アンチョビ

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アンチョビ
カリフォルニアカタクチイワシ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ニシン目 Clupeiformes
亜目 : ニシン亜目 Clupeoidei
: カタクチイワシ科 Engraulidae
英名
anchovy
亜科
スペインのオイル漬けアンチョビ

アンチョビ英語 anchovy)は、ニシン目カタクチイワシ科の小魚の総称である。イタリア語アッチューガ acciuga (複数形はアッチューゲ acciughe)、フランス語アンショワ anchois日本では特に塩蔵品にした食品を指すことが多い。

漁獲されたアンチョビは、食用以外に肥料飼料としても使用され、状に加工したものは魚粉やフィッシュミールとよばれる。煮干し魚醤も生のアンチョビを使って作られることがある。

特徴[編集]

が大きく、目より後方まで達する。これは、近縁のウルメイワシ科ニシン科マイワシなど)との顕著な違いである。

背が青みがかった、いわゆる青魚である。腹側は銀色である。

カタクチイワシ亜科は体が細長い円筒形に近く、外見はイワシに似る。エツ亜科はそれほどイワシに似ておらず、高く立った特徴的な背びれを持つ。

漁獲[編集]

FAO調べ、2005年 [1]

順位 和名 英名 学名 千トン
1 アンチョベータ anchoveta Engraulis ringens 10215
8 カタクチイワシ Japanese anchovy Engraulis japonicus 1639
28 ヨ-ロッパカタクチイワシ European anchovy Engraulis encrasicolus 381
46 ミナミアフリカカタクチイワシ southern African anchovy Engraulis capensis 286

世界的にはアンチョベータ(ペルーカタクチイワシ)が非常に多い。乱獲により減少しているが、それでも、種別の統計で2位のスケトウダラ (2790千トン) に数倍の差を空けて1位である。

日本で主に漁獲されるのはカタクチイワシである。

ミナミアフリカカタクチイワシはヨーロッパカタクチイワシと同種とされることが多い。

主な種類[編集]

2亜科、17属、約140種が属する。属は全て、種は主なもののみ記したが、カタクチイワシ属は全種を記した。

利用[編集]

塩蔵アンチョビ[編集]

塩蔵アンチョビをのせたピンチョス(右)
右上に見えるのが塩蔵アンチョビ。そこに黒オリーブ、にんにくを加え、オリーブ油で和えれば、南仏風の万能ソース「アンショワード」(anchoïade)ができる。

塩蔵品は、三枚におろして内臓を取り除いた小魚を塩漬けにして、冷暗所で熟成及び発酵させたものである。オリーブオイルを加え、缶詰瓶詰にする。主にイタリアスペインモロッコで生産されている。

缶詰には、三枚におろした身肉をそのまま平らに並べたフィレー・タイプのものと、その身肉をケッパーの実を芯にして渦巻状に巻いたロール・タイプのものがある。ペースト状にしてチューブに入れられた製品もある。

塩蔵アンチョビはヨーロッパの料理によく用いられる。そのまま、あるいはペースト状にして食べるほか、サンドイッチカナッペの具としたり、ピザパスタプッタネスカなど)、サラダシーザーサラダなど)の味付けに用いたりもする。この他にも、アンチョビを用いる料理にはヤンソンの誘惑バーニャ・カウダがある。欧米のウスターソースにもアンチョビが含まれている。

なお、アンチョビと似た加工食品に「オイルサーディン」があるが、アンチョビは 「塩漬けにしたカタクチイワシ」で非加熱であるのに対して、オイルサーディンは、「油漬けにしたサーディン)」で加熱したものである。アンチョビの方がはるかに塩辛く、オイルサーディンよりも小さな魚を用いて作られる。また、オイルサーディンは普通頭と内臓を除くだけで、三枚にはおろさない。

イカン・ビリス[編集]

マレーシアではインドアイノコイワシ属タイワンアイノコイワシ属の小魚をゆでて塩漬けにしたあと、乾燥させた食品「イカン・ビリス(ikan bilis)」がサンバルの材料として、また、かりかりに揚げてナシ・ルマッのおかずやパンの具にして日常的に食べられている。同様のものをインドネシアでは「イカン・テリ(ikan teri)」という。

田作[編集]

日本の田作(カタクチイワシの煮干し)

日本ではカタクチイワシを塩ゆでした後、素干ししたもの(煮干し)を田作などと呼び、食用や出汁を取るためによく利用する。

関連項目[編集]