美原町(現美原区)の堺市への編入合併(2005年)以後、大阪府下の市町村では面積の狭い順で10番目となっている。

出典

  1. ^ 摂津市役所の位置に関する条例 摂津市例規集より、2012年1月17日閲覧。
  2. ^ a b 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1019–1021.
  3. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, p. 1063.
  4. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1157–1158.
  5. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, p. 1158.
  6. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1058–1059.
  7. ^ a b c 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1059–1060.
  8. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, p. 1060.
  9. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1060–1061.
  10. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, p. 1061.
  11. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, p. 1029.
  12. ^ 茨木市史編纂委員会 1969, pp. 561–563.
  13. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1031–1033.
  14. ^ 町を市とする処分(昭和41年10月17日大阪府告示第944号、昭和41年10月25日自治省告示第145号) 摂津市例規集より、2023年8月4日閲覧。
  15. ^ 名称を変更する条例(昭和41年10月13日三島町条例第26号、昭和41年10月17日大阪府告示第945号、昭和41年10月25日自治省告示第146号) 摂津市例規集より、2023年8月4日閲覧。
  16. ^ 摂津市史編さん委員会 1977, pp. 1244–1247.
  17. ^ オーストラリア クィーンズランド州 バンダバーグ市”. 摂津市 (2010年8月9日). 2012年1月17日閲覧。
  18. ^ 中華人民共和国 安徽省 蚌埠市”. 摂津市 (2010年3月25日). 2012年1月17日閲覧。
  19. ^ 駐日在外公館リスト アフリカ”. 外務省. 2012年1月17日閲覧。
  20. ^ http://ichibaike-guide.com/
  21. ^ ABC『なるみ・岡村の過ぎるTV』摂津市から表彰 知名度向上に貢献”. ORICON NEWS (2017年11月12日). 2020年5月25日閲覧。

参考文献

  • 茨木市史編纂委員会 編『茨木市史』茨木市役所、1969年6月20日。NDLJP:9575418 
  • 摂津市史編さん委員会 編『摂津市史』摂津市役所、1977年3月31日。NDLJP:9573794 

外部リンク