つぐもも

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
この項目に含まれる文字は、オペレーティングシステムブラウザなどの環境により表示が異なります。
つぐもも
ジャンル 妖怪退治ファンタジー
漫画
作者 浜田よしかづ
出版社 双葉社
掲載誌 COMIC SEED!
WEBコミックハイ!
月刊アクション
発表号 2007年12月号 - 2008年7月号
(COMIC SEED!)
2008年8月20日 - 2013年3月20日
(WEBコミックハイ!)
2013年7月号 - 連載中
(月刊アクション)
巻数 既刊19巻(2017年3月時点)
アニメ
原作 浜田よしかづ
監督 倉谷涼一
シリーズ構成 倉谷涼一
キャラクターデザイン 中原清隆
音楽 高梨康治
アニメーション制作 ゼロジー
製作 「つぐもも」製作委員会
放送局 アニマックスBS11TOKYO MX
放送期間 2017年4月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

つぐもも』は、浜田よしかづによる日本漫画作品。『月刊アクション』(双葉社)にて連載中。

概要[編集]

人が長く使い続けた器物には想いが宿り、年月を経て昇華した時、それは「付喪神」となる——。母の形見の帯の付喪神・桐葉と共に、町で起こる怪異を調伏する「すそはらい」の任についた加賀見一也。そんな二人が、人々に害をなす様々な「あまそぎ」と戦いながら平和を守る、バトルあり、お色気もありの妖怪退治ファンタジーの物語。

当初はウェブコミック誌である『COMIC SEED!』(双葉社)で2007年12月号より連載していたが、同誌の休刊に伴い後継で同じくウェブコミック誌である『WEBコミックハイ!』へ移籍し、2008年8月20日更新から連載再開(第56話まで)。更に同社の漫画誌・ウェブコミックの統合再編に伴い、2013年5月25日に創刊された『月刊アクション』へ移籍、連載再開している(創刊号では「特別編」を掲載、第57話以降は創刊2号から掲載)。これまでは単発的に『COMICすもも』に出張連載という形で雑誌掲載されたことはあるが、継続しての雑誌掲載は初となる。

2016年9月、2017年にテレビアニメ化されることが発表された[1]。また、テレビアニメ化に併せて、単行本第1巻のカバー表紙がテレビアニメのティザービジュアルの元となったイラストにリニューアルされた。

2017年4月より、テレビアニメが放映中。

台湾でも、東立出版社より『怪怪守護』のタイトルで翻訳され出版されている(『浜田義一』名義)。

あらすじ[編集]

主人公である加賀見一也は、上岡東中学校2年2組に在籍する14歳のごく普通の男子中学生。現在は父・一明と高校生の姉・との三人暮らしで、母・奏歌は幼い頃に亡くしている。だが、何故か母の記憶がない。そんな一也は、亡き母の形見でもあり、家に代々伝わる絹の袋帯の匂いが大好きで、その袋帯を肌身離さず持ち歩いていたのだった。そして、気持ちを落ち着かせるため、毎日2回は欠かさず、桜の香りがするその袋帯の匂いを嗅ぐのであった。

ある日、学校の屋上でいつものように袋帯の匂いを嗅いでいた一也だったが、なぜか足元に落ちていたカツラが突然妖怪と化し、襲われそうになる。その時、ピンチの彼を救うべく、目の前に着物姿をした謎の美少女が現れた。一也を覚えているかのように一言「久しいな 一也」と言葉を発したその美少女の正体は、実は一也の想いがこもった亡き母の形見である袋帯から現れた、付喪神である桐葉だった。

「久しいな」と言われたものの、桐葉のことを全く思い出せない一也。それもそのはず、桐葉は〔つくもつき〕となってしまった母・奏歌を止む無く殺した後、一也らが住む上岡の土地神・くくりに頼み込み、原身である帯から人の姿になることができなくなることを承知の上で、その当時幼かった一也の記憶から亡き母とともに自身の記憶を封印させたからであった。

それから長い年月を経て、桐葉が再び人の姿となって現れて以降、一也の周りでは次々と怪異が発生するようになる。その動きを察したくくりは黒耀を遣わせ、白山神社へと一也を招く。そこで一也はくくりから自身が「怪異を発生させる『呪詛(すそ)』を集めてしまう存在」であることを明かされた上で、奏歌の後任として怪異を調伏する大役「すそはらい」になるよう神勅として命じられる。

「すそはらい」の任を命じられた一也は桐葉とともに、そして時にクラスメイトらと協力し、学校や町で次々と発生する怪異を調伏し事件を解決していく。そんな中、一也の周りで意図的に〔あまそぎ〕を生み出し怪異を発生させて騒動を引き起こしている集団の正体が露わになる。彼らは、所有者たる人間の横暴に耐えかね、「迷い家」と呼ばれる隠れ家を拠り所としたつぐももの集団であった。「家」のつぐももであるミウラヒの中に宿した石片の霊力により、所有者がおらずとも生き長らえた彼らであったが、付喪神としての命が絶え器物へと還ってしまった者が出てくるなど石片の霊力が薄れてきたことから、霊力が枯渇する前にくくりを殺して石片を奪う「おのごろ祭り」の決行を試みる。

ミウラヒたちが一斉に上岡へ襲撃を開始したことで、くくりは結界を解き、元の大人の姿に戻る。近くに住む土地神・ほのかたぐりなども参戦し、土地神たちと付喪神たちとの一大戦争が繰り広げられている最中、くくりらの前に、2人の帯のつぐもも・あざみと、彼女らに守られ〔つくもつき〕と化した奏歌が姿を現す。幼き頃の一也が込めた「ぼくを殺せ」という願いを叶えんと、迷い家勢とくくりらを圧倒する奏歌。必死の抵抗を試みるもくくりは殺され、一也と皇すなおは「かみがかり」を起こして立ち向かうも歯が立たず、桐葉は一也を守るために奏歌の攻撃をその全身に受け切り刻まれた帯と化してしまった。一也にとどめが刺されようとしたその瞬間、姉・霞も参戦、霞は砂時計のつぐもも・砂織とともに「3年間」という特殊な結界を作り出した上で、奏歌とともに自らを封じ込め、時間稼ぎをする。

一也以外の第三者が奏歌を倒せば、上岡の街全体が大災害となるほどの大きな〔すそがえし〕が起きてしまう。〔すそがえし〕を回避するためには、〔つくもつき〕と化した奏歌を一也が倒さねばならない…が、桐葉を失った一也には成す術がなく、今のままでは到底奏歌には敵わない。そんな中、緊急事態を受け上岡へと馳せ参じたすそはらい養成所「つづら殿」の頭首・織小花央姫から、霞が稼いだ3年の間「つづら殿」で修行することを提案された一也はそれを受け入れ、央姫とともに「つづら殿」へと出向く。

登場人物[編集]

登場人物は、基本的に名前が頭韻になっている。人間のキャラクターにおいては、下の名前は原作では漢字でも表記されているが、アニメでは平仮名で統一されている。

加賀見家[編集]

加賀見 一也(かがみ かずや)
- 三瓶由布子[2]
本作の主人公で、上岡東中学校2年2組に在籍。母・奏歌が妊娠中ながらも怪異討伐にあたった際、不意に磐長姫の怨念が篭った《すそ》に触れてしまったことから、生まれつき怪異の原因となる《すそ》を引き寄せる体質の持ち主となってしまった。かつては簡単に〔あまそぎ〕を生み出してしまうという能力を持っていた。また、この体質を利用してスキンシップをとることで消耗したつぐももを回復させることができる。
土地神・くくりから怪異を調伏する大役「すそはらい」の任を命じられており、桐葉の本体である帯と一体化することで怪異と戦う能力を得る。最初は帯を本体1本しか出せず帯繰りも満足に扱えなかったが、拷問に近い桐葉の修練と実戦経験により本体を含めて写し身3本(最大8本)[注 1]まで出せるようになり、更にその後は写し身5本まで出せるようになった[注 2]。後に桐葉と一体化する「かみがかり」も使用することができるようになり、これにより、筋肉に沿って帯を体に巻きつけ駆動させることで身体能力を超強化するが制御を乱せば自身を破壊してしまうという荒業「ちからおび」も使えるようになった(全力は無理と言うだけで「かみがかり」無しでも使う事は可能)。多くの実戦と幼少時の鍛練によって一般的なすそはらいのレベルを上回る実力を持つに至ったが、本人には自覚がない。ただ、つづら殿での軟禁状態から脱出する際に見張りのすそはらいたちと交えたときには笑みを浮かべており、自分との実力差ははっきりと分かるようにはなっている。
母である奏歌に関する記憶はくくりによって封印されたため、思い出そうにも思い出せない。だが、夢で見るなど徐々に思い出しかけており、特に桐葉と一体化するかみがかりを使用すると記憶が戻りやすくなってしまう。その後、獏楽が持つ奏歌の記憶が詰まった魂蔵の中で、母の生い立ちと幼き頃の自分がどう育ったのかを知った。
優しく真摯な性格で、彼に関わった多くの女子(+1名の男子)から好意を持たれているが、「皆といる現在の状況を壊したくない」という気持ちが強いために「血涙を流す」ほどの我慢をして自制している(ただし、これは治に掛けられた催眠術で吐露した本音で本人には自覚がない)。テレビアニメ公式サイトのキャラクター紹介では『特技 性欲我慢』とされている。なお、好みのタイプは『女性化した時の自分』であり、その姿を一目見て無理やり肉体関係を持った(もちろん夢の中での話である)。
学校内で発生する怪異を迅速に祓うため、桐葉や事情を知るクラスメイトらと共に「お悩み相談室」を部活として設立し、日々活動している。
大事なパートナーである桐葉やくくりを失ったことで「これ以上、もう誰も失いたくない」という思いと、全く歯がたたなかった復活した奏歌を倒すため、更なる修行を積むべく、央姫の誘いを受けてつづら殿に向かう。
桐葉(きりは)
声 - 大空直美[2]
本作のヒロインで、一也の家に伝わる帯、正絹爪掻本綴袋帯(きぎぬつめかきほんつづれふくろおび)「あやさくら」の付喪神。古風な口調の、桜の香りを漂わせる美少女。元々は布問屋に受け継がれていた帯であり、5代目の所有者である「縫」の代で付喪神と化した。
人として振る舞う際には「帯奈 桐葉(おびな きりは)」と名乗り、終いには一也のクラスに転入することになる。
自身の原身と写し身を折り紙や紐のように組み合わせる「帯繰り」によって応用性の高い能力を発揮する。
傍若無人で常に我儘、土地神であるくくりに対しても関節技を仕掛けるなど一切遠慮がなく、アニメ公式サイトでは『S』と紹介されている。また、くくりや黒燿に「雑巾女(ぞうきんおんな)」と呼ばれると激怒する。
一也に対しては最初は下僕扱いし、その上セクハラ常習犯。だが一也への好意は一切隠さず、一也の前では平気で裸になり(とは言え人並みに羞恥心は持っている[注 3])、風呂で背中を流させたり、「力を強めるため」と称して毎日一緒に寝たりしている(しかも裸で寝る癖がある)。また夢の中で性別転換した時に、女性化したかずやと無理やり肉体関係を持った(ただし夢の中なのでノーカウント扱い)。
甘味には目が無く、特にプリンが大好物。普段の姿は10代後半くらいの容姿だが、力を消費し過ぎると幼女の姿になってしまう。現在の姿も霊力の供給が絶えていた結果らしく、一也の母親の奏歌とコンビを組んでいた頃には、20代くらいの大人の姿をしていた。
〔つくもつき〕として復活した奏歌が一也にとどめを刺そうとしたその瞬間、自らが全身で楯となり一也を守った。ただ、バラバラに切り刻まれ致命傷を負ったことで霊力を失い、原身の帯に戻るだけでなく付喪神としての命も失った。
くくり
声 - 久保ユリカ[2]
一也たちが住む上岡の土地神で、その正体は、白山妙理大権現 菊理媛大神(はくさんみょうりだいごんげん くくりひめのおおかみ、声 - 井上喜久子)である[注 4]
本来は大人の姿だが、普段は巫女のような服装の、幼い少女の姿をしている。桐葉とは旧知の仲。一也に好意を抱いている様子。耳年増で、一也らのいやらしい姿を見て「3P」やら「SM」やらを大声で口にする。会話は関西弁で、一也を「かずやん」と呼ぶ。
水を自由に操る力を持つ。つくもつきとなった奏歌を桐葉が殺してから、止むを得ず上岡の街全体に強力で特殊な結界を張ったことで極めて力を消耗した状態となってしまい、容姿が幼くなってしまった。そのため、幼き姿では能面と神域の補助無しでは満足に力を振るえない状態となっている。更に境内を離れると最大の技である「みなづち」ですらバケツに溜めた程度の水しか浴びせられない。この結界は人間はともかく、力のある付喪神は通り抜ける事を阻害される(通れない訳ではないが、虎鉄は一瞬拒絶されていた)。こうして力を消耗してしまっているため、「おのごろ祭り」のターゲットとして、付喪神たちに命を狙われることになる。加えて、怪異が起きる度に「すその淀みを払うこと」で更に力を消耗してしまっている。そのため、自分がおのごろ祭りのターゲットとなっていることには薄々と勘付いていた。しかし、弱体化したとはいえ迷い家の急進派を苦することなく撃退できる力は持っている。
結界を解除して本来の大人の姿に戻ると関西弁ではなく標準語で話し(ただテンパると関西弁も出る)、一也のことも「一也さん」と呼ぶようになる。
れっきとした土地神であるが、社の寂れ具合もあって金銭的に困窮して内職に励んだり、特に一也を「すそはらい」として覚醒させるための試練(試しの儀)とその後の嵐とで神社が崩壊した後は、住む場所や食べる場所の確保に困ったりと人間的な苦労が絶えない。神社の崩壊直後は公園の遊具の中で黒耀とともにホームレス状態で暮らしていたが、その遊具が危険とされ取り壊されたため居場所がなくなり、加賀見家に居候することになる。
土地神としての経験と知識を活かして一也や桐葉をサポートするがいつも詰めが甘く、ミスをするたびに桐葉に関節技をかけられるのがお約束になっている。
桐葉と同様、甘味が好き。ただし、一番の好みは水ようかん
一也たちの通う上岡東中学校の校長とも知己の間柄であり、学校に入り込んだ上で「お悩み相談室」の顧問も務めた。
迷い家の付喪神たちが上岡に一斉攻撃を仕掛けたため結界を解除、元の大人の姿に戻る。だが、「つくもつき」として復活し「かみがかり」を起こした奏歌に圧倒され、命を落とす。
黒耀(こくよう)
声 - 松井恵理子[2]
くくりに仕える巫女。とてつもない巨乳の持ち主だが、茫洋とした性格で大喰らい。詳細は語られないが、の化身であり人間ではない。そのためか、羞恥心や一般常識が薄い。神社崩壊後は、くくりと共に加賀見家に居候している。
人間の顔をうまく見分けられないのか、初め、くくりの命により一也を白山神社へ連れて行こうとした際には、くくりが描いた似顔絵(そこそこ似ていた)を持たされていたにもかかわらず、一也以外の複数の生徒(女生徒を含む)を指さして「加賀見一也」と呼んだりした。
バイト先では、その巨乳で集客の一助となっているが、特にファミレス等の供食店では賄いで食べる量が尋常ではなく、儲けは黒耀雇用前と全く変わらないという本末転倒な状況。
仕えているくくりに対しては、「日本書紀にちらりと一文だけ 存在感の薄い神」とか「古事記に記されるような有力な祭神でなければ」等とつぶやいたりと遠慮がないが、実のところはくくりの仇を討とうと奏歌に立ち向かうなど忠誠を尽くしている。
加賀見 霞(かがみ かすみ)
声 - 竹達彩奈
一也の姉。歳は一也より2つ上で、16歳。高校生。美人でしっかり者で優しいが、今でも一也と風呂に入りたがるほど極度のブラコンで、弟の一也を「やっくん」と呼ぶ。母亡き後は、加賀見家の家事全般を担っている。
普段の姿からはつぐもも使いには見えないが、実は砂織の所有者であり、“十年に一人の逸材”と称される優秀なつぐもも使いでもある。弟の一也を守るため、幼き頃は自ら進んで母に鍛えてもらったものの、奏歌が放った多数の大岩を避ける、あまそぎらしき生物に追い回されるなど霞自身はしごかれたという印象しかなくその時の恨みを今も持っており、復活した母・奏歌を前にして「ババア」と呼び捨てした。奏歌に危うく殺されかけた一也を救うべく砂織とともに参戦し、3年間という時間の犠牲を払ってまで結界を作り、時間稼ぎした。
加賀見 一明(かがみ かずあき)
声 - 後藤ヒロキ
一也と霞の父親。奏歌とは同じ高校の同級生で、2年生になってから付き合い始め、卒業後すぐに結婚している。実は桐葉も奏歌とともに同じ高校へと進学しており、奏歌に“悪い虫”がつかないよう、在学中は奏歌に言い寄る男子を桐葉が徹底的に排除していた。その中で一明は上手く出し抜いて奏歌と付き合い始めたのだったが、桐葉には奏歌との交際を邪魔されていた上に、現在も頭が上がらないほど弱みを握られており、当初くくりや黒耀の居候には反対するも桐葉の嫌がらせに屈して認めてしまった(少なくとも、桐葉には当時書いていた日記の内容を未だ覚えられている模様)。
実家は蔵付きであり、それなりの旧家出身。結婚後も実家で暮らしていたが、奏歌の死後、一也のことを考え、新たに現在住む家を借りた。
加賀見 奏歌(かがみ かなか)
声 - 三石琴乃
一也と霞の亡き母。息子である一也の夢の中に頻繁に現れては、からかったり、たきつけたり、諭したりといった行動を取っている。在りし日のエピソードなどからもお茶目な性格がうかがえる。
かつては桐葉の本体である帯と一体化し怪異と戦っていたが、桐葉曰く「つくもつき」となって桐葉に殺された[注 5]。一也の見た夢の中で詳細不明ながら「黒い帯」を操って桐葉と戦っている様子が見られるが、その表情はやや常軌を逸していた。
旧姓は甲斐谷(かいたに)。幼少時から心の動きが希薄で、器となる肉体を狙う怪異に狙われた結果、家族を失い、天涯孤独の身となる[注 6]。央姫の誘いを受けてつづら殿に入る。「外様」と言われいじめを受けるも、前述の通り情動の少なさから堪えることはなかった。すそはらいとして認められる試験で、つぐももを与えられることが決まった際にも布団部屋に閉じ込められたが、抜け出した時には他の者は既に武具のつぐももを選び終えたあとであり、最後まで残されていたのが帯のつぐもも・桐葉だった。
試験の雑妖(すそに侵された動物)討伐で家族を奪った怪異・火前坊と遭遇。雑妖を喰らって力を増した火前坊に他の仲間はおろか引率役の者も苦戦するが、奏歌は命の危険が伴うギリギリ状況で歓喜の表情を浮かべながら、つぐもも使いとして開眼する。
満たされない「退屈」を抱えており、くらこごりすらも彼女の退屈を満たす対象にはならないほど。また、幼い頃から感情は乏しくても好奇心、探求心は旺盛であり、桐葉のみならずつづら殿の仲間たち、くくりなどを次々と開発させた上に一明と交際し出したことから、桐葉とくくりからは「両刀」と思われた。
桐葉にとどめを刺され死んだものの、その後はくくりの弱体化と上岡に張られた結界の解除を待つあざみに守られ、ミウラヒの石片を取り込み「つくもつき」として復活する。迷い家のつぐもも達を右手だけでいなし、あざみを通して一也とすなおの戦いから得た「かみがかり」でくくり、桐葉を殺害する。一也にとどめを刺そうとしたところで戦いに乱入してきた霞と砂織によって、3年間の結界の中に封じられた。
砂織(さおり)
砂時計の付喪神。所有者は霞。相手の攻撃を時間的感覚差を作り「ずらすこと」でかわしたり、時間の進行を止める特殊な空間を作り出すことができる。口癖は「…でスナ」。
この時間操作は「操作した分、使い手に足し引きされる」というリスクがあり、時間を停止させると「その間この世にいなかったこと」になるという。

上岡東中学校[編集]

お悩み相談室[編集]

一也の発案で設けられたクラブ。主に学校内で起きる怪異を解決するために活動する。

近石 千里(ちかいし ちさと)
声 - 芝崎典子[2]
一也の幼馴染で、クラスの委員長。慎ましい胸を持ち、おさげでメガネとハリセンを装備。一也に好意を持っているが、あまりそれを主張するようなことはない。しかし、かずやに近づく女子は気にかかるようで、初めて桐葉に会った時には図書室に〔あまそぎ〕による結界と書籍で構成されるゴーレムを作り出した。
お悩み相談室のメンバーの一人。クラスメートの中では最も早く怪異やつぐももなどの存在を知り、積極的に一也たちに協力するようになる。
なお、現在のところ「願いの成就」によってあまそぎを消滅させたのは彼女だけである。
〔あまそぎ〕「恋愛シミュレーション(18禁)」の影響で一也との仲が不仲になりかけたが、その後、一也が彼女を攻略したため彼と性交渉を未遂ではあるが行い掛けた(なお、記憶が残っているため、攻略という単語や連想することがらでそのことを思い出してしまう)。
 真面目な性格から普段は地味な格好をしているが、上記の事件の際に、髪を解き眼鏡を外した彼女を見た一也は(千里とは最初分からなかったが)「きれいなひと」と評した。
白峰 四郎(しらみね しろう)
声 - 國立幸
一也のクラスメート。おかっぱ頭の少年。自他共に認める女好き(巨乳限定)。見た目は悪くないのだがとにかく節操の無い性格であり、あらゆる女子に片っ端からコナを掛ける上にラブレターを使い回すなどの無神経な行動を平気でするため、全くもてない。一度は〔あまそぎ〕と化したコロン「もてもてフレグランス」でハーレム騒動を起こした。
軽薄で思慮の浅い言動が目立つが、自分の過ちやミスをきちんと認められるだけの分別は備えている(それでも懲りるという事はないが)。お悩み相談室のメンバーであり、その運の強さが事件解決につながることもある。
小山内 治(おさない おさむ)
声 - 佐々木詩帆
一也のクラスメート。絵心があり、常にスケッチブックを持ち歩いて状況を絵にする習慣の持ち主。お悩み相談室のメンバーであり、同時に漫画研究会にも所属している。
非常に沈着冷静で、怪異を目の当たりにしてもほとんど動じず、淡々と状況を見究められる(夢の中で女性となったときもそうだった)。一也たちの中でもブレーンとしての役割が大きい。実家は裕福なようで四郎の借金を立て替えた事もあり、これも含め、同人漫画制作の手伝い(ページ単位)で取引する。
現在のところ、レギュラーメンバーの中で〔あまそぎ〕を生み出していない唯一の人物。だが、遭遇した〔あまそぎ〕「具現化スケッチブック」を持ち主よりも使いこなしたり、発想は豊かな物がある。
只田 忠孝(ただた ただたか)
声 - 小松未可子
一也たちの通う上岡東中学校の生徒会長。一也に対する思いから〔あまそぎ〕と化したかつらで「つくもつき」になってしまう(本人曰く、「一也が好き」なだけでホモではない)。桐葉とは以前から面識がある模様。すそ返しによって髪が全部抜けて生えなくなってしまうが、返しが弱まったおかげで徐々に回復してオバQのような3本の毛が生えるようになった。頭部を別にすれば容姿端麗な少年であり、初対面の際に女装していた彼を一也は男だと見抜けなかった。
お悩み相談室の外部メンバーであり、生徒会長という立場から一也たちをフォローする。
奈中井 ななこ(ななかい ななこ)
上岡東中学校の新聞部に所属する、一年生の少女。
姉の名護えいこ(苗字が違うのは、ななこが母方の姓を名乗っているため)の死の真相を探るさなかに「つくもつき」になってしまう。すそ返しによって一時声を失うも、現在は徐々に回復の兆しを見せている。
お悩み相談室の外部メンバーであり、新聞部という立場から一也たちをフォローする。

その他の生徒、教職員[編集]

伊良波 いすず(いらは いすず)
声 - 橘えみり
一也、桐葉、千里、四郎、治らのクラス2年2組の担任。担当は国語。巨乳。28歳独身、彼氏なし。熱意はあるが強く出られない性格から、他人を夢の中に引き込む「夢枕」の〔あまそぎ〕を生み出してしまう。その後自らの手で夢の中であまそぎを破壊したため、すそ返しは起きていない。
夢の世界では正体を隠すため中学生くらいの姿に変身し、「四字熟語」を書いた紙を咥える事でその文言通りの効果を発揮する能力を使った。
美砂 みさこ(みさご みさこ)
一也らと同じ2年2組のクラスメイト。連載開始前に掲載された予告漫画から登場しているモブキャラ。四郎曰く「上岡東中学校ベスト4美少女」のひとり。
中島(なかじま)
声 - 浜添伸也
TRPG同好会の部員である男子生徒。社会科研究部の部室を占領し、TRPG同好会の部昇格を企んでいる。「スケッチブックのあまそぎ」を使い怪物を生み出したり、部室のドアを消したりと只田のサインと捺印を得るべく行動していた。一度は脅迫に応じようとした只田だが帯の間合いを得た一也が消火器を奪い具現化した怪物を塗りつぶしたことで事態は収まった。後に中島自身の手でスケッチブックは破棄されたのですそがえしは起こっていない。
大門 ひろし(おおかど ひろし)
ちさとに告白した男子生徒。だが、ちさとの「好きな人がいる」という言葉と共に玉砕し、ギャルゲー「ピュアハート」のあまそぎを生み出す。学校中がゲームの世界になったのを利用してちさとに告白を企むが最後の最後で一也がゲーム内バグ技の「略奪コンボ」を決めて逆転する。ゲーム=家庭用ゲーム機という認識からかあまそぎ探しが難航したが彼の動かしていたピュアハートはパソコンで動くアダルト版であることが発覚した。
真中 まな(まなか まな)
2年5組の女子生徒。陸上部員。元々は内向的な性格で親友となったみつりにコンプレックスを感じており、「ランニングシューズ」の〔あまそぎ〕を生み出してしまった上、何者かの力で「つくもつき」になってしまう。一也によってあまそぎは破壊されたが、すそ返しによって両脚が動かなくなる。
水島 みつり(みずしま みつり)
2年5組の女子生徒。陸上部員。小柄だが快活で裏表のない性格。四郎が「まな宛てのラブレター」をみつりの下足箱に入れ間違えた(まなとみつりは出席番号が1番違いであった)ために交際騒動が起きる。まなから〔あまそぎ〕となったランニングシューズを贈られ、それによって記録が伸び悩んでいた。あまそぎによって肉体の成長まで抑えられていたため、あまそぎの破壊後は別人と思えるほど一気に急成長した。
布津浦 ふう(ふつうら ふう)
2年4組の女子生徒。オカルト研究会の会長で日常の裏に潜む「異常」を求めているも何もない日常の世界には異常など存在しないのではないかと考える。夜の学校に潜入し、同じく潜入していた一也たちと出会い、自分がオカルトに傾倒するようになった経緯を説明する。それと同時に「異常」に遭遇するがかつての自分が書いた小説「ふう魔伝」に登場するモンスターだと知り、あまそぎと化した小説の破壊を依頼する。小説を守護していたモンスターの退治に成功するが桐葉がふうに小説を破棄させようとするが戦いの余波でバラバラになってしまい、記憶喪失のすそがえしが起こってしまった。
その後は自分のクラスに転入してきたすなおに興味を示すがあしらわれてしまう。
小林 このか(こばやし このか)
2年3組の女子生徒。「台本のあまそぎ」の所有者。演劇部の発表会にて脚本を押し付けられ書き上げるも訂正に次ぐ訂正、報酬の取り上げなど散々な目に遭った経緯からあまそぎの力で学校をファンタジー世界に書き換えてしまう。彼女の作った世界に入り込んだ者は髪桜で守られてない限りは自由な意思を持たないモンスターとなり「勇者小林」に討伐される形になる。
一也たちと交戦するも結果的に敗北。頑としてあまそぎ破壊を行わなかったため彼らの手によって破壊。すそがえしが起こり、髪型が勇者ヘアーで固まってしまった。
脇坂 わかな(わきさか わかな)
好きな男子生徒に告白するも振られたことで、腹いせに「恋のすごろクイズ」という双六の〔あまそぎ〕を生み出し、校内のカップルを破局させようとした女子生徒。一也、桐葉、あきと、あるみの4人も放課後に廊下で居合わせた際に、〔あまそぎ〕に同時に巻き込まれてしまう。
サイコロを振って出たマス目の数を進めるが、そこで出題されるクイズ(セクハラレベルの内容)に不正解すると、女生徒のアイテムが一つずつ消えていき、終いには女生徒は全裸にされてしまう。しかも、ゴールに辿り着けなかったカップルは〔あまそぎ〕に閉じ込められた。
一也・桐葉ペアはゴール直前までスカーフ1枚を無くしただけであったが、最後に不正解[注 7]となり振り出しに戻される。一方、あきと・あるみペアが正解を出しゴールしたことで、そのゲームクリアの報酬としてわかなに〔あまそぎ〕を破壊させたため、すそがえしは起きていない。

皇家[編集]

皇 すなお(すめらぎ すなお)
声 - 大地葉
皇流剣術の次期継承者で、一也と同じく、付喪神の虎鉄と一体化することで怪異と戦う能力を持つ「すそはらい」の少女。一也たちと同い年で14歳。
普段は一也たちが住む上岡に隣接する小宮という地域(皇家が居住する地区)ですそはらいの任についているが、くくりの身の回りに危機が迫ってからは、高天原からの命により臨時措置として上岡で一也のサポートをすることになり、虎鉄とともに一時的に加賀見家に居候することとなった。そのため13巻64話で上岡東中学校2年4組に転校し、同時にお悩み相談室のメンバーとしても加わった。
すなお自身も認めているほど頭に血が上りやすい性格で、一度激昂すると分別が付かなくなるタイプ。ただ、一也との決闘に敗北したことで考えを改め、自らの行いを恥じるようになるなど次第に性格は丸くなってきている(それでも、一也に対しては、裸を見られたらそれが事故であっても容赦なく鉄拳制裁を喰らわせている)。虎鉄に対しても当初は亡き兄・すおうへの思慕から道具扱いしてきたが、一也との決闘・柄の修復の後はパートナーとして認めるようになった。
一也に敗北したために無敗を常とする皇流から破門されそうになるも、自分を破った一也と恋人になることで回避するように母から命じられる。何とか演技でごまかそうとしたが、結局バレて母からのきついお仕置きを受けることとなった。
決闘に敗北してからは一也に好意を抱いており[注 8]、一也と添い寝した布団の中で本音をつい暴露してしまった(ただ、一也としてはあくまで演技だと思い込んでいる)。なお、破門はされていないので婚約は継続中。
修復が完了しても人の姿になろうとはしなかった虎鉄に対して心から謝罪したこと、一緒に居たいという願いを伝えたことで、再び人の姿になれた虎鉄と一体となる「かみがかり」を成し遂げた。
一也の母・奏歌とは幼い頃に面識があり、すおうを殺害した怪異を興味本位で土地境を超えて見物・撃退してしまった奏歌と対峙。彼女を「仇」とし、つづら殿で再修業するまでの間、稽古をつけてもらった。後に、桐葉から奏歌を殺したことを直接明かされる。
虎鉄(こてつ)
声 - 大久保瑠美
日本刀の付喪神で、少年の姿をしている。すなおには昔からかなり理不尽な扱いを受けており、その不遇振りは一也に通じるものがある。
一也とすなおの勝負の際、すなおの戦い方が荒かったためにダメージが蓄積。かみがかりを発動させた一也のちからおびの一撃により、柄の部分が破壊されてしまった。
後に修復に出されたが、それまでのすなおからの理不尽な扱いがトラウマとなってしまい、その修復が完了しても「すおうを救えず、すなおの力にもなれなかった自分はいらない」と拒絶されることを恐れ、人の姿になろうとはしなかった。しかし、すなおが虎鉄に対して心から謝罪したこと、一緒に居たいという願いが伝わったことで、再び人の姿になれた。
皇 すずり(すめらぎ すずり)
すなお、すおうの母にして、皇流剣術の現継承者。17歳の時、初めて父以外の男(すすむ)に敗北し、婚約。婚約から6年後に結婚した。
他を圧倒するほどの実力を備えており、娘のすなおに対しては立派な継承者とするべく、涼しい顔をしつつ日々厳しくしつけている。特に教えを破ったり、嘘をついたりした場合には、地下にある拷問具などが居並ぶ専用の仕置き部屋に連行し「おしおき四十八手」と称するきつい仕置きを施す。
すなおと一也の関係が演技だと気づいた後も、一也の人となりを気に入っている素振りを見せた。一也のことは皇流剣術の後継者(すなおの結婚相手)候補として見込んでおり、後に加賀見家に居候することになったすなおに対しては、家を出ていく前に「いい機会」とばかりに居候中に一也と肉体関係を結ぶよう迫った。
皇 すすむ(すめらぎ すすむ)
すなお、すおうの父。婿養子である。
現在は強面だが、若かりしころは道場一弱く、2年通っても全く腕が上がらなかったことから他の練習生に雑用を押し付けられたりしていた。何時ものように押し付けられた風呂掃除中、偶然すずりの裸を見てしまい、さらにアクシデントとはいえ偶然一本を取ってしまったことから、数年にも及ぶすずりの地獄の特訓を経て夫となった経緯がある。
小学校卒業まで一緒に風呂に入っていたほど溺愛している愛娘すなおの恋人候補である一也に対しては並々ならぬ敵対心を抱き、再三に渡って攻撃の機会を窺うも毎度毎度すすむ自身のミスやすずりによる粛清に遭い、失敗に終わっている。
皇 すおう(すめらぎ すおう)
すなおの亡き兄。
虎鉄と共に「すそはらい」の任に就いていたが、強力なあまそぎの手によって殺されてしまった。一也と同様、つぐももを道具としてではなくパートナーと考え、接していた。
なお、彼を殺したあまそぎは上岡に移動して奏歌に倒されたが、既に致命傷を負っていたにも関わらず手ごわい相手だったとの事。

迷い家に集う者たち[編集]

あまりに身勝手な主人の許を渡り歩いた結果、人間たちを見限った付喪神たち。迷い家に匿ってもらうことで、所有者たる人間から霊力の供給は受けられなくても辛うじて人の姿を保っていられる。ただそれにも限りがあり、命を失わないためにも、また仲間たちを守るためにも「おのごろ祭り」を行うことを目指し、怪異を用いて騒動を引き起こしている。ミウラヒの号令により迷い家ごと一斉に上岡へと侵攻を開始するも作戦は失敗に終わり、あきと、あるみら生き延びた者は命の保証を受ける条件で神側に投降した。その後は全員つづら殿で軟禁されている。

安次峰 あきと(あしみね あきと)
鋏の付喪神。武力に長けている。「おのごろ祭り」を行うことを狙い、今”最も力が弱まっている”とされる土地神・くくりを討伐するため現世に現れた付喪神たち四人組のリーダー格。〔あまそぎ〕を意図的に暴走させる事が出来る。本来は雑貨であるあきとの力は武器の付喪神には劣るが、義妹のあるみの未来予知と組み合わせる事で高い戦闘力を発揮する。「鋏」としての特殊能力なのか、「縁斬(えんきり)」と呼ぶ攻撃無効化能力を持つ(ただし、一度使うとしばらくは使えない)。
「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校の男子生徒に扮しており、また一也のクラスメイトとして一也・桐葉らの行動を監視していた。ただ一也たちとは極力接触を避けていたため、桐葉はあきとがクラスメイトだったことに気付いていなかった。
街中のゲームセンターで発生した〔あまそぎ〕に巻き込まれた際にみまねがつぐももであることが一也や桐葉にバレたため、止むを得ず表向き『みまねの所有者』ということにしていた。また、不本意ながらみまねとともにお悩み相談室のメンバーにも加えられてしまった。
ミウラヒが死に、椀爺の体調が悪い事などもあり、迷い家がつづら殿預かりになってからは、付喪神達の代表として人間達との交渉に当たっている。一也とはつづら殿で再会した際に自らの正体と真の狙いを明かした。
安次峰 あるみ(あしみね あるみ)
水晶玉の付喪神。水晶玉を用いて、未来を占うことができる。長期・長距離の予知は確率が低下するが近距離・短時間ならほぼ完全な「先読み」が可能。
あきととは同じ蔵で生まれ、同時に付喪神に昇華したため義兄妹の関係にあるが、あきとの事を義理の兄以上に意識している。また、みまねからは日常的に重度なセクハラを受けている。
「おのごろ祭り」を行うまではあきとの妹として、上岡東中学校の女子生徒に扮していた。水島みつりの怪異の話では、男子トイレにて一也の前に現われ、怪異のヒントを伝えた。一也側からすれば、水島みつりと真中まなの双方を救う事ができたが、実際はみつりがまなに殺されるよりも結果的に呪詛を振りまく事になった。
失敗に終わった「おのごろ祭り」のあと神側に投降し生き延びたが、つづら殿に着いてからの消息がなぜか掴めていない。
八津川 やすき(やつかわ やすき)
弓の付喪神。あきと同様、攻撃力は高い。迷い家の門番でもあり、最初、迷い家に辿り着いたあきとたちに対して、情報漏洩(と、みまねに対しての悪影響)を恐れて亡き者にしようとした。あきと曰く、「単なる過保護」。無口であまり発言をしない為、何を考えているかはよくわからない。
「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校の男子生徒に扮していた。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。
美鷹 みまね(みよう みまね)
鏡の付喪神。見た目は小学生くらい幼い。自身の写し身である「血鏡(ちかがみ)」を遣い、鏡の特性による多彩な能力を使う。
「おのごろ祭り」を行うまでは上岡東中学校の女子生徒に扮していた。常に刺激を求めるほど好奇心が旺盛で、迷い家では新参者のあきとやあるみをうんざりさせるほど質問攻めにした。「つまんなーい」が口癖。おしゃべりで軽率で、注意した事をすぐに忘れ、おのごろ祭りのための計画を破綻させかねない行動を取るため、あきとをいつもやきもきさせている。
街中のゲームセンターでの〔あまぞぎ〕の一件で、一也や桐葉にはつぐももであることがバレてしまった(だが本人は全く悪びれていない)。後にあきととともにお悩み相談室のメンバーに加わる。
失敗に終わった「おのごろ祭り」のあと神側に投降し生き延びたが、つづら殿に着いてからの消息がなぜか掴めていない。
ミウラヒ
迷い家の所有者だが、自らがその迷い家の付喪神でもある。命を保つため、自身同様に所有者のいない付喪神たちを迷い家に匿っている。付喪神たちに霊力を供給するため土地神の「石片(かけら)」を自ら身体に宿して神となったが、その「石片」の暴走を抑えるため自ら意識を絶ち、即身仏と化している。しかし、その「石片」の効力も弱まってきており、迷い家の付喪神の中には命を落とした者もいる。
追い詰められ、人喰いに走る者も現れた始めたことから最後の賭けとして上岡への侵攻を開始するも、あざみによる背後からの不意打ちで「石片」を奪われて死亡した。
丹面(たんめん)
椀の付喪神。迷い家の長。周りからは「椀爺(わんじい)」と呼ばれている長老。あきとらを迷い家に呼び寄せ、そして呼び寄せた真の理由を告げる。みまねが持つ「既視面鏡」の能力で入浴中のあるみの裸を見て喜ぶなど、結構スケベ。長老の立場ながらその行動を諌めるため周りからよく制裁を食らっている。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられるが、身体がだいぶ弱っている。
右晶、左晶(うらら、さらら)[注 9]
靴の付喪神。丹面の左右に控えているお付きの女性。丹面がスケベな行動に出ると、遠慮なく真っ先に制裁を食らわす。ほのかとの戦いでは蹴り技を使い、2人でのコンビネーションによる攻撃で一気に畳みかけようとした。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。
あざみ
少女の姿をした、黒帯の付喪神。何故か、迷い家にとって最も重要な情報である、今最も力の弱っている土地神、そしてその土地神を更に弱体化させる方法を掴んでいる。あきとらを現世と異空間にある迷い家とを往来できるよう橋渡しの役目も負っている。現世にももう一人、黒いワンピースを着たあざみがおり、このあざみはあきとらに条件付きで協力している。現世にいる黒いワンピースのあざみは一也に好意を抱いてるようで、一也が他の女の子と仲良くしていると、怒りで《すそ》が漏れ出し〔あまそぎ〕を発生させる。
その正体は幼小時のかずやが自分専用の〔つぐもも〕として生み出した付喪神。元は蔵の中で眠っていた黒い帯で誕生方法こそ〔あまそぎ〕に近いが、当初は暴走するようなことは無かった。しかし、かずやが訓練用の〔あまそぎ〕を作るために「奏歌のワンピース」にすそを集めた際に暴走、ワンピースに宿っていた意識に取り込まれる。訓練の相手としてかずやが「ぼくを殺せ」と命じていたことで奏歌に取り憑き「つくもつき」となってしまう。
槍の千影(ちかげ)
槍の付喪神の女武者。常に甲冑の出で立ちをしている。若々しい外見に反し、迷い家では最古参で、かつて土地神・磐長姫を討ちとった際、選りすぐりの付喪神108人の中で生き残る事ができた三人の中の一人。あきととは稽古や相談を受けるなど姉御肌的な存在だが、未だ一度足りともあきとが千影に勝利した事は無いほどの実力者。面倒見のいい性格で、またその武勇には尊厳を抱かれている。あざみ捕獲の際にも活躍した。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。
針の糸信(しのぶ)
針の付喪神。土地神・碧長姫を討ちとった際、選りすぐりの付喪神108人の中で生き残る事ができた三人の中の一人。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。
長髪のジト目の人物で、迷い家の序列でも左手最前列の席に就いている。何の打算もなくつぐももを同じ命だと判断するかずやを信用できると認めた[注 10]
杖の三条
杖の付喪神。土地神・碧長姫を討ちとった際、選りすぐりの付喪神108人の中で生き残る事ができた三人の中の一人。
頭を丸めた僧侶のような風貌で、糸信と共に右手最前列に就いている。
心昭
常に微笑みをたたえた褐色の大男。素手なので何の付喪神なのかは不明だったが、ほのかとの戦いで写身と思われる大槌を出しているため、木槌が原型。あざみ捕獲の際にも活躍した。他の付喪神三人を軽々と押さえつける剛力の持ち主。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。
独楽の男十郎、小刀の切姫
迷い家から供給される霊力の不足が進行し、人の姿を保てなくなってしまった付喪神。
斧の玄斧(げんぶ)
斧の付喪神。迷い家の限界が近い事から、土地神襲撃の時期を待つ事に痺れを切らし、独断的に襲撃を敢行したグループの実質的リーダー格。
豪胆な大男で、あきととも互角に戦う実力者。くくりを守ろうとした黒耀に4人がかりで重症を負わせた。仲間の付喪神たちが次々倒れていく事に心を痛めるなど仲間想い。ただしあきとは嫌い。
笛の響華(きょうか)
笛の付喪神。土地神襲撃をした迷い家グループの1人。陰陽師の装束と学生服を足したような姿の少女。
サディストな性格に加え、性欲が強く同性愛嗜好もあるため、黒耀をじわじわ痛めつけた時の恍惚感が忘れられず、戦闘中にも関わらずオナニーを始めていた。
高周波から低周波まで笛の音を利用した多彩な能力をもつ。視覚では捉えられない衝撃波や反響による索敵、超音波で三半規管に影響を与えるなど、1人でも一也・桐葉を圧倒するほどの実力者。ただ、怒りのかみがかりで逆に圧倒され霊力を失い、自ら原身に戻ってしまった。一也が仮の主として所持していたが、つづら殿で囚われた際に復活する[注 11]。囚われた仲間たちを助けることと引き換えにかずやたちに協力する。消耗したつぐももを助けるために一時的にとはいえ「全員の仮の主」になった瞬間にかずやの信頼に足る本心を見た糸信からの願いも受け、多少ツンデレ気味ながら桐葉を失ったかずやの新たなパートナーになる。
九殿武闘会を前に特訓を始めるも自身を使いこなせない一也に苛立ち制裁を加えるが、桐葉の帯技を会得するために自分の身体につぐももを乗っ取らせた方法を聞き、つくもつきになる可能性の警告をするも一也の意思に折れ使い方を教えるために身体に憑依する。だが、マグマのように湧き上がる性欲を発散するためにたかのや央姫に襲い掛かろうとする。
かつては寛寿と呼ばれる盲目の温和な貴族の下で美しい音色を奏でる笛として幸福に仕えていたが、己を悪行のための道具としてしか価値を見出さない別の主を経て、強い実力を持ちながらも、本来は人間の欲のために力を振るう事や、特に武器として見られる事には強い嫌悪感を抱いている。
朱紋橋(しゅもんばし)
橋の付喪神。掌支承(たなししょう)「心渡(こころわたし)」という技で、相手の心の中を見ることができる。そして、それを第三者に見せることもできる。
投降後、つづら殿で封印の札を貼られ拘束されていたところを一也らに助けられる。
扇の扇雅、盾の盾合
土地神襲撃に加担した付喪神。くくりに執着する金山たぐりと二対一で闘うが、一通り力を見られた後、無傷のまま焼き払われる。
ろくろの三十郎
ろくろの付喪神。土地神襲撃を訴えていた代表格の玄斧たちが迷い家から離脱した事によって、本来抑えていた急進派が一斉蜂起し、人を喰らい始める。
人を喰らった事で大幅に力を得た一方で、自我を失った妖魔と化した。三十郎もあきとたちの留守中に迷い家の仲間たちを20人殺害する。
蓄音機のぐらもん、画筆のふしみつ、植木鉢のつちしろ
九殿武闘会にて隷付喪神派から傀儡帯によって「隠し玉」として酷使された付喪神。いずれも結果的に破壊され付喪神としての命を落とす[注 12]

つづら殿[編集]

織小花 央姫(おりおばな おうひ)
すそはらい養成所「つづら殿」を纏める女性。緊急事態で上岡へと馳せ参じた時までは頭首であったが、その不在時に斑井が起こした謀反により役職を剥奪され、「つづら殿」に戻った直後に一也とともに牢屋で暫く軟禁される。
人間の父と付喪神の母とのハーフという出生であるためか、見た目は妙齢ながら実年齢は獏楽曰く「八十…」である。肉体的にはほぼ人間と変わらず、特別な力もないものの、真名の固定化を防ぐ意味で定期的に改名している(奏歌と初めて会った頃は「央菜」と名乗っていたのはそのため)。
獅子崎 信九郎(ししざき しんくろう)
奏歌が任に就くまで、上岡ですそはらいを務めていた、体格の良い大柄な男。くくりを慕っており、常にくくりの傍で食事の用意など身の回りの世話をしていた。
つぐもも使いとしての格付けは七印(九殿武闘会の時点では八印)と実力は折り紙つきで、つづら殿としては前々よりすそはらい養成のための指導者にさせようと召喚する意向を示していたが、くくりに仕えるすそはらいは自分しかいない、という(恋愛感情を含めた)信念のもと上岡を中々離れようとしなかった。当然に奏歌が上岡のすそはらいとなることには猛反対したものの、奏歌との直接対決で敗れたことで、身を引いた。その後はつづら殿で後輩の指導に当たっていたが、くくりの死を受け止めきれず酔い潰れていたところを隷付喪神派によってあっけなく捕縛された。かずやたちに救出されて以降は親付喪神派の一員として九殿武闘会に参加。白星を挙げたが、手加減は出来ず相手が傀儡帯で酷使した付喪神を死なせてしまう。
兜のつぐもも「蒼心兜(そうしんとう)」によって作られる霊甲冑・鎧怨(がいえん)を纏う。この鎧は防御力もさることながら受けた攻撃(武器や技)を記憶し、写し身として再現する「怨返(おんがえし)」を使う。
斑井 枡次(まだらい ますじ)
元はつづら殿の副頭首だったが、織小花が留守にしている間に謀反を起こし組織を掌握、新頭首となった。年齢は、本人の発言から、央姫の実年齢と同じ80歳くらいと見られる。
付喪神を道具として扱う「隷付喪神派」の中でも特に付喪神を見下しており、道具が人間に逆らうことを絶対的に認めない。あるみの力でくくりと奏歌の戦いを見ていたが脅威を脅威と捉えておらず、奏歌討伐は自身の派閥でのみ行い、その間一也は地下に隔離、またほのかが救命した元迷い家の付喪神たちは全て破壊するという、極端な結論を出した。
かがし
斑井の部下の女性。香炉の付喪神「白艶香」の所有者であり、央姫からつぐももを強制的に使役する「傀儡帯」の居場所を聞き出した。
七尾 直樹(ななお なおき)
三印のすそはらいで下印生いじめの常習犯。一也を見下しており付喪神無しの戦いを挑むがあっさりと倒される。ししなりという付喪神を従えている。
田鎖 たくみ、田鎖 たかの(たぐさり たくみ、- たかの)
つづら殿の中でも親の代から所属している兄妹。母である薪(たきぎ)が使っていた鎖の付喪神・銀継を二つに分けて受け継いでいる。
銀継・しぐれを持つ兄のたくみは現実主義的な考えから隷付喪神派で、銀継・ささぐれを持つ妹のたかのを頭から押さえつけている。母・薪が任務で命を落としたことをきっかけに「強くなければならない」という思いを抱き、たかのを導こうとしている。九殿武闘会では仕込み付喪神を使わず鉄鎖術だけで戦った。
妹のたかのは、全てにおいて自分より勝っている兄に対して面と向かって反論できないため、表向きは兄に付いて隷付喪神派に属している。だが、幼い頃からペアを組んでいる付喪神を道具とは見れず、実は「隠れ親付喪神派」である。そのため、兄らを裏切り軟禁されていた一也らの解放の手助けをした。九殿武闘会では親付喪神側に付いたことで、対戦相手となってしまったたくみには通用する技がないと悩んでいたが、それを聞いたかずやから伝授された「帯技」を鎖で再現し勝利した。
本人の発言から処女。一也の肉体に憑依した響華が二度、一也の肉体で性交しかけるも、寸でのところで最初は狐面に、二度目は央姫に、それぞれ妨害?されたため、いずれも未遂に終わっている。
狐面
修行よりつづら殿に帰ってきたとされる、手練のすそはらい。格付けは三印。狐の仮面を被った女性で、日本刀らしきつぐももを所持している。
本人の意向で正体は明かされず、風呂の間ですら狐の仮面を被っているなどその存在は謎に包まれており、女性であるという以外、皆目見当もつかない。ただ、一也は風呂場で偶然見た裸から「どこかで見たような…?」とその姿にデジャヴを感じている。
一也を影から尾行監視しており、一也が別の女性と良い雰囲気だとなぜか怒りに震え、時に直接制裁を喰らわす。
東那 ひより(ひがしな ひより)
八印のすそはらいで、刀の直次を持つ親付喪神派。奏歌たちとは同期であり、作中の時間経過から30代半ばとみられる。幼少時は外様の奏歌をいじめていたが、奏歌には後に実力で追い抜かれ、「開発」もされた模様。
鈴谷 すみれ(すずたに すみれ)
七印のすそはらいで、手裏剣のちづりを持つ親付喪神派。奏歌たちとは同期であり、作中の時間経過から30代半ばとみられる。
今は一也と平気で混浴するなど明るい性格だが、幼い頃はおどおどとして気が弱く、いじめられている奏歌を助けられずにいた。ひよりと同じく、奏歌には後に「開発」もされた模様。
その後はひよりと共にすそはらいとして成長し、信九郎、ひよりらとともに親付喪神派の実力派として数えられるほどになった。
毎年行われている「すそはらい美乳名鑑」に必ずランクインするほどの美乳の持ち主。

その他の人物[編集]

ほのか
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)。すなおたちが住む小宮の土地神で、炎を自在に操る。活動的な恰好や男性的な言動を好み、鋭い三白眼の持ち主だが女性[注 13]。試練を突破したすなおを、すおうの後任「すそはらい」として認めた。
すおう、すなお兄妹とは、彼らが子供のころからの旧知の仲であり、すおう亡き後すなおが「すそはらい」の役目を志願した際には、未熟ぶりを説いて断念するよう諭したこともある。
同じ土地神のくくりとも友好な関係。ミウラヒが死んだことで霊力が途絶えた迷い家勢も生きている者は降伏を条件に救命した。
金山たぐり
声 - M・A・O
金山毘売神(かなやまびめのかみ)。金羅神社に住まう祭神。くくりや桐葉に金を貸し付ける代わりに、いつも卑猥な要求をする。女性だが重度のロリコン。金剛角と呼ばれるおみくじの抽選器のような大きな六角形で搭状の武器を使う。直接敵にぶつける他、相手の攻撃を防ぐ盾になる他、六剛結界と呼ばれる別空間を作り出すこともできる。また、本気になれば笑顔のまま目が半開きになり、コロニーレーザーのような形状になり一瞬にして敵を焼き払う鉄穴流(かんなながし)という技を放つ。
作者曰く「当初は男性として出すつもりであったが15話で本格的に登場となった際に女性にした方が扱いやすい」ということで女性になったことをファンブックで明かしている。
兼爺(かねじい)
八意思兼神(やごころのおもいかねのかみ)。天象神社に住まう祭神。「やごころすそ予報(有料)」を出している。巨乳好きな爺さん。
磐長姫(いわながひめ)
千年前、富士山噴火に端を発する大飢饉によるすその乱れを正していたが、そのために衰弱したところをミウラヒたちに襲われ、殺害された。その怨念はすそとなって残留し続け、現代に至り一也を身籠った奏歌が接触。それによって一也が異常に高い霊力とすそを引き寄せる「忌み子」として誕生することとなった。
獏楽(ばくら)
夢枕のつぐももで「夢のスペシャリスト」。夢枕騒動にてくくりに呼ばれ、夢の中に入る際のサポートを行う。もち肌。語尾に「…ですん」と付けるのが口癖。すぐに居眠りする癖があり、歩行中、入浴中であっても居眠りしている。
趣味は夢の宿った魂蔵(「たまくら」。枕の語源と言われる)の収集で、仕事の報酬として受け取る。
賽のひふみ
とある屋敷にて3代に渡り愛用された3種の道具で、あきと、あるみと共に同じ蔵より生まれた女性の付喪神。原身であるサイコロの特性から運命操作が可能で最も主人から重宝されたが、その主人の強欲により非業の死を遂げる事になる。あきとの想い人。

用語[編集]

付喪神(つくもがみ)
長い年月を経て古くなった器物などに魂や精霊が宿った存在。神とは呼ぶものの、正体は妖怪である。人から人へ受け継がれ、長い時を経た道具から生まれる「つぐもも」と、一時的に濃くなった《すそ》と、持ち主の願望から生まれる「あまそぎ」に大別される。
つぐもも
永く人の手を渡り続けた道具が意志を持ち、人に変化する事も可能となった存在。平均して百年ほどで生まれるともいわれ「九十九神」とも呼ばれる。それぞれの原型となった道具に倣った「属性」をもち、それを利用した能力を発揮する。原形のもつ属性は人の姿になっても有効で、その道具の働きを抑える(もしくは妨げる)ものを受けると、その影響で行動を阻害される[注 14]
ただし、人の姿を保ち続けるには所有者たる「つぐもも使い」から霊力の供給を受けなければならず、所有者のいない付喪神はやがて命を失い、単なる器物へと還ることとなる。ろくろの三十郎のように人(霊力)を喰らうことで人の姿を保つことも可能だが、「道具」という存在である付喪神にとってそれは禁忌の術であり、時間が経つと自我を失った妖魔と化してしまう。
持ち主がいても力を消耗しすぎると人形から原身に戻ってしまったり、普段の姿より幼い姿しか保てなくなる(力は落ちるが行使自体は可能)。
持ち主が真名(桐葉は「あやさくら」)を口にすることは絶対命令を意味し、真名で呼ばれた付喪神は持ち主の命令に逆らえなくなる。
あまそぎ
後述の「すそ」と「持ち主の願望」を元にごく短い期間で生まれた九十九神。つぐももと比べると動物的な本能が強く、手段を問わずに願いを叶えようと持ち主を暴走させた末に破滅させる事が多い。桐葉らは、身に着けている髪桜(はざくら)が激しく揺れて鳴る鈴の音を聞くことで、身近であまそぎが発生していることを知る。
持ち主の願望が成就されるか、持ち主自身の手によって破壊されれば消滅するが、第三者の手で破壊された場合、その力と願望に比例した「すそ返し」と呼ばれる呪いが持ち主に降りかかる。
すそがえし
あまそぎが第三者に破壊された場合に持ち主に降りかかる災難。基本的には破壊されたあまそぎに関わる部分に現われ、忠孝(かつらのあまそぎ)の場合は「頭が禿げる」、しろう(コロンのあまそぎ)は「一週間の強烈なワキガ臭」といった物。内容と思いの強さによっては、「髪の毛が固まる」「鼻が天狗のようになる」などの見た目的な変化、「記憶が無くなる」「喋れなくなる」「歩けなくなる」など生活に支障をきたすレベルの障害を負う場合がある。
あまそぎを生み出した事は自身の責であると自覚し、反省する事で徐々に薄れ回復する。
つくもつき
つぐもも、あまそぎを問わず、「持ち主を乗っ取ってしまった状態」を指す。この状態の時はまさしく超人的(鬼とも形容される)な力を発揮するが、制御できなければ遠からず自滅する諸刃の剣。
このつくもつきを持ち主と九十九神が意図的に起こす事を「かみがかり」と呼び、極めて一時的ながらつくもつき状態の能力を発揮できる。しかし「かみがかり」使用後には、付喪神は一切の力が使用不可能になり、持ち主は普段の限界を超えて体力を消耗するため暫くの間、意識はあるものの体が全く動かなくなる、などといった副作用が出る。
また、意図的につぐももに身体を明け渡すことで「身体を通してつぐももを扱う為の技術や感覚を経験する」ことも可能だが、これには当然ながら互いに信頼関係が成立していなければ行われない。
すそ(呪詛)
顕世のひずみであり、ゆがみであり、あそび。「万物の根源」とも「残りカス」とも呼ばれる。空気のように至る所に存在し、想いに呼応して顕世の理を捻じ曲げるモノ。
通常の濃度では願望がわずかに底上げされる程度だが、一時的にすそが濃くなる日時・場所においては「あまそぎ」を生み出す原因となる。
すそが濃くなりやすい条件の場所(忌み地)や日時(忌み時)以外にも、生まれつきすそを引き寄せる体質の人間も存在し、そう言った子供は「忌み子」とも呼ばれた。忌み子を排しても忌み物や忌み地などの代えがある限り、呪詛が無くなることはない。
すそはらい
問題を起こしたあまそぎを、つぐももを使役して調伏する者。通常はそれぞれの土地神一柱につき、すそはらいを任されるつぐもも使いはひとつの土地で一人だけ(上岡では一也、その隣の小宮ではすなお)だが、すなおのように緊急措置で他の土地でサポートに回ることもある。大体は雑妖や低難度の怪異の退治がメインである。すそはらいとして認められるには、土地神による過酷な試練を乗り切らねばならない。これは前述の通り、土地専任のすそはらいは「1名のみ」なので相応の実力が求められるからである。
つづら殿
日本の神々を統べ、集う場「高天原」の管理する「すそはらい養成所」で、すそはらいになるには本来ここに入る必要がある。表向きは孤児院として運営されており、すそはらい候補生の多くは幼いころから訓練を受ける。そのため、それなりの年齢になってから入ってきた者は「外様」と呼ばれ、排斥される傾向がある。
ここに所属する者たちは各土地専任のすそはらいとは違って複数人でチームを組んで怪異討伐に当たる。これは土地神の支配地という「ホーム」ではなく怪異たちの棲み処、すなわち「アウェイ」で戦うことも関係している。なお、つづら殿に居るすそはらいたちが額に巻いている鉢巻きには「印(いん)」と呼ばれる線が描かれており、この線の数の差で各個人の実力・位の違いが分かるようになっている。線の数が多いほど実力は高く、七印・八印クラスになると最高の実力者とされる[注 15]
基本的に実力重視の気風で組織の意思決定を司る9人の代表「九殿冠(きゅうてんかん)」は在任者と挑戦者の試合「九殿武闘会」で決定する。長い歴史を持つ組織の常から、「親付喪神派」「隷付喪神派」という派閥による対立も存在する。ただ、「隷付喪神派」は派閥勢力を強めるためすそはらいを不正に昇段させている傾向が見られ、印ほど実力が伴っていないすそはらいが多い。後述の「封帯」を始めとして「付喪神を制御する為の術具」の開発も行っており、中には「傀儡帯」のように倫理的な危険性から使用を禁止されたモノもある。
くらこごり
「蔵凍り」と書く。つづら殿に持ち込まれた怪異討伐の中でも難易度に対して緊急度が低く、棚上げされたまま放置されていた依頼。
封帯(ふうたい)
巻物状の形で、付喪神の力を封印する効果を持つ道具。すそはらい同士の私闘を禁止するために作られた物で封印された付喪神は力を行使できない。現代社会ではその場で使用可能な状態で持ち歩くことが難しい武具系の付喪神や「本来持ち歩く道具ではない付喪神」を携帯するためという意味もある。
傀儡帯(かいらいたい)
すそはらい同士の私闘を禁止するために作られた付喪神の力を封印する「封帯」と違い、見た目はほぼ同じだが付喪神を契約せずに強制的に行使できる効果を持つ。更に傀儡帯所有者は自身の霊力を消費する必要もないので酷使された付喪神は霊力が尽き結果的に死んでしまうことになる。
つづら殿の「負の遺産」であり、秘密の倉庫にて厳重に保管されていたが九殿武闘会勝利を目論む斑井がかがしの付喪神による央姫への尋問を経て入手した。
石片(かけら)
すその結晶。これを手にすることで、迷い家にいる付喪神たちに霊力を供給し続けることができる。ただし、これを手にするには土地神を殺さなければならず、効力も千年ほどしか続かないため、その都度新たな石片を手に入れなければならない。危険な存在でもあり、所有者のわずかな意識のさざなみが大津波となって現世に顕現するほどの大きな力を持っている他、複数集まると災害が起こるなど大変なことになる。
おのごろ祭り
土地神を殺し、その土地神から奪った新たな石片をミウラヒに再び宿すこと。土地神はまともに戦っては付喪神が束になってかかっても倒せる存在ではないため、ターゲットは最も力の弱まっている土地神となる。前回石片を手に入れるため当時最も力が弱まっていた土地神・磐長姫を討伐した時は、108人もの付喪神が束になってかかっても七日七晩掛かった上、生き残ったのはミウラヒや丹面など5人のみであった。
迷い家(まよいが)
所有者のいない付喪神たちが住む隠れ家。付喪神たちはここに居ることで霊力の供給を受け、人の姿を保つことができる。ただし付喪神であれば誰でもというわけではなく、「おのごろ祭り」を行うために、ミウラヒの命により人間たちを見限った付喪神の中で能力の高い者のみが招き入れられることを許される。なお、神殺しは大罪であり、通常であれば逆によその神々やすそはらいたちから命を狙われるところであるが、迷い家は異空間にあり、また隠形術もあるため、ここに居る限りそうそう見つかることはない。ただ、くくりら神々はその存在には薄々気づいていた模様。

書誌情報[編集]

テレビアニメ[編集]

2017年4月より放送中。全12話。ナレーションは井上喜久子[2]が務める。

作者によると、単行本2〜3巻が出たあたりで最初のアニメ化企画が出るもお流れとなり、また8〜10巻あたりで再度企画が出るもこれもお流れとなり、もうないだろうと思っていたら三度目で正式にアニメ化に至った、とのこと(単行本18巻あとがきより)。

スタッフ[編集]

  • 原作 - 浜田よしかづ
  • 監督・シリーズ構成 - 倉谷涼一
  • キャラクターデザイン - 中原清隆
  • 総作画監督 - 中原清隆、桜井正明
  • プロップデザイン - 平川佳樹
  • 美術設定 - 越智博之
  • 美術監督 - 田尻健一
  • 色彩設計 - 古川篤史
  • 撮影監督 - 松田隆平
  • CGI - 安田兼盛
  • 編集 - 宇都宮正記
  • 音響監督 - 郷文裕貴
  • 音楽 - 高梨康治
  • 音楽制作 - ポニーキャニオン
  • 音楽プロデューサー - 堀切伸二
  • プロデューサー - 中野雄一、小沼利行、柱山泰佐、森田剛、先川幸矢、小田元浩、堀切伸二、山崎史紀、成毛克憲、前坂栄司、吉田裕二
  • アニメーションプロデューサー - 先川幸矢
  • アニメーション制作 - ゼロジー
  • 製作 - 「つぐもも」製作委員会(博報堂双葉社、ゼロジー、東映ビデオ、ポニーキャニオン、博報堂DYミュージック&ピクチャーズアニマックス、マイシアターD.D.、カカオジャパン)

主題歌[編集]

オープニングテーマ「METAMORISER」[3]
作詞・作曲・編曲 - Q-MHz / 歌 - バンドじゃないもん![3]
エンディングテーマ「I4U」[3]
作詞 - RUCCA / 作曲 - 藤間仁 / 編曲 - 岩橋星実 / 歌 - MICHI[3]

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 エンドカード 原作話
1本目 桜の香り 倉谷涼一 北村友幸、植田洋一 紺野あずれ 第1話・第2話
2本目 図書室と幼馴染 加藤還一 倉谷涼一 宇都宮正記 藤田正幸、加野晃 私屋カヲル 第3話・第4話・第5話一部
3本目 くくりひめ 倉谷涼一 越田知明 草間英興 西島大介
4本目 土地神の試練 倉谷涼一 西本由紀夫 深瀬重 門智昭、向山裕治 関谷あさみ
5本目 特訓 加藤還一 ロマのフ比嘉 川西泰二 大庭小枝、Lee Dong Wook 音井れこ丸

放送局[編集]

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[4]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [5] 備考
2017年4月2日 - 日曜 23:30 - 月曜0:00 アニマックス 日本全域 製作委員会参加
BS放送 / CS放送 / リピート放送あり
2017年4月3日 - 月曜 0:00 - 0:30(日曜深夜) BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠
2017年4月3日 - 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) TOKYO MX 東京都
日本国内 インターネット / 放送期間および放送時間
配信期間 更新時間 配信サイト 備考
2017年4月3日 - 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) AbemaTV 1-2話先行配信 / リピート配信あり / Abemaビデオで最新話無料配信
月曜 10:00 更新 VIDEX
月曜 12:00 更新 dアニメストアバンダイチャンネル・HAPPY!動画
2017年4月4日 - 火曜 0:30 更新 楽天SHOWTIMEビデオマーケットPlayストア
YouTube
火曜 10:00 更新 DMM.com
火曜 12:00 更新 ムービーフルPlus
2017年4月5日 - 水曜 0:00 更新 ビデオパス・GYAO!ストア
2017年4月7日 - 金曜 12:00 更新 アニメ放題・U-NEXT
2017年4月8日 - 土曜 0:00 - 0:30(金曜深夜) ニコニコ生放送
土曜 0:00 更新 ニコニコチャンネルAmazonビデオJ:COMオンデマンド
NetflixFODTSUTAYA TV
2017年4月11日 - 火曜 0:00 更新 スカパー!オンデマンド

BD / DVD[編集]

発売日 収録話 規格品番
BD初回版 DVD初回版
VOL.1 2017年6月14日予定 一本目 - 二本目 BSZD-08171 DSZD-08171
VOL.2 2017年7月12日予定 三本目 - 四本目 BSZD-08172 DSZD-08172
VOL.3 2017年8月9日予定 五本目 - 六本目 BSZD-08173 DSZD-08173
VOL.4 2017年9月13日予定 七本目 - 八本目 BSZD-08174 DSZD-08174
VOL.5 2017年10月4日予定 九本目 - 十本目 BSZD-08175 DSZD-08175
VOL.6 2017年11月8日予定 十一本目 - 十二本目 BSZD-08176 DSZD-08176

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 写し身8本は桐葉の最大であり、潜在能力全てを引き出した場合にのみ使用可能。
  2. ^ 13巻64話における、上岡東中学校体育館でのすなおとの手合せで初めて5本出した。
  3. ^ ゲームセンターで発生した〔あまそぎ〕に巻き込まれた際、格闘ゲームでの対戦で負けペナルティで露出度の高い水着姿にさせられた後、恥ずかしがりながら退いている。
  4. ^ 第7話「鎮守」(単行本第2巻に収録)にて、白山神社に呼び寄せた一也と対面した時に名乗った。
  5. ^ 結果的に桐葉が奏歌を殺したことになっているが、奏歌自身は自分が「つくもつき」になってしまっており、もう元には戻れず手遅れであることを悟っていたため、自らわざとスキを作って桐葉に殺させた。
  6. ^ 親戚は居ない訳ではなかったが、家族や経済状況等を理由に親戚同士で押し付け合っていた。
  7. ^ 「一也の好きな人は誰?」という問題であったが、桐葉は自信たっぷりに「桐葉」と答えるも不正解であった。
  8. ^ 財布には一也の写真を忍ばせており、それを母親にバラされた時は激しく動揺していた。また、上岡東中学校に転校したものの一也と同じクラスにはなれなかったため凹んでしまった。
  9. ^ 単行本11巻での表記。単行本18巻では「右蘭々」「左蘭々」となっている(読み方は同じ)。
  10. ^ つづら殿で復活し、響華にこのことを伝えた際に以前より遥かに描きこまれていたため、女性説も浮上している。
  11. ^ くくりによると、霊力の強い一也でも復活するかは未知数だった。
  12. ^ 明確に死亡が確認されたのはつちしろだけだが、ぐらもんもボロボロの状態だった。
  13. ^ 本編では当初描かれていなかったが、コミックス4巻のカバーおよびカラー口絵、5巻以降の登場シーンでは「胸」がある。
  14. ^ あきとなら「はさみの鞘」。みまねなら「かがみの蓋」。玄斧の場合“斧折樺(おのおれかんば)”の別名をもつ「あずさみねばりの箸」で影響を受けた。
  15. ^ かみがかりを成し遂げた一也は最高位である九印クラスと称されているが、一也はすそはらいとなるまでつづら殿で修行を受けたことがないため、つづら殿での格付けは最下位の「無印」とされている。

出典[編集]

  1. ^ 浜田よしかづ「つぐもも」アニメ化!お色気交えながら描くバトルアクション”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2016年9月12日). 2016年9月12日閲覧。
  2. ^ a b c d e f スタッフキャスト”. TVアニメ「つぐもも」公式サイト. 2017年2月25日閲覧。
  3. ^ a b c d 音楽”. TVアニメ「つぐもも」公式サイト. 2017年2月25日閲覧。
  4. ^ 放送情報”. TVアニメ「つぐもも」公式サイト. 2017年2月25日閲覧。
  5. ^ テレビ放送対象地域の出典: 放送分野の動向及び規制・制度(資料2)”. 政府規制等と競争政策に関する研究会通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2 (2009年10月9日). 2016年8月12日閲覧。 基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号 (1988年10月1日). 2016年8月12日閲覧。 地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2016年8月12日閲覧。

外部リンク[編集]