揚げる
揚げる(あげる)とは、高温(摂氏100度以上)に熱した多量の油の中で食材を加熱調理する調理技法をいう。揚げて調理した料理を揚げ物、フライなどという。
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[編集] 概要
揚げる調理法を、英語ではdeep fry、中国語では「炸」(ジャー、zhá)という。フランス語では、動詞はfrire(フリール)で、揚げ物はfrites(フリート)、friture(フリテュール)という。
揚げ調理に利用される油は沸点が摂氏100度を超えるので、水で煮るのとは異なり、短時間で高温の加熱調理ができる。なお、多量の油で加熱する場合でも、摂氏100度以下の温度で調理する場合は揚げるとは呼ばない。
食材を高温の油に投入すると、表面の水分が瞬間的に沸騰し蒸発する(揚げ物をする際に泡が出るのはこのため)と同時に、油に直接接した部分は短時間で蛋白質等が熱変性し硬化する。食材の表面に硬い殻が出来た状態となるので、表面のみがサクッとした食感となり内部は水分が保たれ、軟らかさが残る。
調理の下拵えとして、食材に5~8割程度火を通すために低めの温度の油で加熱することは油通し(あぶらどおし。中国語「過油 グオヨウ、guòyóu」)といい、中華料理の技法として多用される。
[編集] 歴史
奈良時代に中国から伝わった唐菓子により古くから製法は知られていたが、油の生産量が少なかったため、広く普及することはなかった。江戸時代、植物油の生産量増加と南蛮料理(天ぷら)の普及に伴い、広く庶民にも食されるようになった。
[編集] 揚げ方
[編集] 揚げ油
揚げ油として使用される油は、料理・地域・嗜好によって異なる。一例として、ごま油、米油、サラダ油、綿実油、白絞油、椿油、ショートニングなどの植物性油脂や[1]、ラード、バターなどの動物性油脂など、様々な食用油が利用される。また、業務用として販売されている「天ぷら油」は白絞油が多く使用されるが、こだわる料理店ではごま油や綿実油をベースにブレンドして使用することがある。ドーナツ、フライドポテトなどの、さくっとした食感を重視するものには、ショートニングなど、軟化点の高い油脂が使われる場合がある。
深めの鍋を使い油をたっぷり使うことが上手く揚げるコツである。油の量が少なすぎると温度管理が難しくなる。温度調節機能付きのコンロでは、最低でも200mL以上の油で調理することが推奨されている。
[編集] 温度
油の温度は一般に180℃が適温とされる。油の温度の見分け方には色々あるが、少量の衣を油に落とした様子で見る方法が有名。
| 温度 | ころもの様子 | 料理 |
|---|---|---|
| 150℃~160℃ | 鍋の底に沈んでゆっくり浮き上がる | 青じそ、三つ葉 |
| 170℃~180℃ | 一旦沈んですぐ浮き上がる | 野菜、から揚げ、魚介類 |
| 180℃~190℃ | 油の表面で散る | 天ぷら、とんかつ、フライ |
| 190℃~ | コロッケ |
温度計付きの揚げ物用鍋も市販されているほか、揚げ物に適した温度調節機能付きのフライヤーも販売されている。また、一度に食材を入れすぎると急激に温度が下がるため、油表面の1/3程度の面積に留めておくことが大切である。
揚げ油は加熱したままだと300℃ほどで大量の白煙が発生し、さらに加熱を続けると370℃で自然発火する。揚げ物の料理中は鍋に火をかけたまま放置せず、常にそばに付いていることが安全のために重要である。総務省消防庁の統計では07年に発生した火災の着火原因では紙類に次いで天ぷら油が多く、全体の13.4%を占めている。[2]
より、ぱりっと揚げるためには、二度揚げにし、一度目は低い温度でじっくりと水分を減らし、二度目は高温、短時間で仕上げるようにする。
[編集] 廃油
使い終わった油は油こしで天かすや細かいかすをこして、冷暗所で保管すれば2~3回は繰り返して使える。熱いままの天かすを大量にゴミ箱に捨てると、発火して火災の原因となり得るので冷えてから捨てる。
揚げ物の廃油をそのまま捨てると排水管の内側にこびりついて詰まりの原因となる上、生活排水として水系を汚染する。家庭における少量の油は、なるべく炒め物などで使い切る。捨てる場合は、冷めてから新聞紙やキッチンペーパーに染みこませて牛乳パックなどに詰めて捨てる。市販の廃油凝固剤(油固剤ともいい、投入することで廃油を固めて捨てやすくする薬剤で、ヒマシ油誘導体などが成分)や吸収剤が利用されることもある。また、界面活性剤で乳化して廃棄させる製品や、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カリウム(液状)を主成分とし、石けんとして利用できるようにする製品もある。大量の廃油を出す飲食店や事業所などでは廃油が下水に流れないよう、グリストラップ(廃油槽)を設置し、定期的に専門の産廃業者に油を回収させることが昭和51年の建設省告示で義務化されている。
自治体や地域コミュニティーによっては、廃油を回収を呼びかけ、工業用脂肪酸、塗料樹脂の原料、ゴム添加剤、石けん原料などにリサイクルをしている例もある。
[編集] 揚げ方の種類と料理
- 素揚げ:衣をつけずにそのまま食材を揚げたもの。
- 薩摩揚げ - 揚げかまぼこに分類される。魚のすり身を揚げたもの。「天ぷら」「テンプラ」「○○天」とも。
- フライ - 魚を素材としパン粉の衣を使用する「カツ」や、衣を使用しない「薩摩揚げ」など多種が含まれる。
- 天ぷら:小麦粉と卵を使用した「天ぷら粉」を衣として揚げたもの。
- 精進揚げ:小麦粉を水で溶いた衣を野菜など植物性の食材につけて揚げたもの
- フリッター:洋風天ぷら。小麦粉と卵黄を牛乳か水で溶き、これに泡立てた卵白を加えた衣をつけて、魚・野菜・果物などを揚げたもの。衣が柔らかく、甘みのあるものがある。
- 磯辺揚げ:小麦粉を水と卵で溶き、青のりを加えた衣に食材につけて揚げたもの。板海苔を巻いて揚げたもの。
- カツ : パン粉を衣として揚げたもの
- コロッケ
- から揚げ:小麦粉や片栗粉の衣を粉のまま、あるいは調味料と混ぜてもみ込むようにつけて一度だけ揚げるもの。ざんぎと呼ぶ地方もある。
- 竜田揚げ:醤油や味醂で下味を付けた具材に、片栗粉をまぶして揚げたから揚げ。
- 排骨
- 鶏のから揚げ(フライドチキンとも)
- チキン・ナゲット
- フィッシュ・アンド・チップス
- パコラ