孤独のグルメ

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孤独のグルメ
ジャンル グルメ漫画
漫画
原作・原案など 久住昌之
作画 谷口ジロー
出版社 扶桑社
掲載誌 月刊PANJA
SPA!(特別編)
発売日 1997年10月(単行本)
2000年2月(文庫版)
2008年4月(新装版)
発表期間 1994年 - 1996年
2008年1月15日に特別編掲載)
巻数 全1巻(単行本・文庫版)
話数 全18話+特別編1話
テンプレート使用方法 ノート
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孤独のグルメ』(こどくのグルメ)は、扶桑社月刊PANJA誌上で1994年から1996年にかけて連載されていた原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画

一度完結していたが、SPA!2008年1月15日号に読みきりとして復活。


注意以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 概要

個人で雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎(いのがしら・ごろう)が、仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様を描いたグルメ漫画。主人公が訪れる場所は他のグルメ漫画で頻繁に出てくるような高級料理屋などではなく、大衆食堂のような店が殆どである。ただ料理の薀蓄を述べるのではなくひたすらに主人公の中年男の心理描写を綴っているのが特徴。

発売後、文庫版が出るなど時間が経ってからネット上で火がつき、カルト的な人気を博している。文庫版は21刷、8万8千部とロングセラーになっており、女性読者が4割もいる(朝日新聞2007年11月25日の記事より)。

イタリア・フランスでも翻訳版が発売されており、久住昌之がブログで言及した所によれば、イタリアでは10万部が売り上げられたという。また、韓国、「アメリカもしくはブラジル」でも翻訳版の発売が決定している。

連載時の担当編集者は壱岐真也(現en-taxiエンタクシー編集長)。

[編集] 井之頭五郎

本作の主人公。輸入雑貨の貿易商を個人で営んでいる。自由な生き方をモットーとし、そのため自分の店を構えるつもりはなく、結婚もしていない。ただ、重荷にならない趣味程度の店ならば開いてみてもいいとも思っている。

五郎にとっての食事とは、他人に構わず、時間や社会に捉われずに、ほんの一時だけ自分勝手になって幸福に空腹を満たす行為であり、そこには一種の癒しさえも包括している。その為、己なりの食事に対する信念を幾つも持っており、常にこれに則って食事を楽しんでいる。

喫煙者で全くの下戸。甘党であり、特に和食系の甘い物には目が無い。下戸のため食事の際に酒を飲む代わりにご飯を食べることを好み、酒の肴にするようなものでもご飯があればおかずにしてしまうが、ご飯に合う料理は出すのにご飯自体は出さない、という店に当たると、「残酷だ」とまで評する。また、食事の内容が重なる事(豚肉炒めと豚汁等)を嫌っているが、しばしば失敗して結局ダブらせてしまう。腹具合の計算は苦手なようで、あれこれ注文し過ぎて食べ過ぎてしまい腹が苦しくなったり、出された品物を残してしまったりといった事がよくある。

取引の後や、時間の余った時、はたまた道に迷った時等に、よく散歩をしている。そういった時、五郎はしばしば昼飯を食べ損ねていた等の理由で空腹を抱えており、そのまま行きずりの良さそうな店に駆け込んでゆく。店に腰を落ち着けた後は、じっくりと店内の雰囲気や人の様子を観察しており、単なる味覚だけではなく、五感で食事を楽しんでいる。地図等に頼らずに自分自身の足で店を探すこの思想は、後年の同タッグ作品である「散歩もの」へと発展していった。

自分の買わなかった方の弁当に入っていた干しアンズが美味そうだった、等々の細かい事柄にまで、いつまでもあれこれと悩み続ける小市民的な思考の持ち主である一方、平和で静かな食事を邪魔する人間に対しては容赦がなく、そのような相手に対しては実力行使による制裁も厭わないという、極めて行動的な一面も持ち合わせている。

公私ともに他人とつるむ姿は余り見られないが、同業者らしい人物の滝山淳太からは友好的に一目置かれており、仕事上は人付き合いもあり有能な様子。パリに居た頃は大女優の小雪(さゆき)を恋人としていた時期もあったが、人生観の違いから後に破局している。馴初めについては描かれていない。

全般的に見てユーモアのセンスは無いらしく、関西的なノリは苦手な性質。他人の笑いを取る様な事は全くせず、逆に関西人のギャグに真面目に返答して場の空気を冷ましてしまったりと、居心地の悪い思いをする事もある。

実はかなりの筋肉質。見事な肉体を持っているが、これは育ての親であった祖父が古武道の館長であり、高校まで古武術を叩き込まれていたからである。

本編では特に言及されていないが、普段は背広姿ばかりであり、家に居る時でもネクタイすら外さない。唯一の例外はパリで小雪とデートをしている時であるが、その時でさえワイシャツネクタイにベストと革のジャケットという出で立ちであった。 なお、SPA!に掲載された特別編では商品搬送時においてTシャツにジーンズというラフな服装を披露しているが、Tシャツの裾はきっちりジーンズの内側に入れている。

[編集] 目次

  • 第1話 東京都台東区山谷のぶた肉いためライス
  • 第2話 東京都武蔵野市吉祥寺の廻転寿司
  • 第3話 東京都台東区浅草の豆かん
  • 第4話 東京都北区赤羽の鰻丼
  • 第5話 群馬県高崎市の焼きまんじゅう
  • 第6話 東京発新幹線ひかり55号のシュウマイ
  • 第7話 大阪府大阪市北区中津のたこ焼き
  • 第8話 京浜工業地帯を経て川崎セメント通りの焼肉
  • 第9話 神奈川県藤沢市江ノ島の江ノ島丼
  • 第10話 東京都杉並区西荻窪のおまかせ定食
  • 第11話 東京都練馬区石神井公園のカレー丼とおでん
  • 第12話 東京都板橋区大山町のハンバーグ・ランチ
  • 第13話 東京都渋谷区神宮球場のウィンナー・カレー
  • 第14話 東京都中央区銀座のハヤシライス(の消滅)とビーフステーキ
  • 第15話 東京都内某所の深夜のコンビニ・フーズ
  • 第16話 東京都豊島区池袋のデパート屋上のさぬきうどん
  • 第17話 東京都千代田区秋葉原のカツサンド
  • 第18話 東京都渋谷区渋谷百軒店の大盛り焼きそばと餃子
  • 特別編 東京都内某病院のカレイの煮つけ

[編集] 登場する店について

原則として、首都圏の実在の飲食店をモデルにしている。店の外見や周辺の街並みの描写は写実的であり、作中の店の名前も微妙に変えてあるものの、実際にそこを訪ねてみようとすれば現地で人に聞く等で容易に本当の名前を知ることができる。例として作中→実在の順に、第3話「松むら」→「梅むら」、第17話「いすヾ」→「みすヾ」「肉の万世橋」→「肉の万世」等。 すでに連載から時間が経過しているため、モデルになった店が営業を終了してしまったり、作品内に登場するシーンが大きく変わってしまっているケースも多い。 ファンがモデルになった店を巡った記事がインターネット上で多く見つけられる。

[編集] 五郎が食べた料理

括弧内は劇中で確認できる注文した料理の金額

  • 第1話
ぶた肉いため(400円)、ライス、おしんこ豚汁
豚肉入りの野菜炒めではなく、豚肉のみを多めに炒めてあり、少量のキャベツの千切りと不思議な存在感を感じさせる練りからしが添えてある。豚汁は豆腐と豚肉のみが具として入っており、汁も具も量は多い。おしんこの浸かり具合は程良く、豚肉が中心となる料理では特に爽やかな味わいをもたらす。
  • 第2話
回転寿司(1皿130円)
どの品も130円。値段の割に味は良く、午後1時半から5時までのタイムサービス中は、大トロが一皿130円となる。五郎は大トロを含めて全部で11皿の寿司を食べた。回っていないネタは店員に直接声をかけて注文するシステムだが、座席の位置が悪いと注文が届きにくい。
  • 第3話
豆かん(400円)
たっぷりの豆と寒天に黒蜜がかかっただけのシンプルな甘味。豆は粒が大きく、艶がありとても柔らかい。黒蜜はクセがなくサッパリしており、あまり甘すぎない。他のメニューに「煮込み雑炊」などもあるが、煮込み系統の料理は冬場限定品となっている。
  • 第4話
うな丼(750円)、生ゆば刺し 京都風(400円)、いくらのどぶ漬け(600円)、岩のり(250円)
朝も営業している飲み屋で注文した品。うな丼にはセットで肝吸いとおしんこも付いてくる。うなぎは身は小ぶりだが脂が乗っている。生ゆば刺しは中にあさつきが巻いてあり、ポン酢で食べる。
  • 第5話
焼きまんじゅう(アンなし140円 アン入り150円)
タレをぬって焼いたまんじゅう。アンなしとアン入りがある。タレは甘いが、アンなしは軽くて素朴な味。一方アン入りの方は、タレとアンの甘さが合わさるためか、複雑で強烈な甘さとなっている。この店の焼きまんじゅうは特に評判が良く、店主によればミソ(タレのこと)に工夫がされているためであるという。
  • 第6話
ジェットボックスシュウマイ(600円)、ごはん(230円)、お茶
大阪へ出張に行く際、五郎が購入した弁当。弁当の底に石灰が入っており内部の水袋から出た水で発熱をし弁当を温める。弁当自体には米飯が付いてない。新幹線の車内など室内で温めると、シュウマイの匂いが充満する欠点がある。
  • 第7話
たこ焼き
大阪での商談を終えた五郎が、ホテルの前の屋台で食べたたこ焼き。店主曰く「ゴマ入りネギ入りの特製」で12個入り。
  • 第8話
焼肉チャプチュ、白い飯、キムチウーロン茶
川崎セメント通りの焼き肉屋『なんてんかく』で頼んだメニュー。チャプチュは春雨と牛ばら肉と野菜を炒めたもの。味付けは濃く、五郎は「翌日温めなおしたスキヤキのようだ」と評した。焼肉はミノ、上カルビ、上ロース他。肉の質は良く、五郎も思わず食べ過ぎるほど箸が進んだが、ライスがなかなか来ない事にのみ不満を漏らしていた。
  • 第9話
江ノ島丼セット(1300円)、さざえの壺焼き(850円)
江ノ島丼に蟹の味噌汁、おしんこが付いたセット。五郎はこれに加えてさざえの壺焼きも頼んだ。江ノ島丼は一見親子丼風。卵が甘めで、メインの具はさざえ。蟹の味噌汁は、蟹の半身が入っていて見た目は派手だが味は薄め。さざえの壺焼きはやや塩味が強い。この他、道端の店で女夫饅頭を2個購入している。大きさは手のひらに2,3個乗る程度。五郎は「軽くて温かく美味い」と評した。
  • 第10話
おまかせ定食(850円)、いわしと大根のカレーライス大盛り
五郎が訪れた自然食の店のおまかせ定食。全体的にボリュームは少ないがオカズ数は多く、メニュー内容は玄米、大根の葉と油揚げの味噌汁、ひじきの煮物、大根の糠漬け、ほうれん草のおひたし、いわしの南蛮風あんかけ、高野豆腐と炒り卵、ポテトサラダ。五郎は自然食品の店に漠然とした苦手意識を抱いていたのだが、子供の頃キライだった味が懐かしく感じられどれも美味しく感じ、追加でいわしと大根のカレーライスを大盛りで注文した。
  • 第11話
カレー丼(650円)、おでん
五郎が石神井公園の休憩所で注文したもの。肉は鶏肉、グリンピースが多めで、カレーは黄色味が強い。カレーライスは別に存在する。休憩所に行く前には懐かしの飲み物、メロン味のチェリオを買っている。なお、休憩所の中で注文したおでんとの組み合わせは、色彩的にも味的にも最悪であった。
  • 第12話
大山ハンバーグランチ(550円)
大山町の定食屋で五郎が注文した、店のお勧めメニュー。鉄板に乗ったハンバーグ(ケチャップベースのソース)、目玉焼き、ポテトフライ、カレー味のスパゲティに、ライスと味噌汁がセットになっている。
  • 第13話
ウィンナーカレー(650円)
甥っ子の太が出場している甲子園の予選を見に行った時に五郎が神宮球場で食べたカレー。カレーは肉と玉葱が多少入った、いわゆるスタンド風の味。そこにお湯で温めた魚肉ウィンナーが3本入っている。ウィンナーなしのカレーよりも50円増(しかし、直前のページではウィンナーなしのカレーは550円と書かれているため、正確には100円増)。福神漬けはセルフサービス。
  • 第14話
ビーフステーキ
銀座の『エビスヤ』のステーキ。ライスとサラダらしき料理がセットになっている。久々にステーキを食べた五郎はアゴが疲れると感想を零した。本来は五郎のお気に入りの店である『ブラジリア』のハヤシライスを食べる予定だったが、6年ぶりに訪れると店はなくなっていた。
  • 第15話
コンビニ・フーズ
深夜のコンビニで五郎が購入した夜食。「うずらと牛肉の中華風」、「おしんこ」、「玉子焼き」、「キンピラゴボウ」、「冷や奴」、「コンビーフ(馬肉入り)」、「ソーセージ」、「野菜の煮物」、「ナメコ汁」、「あきたこまち新米」、「焼プリン」を購入し、金額は1892円。その後に「おでん(タマゴ、ダイコン、シラタキ)」も追加で購入しているため合計金額は明らかに2000円を超えている。本人も買いすぎたことを自覚している。おでんの注文は前述3品であるが、次ページのおでん容器内にはそれ以外の何かが追加されて描かれている。
  • 第16話
月見おろしうどん(350円)
池袋のデパート屋上で食べたさぬきうどん。生卵がひとつとたっぷりの大根おろしに加え、揚げ玉とネギが入っている。ツユの色は薄く、あっさりしている。麺は手打ち風で、角が立ってしっかりしている。うどんを食べた後、別にソーセージも食べている。
  • 第17話
万世橋カツサンド(480円)
『肉の万世橋』で売っているカツサンド。キャベツ等は入っておらず、カツは厚くパンは薄め。カツにはソースとマスタードが染み込んでいて柔らかく、パンもしっとりしている。五郎曰く「ソースの味って男のコだよな」。
  • 第18話
大盛り焼きそば(720円)、餃子(480円)
焼餃子専門店『太河宛』で、五郎が注文した品。この店ではライスは扱っていないため、五郎は「残酷すぎる」と落ち込む。焼きそば、餃子ともにビールのつまみとして食す事を前提としており、味付けもビールに合うよう調整されている。
  • 特別編
病院食
肋骨を骨折して入院した五郎が病院で食べた食事。作中では2食登場している。1食目は和風で、白飯、ジャガイモの味噌汁、ネギと一緒に煮つけたカレイ、野沢菜、おでん(大根、きんちゃく)。翌日の朝食は洋風で、コッペパン(ピーナッツマーガリンつき)、トマト味の野菜スープ、バナナ、牛乳。病院では3度の食事だけが楽しみらしく、味や献立の内容には満足している様子であった。
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