異世界のんびり農家

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異世界のんびり農家
ジャンル ファンタジー
なろう系[1]
小説
著者 内藤騎之介
イラスト やすも
出版社 KADOKAWAエンターブレイン
掲載サイト 小説家になろう
刊行期間 2017年10月30日 -
巻数 既刊9巻(2020年12月現在)
漫画
原作・原案など 内藤騎之介(原作)
やすも(キャラクター原案)
作画 剣康之
出版社 KADOKAWA(富士見書房
掲載誌 月刊ドラゴンエイジ
レーベル ドラゴンコミックスエイジ
発表号 2017年12月号 -
巻数 既刊6巻(2020年8月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画
ポータル 文学漫画

異世界のんびり農家』(いせかいのんびりのうか)は、内藤騎之介による日本ライトノベル2016年平成28年)12月29日より『小説家になろう』にて連載されている。2017年(平成29年)10月30日より加筆と修正を加えた書籍版がKADOKAWAエンターブレイン)より刊行されている。書籍版のイラストはやすもが担当している。

病死した主人公が、によって蘇生され異世界転移し、転移先で農業生活をするという内容の作品。波乱万丈の少ない作品をコンセプトとしており、タイトル通りの「のんびり」とした作風が特徴である[2]

2020年令和2年)12月時点でシリーズ累計発行部数は150万部を突破している[3]

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

本項および#用語の「○年目」は、ヒラクの異世界転移以降の年数。「声」はボイスカードの担当声優

大樹の村の住人[編集]

ヒラク=マチオ(Hiraku Machio[4][注釈 1] / 街尾 火楽まちお ひらく
声 - 小林裕介[6]
本作の主人公大学卒業後にブラック企業に就職し体を酷使し、30代に闘病生活を送った末に39歳で死去。死後に創造神と対面し、蘇生した上での異世界転移と引き換えに幾つか願いを叶えることを言い渡される。そこで、病死したことから「病気にならない『健康な肉体』」、人間関係で苦労した経験から「人の少ない場所での生活」、闘病生活中に見ていた農業番組の影響から「農業がしたい」という3つの願いを叶えてもらい、年齢も少し若返らせてもらった状態で異世界に転移する。転移先は人が少ないどころか皆無な環境の死の森であったが、3つ目の願いで授かった後述の『万能農具』によって土地を開拓し、順調に農業生活を送る。「大樹の村」の形成後はその村長となったが、村長としての立場や仕事にはあまり興味はなく、それよりも一農民として農業をすることを望んでおり、村の規模の拡大に伴い村長の業務が増え、農業をする時間が減っていることに悩んでいる。
トラブルを嫌う性格で、魔王国はもちろん竜族、周辺の街や村、ダンジョンに棲む亜人などと友好を結んでいる。また、困っている者を放っておけない性分で、放浪生活を余儀なくされていたハイエルフや、口減らしせざるを得なかった獣人族などを続々と村に受け入れた。さらに、各地で苦しんでいる孤児たちを救うべくビーゼルに入れ知恵(孤児を活用しての現地情報収集)と資金提供を行い、各地に孤児院を建てさせてストリートチルドレン状態だった孤児たちに仕事と生活の場を与えた。ほかに「ウチの作物を褒めるヤツに悪いヤツはいない」という信念も持っており、知らないうちに住みついていたエルダードワーフの移住も追認した。
「村長」という肩書きは、ルーが呼んだのが最初である。複数の移住者の村の形成後は「村長」では他の村々の代表と区別できない問題が発生し、ヒラクの肩書きを「王」か「大村長」に改称することが提案されたが、いずれもヒラク本人が拒否したため改称は検討(実際は放置)となっていた。しかし、10年目の冬の代表会議にて他の村々の代表を「村長代行」と呼ぶことが決まり、問題は解決した。
本人は自覚していないが彫刻の腕はかなりのもので、コップなどに緻密な彫刻を施したり、褒賞メダルに偽造防止の微細な隠し模様を彫り込んだりできる。死の森での生活を始めた直後に彫った創造神像はヴァルグライフが平伏するほどの出来で、ヴァルグライフの懇願を受けて新たに彫った創造神像はコーリン教中央神殿の最もよい場所に置かれた。この像の出来に至っては、設置後に神殿にて盛大な祭が催され像を目にした者すべてが涙を流したという噂が流れたほどであった。他にも、一ノ村用に彫ったユキの像はクロを怯ませ、「躍動感」をテーマに彫ったザブトンの像は鬼人族メイドを驚かせ、ザブトンの冬眠中も活動するザブトンの子供たちに大人気となった。
名前の由来は作者の内藤によると、「火楽が農業やって(草冠を被せて)火薬になる」ことから[2]
『万能農具』[注釈 2] / グライム[7]
ヒラクの転生前の3つ目の願いにより、創造神によって授けられた農具。ふだんはヒラクの体に宿っており自由に出し入れ可能な他、投げてもヒラクの元に瞬時に戻る。基本はの形だが、ヒラクの意思で様々な道具に変形する。変形は基本は農具限定だが、「神槍」であった頃の名残りでにもなれ、その他にも管轄する神が存在しない道具であれば変形可能[7]
槍変形時の威力は凄まじく、神代竜族の持つ4つの防御(結界・障壁・防壁・耐性)を一気に無効化できる。目標に当たった場合、刺さるのではなく周囲数mの物質を消滅させつつ貫通する。鉄の森のワイバーン相手の場合は1投目で三重の結界を無効化すると同時に左の翼を貫き、2投目で胴を貫きとどめを刺し、その威力を初めて目の当たりにしたルーティアを戦慄させた。ハクレン相手の場合は両翼を貫き飛行能力を奪った。
鍬の形で地面に刃が当たると、刃の手前側が「耕され」、農作に適した土に変わる。塩分を含む死の森の大地を耕した場合、塩分がほぼ消滅する。この時に育てたい植物を念じていると、種を蒔かなくてもその植物が生える。このため、更地にしたい場合は何も考えず無心で作業する必要がある。種を蒔かずに生えた作物の成長は通常の3 - 4倍で、年に3回以上の収穫が可能。また、木・獣・骨などの生物体に刃が当たると、刃の手前側が肥料に変わる。
鍬やなどの「刃」を持つ姿の切れ味は鋭く、死の森の硬い大地を簡単に耕せたり、大型の魔獣の首を一振りで斬り落とせたり、ハイエルフが「不倒の大木」と呼ぶ死の森の硬い木を簡単に切り倒せる。切って薪や材木にした木は、乾燥不要ですぐに燃料や建材として使える。
じょうろの形にし潅水に使うと、防虫効果がある。
常人では少し使用するだけで精神が消耗してしまう神具(のレプリカ[8]、若しくは分霊[7])であるが、ヒラクの場合は『健康な肉体』により消耗した精神が即座に回復することにより、ことなきを得ている[8]。また、神具ゆえに明確な自我を持っている[7]が、ヒラクからは気付かれていない。

大樹の村のインフェルノウルフ[編集]

クロとユキおよび彼らの子孫とそのパートナーたち。での役割は、村内外の巡回警備と森での狩り。また、最低1頭が常にヒラクの護衛に付いている。建築工事がある時は、資材運搬の手伝いをする。予告なく村に近づく者には遠慮なく集団で襲い掛かる。来村時のルー、ティア、フローラもこの攻撃の対象となり、特に吸血鬼のルーとフローラに対しては消滅寸前(全裸の幼児体型)まで追い詰めた。

春になると、パートナーがいない若い個体がパートナー探しのために森へ出掛けるが、ほぼ全員がパートナーを伴い帰村し、以後は村に定住し出産と子育てを行う。そのため、どんどん殖えて数年で正確な個体数は分からなくなり、8年目には100頭を大きく超えた。個体数が増えてからは、フブキのように森ではなく村内でパートナーを見つける個体も現れている。その個体数の多さゆえに、個体名を持つ者はクロやユキなどのごく少数に限られている。

雑食で、魔獣などの肉類の他にもトマトイチゴなどの農産物も好んで食べる。肉は、生よりも火を通したものを好む。酒も好きで、酔っ払って千鳥足になることもある。

デーモンスパイダーと連携した戦法を編み出しており、インフェルノウルフだけでは届かない高所の攻略や、飛行する相手を墜とす攻撃を可能としている。

クロ(Kuro[4]
インフェルノウルフのオス。かつては死の森を徘徊し獲物を狩る日々を送っていたが、ある日同族のメスに出会い頭に暴行されて強制的にそのつがいとなり、それからは行動を共にするようになる。妻が妊娠し出産間近となった時にグラップラーベアの攻撃を喰らい、妻と共に全身に怪我を負ってしまう。グラップラーベアから逃亡した先で、転移の数日後に住居と畑の外周に丸太柵と空堀を巡らせた直後のヒラクと出会い、もともと子供の頃に「犬を飼いたい」と思っていた上に「犬は農家の味方」という考えを持っていた彼によって、柵の内側に招き入れられる。妻の出産後は、食事の保証、妻の産所、安全に子育てができる場所を与えられた恩から、妻共々ヒラクを主と認め彼と共に暮らすようになった。
名前は黒い毛色を元にヒラクが考案した候補(クロ、ブラック、シュバルツ、ノワール、ネロ、ヘイ、黒太郎、黒丸)の中から選んだもの。本人は「シュバルツ」を希望していたが、妻に「クロにしなさい」と圧力をかけられたため渋々「クロ」を選んだ。移住当初は「クロパパ」と名づけられかけたが、「凄く悲しそうな顔をした」ことで回避した。
大樹の村の形成後はインフェルノウルフの代表を務めている。好物はトマト。17年目の夏には、「王を統べる者」であることが判明した。
ユキ(Yuki[4]
インフェルノウルフのメスで、クロの妻。ヒラクと出会った時点で出産間近となっており、彼に与えられたゲートボアを夫とともに食べ尽くした直後に産気づいたが、彼に産所(倉庫にする予定だった建物)を提供されたことで無事に出産を遂げた。名前はクロとの対比になる白色のイメージでヒラクが考案した候補(シロ、ユキ、ツララ、ミゾレ)の中から選んだもの。移住当初は「クロママ」と名づけられかけたが、夫と同様に「凄く悲しそうな顔をした」ことで回避した。好物はトマト、イチゴ、サトウキビ。17年目の夏には、「王を統べる者の妻」であることが判明した。
クロイチ
クロとユキの最初に産まれた子の1頭。好奇心旺盛で、活発な性格。2年目の春に兄弟の3頭と共にパートナー探しに森へ出掛けるが、間もなく全員がパートナーを見つけ帰村した。17年目の夏には、クロニ、ウノ、クロヨンと共に「インフェルノウルフ・キング」であることが判明した。
アリス
クロイチのパートナー。お淑やかな性格。17年目の夏には、イリス、クロサン、エリスと共に「インフェルノウルフ・クイーン」であることが判明した。
クロニ
クロとユキの最初に産まれた子の1頭。用心深く、常時クロイチの傍にいる。
イリス
クロニのパートナー。活発な性格。
クロサン
クロとユキの最初に産まれた子の1頭。最初に産まれた4頭の中では紅一点で、最も力がある。
ウノ
クロサンのパートナー。パートナーの4頭の中では最もヒラクに懐いている。インフェルノウルフが容易に倒せないゲートボアを単独で狩るほどの、類い稀な高い戦闘力を持つ。
第2回武闘会騎士の部で第1回優勝者のマクラを抑えて優勝し、村内最強の座に就いた。
クロヨン
クロとユキの最初に産まれた子の1頭。マイペースな性格。村におけるチェスのチャンピオン。
エリス
クロヨンのパートナー。好物はタマネギ
クロゴクロロククロナナクロハチ
2年目の冬に誕生した、クロとユキの子たち。クロゴ、クロロクがオスで、クロナナ、クロハチがメス。3年目の春に全員がパートナー探しに森へ出掛けた。帰村後は、それぞれが遊撃隊、一ノ村、二ノ村、三ノ村の警備隊のリーダーを務めている。
フブキ
クロヨンとエリスの子で、メス。名前の由来はユキの名づけの際に考案した候補の流用で、体の白いコキュートスウルフであったことから名づけられた。クロイチとアリスの子の1頭をパートナーにした。
マサユキ
クロニとイリスの子で、オス。3頭のメスをパートナーにしたことから、ヒラクの前世に存在した漫画の、女性の登場人物全員を妊娠させた主人公の名前を付けられた。その後も年々パートナーを増やしている模様。
兄貴[注釈 3]
村のインフェルノウルフのオスの1頭。強さは10頭ほどで集団行動する際にリーダーを任されるほど。10年目の死の森の探索任務中に子犬を発見し、村に持ち帰った。後に子犬のつがいとなった。

大樹の村のデーモンスパイダー[編集]

ザブトンとその子供たち。村での役割は、布地や服の縫製、畑を荒らす虫や鳥の捕食、村周辺の見張りおよび警報の発令、果実系の収穫。果実系の収穫に関しては、1匹が樹上で果実を切り落とし、もう1匹がそれを地面でキャッチして大皿に置き、大皿が満杯になると別の数匹が大皿ごと倉庫へ運搬するという流れで行っている。綿花の栽培が始まってからは、綿花から綿糸への紡績作業も担っている。

春になると何匹かの若い個体がパートナー探しのために村を旅立つが、インフェルノウルフとは違い帰村することはない。雑食で、好物はジャガイモ。肉類もジャガイモも、生のままを好む。

ザブトンが毎年数十~百匹以上の子を産むため、個体数はインフェルノウルフより多い。

ザブトン(Zabuton[4]
座布団のような形の体を持つ、イリーガルデーモンスパイダーのメス。1年目の晩秋に、防寒の準備に苦慮するヒラクを見かねたクロサンクロヨンによって森から連れて来られ、ヒラクと出会う。出会ったその場で5分ほどでハンカチを1枚作りその速度と質でヒラクを驚かせ、卓越した裁縫能力、高い知能、温和で大人しい性格が認められ、ヒラクと共に暮らすこととなった。住処は大樹の上で、呼ぶと糸にぶら下がり降りて来る。村ではデーモンスパイダーの代表を務めている。
ヒラクからは美味しいジャガイモという食事を貰い、代わりに彼に服などの自作の布製品を提供している。森で狩られた魔獣は糸で吊して血抜きと解体を手伝い、毛皮を剥いで住処に持ち帰る。毛皮はなめすことで、衣類などの素材にする。1年目の冬直前には毛皮のコート寝具の側布を作り、ヒラクを冬の寒さから守った。
名前は、出会った際の第一印象からヒラクに付けられた。初対面から一切警戒せず、自作の布や服を素直に喜んでくれるヒラクのことは非常に気に入っており、直接言葉は通じないものの親友のような関係となっている。
布団の中身(干し草)の交換頻度が高く手間がかかることや、ザブトン製の布や服が高級過ぎてふだん使いにしづらいために綿花栽培の話が出た時は、大好きな裁縫ができなくなると早とちりをしたのか子供たち共々激しいショックを受けたが、理由を説明されて変わらず裁縫を続けられることを理解して安堵した。移住者向けに大量の古着を購入した時は大喜びしてそれらを参考に新しいデザインの服をたくさん作り、ヒラクの「ふだん着には使えない」服を何着か増やした。
初めて村を訪れた女性はザブトンの姿を見て失神するのがお約束で、これは村に移住する者の「通過儀礼」となっている。
グラッファルーンの「古い友人」である、ヨウコからは「蜘蛛の女王」と呼ばれる、毎年多数の子を産むが夫であるオスの存在が見られないなど、謎が多い。
ザブトンの子供たち[編集]

2年目以降、毎年春先にザブトンが産む子供たち。大半が人間の掌サイズのシャドウスパイダーで、ふだんは村内のあちこちにいる。畑では誤って踏まれないよう、地面から5mほどの高さに糸で作った通路を通る。宴会でキアービットが踊ったタップダンスが気に入ったらしく、第2回武闘会模範試合でザブトンがライメイレンに勝利した時は、ザブトンともども舞台上でダンスを披露した。

マクラ
ザブトンの子供の1匹。ザブトンよりも丸みのある形をしており、大きさは畳半畳ほど。7年目の南のダンジョンの襲撃にも参加した猛者。その強さから8年目に第1回武闘会の騎士の部の出場者として選出された際に、前述の見た目からヒラクによって名づけられた。第1回武闘会の騎士の部で優勝し、第2回武闘会までの1年間、村内最強とされた。ザブトンの冬眠中は群れの統率を代行しており、「マクラ隊長」とも呼ばれている。
アラコ
12年目に大樹のダンジョンにて進化を遂げ誕生したアラクネ。名前はクロとユキ同様、ヒラクが考案した幾つかの候補の中から決めたもの。会話は最初は奇声のみであったが、徐々に上達している。ふだんは大樹のダンジョンを中心に活動している。
レッドアーマーホワイトアーマー
15年目の秋に進化を遂げ誕生した、アーマーデーモンスパイダー2匹。レッドアーマーは赤く、ホワイトアーマーは白い。名づけ親は文官娘衆の1人。進化後は屋敷の玄関前で門番をしており、ザブトンからも期待されている。

大樹の村の吸血鬼[編集]

ルールーシー=ルー(Loo[4]
声 - 種田梨沙[6]
吸血姫ヴァンパイア・プリンセス[注釈 4]」の異名を持つ、吸血鬼の女性。宿敵のティアから逃げるために2年目の冬に死の森に入るも、ヒラクの住居に近づいたことでクロたちに襲われ、消滅寸前になっていたところでヒラクと出会う。ヒラクから血を与えられて回復した後は、彼の家に招かれて熱烈なプロポーズを受け[11]、彼の最初の妻となる。ヒラクの呼び方は、夜の生活が激しかったため当初は「淫獣」「ケダモノ」であったが、「貴様」「村長」と変化していき、最終的に「旦那様」「あなた」となった。反対にヒラクからの呼ばれ方は、いろいろ変化した末に「ルー」となった。
死の森の外では有名な魔法使いであり、戦闘力は彼女を捕縛するのに一国の軍が必要になるほど[11]薬学に関しては世界一であるとされており、ティアに追われたのもその薬学を大貴族が求めたが拒否して暴れ、逃亡したことで貴族の面子を潰したことで賞金首にされたためである[11]。また、魔道具にも精通している。初めてヒラクの料理を食べた時、味の薄さに「塩は使わないの?」と訊き、ヒラクから塩を探したが見つからなかったと言われて、死の大地には土塩の層があり、土を砕いて煮出せば塩が得られることをヒラクに教えた。
外見は銀髪の美女で、髪を濃青色のリボンでまとめ、ツーサイドアップにしている。リボンの先端はピンと立てて上向きにしている。当初はヒラクに自重させるために夜以外は少女の姿でいたが、出産後は子供に顔を覚えてもらうために常に大人の姿でいるようになった。好物はトマトで、同じくトマト好きのクロとはすぐに仲よくなった。大樹の村では、吸血鬼の代表を務めている他、ティアやフローラと共にヒラクの秘書のような役割(相談役)を担っている。
部屋の片付けをしないため繰り返しアンに注意されていたが、第1回武闘会で彼女と当たった時にその鬱憤を全力でぶつけられ苦戦する。試合には辛勝したが、その直後に祖父のヴァルグライフに引きずられて行き「(生活に関して)少し長いお話」をする羽目となった。
自称「酒にはうるさい」が、酒自体にはさほど強くなく、少し飲むと寝てしまう。
フローラ=サクトゥ(Flora[4]
ルーの従妹。外見はスレンダーな体型の美女。5年目の春の終わりにルーを探しに大樹の村を訪れ、10日ほど滞在した後に引っ越しの準備を行い冬前に定住した。
ルーには及ばないものの、世間では薬学の権威としてそこそこ名が知られている。移住当初はルーと共に薬物を研究していたが、ヒラクから菌の概念を教わってからは味噌醤油作りを行うようになり、後に「発酵食品の女王」と呼ばれることとなった。
ルーから夫としてヒラクを紹介された時には「あまりパッとしませんわよ」と口走ったが、直後に村のインフェルノウルフの主で村のトップと聞かされると、即座に謝罪を行う[注釈 5]という「見事な態度の豹変」を見せた。
ヒラクの4代目住居内に個室と研究室を持つが、研究内容が発酵だけに臭いが問題となり、大樹の北西に専用の研究小屋を建てられて隔離され、住居内の研究室は封印状態となった。フローラ自身は研究小屋で研究に没頭し、家具を持ち込み研究小屋を生活の場にしているため、住居内の個室は空き部屋状態となっている。
武闘会騎士の部に出場できる実力があるが、「一人ぐらい、治癒魔法に専念しないと」と言って不参加を貫いている。そのため、戦士の部で負傷してフローラの治療を受けた場合、再挑戦にはフローラの許可が必要となっている。

大樹の村の天使族[編集]

ティア(Tier[4]
声 - ゆかな[6]
殲滅天使せんめつてんし」の異名を持つ、天使族の女性。その名の通り、天使族の中では最強を誇る。3年目の春に宿敵のルーを追って死の森に入り、クロたちに甚振られていたところでヒラクと出会う。その後、ルーの策略でヒラクと「励む」こととなり、成り行きで彼の2番目の妻となる。天使族の試練を行わずに結婚したことで、9年目にはキアービットによる大樹の村への襲撃騒動を招くが、ヒラクが試練をクリアしたことで問題は解消した。問題解消直後にヒラクから未婚だった理由を聞かれ、彼と結婚するまでは周囲から恐れられ求婚自体がなかったことを明かした。
きっかけこそルーの策略にはまった形だったが、ヒラクとの関係を自ら認めており、ヒラクを「旦那様」と呼ぶ。また、ヒラクがキアービットの試練に挑んだ時は、キアービットが試練の最後で卑怯なことをしたために激怒し、キアービットを殴りつけて試練クリアを認めさせた。
外見は大学生ほどの細身で金髪の美女。チョウのような形にした細く青いリボンを頭の左側に着けており、真っ白なドレスを着ている。好物はキュウリ。村では天使族の代表を務めている。
グランマリアクーデルコローネ
3人纏めて「皆殺し天使」の異名で呼ばれる、ティアの部下たち。ティア、天使族の長(マルビット)に次ぐ強さを持ち、3人揃えば一般の天使族10人より強い。鎧を着込み、ランスのような槍を武器にしている。大樹の村における自身の勢力が弱まったことを危惧したティアによって、6年目の春にリザードマンと共に村に連れて来られた。村での役割は、上空からの村周辺の警戒。
グランマリアはリーダー格で、精悍なクールビューティー。移住後間もなく、村の北方の森の中でグラップラーベアブラッディバイパーの戦闘を目撃しそれをヒラクに報告した時には、彼が気軽に「(食べられるの)なら、狩ろうか。」と言ったことに驚き、さらに自身とヒラクの2人のみで向かうと聞いて「(容易には倒せない大型の魔物2体を倒すには全く)人数が足りないのでは?」と進言する。それを聞いたヒラクがその場にいたリアに「人数を集めて向かってくれ」「急がなくていいよ。獲物を運ぶだけだ」と言ったことを聞き「何かがおかしい」と感じて「(戦闘力が高い)ティア様やルールーシー様もお呼びした方がいいのでは?」と進言するが、ヒラクからは不思議そうに「お前だけで十分だろ?」と言われ「覚悟が足りなかったようです。」「こういった時に命を捨てるのが務め」と決死の覚悟を決めヒラクを抱え現場へ向かう。しかし、ヒラクの『万能農具』の一振りで2頭の魔物の首が斬り落とされ一瞬で狩りは終了し、文字通りの「後は運ぶだけの獲物」が大地に2つ転がる状態となった。それを目の当たりにしたことでヒラクが言った「お前だけで十分だろ?」の意味を理解し、『万能農具』の桁外れの威力と、それを落ち着いて自在に扱えるヒラクの力量を知り、戦慄することとなった。
クーデルはいつも微笑を浮かべているが、先陣を切るのが好き。コローネは情報収集が得意だが、いつも眠そうな表情をしており稀に居眠りをする。
キアービット(Kierbit[13]
声 - 雨宮天[6]
天使族の族長・マルビットの娘。ガーレット王国の巫女職を務めている。族長の娘を示すものか巫女職を示すものかは不明だが、頭部にティアラを着けている。惚れた母が難度の低い天使族の試練を突破させた「顔だけの男」が父であることに強いコンプレックスを抱いており、自身の求婚相手に対しては厳しい試練を与えて追い返し続けていた。
「未婚仲間」であったティアが試練を行わず結婚したことを9年目の春に知り激怒し、配下の天使族10人とハーピー族約30人と共に大樹の村を襲撃するも、クロとザブトンの子供たちの迎撃に遭い惨敗し、全員が捕虜となる。それでも強気な態度を続けたが、ヒラクの策略によりハーピー族が、続けて天使族と配下全員が寝返ってしまい、孤立無援に陥り心が折れ泣きべそ状態で許しを乞う羽目になった。その後、自主的に試練に挑んだヒラクに対し最後の最後に妨害を行うも、ティアに殴られ押し切られた。試練終了直後には「正式な謝罪とお礼」を言おうとし、ヒラクから「頭に血が上らなければまともだな」と言われた。酒に弱く笑い上戸で、試練終了後にヒラクとティアと食堂でテーブルを囲んだ際には、少し飲んだだけで笑いが止まらなくなり、まともな会話が不可能になった。
武闘会への参加に興味を示していたが、巫女の仕事があるため諦めていた。しかし9年目の第2回武闘会で、それを聞いたヴァルグライフにより騎士の部の開始直前に転移魔法で連れて来られ、突如参加することになった。武闘会では騎士の部の参加者を見て困惑したもののティアに煽られて無謀にも優勝宣言をするが、1回戦で相性最悪かつ前回優勝者の強豪マクラと当たり何もできず惨敗、泣きべそ状態でグランマリアに慰められることになった。
10年目にはスアルリウ、スアルコウと共に大樹の村に移住した。村での役割はグランマリア同様の警戒任務、ヒラクの補佐、文官娘衆の業務の手伝いなど多岐に渡り、ヒラクからは「何でも屋」と称されている。
スアルリウ(Suaruriu[14])、スアルコウ(Suarukou[14]
グランマリアの友人で、双子の天使族。移住者の村が形成され警戒範囲が大幅に広がったため、警戒担当の増員が必要と感じたグランマリアが移住を誘ったことで、10年目に大樹の村に移住した。村での役割はグランマリアたち同様、村周辺の警戒。

大樹の村のハイエルフ[編集]

死の森で放浪生活をしていた若い女性たち。リアたち7人とラファたち5人の移住後は、村への移住を勧誘する一団(リーフ、ラーサ、インフェルノウルフ10頭)を死の森に派遣したことで、5年目の春に8グループ計42人が新たに移住し、総勢54人の大所帯となっている。村での役割は土木および建築(用地選定から設計、施工、補修まで)、畑の収穫、森での狩り。空き時間には採掘作業に従事し、冬場には採掘により集めた鉄を使い鍛冶を行っている。好物はカボチャダイコンナスニンニク

女性ばかりでありヒラクの子種が頼りだったが、9年目に立て続けに3人の男児(リリウスリグルラテ)が産まれ、種族の将来に大きな希望となっている。

リア(Ria[4]
妹たちと死の森で200年ほど放浪生活をしていたハイエルフの女性。頭の左側の髪を、三つ編みにしている。ヒラクとの激しい夜の生活に耐えかねたティアの勧誘により、3年目の春に妹たち共々村に定住することとなった。移住後は、後から移住した者たちも含めたハイエルフの代表を務めている。年齢は400数歳。
村では、他のハイエルフと同様の建築や収穫などの他、ルーティアなどと同様にヒラクのサポートを担う。
4代目住居の建設時には、妊娠していたためヒラクから4代目住居内の村長エリアに私室を持つよう提案されたが固辞したため、私室は置かれなかった。
リースリリリーフリコットリゼリタ
リアの妹・従姉妹たち。リタが最年少で約300歳。リゼは村における麻雀のチャンピオン。
ラファラーサララーシャラルラミ
リアたちと同じく、死の森で放浪生活をしていたハイエルフの女性たち。4年目の春にクロの子供たちに追い立てられ大樹の村に連れて来られ、リアたちの勧めで村に定住することとなった。リアたち同様、全員が姉妹や従姉妹。ララーシャは樽作りの技術を持つ。

鬼人族メイド[編集]

フローラが以前に住んでいた屋敷で働いていた20人の女性(メイド)たち。5年目の冬前にフローラと共に村に移住した。ルーやフローラの一族に数百年間仕えた実績があり、家事全般はもちろん、事務会話や世間話までもこなす。当初は料理が苦手であったが、これはそもそも作中の世界にて「煮る」と「焼く」しか調理法が知られておらず、さらに鬼人族は「食材を鍋に放り込んで煮る」という調理法しか知らなかったゆえの知識不足が原因であり、ヒラクから焼く・炒める・揚げる・蒸す・炙るなどの調理法を教わった後はすぐにマスターした。

村での役割はヒラクの家での家事と、料理方法の伝達や掃除の監視などの各家の生活向上活動。序列を非常に重視しており、メイドとしては第一にヒラクの世話、第二にルーやティアの世話、と優先度をつけている。

ハイエルフと同様に女性ばかりでヒラクの子種が頼りだったが、9年目に男児(トライン)が産まれ、鬼人族の再興という種族の夢に現実性が出て来ている。

アン(Ann[4]
声 - 上坂すみれ[6]
鬼人族メイドのメイド長(鬼人族代表)。ヒラクとはふだんは適切な距離感で接しているが、夜の生活では意外な積極性を発揮している。
4代目住居の建設時には、リアと同様に妊娠していたため4代目住居内の村長エリアに私室を持つよう提案されたが固辞したため、私室は置かれなかった。
細かい彫刻を施したコップが実用的でないとヒラクに注意した際には、ヒラクから「こんな感じ?」とアンの姿をサクッと彫ったコップを渡され、「家宝にします」と大喜びで持ち帰った。
ラムリアス
鬼人族メイドのナンバーツー。6年目にヒラクによって獣人族の世話係に任命された。幼い獣人族の保育士や先生といった役割が多く、世話係の中では最も多忙である。しかし、本人は苦には思っていないようで、逆に9年目の運動会滑走ボード)にゴールたちが出場した時は怪我をしないかと本気で心配するほど、世話係の仕事に入れ込んでいる。

大樹の村のリザードマン[編集]

天使族の従者として活動していた者たち。大樹の村における自身の勢力が弱くなったことを危惧したティアによって、6年目の春に男性10人と女性5人の総勢15人が村に連れて来られた。村での役割は主に力仕事。その他、鶏・牛・小型ワイバーンの世話も任されている。

ダガ(Daga[4]
リザードマン代表。リザードマン移住当初のヒラクが彼らの個体識別ができなかったため、右腕にスカーフを巻いている。
9年目の運動会滑走ボード)では会場の試験段階から参加し、本番では自作のボードで挑戦するほどの熱の入れようで、第一部の優勝を勝ち取った。
ナーフ
リザードマンの1人。過去にミノタウロスと交流を持ったことがあったため、8年目に二ノ村のミノタウロスの世話役を志願し任命された。

大樹の村の獣人族およびその家族[編集]

6年目に当時食料難であったハウリン村から口減らし目的で移住した者たち、ガットとその家族と弟子、ガルフとその家族の3グループで構成されている。この内、口減らし目的で移住した者たちは総勢25人で、内訳は当初から移住予定であった女性22人と、ヒラクが移住の条件としたために加えられた男性3人(ゴールたち)。移住当初の外見年齢は代表のセナが高校生、その他の女性が小・中学生、ゴールたちが幼稚園児程度であった。

村では、主に農作業を担当する。戦士としての鍛錬をした一部の者を除き戦闘力が弱く森での狩りなどができないため、村内の細かい雑用なども(村から見捨てられないために)積極的に行う。

セナ(Senna[15]
獣人族代表。ハウリン村の村長の娘。垂れた犬耳が特徴。
大樹の村に来た当初は奴隷扱いを覚悟していたが、平等な村民としての待遇と知って安堵する。獣人族が見捨てられたり、村で酷い扱いを受けたりすることがないよう、自身はどのような扱いも甘受するよう指示されており、夜にはヒラクの寝室を訪れている。ヒラクの寝室に初めて訪れた時には、ヒラクは彼女を帰そうとしたが、付けた覚えのない外鍵が寝室の扉に取り付けられており、それが施錠され扉が開かなかったため、受け入れざるを得なくなった。
戦闘力はそこそこあり、戦闘スタイルは徒手で投げ技を得意とする。第1回武闘会では、対戦相手のフラウと互角の戦いを見せて同時場外になり引き分けで双方とも敗退、また腕試しに来たグラッツをあっさり倒したりもした。
マム
獣人族の女性の1人。外見年齢は中学生ほど。見かけによらずしっかり者で、8年目に一ノ村のニュニュダフネの世話役を志願し、セナの太鼓判もあって任命された。しかし、ニュニュダフネが村内でほぼ自由に行動できるがゆえに彼女たちからの要望や相談はなく、信頼されていないのかと自信を失い泣いたこともあった。
ガット
ハウリン村の村長の息子で、セナの兄。ハウリン村とヒュマ村のトラブル解決後の9年目に妻子と共に大樹の村に移住した。ハウリン村で一二を争う技術を持つ鍛治師であり、移住後も鍛治師として働いている。
ナーシィ
ガットの妻。人間。ヒュマ村の村長の親戚で、領主の庶子。ハウリン村との友好目的でガットと結婚するが、山の暮らしに慣れず鉱山咳を患ってしまった。
ナート
ガットとナーシィの娘。
ガルフ(Gulf[15]
ハウリン村一の戦士。6年目に友好目的で大樹の村を訪れた一団の代表を務めた。10年目には妻、息子、娘と共に村に移住した。
村の武闘会に参加することでめきめきと力を付けており、その結果、シャシャートの街の武闘会ではあっさり優勝を果たし、「武神ガルフ」と呼ばれるほど人気になった。

大樹の村のエルダードワーフ[編集]

6年目の冬にやって来たドノバンを皮切りに、村の酒の噂を聞きつけた者たちが次々と移住しており、その数は年々増加している。村での役割は酒造りと酒造法の研究開発、酒の素材になる作物の収穫の手伝い。カクテルの研究をする者もおり、村に来客があるとバーテンダーとなってもてなしに参加することもある。

当初は村の酒の村外での販売に強く反対していたが、エルダードワーフの女性不足が深刻(男性37人に対し女性4人)になったため、「美味い酒の存在を広め、女性のエルダードワーフの移住に繋げたい」との思惑で、少量ずつ村外での販売を容認するようになった。

ドノバン(Donovan[15]
エルダードワーフの男性。6年目の冬に自力で大樹の村を訪れ、自身の酒と村の酒のどちらが美味いか勝負を行った末に、ヒラクの知らない間に村の住人となっていた。移住後は、後から移住した者たちも含めたエルダードワーフの代表を務めている。
移住した種族から女性を差し出されそうになったことに困惑するヒラクがそのことを妻たちに相談した際には「有力者の在り方(振る舞い)」をレクチャーし、ヒラクの悩みを軽減した。
ウィルコックスクロッス
エルダードワーフ2人。7年目の春にドノバンの後を追い大樹の村を訪れ、ドノバン同様、ヒラクの知らない間に村の住人となっていた。

大樹の村の竜族[編集]

ラスティスムーン(Rasutisumoon[15]
ドライムグラッファルーンの娘。「狂竜クレイジードラゴン」の異名を持ち、魔王国では知らない者はいない要注意竜と認知されている。ドライムが大樹の村に別荘を建てたことで彼が浮気をしているものと疑い、7年目に彼が用意したアルフレートの誕生祝いの品を浮気相手へのプレゼントと勘違いして激怒し、ドライムの制止も聞かず大樹の村を襲撃した。誤解が解けた後は、グラッファルーンからの「(ヒラクの力が)竜族に向かないように努めなさい」という命令により、村の住人となった。
愛称は「ラスティ」。竜の姿はドライムよりも2回り小柄な15mほどの大きさで、人間の姿は竜の角と尻尾が生え、長い金髪の真面目な印象の少女。干し柿が好物。村ではドライムの別荘で暮らし、竜族の代表を務めている。ヒラクは客人扱いを考えていたが、ドライムとグラッファルーンが村で働くよう命じたため様々な仕事を試したものの、狩りは獲物が怯えて出て来ず失敗し家事もまったくできなかったりと、結果は「生活能力がないお嬢様」とヒラクに認知されただけであった。最終的には魔獣・魔物が忌避するというだけで警備担当に決まりかけたが、たまたま作物の買い付けに来たビーゼルの応対で交渉能力の高さを見せたため、外交担当となった。
伯母のハクレンとは幼少期から仲がよく「ハクレンお姉さま」と呼ぶ。また従妹のヘルゼとは「よく喧嘩する仲」だった。
ハクレン(Hakuren[15]
声 - 生天目仁美[6]
ドースライメイレンの長女(第1子)で、ドライムの1番目の姉。「真竜エンシェントドラゴン」の異名を持つ。人間の姿はぽやっとした雰囲気の胸の大きい女性。姪のラスティが自身より先にパートナーを見つけたことに嫉妬(自身は「姪っ子の相手の力を確かめようとした」と言い張っている)し、7年目に大樹の村を襲撃した。ヒラクに敗北した後は、ドースからの「(村に)残って奉仕せよ」という命令により、村の住人となった。村を襲撃した時に村近くの森に放った火は、ハクレンを追って来たドースの一族が迅速に消し止めたため村に延焼することはなかったが、それなりの範囲の木が燃えて大地が抉れるという被害があり、密かに激怒していたヒラクにより「遊んだ後の片づけ」を命じられ、村でのドースの一族の宴会には片づけがすべて終わった3日後まで参加が許されなかった。
お調子者で、ヒラクの癇に障る言動をしてはヒラクに右手で顔面を掴まれ絞められるというお仕置きを移住当初にはよく受けていた。その一方で、ヒラクの前で竜の姿になることを嫌がり、なるべく人の姿で居たがるなど、ヒラクに対し好意を持っている様子も見せている。面倒臭がりで、村での仕事も一々文句を言いながら行っていたが、村人が賢くなれば自身が楽できるという理由で、最終的に村の住人の教師役に落ち着いた。教師としての手腕はめざましく、建築物の設計ができるハイエルフや機械類の研究開発ができる山エルフでも怪しかった計算力を完璧にし、その後は小さい子供・スライムを除く村民全員に読み書きと計算ができるレベルまで教えた。この成果をヒラクが知った時には、ドヤ顔で胸を張った。引き続き、二ノ村と三ノ村の住民たちにも同等の教育が必要とされたが、大樹の村に集めるのは負担が大きいとして、各村にハクレンと文官娘衆を教師として派遣することとなった。
教師の件からわかる通り、実は世話好きな性格で、弟妹の面倒もよく見ていた。若い頃の弟ドライムに繰り返しちょっかいを出すグラッファルーンを、何度も追い払っていた。
移住当初はドライムの別荘でラスティと同居していたが、いつの間にかヒラクの3代目住居の空き部屋で寝起きするようになり、4代目住居の建設後は内部に専用の個室を置いてもらった。
グラル(guraru[14]
ギラルの娘。竜の姿は全長5mほどで、人間の姿は頭部に2本の角と尻に尾が生えた、外見年齢が5歳ほどの少女。10年目のヒイチロウの誕生直前に、竜族の女性の習性によって大樹の村を訪れ、そのまま村に定住することとなった。来訪直後はウルザをライバル視し睨み合っていたが、しばらくすると意気投合し、2人でヒイチロウのプレゼント用の魔獣を狩ろうとした。
グーロンデ
ギラルの妻。竜の姿は8つの頭部と山のような巨体を持ち、人間の姿は長い黒髪を持ち黒いドレスを着用した美女。8つの頭部に対応し人格も8つあるが、その内「メイン人格」は1つで残りの7つは「サブ人格」である。サブ人格はメイン人格によって統制され、場合によっては統合される。
歴史を紐解けば必ず名前が出るとされ、その武勇伝の数はドースやギラルをも凌ぐ。800年前には欲望のままに、自身の進路上にある物に襲い掛かっていた。その過程で宗教系の軍を滅ぼしたり、世界樹を燃やしたりしたことから「神の敵」の異名で呼ばれている。自身に挑み返り討ちにしたギラルと結婚した後は、大人しく巣に籠るようになった。しかし、500年前にギラルの不在時を狙い巣に侵入した、竜族を倒せる魔法の武器を持つ勇者14人とその仲間260人に襲われてしまった。結果的にそれらは殲滅したものの、8つあった頭部は1つを残し潰され、翼や尻尾までもが切断されるという大きな傷を受けることとなった。翼や尻尾は100年ほどで再生したものの、頭部のみはギラルが助けを求めた「もっとも優れた賢者」と呼ばれる竜による治療でも再生せず、最終的に世界樹の葉でなければ治療できないと賢者に宣告されたことで「自身の行いが返ってきた」と悟り諦めた。
16年目に事情を知ったヒラクがギラルに渡した世界樹の葉によって、頭部の完治に成功し、お礼のために大樹の村を訪れた。頭部の復活に伴い休んでいたサブ人格も復活し、体が上手く動かせなくなっていたため、移動は山エルフが製作した車椅子で行っている。同年の武闘会の開催後は、できる限りグラルの傍にいたいという理由で村に移住した。ルーティアをも凌ぐ魔法技能を持っていたことから、移住後は村の子供たちの魔法の教師に就任した。

大樹の村の古の悪魔族[編集]

ブルガスティファノ
グッチの親戚にあたる、古の悪魔族の女性2人。7年目にラスティの下で働く使用人として大樹の村に移住した。ふだんは執事服を着ている。名前は魔王国でポピュラーな童話の登場人物のそれと同じである。ブルガは「狂宴きょうえんのブルガ」の異名を持ち、自身の分身を生み出し操る戦法を得意としており、スティファノは「黒槍こくそうのスティファノ」の異名を持ち、漆黒の槍を無数に飛ばす魔法を得意とする。

大樹の村の魔族[編集]

フラウレム=クローム(Fraurem[15]
ビーゼルの娘。愛称は「フラウ」。自他共に認める才色兼備で、かつては貴族学園で王姫ユーリの学友を務めていたが、大樹の村に買い付けに行った際にすでに十分な脅威の戦力の村に狂竜(ラスティ)が村民として加わったことを知り常に状況把握が必要と判断したビーゼルの命令で、7年目に学園を辞め大樹の村に移住した。移住前は村を乗っ取るつもりでいたが、移住後は父が忠告した通りの「魔王国を左右する」ほどの戦力を持つ村の実態に戦慄し、「村長の忠実な下僕でありたい」と心に誓った。
さらに移住から間もなく、ビーゼルによって一方的に村の代官に任命されてしまうが、これは名目のみで代官として振る舞うわけではない。しかし、本人は名目でも「代官」という肩書きを嫌がっており、ビーゼルから任命の話を聞いた時は「お父様とはいえ、ふざけたことを言うなら絞めます」と冷たく言い放ち、村民から代官就任を祝われた時は「イジメですか!」と怒って代官の任命権が移譲されたヒラクに対し罷免を求めたが、彼からは「別に失敗していない(から罷免はできない)し、頑張れ」と返され、代官の肩書きを受け入れざるを得なくなった。
ユーリによる村への襲撃計画をビーゼルから知らされた上に「村の戦力を率いて戻り、王姫(ユーリ)さまの手勢が出発する前に蹴散らしてほしい」と言われた際には、ハイエルフ鬼人族メイドなどの村民戦力を動員するにはヒラクに説明する必要があり、そうすれば必然的にハクレンの耳に入り王都が消滅する事態を招きかねないという懸念に悩む。しかし、話を聞いていたルーから村以外の勢力であるラミア族から戦力を集めれば問題ないと助言され、後日3人のラミア族と共に王都に「里帰り」し、王都に被害を出さずに襲撃計画を潰した。この件以来、ラミア族とは特に親しくなっている。
移住時の世話役であったラスティとは、対面時こそ驚愕したもののその日の夜には仲よくなったり、初日こそドレス姿で何度も着替えたりしていたものの、翌日からは髪を後ろでまとめたズボン姿という農民スタイルになり農作業を手伝い始めるなど、順応力は高い。インフェルノウルフデーモンスパイダーを含めた村民たちともすぐに仲よくなっており、農作業を共にすることが多い獣人族とは特に親しくなった。
村では王侯貴族の関係や種族に関する知識でヒラクをサポートしており、文官娘衆の移住後はそのまとめ役(代表)を務めている。
貴族の令嬢として剣術の心得があり、第1回武闘会ではシミターに似た片手剣を持って対戦に臨んだ。また麻雀に強く、チャンピオンのリゼが妊娠し麻雀のプレイを控えていた間は、村内トップの座に就いていた。
ヒラクの4代目住居内に個室を持つが、これは代官としての体面用で、実態は空き部屋となっている。
ホリー
クローム伯爵邸を一手に取り仕切っている女中。ビーゼルが子供の頃から世話になっているほどのベテランで、彼からは「ばあや」と呼ばれている。老女だが腰は曲がっておらず、キリッとした態度をとっている。寡婦
フラウの妊娠が発覚した11年目の武闘会の後に、彼女の専属メイドとして大樹の村に派遣された。11年目の冬に出会って以降、ゴウに好意を抱いている。
文官娘衆[編集]

王姫ユーリの学友であったフラウが7年目に大樹の村に移住した後、その後釜としてユーリの取り巻きに入り込んだ貴族の娘たち10人。

当時のユーリが望んでいたフラウの帰都が実現すると自分たちがユーリの取り巻きから外されるため、あえてフラウを帰都させた後に不穏な動きがあると広めて彼女を失脚させれば自分たちの立場が盤石になると考え、ユーリに「大樹の村を滅ぼせばフラウが帰って来る」と吹き込み村への襲撃を決心させた。しかし、一連の行動をビーゼルから知らされラミア族3人と共に「里帰り」したフラウにより襲撃計画は完全に潰され、再教育の名目(実態は処罰)で7年目に村に連行された。村に着いた時は全員が恐怖で死んだ目をしており、移住希望者とのみ紹介されたヒラクが心配するほどであったが、すでにヒラクの信頼を得ていたフラウが大丈夫と保証し自分の部下として働いてもらうと確約したため、そのまま移住が認められ処遇はフラウに一任された。

貴族の娘たちだけに一通りの教育を受けており、作中の世界では優秀である。ヒラクは貴族の娘が農村生活を送ってもよいのかと懸念し、本人たちの希望があれば帰そうとしたが、食事が美味しい・お風呂がいい・宮廷闘争と無縁などの理由で、誰一人として帰りたいと言う者はいなかった。移住の3か月後にユーリが帰る時も、数年後に魔王城の文官として即戦力になるとしてビーゼルが何人かに声を掛けた時も、やはり誰も帰ろうとはしなかった。

村での役割は「文官」、つまり事務担当で、農産物、酒、交易で購入した物品、金銭などの在庫管理と出納記録。村の運動会では実行委員の中心を担い、企画準備から当日の運営、事後の反省会まで取り仕切る。個性を出すためか、村では家政婦用の頭巾を着用している。

ラッシャーシ=ドロワ
ドロワ伯爵家の次女。グルーワルドがドロワ伯爵家組下の縁者であったため、8年目に三ノ村のケンタウロスの世話役に任命された。移住者の世話役たちの中ではリーダーのような立ち位置におり、移住者たちの共通する意見や要望をまとめてヒラクに伝える役割を担っている。
誰に教わったのかカンペを知っており、グルーワルドがヒラクに謝罪した際には、カンペを使いヒラクに的確な受け答えを指示した。
桁外れの戦力を持つ村のトップ=「力ある者」、との自覚が不十分なヒラクに対し、思わず声を荒げたことがある。
グリッチ伯爵家の次女プギャル伯爵家の四女
大樹の村襲撃計画の中心人物であった2人。フラウからは「わかりやすい権力バカコンビ」と呼ばれていた。
ロアージュ[16]
マモンロズ子爵家の次女。ヒラクの部屋に忍び込んでしまったことがある。

大樹の村の山エルフ[編集]

同族との争いで食糧事情が悪化し、移住を余儀なくされた20人の女性たち。ライメイレンの勧めで7年目の秋に移住した。村までの移動は数年かけて徒歩で行う予定であったが、タイミングよくハクレンがライメイレンに収穫物を届けに来たため、彼女に乗って村にやって来た。村での役割は狩り用の罠などの物作り、採掘作業、鍛治仕事、さらに窯業(焼き物作り)も行う。罠の仕組みに通じるのか、ピタゴラ装置のような仕掛けにも強い興味を示している。

機械類の研究開発にも熱心で、一ノ村に川の水を送るために揚水水車が必要となった時は、風呂用の水車(ヒラクによると失敗作)を元に5回の失敗を経た後、6回目に必要な揚水能力を持ち耐久性も十分な揚水水車を完成させた。ヒラクからポンプの仕組みを教わった後は4代目住居に設置して水道を実現し、鬼人族メイドの負担を大幅に軽減した。

ヤー(Ya[15]
山エルフ代表。胸は控えめで、本人もそれを気にしている。思慮の浅い一面を持つ[17]。具体的には、ヒラクから声をかけてもらうにはヒラクの好みに合う行動(優しく弱々しい女性とのアピール)をする必要があるが、山エルフ族の伝統的な価値観で「筋肉を鍛え誇示する、何なら男性を確保するために筋肉が要る」ということしか考えられず、ヒテルトーの「百を言うより一を見せる」ことで、ヒラクの眼前でいきなり巨石を持ち上げる姿を見せた結果ヒラクが驚いて引く姿を見て、どうすればいいのかわからなくなった。
ヒテルトー[17]
ヤーの補佐。本来なら長になる予定であったが、補佐の方が自身に合っていると感じ、長の座をヤーに譲った過去を持つ。ヤーとは幼少期からの仲。
ヤーに対する評価は「幼い頃より頭が弱い」→「思慮の浅い」→「馬鹿」と、どんどんひどくなっている。

大樹の村のネコ[編集]

ライギエル / 魔神落神(cat[14]
神々との戦いに敗れ、地位と名を奪われた神。死の森の地中の奥底に封印されていたが、世界に「幾つもの仕掛け」を施し、復活の時を待っていた。しかし、9年目にヒラクによって封印の岩を次々と神像にされ、封印を強固にされてしまった。すべての封印の岩を神像にされた後は黒いネコに変化し、大樹の村の社前に突如現れ、そのまま村に定住することとなった。
定住当初は村民によって呼び名が異なっており、ヒラクからは単に「猫」と呼ばれていた。統一された名前は14年目に籤引きによって決まることとなったが、そこで奇しくも真名である「ライギエル」が選ばれ、そのまま名づけられた。
かつては世界の魔力を管理する仕事を行っていた「魔神」であった。ある日、仕事に失敗し魔力が世界に漏れたことと、その元凶である2柱の神を怒りのあまり殺害したことが原因で世界の崩壊の危機を齎してしまい、自ら世界に降り立ち崩壊を防ぐも、世界に過度な干渉を行ったことで複数の世界の法則が狂い修復不可能になったため、その罰として前述した経緯を辿ることとなった。
ジュエル
白い宝石猫のメス。11年目に何者かによって違法取引されていたところをルーたちに助けられ、大樹の村に住むこととなった。それからほどなくして、ライギエルの伴侶となった。村のネコたちの中では、力関係の頂点に君臨している。名前は子猫たちと区別するために付けられたもので、鬼人族メイドたちの間で呼ばれていたものがそのまま採用された。
ミカエルラファエルウリエルガブリエル
12年目の春に誕生した、ライギエルとジュエルの子供たち。性別は全員メス。名前は村民たちが考案した数多くの候補からライギエルが選んだもので、その結果ヒラクが考案したものが採用された。ふだんはそれぞれ「ミエル」、「ラエル」、「ウエル」、「ガエル」という愛称で呼ばれている。毛色はミエルとラエルが白、ウエルが黒、ガエルが斑模様である。全員を指す呼び名は当初は「子猫たち」であったが、14年目にアリエルたちが誕生して以降は、区別のために「姉猫たち」となった。
アリエルハニエルゼルエルサマエル
14年目の春に誕生した、ライギエルとジュエルの子供たち。性別は姉猫たち同様に全員がメス。サマエルが未子である。名前はガルガルドと一部の村民によって決められた。愛称はそれぞれ「アエル」、「ハエル」、「ゼエル」、「サエル」だが、呼び辛いため周囲からは一貫して本名で呼ばれている。

大樹の村の九尾狐[編集]

ヨウコ(Youko[18]
九尾狐の女性。キツネの姿は10mほどの大きさで、人間の姿は和服のような服を着た長い黒髪の美女。ヴァルグライフに匹敵する戦闘力を持つ。物理攻撃や魔法攻撃に対する障壁層を展開する能力も持ち、これらの防御力は本人曰く「竜族のブレスすら防ぐ」ほどであるという。ブルガスティファノとは顔見知りであり、3人で各地を暴れていたこともある。
12年目に娘のヒトエが勇者に攫われたことで暴れ狂い、ヴァルグライフと死闘を繰り広げた。ヒトエと再会した後は彼女を保護した大樹の村に礼をしに訪れるも、そこで村を支配すると宣言してしまい、ヴァルグライフの策でヒラクと対決することとなった。対決時にはヒラクが人間の姿の彼女に攻撃することを躊躇ったためキツネの姿となり、前述した障壁層を展開し彼の攻撃に備えるも、彼が投げた『万能農具』の槍によって足を防御壁ごと吹き飛ばされ敗北し、彼に対し土下座を行った。敗北後は怒ったザブトンによって大樹のダンジョンに連行され、制裁を受けた。
12年目には五ノ村の責任者となることを恐れた文官娘衆によって推薦され、五ノ村の村長代行に任命された。統治者のような役職を務めていた経験もあり、村長代行としての実力は高く、その業務を的確に熟している。
ヒトエ(Hitoe[18]
ヨウコの娘。年齢は100歳以上だが、未だ子供であるため尾は1本である。少しの時間だけ、人間の幼女の姿になれる。ヨウコとは異なり人間の姿でなければ喋れない。
かつてはヨウコによって人間の村に預けられそこで世話になっていたが、12年目に勇者の勢力によって村は滅ぼされ自身も攫われてしまった。その後、コーリン教の教徒によって救出されかけるも、追い詰められた勢力のボスが嫌がらせのために使用した転移魔法によって、大樹の村に転移させられた。転移後は花畑に迷い込んだところをウルザグラルに発見され、ヒラクに保護された。

ヒラクの子供たち[編集]

下記以外にも、14年目に誕生した名前未発表の子供たちが7人存在する。内訳はハイエルフとの娘が2人、山エルフとの息子が2人、娘が1人、獣人族との娘が2人。

アルフレート(Alfred[15]
7年目に誕生した、ルーとの息子。名づけ親はルー。ヒラクも名前を考案したが、こちらは却下された。
9年目の運動会では、ゴールたちが出場したのを見て自分も出場したいと言ったが、両親に「まだ小さいからダメ」と止められて出場はできなかった。
ティゼル(Tiselle[15]
7年目の秋に誕生した、ティアとの娘。
リリウス
9年目に誕生した、リアとの息子。
リグル
9年目に誕生した、リゼとの息子。
ラテ
9年目に誕生した、ラファとの息子。
トライン
9年目に誕生した、アンとの息子。名前はヒラクとアンが双方納得できるようなものが思い付かず、相談を受けたガルガルドドースヴァルグライフが話し合いとくじ引きで決めたもので、最終的にガルガルド考案の名前が選ばれた。
ウルザ(Ursa[13]
声 - 悠木碧[6]
9年目にハクレンとの養子として、村で保護することとなった「死霊王の本体」。外見は5,6歳の少女で、特徴的な髪色をしている。若返ったことでウルブラーザや死霊王であった頃の記憶はないが、技能のみは引き継いでいる。蘇生した経緯から当初はハクレンを嫌っていたが、土人形の補強にハクレンの鱗を使用したことを知った後は、関係はよくなった。
ウルブラーザ
フルハルト王国ガルバルト王国ガーレット王国が1つの国であった頃、国を治めていた「英雄女王」。最期は当時の魔王と相討ちとなった。
死霊王
落神によって、動く死体として蘇ったウルブラーザ。落神の抗えぬ命令により、彼の封印を見つけ解くべく行動を開始した。土兵死霊騎士死霊戦士を生み出したり、催眠術を使い魔獣を使役する能力を持ち、これらを駆使し順調に計画を進めていた。しかし、9年目に2つ目の封印の岩を発見したところで当時不機嫌だったハクレンと遭遇し、出会い頭に彼女に蹴られ聖属性のブレスをしこたま叩き込まれ、反転しウルザとして蘇生してしまった。
ヒイチロウ
10年目に誕生した、ハクレンとの息子。名づけ親はヒラクで、竜族の名づけのルールに則り考案した。
フラシアベル
11年目に誕生した、フラウとの娘。愛称は「フラシア」。
セッテ
12年目に誕生した、セナとの娘。名づけ親はセナ。ハーフだが、体は獣人族の特徴を持つ。
ラナノーン
12年目に誕生した、ラスティとの娘。名づけ親はラスティで、名前の由来はグラッファルーン系の祖先。愛称は「ラナ」。
ルプミリナ
14年目に誕生した、ルーとの娘。名づけ親はルーで、ヒラクと相談し決めた。
オーロラ
14年目に誕生した、ティアとの娘。名づけ親はティア。
ローゼマリア
15年目に誕生した、グランマリアとの娘。名づけ親はグランマリアで、ティア、マルビット、ルィンシァと相談し決めた。
ララーデル
17年目に誕生した、クーデルとの娘。名づけ親はラズマリア。
トルマーネ
17年目に誕生した、コローネとの娘。名づけ親はラズマリア。

その他の大樹の村の住人[編集]

大樹
大樹の村のシンボルであり、ヒラクが当初住居にしていた巨木。根元付近の直径は約10m。喋れないが明確な自我を持っており、ザブトンとならば意思疎通を図れる[19]。当初は周りよりも背が高いだけの一般的な木であったが、ヒラクに『万能農具』で神を祀る社を体に彫られたことで眠っていた知性が目覚め、それに伴い口調も知的なものとなった[19]
アース / 土人形
ウルザが大事に持っていた土兵の核と、彼女が作った泥の人形から生み出された15cmほどの人形。生み出された当初はウルザに抱きつかれると崩れるほどに体が脆かったため、ヒラクがハクレンの鱗を砕いた粉を混ぜ込んだ結果、強度が向上した上にグラップラーベア並の戦闘力を獲得した。村では、ウルザの部屋のルームキーパーを務めている。
13年目にはルーが作り出した魔粘土を身体に採用したことで、自身の姿を変幻自在に操れるようになった。以降は外見年齢が20代中ほどで、身長が180cm超えの執事服の男性の姿で活動している。ただし、元が土であるために物に触れる場合は手袋が必須である。
子犬
フェンリルのメス。10年目に死の森で倒れていたところを兄貴に発見され、村に連れて来られた。厳つい顔をしているため、ヒラクによって「勇ましい名前」を付けられたようだが、名前は作中では明らかにされていない。兄貴からは「羨ましい」と言う理由で本名では呼ばれず、成長後も単に「子犬」と呼ばれている。兄貴とは後に番となった。
セレスティーネ=ロッジーネ
聖女。15歳ほどの気の強そうな雰囲気の少女。愛称は「セレス」。農村のロッジーネ家の三女として生まれるも、10歳の時に両手の平に聖痕が現れたことで教会に引き取られた。以降は誘拐される形で様々な教会を転々とし、そこで聖女としての活動を行っていた。最終的にコーリン教の本部付きの武力集団に確保され、12年目の武闘会開催時にヴァルグライフによって大樹の村に身を預けられた。その間、コーリン教によって身受けの場所を見繕われるも旨くいかず、約1年後村への定住が決定した。定住後は五ノ村の教会に所属しそのトップを務めているが、ふだんは大樹の村で暮らしている。
アイギス
大樹の社に供えていたフェニックスの卵から13年目に孵化した、フェニックスの雛。丸々と太った体型をしており、大きさはバレーボールほど。羽毛の色はピンク。好物は収穫前の。名づけ親はアルフレートで、ヴァルグライフから聞いた話を元に名づけた。
ハーピー族の雛たちからはアイドルのような扱いを受けているが、強烈な追っかけである彼らに追い掛けられて以降はトラウマとなっている。
妖精女王
甘味をこよなく愛する、妖精の女王。外見は背中に光の羽を持つ美女。通常の人型の妖精とは異なり、身長は高い。世界各地を転移し続ける神出鬼没の存在だが、他者に触れられた状態だと転移できなくなる。
13年目の秋に大樹の村を訪れるが、自身が訪れた証としてヒラクの畑の麦を倒し、ミステリー・サークルのような絵を描いたことで彼の怒りを買い尋問を受けた。その後は村の甘味(特にプリン)を知ったことで、村に半ば居着くようになった。
大きな蔓を召喚し作った球状の縄張りに入ると、少し成長した姿に変身できる。この姿になるとギラルのブレスさえも防ぐほどの戦闘力を誇るが、子供や動物からの受けが悪いため、本人はこの姿でいることを嫌っている。召喚した蔓は、貴重な魔法の薬の材料となる。
わし
翼を広げると3mほどになる大きさの鷲。15年目の秋に世界樹に巣を作った。

大樹の村のスライム[編集]

村の排泄物や汚水の処理・浄化要員として活躍するスライムたち。4年目にティアによって17匹が持ち込まれ、ルーが魔法で発酵させて処理しようとして失敗し、激しい悪臭を発するようになり近づくこともできなかった旧トイレに10匹、新トイレと居住エリアのトイレに2匹ずつ、犬エリアのトイレに3匹が投入された。その後は100匹以上に増え、排水路の途中に「スライムプール」が設けられ排水の浄化用にも投入されている。また村内を自由に移動し、自ら汚水を見つけて浄化している。種類は当初はブルースライムのみであったが、増殖と同時に派生しており、希少種は村のリザードマンたちに可愛がられている。

酒スライム
7年目に大樹の村の酒を盗み飲みしたことで、紫色に変異したスライム。体は酒臭く、酒の息を吐く。酒を愛飲する村人の怒りを買い裁判にかけられ即刻有罪となったが、引き続き罰を決めようとした時にフラウの「罰を与えたとして、(そもそも種族的に知能が低い)スライムがそれを理解するのだろうか」の一言でお咎めなしとなった。その後も元のスライムには戻らず、ふだんは浄化作業もせずに村をのんびり徘徊しており、宴会などで酒が出た場合のみ、いつの間にか酒を飲みに来る。ライギエルが酒樽に落ち人が飲めなくなった酒をすべて貰えたことからもう一度落とそうとするなど、スライムにしては知能が高い。セレスとはなぜか仲がよい。ヒラクの隠していた酒をこっそりと飲むこともある。
冒険心が旺盛で、ヒラクがパラシュートの実験をした時は何度も乗って空中散歩を楽しみ、9年目の運動会である滑走ボードでは第二部に出場し優勝した。優勝トロフィーには興味を示さなかったが、(酒に交換できる)褒賞メダルには激しく食いついた。

大樹の村の家畜・家禽など[編集]

大樹の村で飼育されているグノーシスビー。4年目にザブトンの子供たちが女王蜂1匹を糸で巻いた状態で連れて来てヒラクに飼育許可を求め、村民に危害を加えないと約束したため飼育が許可され、果樹エリアに小屋が設けられ飼育が始まった。餌は、ザブトンの子供たちからイチゴが与えられている。飼育開始当初、ルーティアはハチミツを期待して喜んだが、リアたちハイエルフは顔を引きつらせていた。
意思疎通ができるため、村民によるハチミツの採取に応じており、よい蜜が採れる植物の栽培を要望したりもする。数は順調に増えており、何度か巣分けも行われている。
ヒラクの依頼を受けたフローラが、5年目の移住と同時に連れて来た牛。頭数は当初はオスが1頭でメスが3頭であったが、メスはすべて妊娠していたためすぐに増え始めた。
ヒラクは当初は牛乳を採取し、いずれは食肉用を考えていたが、肉は森の魔獣で事足りるために作中では1頭も屠殺されておらず、牛乳だけの供給源となっている。
ヒラクの希望を聞いていたティアが、グランマリアたちと同時に6年目の春に連れて来た鶏。専用の鶏小屋で飼われ数を増やしており、後に三ノ村に10羽ほどが移された。
ヒラクは牛と同様に当初は卵を採取し、いずれは食肉用を考えていたが、ブラッディバイパーの肉が鶏肉に似ているため食肉用にする必要がなくなったため、卵のみの供給源となっている。
山羊
山羊乳(作中の世界では牛乳より一般的)の採取のために、7年目にゴロウン商会から購入した山羊。購入当初の頭数はオス2頭とメス8頭の計10頭であったが、牧場エリアで順調に数を増やし、後に二ノ村に6頭が移された。当初は何度か脱走を試み1頭は森まで逃げ込んだが、キラーラビットに襲われ負傷して逃げ帰り、それ以降は脱走はなくなった。
ルーとティアの希望を汲み山羊と同時にゴロウン商会から購入した馬。購入当初の頭数はオスとメス各1頭の計2頭。山羊とは違い従順で脱走はしなかったが、ヒラクにはなかなか懐かなかった。
ベルフォード
オスの馬。名づけ親は大樹の村の獣人族の娘。ヒラクの乗馬用に購入されたが、乗馬技術のないヒラクには懐いていない。三ノ村のケンタウロスをライバル視している。
小型ワイバーン
体長1mほどの小型のワイバーン。総勢20頭。ラスティの配下だが、世話はリザードマンに丸投げされている。グルグラント山ドライム)、魔王城(ビーゼル)、シャシャートの街マイケル)、ハウリン村といった外部と行き来する連絡網を担っている。
その正体はワイバーンの長老の眷属のような存在であり、密かにヒラクの行動を長老に報告していたことが12年目に判明した。

一ノ村の住人[編集]

一ノ村のニュニュダフネ[編集]

大樹の村の「村人集め計画」によって移住したニュニュダフネ。元は近隣の村が行った森林伐採による大規模な水害で住居地を追われた者たちで、大樹の村の農作物を育てた土を目的に移住を決意した。

移住後は各村に分散し、警報伝達と夜の灯りの役割を担っている。本来は全裸で暮らすが、大樹の村では外ならば着衣必須で屋内ならば不問となっている。他の村民と直接遊ぶことはほとんどないが、木の姿で毎日少しずつ家に近づいて家の住人にいつ気付かれるかという、悪戯のような遊びを楽しんでいる。また、年に1 - 2回ほど剪定してもらうことを好む。

一ノ村での役割は、8年目の秋に最初に作られたものの移住者の体格に合わなかったゆえに放置されていた設備の維持管理と、各村でも行っている警報伝達と夜間の道路照明。狩りも行うが、「待機型」ゆえに成果は他種族より少ない。

イグ(Igu[15]
一ノ村村長代行兼ニュニュダフネ代表。

一ノ村のハーピー族[編集]

9年目の春にキアービットの指示で大樹の村を襲撃した者たち。仕える主は天使族であれば誰でもよく、グランマリアの配下となれば襲撃の罪を帳消しにするとヒラクに告げられたことで、即座にキアービットを裏切り、グランマリアの配下となった。その後は、移住希望者の17家族計42人が大樹の村に仮住まいしたのち、一ノ村に移住した。村での役割は高高度からの周辺偵察。

マッハ
ハーピー族代表。ハーピー族は本来は個体名を持たないが、代表会議の際に不便であるため、ヒラクが天使族たちと相談した上で名づけた。

一ノ村の人間[編集]

フーシュの息子の治療薬のお礼として、9年目に移住した者たち。男女のカップル10組(計20人)で、移住当初の年齢は10代半ば。元は孤児院に入れなかった孤児たちであり、コーリン教によって組織化され生活していた。リーダーのジャック以外の19人は移住後に火種になり得る内情を抱えたわけ有りであったが、それらはフーシュの尽力によってすべて解消された。

19人の内情の内訳は、貴族の血縁者が3人、王族の血縁者が6人、伝説の盗賊の血縁者が1人、その身に聖剣を宿す者が1人、裏社会のボスの血縁者が1人、妖精と人間のハーフが1人、獣人族と人間のハーフが2人、そこそこよい家から家出した者が2人、ドラゴンの鱗が背中にある者が1人、怪しい紋様が胸にある者が1人。

15年目の夏には8人が勇者であることが判明した。

ジャック
人間代表。孤児時代から孤児たちのリーダーを務めていた。
モルテ
ジャックの妻。精霊魔法の使い手。
マルコス
一ノ村に住む男性の1人。時々名前を「マルクス」や「マルカス」と間違えられることがあるらしいが、本人はあまり気にしていない。力があり、足も速く、細かい作業も得意であると自負しており、路地裏生活時代は仲間から「万能」と称されていた。11年目に妻のポーラと共にビッグルーフ・シャシャートの経営担当となり、自身は同店の店長代理を務めることとなった。
ポーラ
マルコスの妻。13年目の秋に出産を迎え危険な状態に陥るが、無事に男児を出産した。
ブルーノ
一ノ村に住む男性の1人。本人曰く「そこそこのよい家の生まれ」。戦闘力は高く、13年目の武闘会では一般の部で優勝を果たした。
オーガス
一ノ村に住む男性の1人にして、15年目の夏に勇者であると判明した者の1人。マルコスとポーラの交代要員として、時々マルーラに移動している。得意料理は焼き鳥

一ノ村のインフェルノウルフ[編集]

一ノ村の警備を担当する、クロロクをリーダーとしたインフェルノウルフ30頭。警備と畑の害虫駆除を担当するデーモンスパイダー約50匹とともに一ノ村に常駐している。

クリッキー
一ノ村のインフェルノウルフの1頭。名づけ親はポーラマルコスとポーラの家の見張りを担当している。
ジョン
一ノ村のインフェルノウルフの1頭。名づけ親はジャック。12年目に制裁を受けた後のヨウコの監視を担当した。

二ノ村の住人[編集]

大樹の村の「村人集め計画」によって8年目に移住したミノタウロス。総勢72人で、内訳は男性28人(大人20人、子供8人)、女性44人(大人29人、子供15人)。

元は養蚕業を営んでいた者たちで、儲けに目が眩んだ領主の増産要求に応えられず、そのために税率を引き上げられたことで領主を見限り、住居地を捨て放浪していたところをドライムの部下に発見され移住を決意した。放浪中は乏しい食糧を子供に優先して与えていたため、大人はガリガリに痩せていた。また、全員の着衣がボロボロであった。

大樹の村に到着した時には、体格に合う建物がないことと、とりあえず十分な食事が必要との判断で、武闘場に案内された。大樹の村では秋の収穫作業が最優先のため、収穫が一段落するまではそのまま武闘場で野宿状態で過ごしつつ収穫物の運搬を手伝い、収穫作業が終わり二ノ村に住居の建設が始まると大人は二ノ村へ移動し建設の手伝い、子供は宿にと分かれたが、住居完成後は全員が二ノ村に移った。

村では、まず足固めとして農業に従事し、さらに大樹の村から譲られた山羊の飼育で畜産も行う。将来的には、再び養蚕も行いたいとの希望を持っている。

その他、警報伝達と夜間の道路照明担当としてニュニュダフネが数十人、警備担当としてクロナナをリーダーとするインフェルノウルフ30頭、警備と畑の害虫駆除担当としてデーモンスパイダー約50匹が常駐している。

大樹の村に派遣している駐在員2名は、最初に任命されたロナーナとミルアが交代することなく務め続けている。

ゴードン
二ノ村村長代行兼ミノタウロス代表。ミノタウロスの中でも、戦闘に特化した個体。
ロナーナ(Ronana[13]
駐在員として大樹の村に派遣されている、ミノタウロスの女性の1人。身長は2m近くと、ミノタウロスの中では小柄だが、胸は大きい。8年目の冬には四天王のグラッツにプロポーズされたが、返答は保留中である。
ミルア
駐在員として大樹の村に派遣されている、ミノタウロスの女性の1人。

三ノ村の住人[編集]

大樹の村の「村人集め計画」によって8年目に移住したケンタウロス。総勢104人で、内訳は子供の男性30人と女性74人(大人40人、子供34人)。元は戦火に巻き込まれた城から逃亡した者たちで、避難のために移住を決意した。村では農業と養鶏の他、健脚を活かして各村の間の連絡役を担う。10年目の冬前には、先行移住者たちの知り合いである41人が新たに移住した。

ミノタウロスと同様、大樹の村に到着した時に体格に合う建物がなく、二ノ村の住居整備が終了し三ノ村の造成に着手するまで、大人は牧場エリアで野宿状態で過ごしつつ、ミノタウロスの分も含めた野宿地の雨除け・日除け用の天幕の設営作業、二ノ村の住居整備が始まると三ノ村の造成終了まで連絡役と物資輸送に従事し、子供は宿に移ったが、造成完了後は全員が三ノ村に移った。

その他、警報伝達と夜間の道路照明担当としてニュニュダフネが数十人、警備担当としてクロハチをリーダーとするインフェルノウルフ30頭、警備と畑の害虫駆除担当としてデーモンスパイダー約50匹が常駐している。また、クロゴをリーダーとするインフェルノウルフ30頭から成る遊撃隊から数頭が、連絡役の護衛(露払い)を担っている。

大樹の村に派遣している駐在員2名は、当初は3日ごとに、その後も短期間で交代を繰り返している。その理由は、村長の傍で働ける駐在員に魅力を感じる者が多く希望者が殺到したためで、具体的には「力ある者(村長)に直接仕えることは名誉である」「村長の移動の時に乗せることができるかも知れない」などの考えで、駐在員が羨望のポジションと見られているためである。

グルーワルド=ラビー=コール(Glueworld[15]
三ノ村村長代行兼ケンタウロス代表。ビーグ子爵筆頭従士の縁者。移住当初は子供たちを守るために尊大な態度を取っていたが、自分の縁者が仕える子爵家よりも上位である伯爵家の令嬢であるラッシャーシですら大樹の村では最底辺クラスと聞かされ、村での自分の立場を痛感させられ愕然とした。その後、最上位のヒラクに対する自身の不遜な態度について土下座して謝罪し、ヒラクに許された上に激励の言葉をもらったことで村に忠誠を誓う。
馬が懐かず乗馬ができないヒラクに自らの背に乗るよう提案し、その後しばらくヒラクを乗せて走ったが、その姿を見た馬が嫉妬し拗ねたあげくヒラクに懐きまともに乗せるようになったため、ヒラクを乗せる機会を失う。連絡のために大樹の村を訪れた時には、ヒラクを乗せる馬を目撃して驚愕し、さらに馬から自慢げな視線を受けたため、殺気レベルの嫉妬の炎を馬に放った。再びヒラクを乗せたいとの思いが募り、ラッシャーシを介して希望を伝えヒラクに三ノ村に来てもらった上で乗ってもらい、村内を闊歩した。
10年目には、爵位を持つフカがグルーワルドに将来的に従うのかを危惧したヒラクの提案で、ガルガルドから子爵を叙任された。ただし、この爵位は形だけのものであり、貴族の有する権利の大半を放棄する代わりに、発生する義務もすべて免除されている。
フカ=ポロ
10年目に村に移住した、10歳の少女。戦場になっている場所を取り戻すための大義名分のような爵位(男爵)を持つ。

四ノ村の住人[編集]

クズデン(Kuzuden[20]
太陽城悪魔族夢魔族を取り纏める「部隊長」を務める、悪魔族の男性。ゴウからは「クズさん」と呼ばれる。
10年目の冬に太陽城が大樹の村に移動した際には、初めての戦争でテンションが上がっていたことやゴウが提案していたこともあり、立体映像を介し村に宣戦布告を行った。しかし、ヒラクの攻撃によって即座に降伏し、寒空の下に下着姿で土下座を行う羽目となった。その後、ヒラクたちとゴウとの交渉の際にはゴウによって強制的に太陽城の城主にされてしまい、太陽城が四ノ村となった後は四ノ村の村長代行に任命された。
クズーポン
クズデンの曽祖父。戦争時に太陽城を占領した英雄。
ウィナーウォルナ[21]
夢魔族代表。

フォーグマ一家[編集]

ベル=フォーグマ(Bell[20]
太陽城の「副船長」[22]にして、太陽城城主補佐筆頭(マーキュリー種代表)。神官の格好をした、長く白い髪を束ねた女性。予言に没頭した製作者によって、太陽城の隠し部屋を訪れた者に太陽の剣を渡し魔王の弱点を伝える役目を背負わされていたが、10年目の冬にヒラクが隠し部屋を発見したことで役目から解放された。
イチ=フォーグマ[22]
太陽城の「式典長」。
フタ=フォーグマ
太陽城の「航海長」[22]。ヒラクの第一印象は「女魔法使い」だが、厳密には占い師である。外見年齢は30代超えで、胸は控えめ。自身の名前を好んでおらず、「フーちゃん」と呼ばれることを望んでいる。
ミヨ=フォーグマ
太陽城の「会計長」[22]。外見年齢は7 - 8歳ほどで、「幼女メイド」を自称している。
ゴウ=フォーグマ
太陽城の「操舵長」[22]。本来の姿は白髪をオールバックに纏めヒゲを左右に伸ばし、執事服を着た初老の男性だが、11年目の冬までは燃料節約のために水晶石の姿で過ごしていた。隔離されていたベルを除けば、10年目の冬時点で唯一活動していたマーキュリー種であり、クズデンたちからは指導者のような存在として慕われている。本人は彼らを家族同然に思っており、太陽城が大樹の村に移動した際には、彼らを守るためにあえて宣戦布告し相手を牽制させることを提案した。
太陽城の城主を決める権限を持っているが、本人はかつての城主であった神人族以外を城主と認めない姿勢を貫いていた。ヒラクたちが城主に関する交渉に訪れた際も当初は尊大な態度でその姿勢を示していたが、ヒラクたちの力を知る否や、あっさりとクズデンを城主と認めた。城主決定後は、尊大な態度も自身を「石」と呼ぶほどの卑屈なものに変貌した。
ロク=フォーグマ
太陽城の「公務秘書」[22]。外見は眼鏡をかけた若い青年。12年目にナナ、ヒーと共に五ノ村へ派遣された。ヒラクと出会った当初はクールさを保っていたが、文官娘衆から引き継いだ仕事量を前に早くも崩壊した。
ナナ=フォーグマ
太陽城の「情報長」[22]。外見は普通の村娘。情報収集に長け、多くの情報から必要な情報を取り出す処理能力と大事な情報を見落とさない勘を持つ。五ノ村を拠点に情報収集の取り纏めを行うために、情報収集をする人材の選定と訓練を行っている。
ハチ=フォーグマ[22]
太陽城の「機関長」。
ココ=フォーグマ[22]
太陽城の「食堂長」。
トウ=フォーグマ
太陽城の「城内船管理担当」[22]
イレ=フォーグマ
太陽城の「通信長」[22]。15年目の祭りの開催前に目を覚ました。鍔の広い帽子を被り真っ黒な服装をした細身の男性で、外見年齢は30代ほど。太陽城ではカメラを使った「撮影」を仕事としていたが、太陽城にはカメラより性能が優れていた「遠見の魔法」が標準装備されていたため扱いはよくなかった。しかし、その技能をヒラクに気に入られ、15年目の祭りでは多くの撮影機材を導入し、祭りの運営に大きく貢献した。祭りの開催後はガルガルドの要望で、シャシャートの街で行われる野球の試合を撮影した。
ツエ=フォーグマ[22]
太陽城の「城主専属護衛」。
アサ=フォーグマ
太陽城の「城主専属執事」[22]。ヒラクから見た第一印象は「中年執事」で、白髪混じりの頭髪と丸い伊達眼鏡が特徴。
ヒー=フォーグマ
太陽城の「城内警備主任」[22]。外見は中年のベテラン戦士のような風貌の男性。一人称は「それがし」。万が一の時に五ノ村で編成される軍の中心となる予定。五ノ村の寡婦から人気があるらしく、昼には彼女たちから多くの差し入れが渡されているが、律儀にすべて食べている。
ヨル=フォーグマ
太陽城の「兵装管理主任」[22]
ハリ=フォーグマ[22]
太陽城の「暴走鎮圧要員」。

五ノ村の関係者[編集]

ユーリ
魔王国の王姫で、ガルガルドアネの娘。首辺りまでの長さの白髪の少女。外見年齢はフラウと同程度か少し下。学友たち(後の文官娘衆)にそそのかされて兵を集め、7年目に大樹の村に攻め込もうとしたがフラウによって阻止され、村に招かれた後はその戦力を目の当たりにして戦慄した。村には3か月ほど滞在し、フラウの案内で村を見て回って、その真の力を理解した。滞在中は獣人族と共に作業などをしていたため、帰り際には彼女たちや文官娘衆に惜しまれた。
13年目には、魔王国の管理員として五ノ村に赴任した。
ゲーテグルーテラーテセポネスト
先代四天王の1人。名前が長いため、周囲からは名前を覚えてもらえず「(元・先代)四天王の一人」と呼ばれている。現役時代は内政担当であったが、当時の魔王が政務関係に疎かったため、本人曰く「酷いの一言では表現できない」ほどの激務であったという。
ガルガルドと当代の四天王が極秘案件で利を得ていることを危惧し、11年目の冬にパルアネンと共にガルガルドのもとに事情聴取に向かうも、「説明するより見た方が早い」と返され大樹の村に招かれた。そこで多数の魔族・魔獣・魔物を従えるヒラクの姿を目の当たりにし、彼が魔神であると思い込み崇拝するようになった。五ノ村の成立後はパルアネンと共に相談役を務めている。
パルアネン
先代四天王の1人。現役時代は書類相手に奮闘し、文官20人分もの仕事をこなしたことから、「闘将パルアネン」の異名で呼ばれていた。領主を務めている息子を持つ。魔法が使えない点からヒラクが魔神ではないことを見抜いたが、彼の戦績を聞いた後は「何かの神」が彼の正体であると結論付け、彼のために尽くそうと考えるようになった。
ザイアッシュ
先代四天王の側近。先代四天王に代わり領地経営を一手に行っていた内政官。他者からの妨害を酷く嫌っており、「妨害を行った他領に単身で向かい、関係者全員を殴り飛ばした」「妨害相手から賄賂を貰い、自身を一方的に悪と判断した役人を殴り飛ばした」「役人を暴行したことで送り込まれた懲罰部隊を返り討ちにし、将軍を2人倒したところで制圧された」といったエピソードを持つ。制圧後は先代四天王によって庇われ、領地の経営を続けたが、その後も同様の事件を2回起こしている。
ピリカ=ウィンアップ
当代の剣聖。12年目時点で25歳の女性。12年目にシャシャートの街の武闘会に参加し、優勝者を打ち負かしたガルフに弟子入りを志願した。フルハルト王国によって弟子とその家族を人質にされていたが、見かねたヒラクたちによって企てられた「極秘作戦」により全員が解放され、その後は彼らと共に五ノ村に移住した。
フアノ
五ノ村の近辺に住むドワーフの一団の長。魔王国で有数の鍛冶集団の技術を取り入れた鍛冶師。
13年目に一部の部下が五ノ村でトラブルを起こし投獄されたことを知り、五ノ村に謝罪へ訪れた。その際に自身の鍛冶の腕を理解してもらうために、自身が打った斧をヨウコに渡すもガットからは宣戦布告と見なされ、「五ノ村祭」の名目で彼と鍛冶勝負を行う羽目となった。
ルーティア皆殺し天使とは知り合いであり、鍛冶勝負後に再会を果たした。再会後は彼女たちが五ノ村の関係者であることを悟り、1度は五ノ村に関わらないことを心に誓った。しかし、五ノ村の酒や食品の誘惑に負け、勝負の翌日以降は部下共々五ノ村にて鍛冶仕事を行うようになった。
ゴーンの森の樹王
ゴーンの森の里の代表者。真面目そうな雰囲気のエルフの中年男性。木を操る魔法を得意としている。ゴーンの森の里とガレツの森の里が五ノ村に降った後は、弓王と共に五ノ村の外交官を務めている。
ガレツの森の弓王
ガレツの森の里の代表者。気の強そうな雰囲気のエルフの女性。弓の扱いに長ける。
ギグの森の槍王、ガウの森の風王
五ノ村に敵対する可能性があるとして、五ノ村での非公式会議にてエルフ帝国と共に名が挙げられたエルフの有力者たち。両者共にハウリン村の北東辺りを拠点としている。
ロガーボ
五ノ村の北側で酒場兼娼館を営んでいる魔族の男性。元は五ノ村の西側に存在する街で似た店を持っていたが、人間との戦争で焼かれてしまった。北側会の一員であり、籤引きの結果その代表を1年間務めることとなった。
ホケロス[23]
五ノ村の文官。
ゴンド
人間の冒険者。12人からなる冒険者チームのリーダー。遠い人間の国で冒険者として名を挙げ、稼ぎ場所を探し魔王国を訪れた。12年目に五ノ村周辺の魔物・魔獣の討伐を指名で依頼された。
ファイブ君[注釈 6]
ヒラクが提案した、五ノ村のマスコットキャラクター。
キネスタ=キーネ=キン=ラグエルフ
エルフ帝国の皇帝の娘。14年目にエルフ帝国が滅亡した際に人質として五ノ村に連れて来られ、そこで過酷な訓練を受けることとなった。訓練開始日の夜には、明日から訓練がさらに厳しくなることを知り、同じ境遇のエルフたちを誘い共に脱走を試みるも、脱走は予想されておりすぐに全員が捕縛された。
シュナイダー=イフカ / チェルシー
教会で働く聖騎士で、教会が確認している勇者の1人。本名は「チェルシー」だが、自身が女性であることにコンプレックスを抱いているため、男性名である「シュナイダー」を名乗っている。
武闘会への参加を強く要望したため、15年目の武闘会の開催前にヴァルグライフフーシュによって大樹の村に連れて来られた。武闘会では一般の部に出場するも、予選でリザードマンの子供に関節技を決められ敗退した。予選敗退後は色々と吹っ切れたためか「チェルシー」として一般の部に再出場し、ヒラクに「予選での敗北はなんだったのだ」と思わせるほどの強さで準決勝まで勝ち上がり、準決勝では予選で戦ったリザードマンの子供と再戦し勝利を収めた。しかし、決勝ではウルザに殴られ敗退した。武闘会の開催後は、ダガガルフの推薦で五ノ村の教会に所属し、ピリカのもとで剣を改めて学ぶこととなった。

南のダンジョンの住人[編集]

ジュネア
ラミア族の族長。南のダンジョン内で生まれ育った。
以前は一族が築いていた防御陣地を「何の役に立つのか」と馬鹿にしていたが、7年目に突然ダンジョン内に侵入して戦士長スーネアを負傷させた大樹の村のインフェルノウルフをこの陣地によって退けることに成功した後は考えを改めた。
再度攻めてきたインフェルノウルフに降伏して大樹の村に連行された時には死も覚悟していたが、ヒラクからはラミア族には何も落ち度はなくお咎めなしとされ、逆に村が恨みを買わないようにと大量の手土産(作物)を貰い無事にダンジョンに帰れたことで、ラミア族全体として大樹の村に従うことを誓う。さらにその手土産があまりに美味しくて手が止まらずあっという間になくなったため、追加を入手すべく村への労力提供や交易を申し出た。村の作物では、特にナスが好み。
ヒラクから「胸を隠してほしい」と求められたことで「胸を放り出していたせいで攻撃された」と思い込んでおり、子々孫々に「服を着て胸を隠せ」と伝える決心をしている。
スーネア
ラミア族の戦士長。その強さから、ジュネアからは最も信頼されている。次期族長の最有力候補だが、自分の強さを過信しがち、よく考えずに行動しがちといった落ち着きに欠ける性格がジュネアから懸念されている。7年目にダンジョン内に侵入した大樹の村のインフェルノウルフと戦うも負傷し、ラミア族が彼らに降伏するまで戦線復帰できなかった。

北のダンジョンおよび温泉地の住人[編集]

ウオ[24]
巨人族の1人。温厚な性格。

シャシャートの街の関係者[編集]

イフルス
シャシャートの街の代官。魔王国の小さな貴族家の出身。文官としての才が認められ、11年目時点で40年間魔王国に雇われており、代官には5年前に就任した。

ビッグルーフ・シャシャートの関係者[編集]

ギルスパーク
イフルスの長男。年齢は11年目時点で20歳。父とは対照的に力と魔力に恵まれており、周囲からは魔王国軍の将軍になれるのではないかと目されている。
11年目の少し前までは、魔王国の現体制に対し不満を訴え密かに活動家として行動していたが、フェアリーナに惚れたことを皮切りに足を洗った。ホットとは活動家時代の仲間にして親友であり、彼がビッグルーフ・シャシャートで奉仕活動を始めて以降は、彼を手伝うために自身も同店の従業員となった。12年目以降は、彼と共に同店の幹部のような役職を務めている。
フェアリーナ
両親が営むパン屋にて、売り子として働いている女性。親しい者からは「フナ」と呼ばれている。パンの材料である小麦とパンを焼く竃の燃料であるの値上げが重なったため、店は存続の危機に直面していたが、ビッグルーフ・シャシャートの開店以降は同店にパンを卸すことになり、危機脱却どころか売り上げの倍増に成功した。ギルスパークとは恋人関係にある。
ゴールディ
シャシャートの街の「裏の顔」として有名な強面の男性。路地裏生活者に仕事を渡す、いわゆる労働者派遣事業を生業としている。
11年目に、自身の庇護下にある少女たちを無許可で大量に雇用したビッグルーフ・シャシャートに接触を図ろうと、見張りとして部下を数人送り込むも、部下が「怖い人」に脅され逃げ帰ったことで失敗した。その夜、向こうでの少女たちの扱いを心配し、夜通し彼女たちを探し回った。翌日、少女たちの件で自身のもとに挨拶に訪れたマルコスを脅そうとするも、彼からは怖がられなかった上に、ゴーロが彼を見た途端に腹を見せた光景を目撃し、以降は彼を危険視するようになる。後日、自身もマルーラの混雑整理員として雇われることとなった。
ゴーロ
ゴールディが飼っている魔獣(魔犬)。見知らぬ者には吠え掛かったり噛み付いたりする、自身も認める凶暴な性格。その一方で主人に対する忠誠心は高く、気配を出したハクレンが近付いた際には、気絶するまで主人を守ることを考えていた。マルーラのカレーは自身の口には合わなかった模様。
ポッテ
路地裏で生活していた少女。11年目時点で12歳。11年目に調査のために路地裏を訪れたポーラと出会い、貨幣と引き換えに路地裏を案内した。後日、ポーラに再会した際には、彼女に雇われたいが一心で自身のこれまでの境遇を大袈裟に話したことが幸いし、仲間共々マルーラの従業員となった。
ラゼック
マルーラの従業員となった、路地裏出身の少年。昔から絵を描くことが好きで、これまで地面にたくさんの絵を描いてきたという。その経験で培った天才的な画力をヒラクに買われ、ビッグルーフ・シャシャートの店の看板を描く専門職を獲得した。
シャイフル
リーグ男爵家の嫡男。家は約50年前にとある侯爵家の領地が食料難で困っている際に多くの食料を運び込んだことを評価され、爵位を授かったという歴史を持つ。自身の身分を欠片も気にしない友人を持っており、その友人を恋人にクラスチェンジしようと努力している。
王都の料理店で働いていた者を引き抜き雇うほどの美食家。シャシャートの街でガルフと出会った際は、彼が大樹の村から持参した調味料の美味に衝撃を受け、彼との別後はギルドに彼の捜索依頼を出した。マルーラの存在を知った後は、同店の従業員となった。
会計担当
ビッグルーフ・シャシャートにて会計を担当している女性。夢見が悪く「消えた未来」の夢をよく見ていたが、夢に登場する人物が見知った人物であることを知って以降は見なくなった。12年目には会計主任に任命された。
メル[25]
ビッグルーフ・シャシャートの従業員の1人。
ホット
アルバトロス子爵家の嫡男。外見年齢は20代前半で、黒い服を好み、頭には左右にヒツジの角の飾りを付けている。
裏でビッグルーフ・シャシャートに寄付を強要するように商業ギルドの職員を脅したのち、寄付に困ったビッグルーフ・シャシャートのもとに現れ寄付を小額にさせることで、謝礼を貰おうと11年目に企んでいた。しかし、寄付を強要した職員がマイケルに尋問されたことで計画は露呈し、自身もガルフに捕縛された。捕縛当初は自身の身分を盾に抵抗していたが、ヴァルグライフによってガルガルドを呼び出されるや否や全面降伏を行った。降伏後はシャシャートの街のコーリン教神殿に身を預けられたのち、マルーラにて奉仕活動をすることとなった。
マルク
マリサの息子。11年目時点で15歳。母が営む店の手伝いをするための修行として、妹のサンと交代で屋台を営んでいる。ビッグルーフ・シャシャートの影響で一時期は屋台に客が来ない状態が続いていたが、ビッグルーフ・シャシャートのテナントとなったことで、屋台の売り上げを伸ばすことに成功する。
サン
マリサの娘で、マルクの妹。11年目時点で13歳。ビッグルーフ・シャシャートにテナントを置くという、マーロンの提案に最初に賛同したのは彼女である。
マリサ
マルクとサンの母。シャシャートの街で小さな飲食店を営む女将。夫は冒険者。
エイト
陰から対象を守る護衛を生業とする人物。「エイト」は偽名であり、「様々な情報が流出し、護衛対象に悪影響を及ぼす可能性がある」という理由から、真名を徹底して隠すようにしている。11年目に仲間と共にマルコスとポーラの護衛を行ったが、ヒラクの様子を密かに見守っていたザブトンの子供(デススパイダー)に遭遇し、仲間共々気絶してしまった。
ボウイ[26]
ビッグルーフ・シャシャートの射的に没頭している少年。11年目時点で10歳。
コートキ
教会勇者の男性。教会勇者時代はフルフェイスのマスクを装着し活動していた。14年目から4年前にシャシャートの街に移住し大工仕事を行っていたが、現在は転職しビッグルーフ・シャシャートの警備員を務めている。趣味は野球観戦で、野球チームの応援団にも所属している。教会勇者時代から行動を共にしている妻と、14年目時点で2歳の息子がおり、妻は2人目を妊娠している。

ゴロウン商会の関係者[編集]

マイケル=ゴロウン
ゴロウン商会の会頭で、シャシャートの街の有力な商人の1人。フラウと知り合いであったため、彼女によって大樹の村の交易先として選ばれ、村から持ち込まれた農産物の質の高さを認め交易を始めた。それ以降、村とは親交を持つようになった。実直な人物で、村から交易希望の話が出た時は自ら村を訪れ直接ヒラクと会い挨拶を交わし、商会としての目的や希望も率直に述べた。
9年目の運動会では来賓として村に招かれ、他の来賓である魔王ガルガルドや多数の竜族を紹介された。彼らとは普通に挨拶を交わしたが内心では恐怖にかられており、挨拶が終わると強い気迫でヒラクに「来賓席から大きく離れた席」を希望し、さらに通りかかったスライムを抱きしめて癒しを求めた。
マーロン=ゴロウン
マイケルの長男で、ゴロウン商会の次期会頭。外見は真面目な30代後半の男性。息子と娘を持つ。
ティト=ゴロウン
マーロンの従兄弟の1人。ゴロウン商会の会計責任者。
ランディ=ゴロウン
マーロンの従兄弟の1人。ゴロウン商会の仕入れ総括責任者。
ミルフォード
ゴロウン商会の戦闘隊長。ゴロウン商会が永続雇用している護衛たちを纏める仕事をしている。若い頃は無茶をし名を馳せていたランク六の冒険者であり、その腕を買われ一時期は貴族の護衛として雇用されていたが、敵対者がいない退屈な生活に耐えかね辞職した。
サイドロウ
ゴロウン商会の本店の店長。年齢は11年目時点で70歳を超えており、ゴロウン商会には60年勤めている。商会に勤め約30年が経った頃に娘がマイケルと結婚し、それ以降は娘の迷惑にならないように地方に出向していたが、11年目に呼び戻され忙しいマイケルに代わり現在の役職に就任した。
ロニー[9]
マイケルの弟。

イフルス学園の講師[編集]

アットマ=ビエラス
魔法使いの吸血鬼。光魔法の第一人者で、魔法学と薬草学においては有数の研究者。ルーの弟子であり、そのことを常に自慢している。人付き合いを苦手としている。11年目に弟子のガブルスロー共々ルーとティアに勧誘され、イフルス学園の講師となった。
ガブルスロー=ザインバルツ
アットマの弟子で、老齢の人間の魔法使い。若い頃は優れた魔法使いとして各地で活躍し、国から資金を得られる立場になった現在では魔法の研究者としての道を歩んでいる。薬学においてはアットマを超えたと言われているが、本人は薬学よりも魔法学の方を中心に活動している。魔法の効率化に関する研究発表会には、魔法使いが競って集まると評判である。
マリアーナ=ゴロ
炎魔法の第一人者である、魔族の女性。実験の過程で度々爆発事故を起こしており、ガブルスローなどからは「爆発馬鹿」と揶揄されることもあるが、その研究によって魔王国軍の魔法による戦闘力を倍増させたと言われている。
ロバート
魔族の研究者。学生時代に優秀な成績を褒められたことが切っ掛けで研究者の道を志し、現在は「農地における土魔法の利用」を研究している。13年目に元同級生の勧めでイフルス学園に招聘され、その講師に就任した。その後、分かり易い説明が生徒たちに高く評価され、学園長によって講師の纏め役である「筆頭講師」に任命された。

その他のシャシャートの街の関係者[編集]

ギアーゴ[27]
二刀流の剣士。
某国所属の密偵。「影」はコードネームで、本人は名前がない。商人に変装することを得意としている。14年目に上司の命を受け、イフルス学園の調査のためにシャシャートの街に潜入した。

魔王国王都の関係者[編集]

ガルガルド(Gullguld[15]) / キブスリー
魔王国の現魔王。魔王になる前の名前は「キブスリー」。娘のユーリに対しては、彼女の成長を認めたくない様子を見せるなど、若干過保護である。大樹の村にいる子猫たちに懐かれている。
8年目の第1回武闘会にて初めて大樹の村を訪れ、ヒラクと知り合った。村の戦力に関してはビーゼルの報告で知識としてはあったものの、初訪問と同時に実際の村の戦力を目にし驚愕することとなった。
第2回武闘会の模範試合に出場するも、1回戦でドースと当たり敗退。ドースの優勝が「竜王という立場に配慮して譲られたもの」と聞いて「私にも、魔王としての立場があったのだけど……」と呟き、グラッツから「立場を考えると、参加が無茶だったのでは?」と冷静なツッコミを受けた。

四天王[編集]

魔王国の内政(行政および法務)・外交・軍務・財務を担う大臣職。任命に当たってはそれぞれの職務に関する能力が重視され、戦闘力や貴族爵位などは考慮されない。現在は形骸化しているが、かつては勇者と戦うために魔王の部下として集う運命を持つ、強力な4人の亜人を指す言葉であった。

ランダン
魔王軍四天王筆頭で、内政担当。平民から四天王の座まで上り詰めた実力を持ち、魔王国の内政は彼で持っていると言われている。
6年目には友好使節として大樹の村に派遣したビーゼルから、村が桁外れの戦力を有していたことと、村にグレートデーモンスパイダーが居るかもしれないことを知らされ、本気で即日辞職を口走り逃亡を図った。同年の秋にビーゼルが大樹の村からの初回徴税を済ませ報告に来た際には、彼からグレートデーモンスパイダーは居なかったが、イリーガルデーモンスパイダーは居りしかも子だくさんだったことを知らされ、再度辞職を口走り逃亡を図った。もともとはこの初回徴税に同行する予定であったが、西方に勇者が出たためキャンセルとなった。
9年目の運動会の開催時についに大樹の村を訪れるも、ヒラクに対し「私は完全に無抵抗」「(魔王国に)何かあった時、速やかに保護してもらえると嬉しい」と正直に発言し、四天王筆頭とは思えない弱腰ぶりでヒラクを呆れさせた。
料理上手な妹がおり、ヴォルグラフとの結婚が決まっている。
ビーゼル=クライム=クローム
魔王軍四天王外交担当。クローム伯爵家当主で、周囲からは「クローム伯」とも呼ばれる。目つきがやや鋭く、豊かな口髭を生やしている。数少ない転移魔法の使い手。辞職を宣言し逃亡を図るランダンを止めたり、職務も爵位も放り出して大樹の村に住もうとするグラッツを泣きながら説得し魔王都に連れ帰るなど、同僚絡みの苦労が絶えない。
6年目に魔王国との関係を決めるために大樹の村を訪れ、ヒラクから「収穫の1割を魔王国に納税し、魔王国に従う」との申し出を受けて、毎年冬前に納税分の作物を取りに行く、納税分以上に作物が要る場合は有償で購入するなどの取り決めを交わし、友好を結んだ。しかしその裏では、皆殺し天使の一角グランマリア、吸血姫ルー、殲滅天使ティアハイエルフの集団、リザードマン鬼人族メイドインフェルノウルフの群れなどの村の桁外れの戦力を目撃し戦慄しており、ランダンに村に関する報告を行った際には「生きた心地がしませんでした……」と語った。
7年目には、魔王国にとってただでさえ脅威となる戦力を持つ村に新たに竜族ラスティ)が住民として加わったことを知り、娘のフラウを村に移住させ村の状況を逐一報告させるようにした。
グラッツ=ブリトア(Glatts[13]
魔王国四天王軍事担当。ブリトア侯爵家当主。身長3m超えのミノタウロスの美男。後方の指揮に関しては天才的で西方軍総司令を任されているほどだが、本人は前線で戦うことを望んでいる。
ガルガルドが褒めた大樹の村に興味を持ち、8年目の冬にフルフェイスの兜と全身金属鎧を着込み、腕試しに村を訪れた。しかし、来訪直前にクロたちとグランマリアに負けた上に、ヒラクが腕試しの相手を考えている間にセナにも負けたため、仕方なく「セナより弱い者」の中の希望者と自由に対戦することとなった。彼が行った腕試しは村の冬場のちょっとしたイベントとなった。
腕試し後は、腕試しで負った自身の怪我の治療を担当したロナーナに惚れプロポーズを行ったが、彼女はヒラクの許可を求め、ヒラクは「ロナーナが結婚したいと言わない限り、許可できない」としたため様子見となった。その直後、「ロナーナの傍で自分をもっと知ってもらいたい」「ロナーナに他の男が近づくのを防ぎたい」という理由で村への移住を口にした上に、ビーゼルの「仕事や領地はどうするんですか?」との抗議に対し「(四天王を)辞職する。」「侯爵家も捨てる。」と言い放ち彼を困らせた。王都に帰還した後はビーゼル用のワイバーン通信に便乗し、ロナーナと文通らしきやり取りを行っている。
ロナーナに会うため村を再訪した際に麻雀をプレイしたが、筋がよいのか強豪のフラウと同等の強さを見せた。その後麻雀を非常に気に入り、牌を1セット貰い持ち帰った。ヒラクからは魔王都では面子が揃わないかと思われていたが、頻繁に村を訪れているビーゼル、武闘会の時にプレイしルールを覚えた魔王とユーリがいるため、実際には問題なく揃っている。
ホウ=レグ(Hou-leg[14]) / コネギット
魔王国四天王の紅一点で、財務担当。レグ家の六女。背中に真っ赤な翼が生えた女性。外見年齢は20代だが、ランダンよりも年上である。大樹の村の酒の存在を知らせなかったビーゼルに対し、戦争を仕掛けようと本気で考えるほどの酒好きである。裏では「コネギット」という偽名を使い貴族学園に在籍しているが、14年目にシールと出会い16年目に婚姻した。

ガルガルド貴族学園の関係者[編集]

アネ=ロシュール
ガルガルドの妻で、貴族学園の学園長。本来は若い姿をしており、時々ユーリに姉と名乗り会っていた。
ゴールシールブロン
ハウリン村出身の獣人族の少年3人。6年目に大樹の村に移住した。3人共に血縁関係はないが、本人たちは兄弟以上の繋がりがあると思っている。
14年目の春に大樹の村を離れ、貴族学園に「男爵家当主相当」として入学した。大樹の村の子供(特にアルフレートティゼルヒイチロウ)が後に学園に入学した時に失敗させないために、ルー、ティア、ライメイレンから学園の偵察の使命を与えられている。村に住んでいた時にハクレン、ルー、ティア、リアから魔法を教わっていたことから、魔法技能は学園側から見れば規格外であり、学園生活4日目には3人揃って卒業の証を手に入れた。
学園の授業に関しては不満はなかったが、寮生活は大樹の村の生活水準を大きく下回っていたことから耐え切れず、学園生活3日目には寮を出て自分たちで家作りや狩りを行うようになった。学園生活10日目にはそんな彼らの活動に感化された生徒たちによって「領民生活向上クラブ」が結成された。
学園生活15日目には、クラブ活動を面白く思わず襲撃を仕掛けたギリッジ侯爵の息子を返り討ちにしたことで、ギリッジ侯爵との決闘が決まってしまう。同日の夕方には決闘の方式が互いに5人ずつ用意した戦士の勝ち抜き戦であること、当事者(ゴールたちとギリッジ侯爵の息子)は決闘に参加できないこと、決闘の見届け人がビーゼルであること、決闘日が明日であることが決まり、一晩で戦士を5人集める羽目になったが、ガルガルドやエンデリの協力もありなんとか決闘当日までに戦士を揃えることに成功した上に、決闘もガルガルドが侯爵側の戦士全員を圧倒し勝利を収めた。
決闘後は学生が侯爵に勝利したことで魔王国の秩序が乱れることを危惧したアネによって、「(決闘の)昨日より学園の教師として雇われていた」ことにされ、以降は教師として学園生活を送ることとなった。
エンデリ=エリカテーゼ=プギャル
プギャル伯爵家の七女。金髪を巻いた小柄な女性。貴族学園には14年目時点で3年在籍している。攻撃魔法を得意とする。
ゴールたちが貴族学園に入学して最初に出会った生徒。ゴールたちの知らない間に領民生活向上クラブに所属しており、彼らがギリッジ侯爵と決闘になり戦士集めに奔走していた際には、最後の最後で決闘への参加を申し込み、彼らが戦士集めに失敗し決闘で不戦敗となることを防いだ。
アイリーン
トロイ子爵家の長女。年齢は14年目時点で21歳。「魔王国の貴族に必要なのは強さ」というかつての父の教えに従い剣の腕を極めており、家では1番の強さを誇っている。また、「黙って動かなければ、百年に一人の美人」と言われるほどの美貌を持つ。ゆえに求婚相手もそこそこいるが、本人は「自分より強い者でなければ結婚しない」としており、これまで「決闘」の名目で求婚相手と戦い打ち負かしてきたため、結婚相手が決まっていない状態が続いていた。
14年目に見合いの場から貴族学園に戻るも、そこで出会ったシールに敗北し、彼の夫となることを決めた。その後はロビア、コネギットと共にシールに対しアプローチを続けている。
ロビア
リーブス子爵の娘。攻撃魔法に関しては「(教師も含め)学園で一番」と自負している。アイリーンと同様に「自分より強い者でなければ結婚しない」としている。攻撃魔法以外なら自身を凌ぐ魔法技能を持つ兄がおり、彼が貴族学園で教師を務めていたことが自身が貴族学園に入学した理由だが、入学後に急にイフルス学園に異動してしまった。アイリーンのことは「数少ない魔法の使い手」と認めており、攻撃魔法と剣術の組み合わせでは彼女に勝てないという。
14年目にゴールたちが高い魔法技能を持つことを友人から聞き、彼らに興味を持ち始める。アイリーンがシールと戦い敗北する場面を目撃した後は、そのまま「教育」の名目でシールに勝負を挑むも敗北し、彼の夫となることを決めた。
グロービウフェ
とある貴族の息子。愛称は「グロウ」。親の領内では1番の魔法戦士であり、魔物・山賊退治で実戦経験も培っている。武力方面に力を注ぎ過ぎていることを危惧した親によって、15年目の春に貴族学園に入学させられた。「魔王の側近として活躍する」という野望を抱いており、手始めに学園の生徒たちを倒して学園の頂点に立とうとしていた。しかし、入学初日に「獣人族の子供」に戦いに挑んだことを境に、短期間のうちに幾度も気絶するという症状に見舞われるようになってしまう。数ヶ月後には、生徒に戦いを挑まず穏やかに暮らしていれば気絶しないことを悟り、魔王の側近への道は諦めて治療魔法使い(治療士)になるために勉学に励むようになった。また、自身が気絶した時に介抱してくれた学園所属の治療魔法使い「美人の治療士のお姉さん」とは婚約を果たした。

その他の魔王国王都の関係者[編集]

シルキーネ
ビーゼルの妻。フラウよりも若い外見をした美女だが、ビーゼルよりも年上である。ビーゼルを「ビー君」、フラウを「フラちゃん」と呼ぶ。11年目の冬にヒラクへの挨拶のために大樹の村を訪れた。
ヴォルグラフ=ゴフリル
ゴフリル子爵家の嫡男で、次期当主。10年目時点で12歳。優し過ぎる父を補う「ゴフリル家の厳しさ担当」を自称しており、父が会議やパーティーに参加する際には、妙な約束をしないよう毎回注意を行っている。
結婚を望むほどフラウに憧れていたが、10年目にランダンの妹との見合い話が自身のもとに舞い込み、断る口実も思い付かず苦悩する。それからしばらくは現実逃避のためにシャシャートの街に滞在していた。その後迎えた見合い当日には、振舞われたランダンの妹の手料理に夢中になってしまい、その間に話が纏まり彼女との結婚が決まってしまった。
レイモンド=ゴルビーク[28]
魔王国の名前研究者。
征服王ゴーゼルウス破滅王ガルゾナ森林王アクリッシュ文化王フラミーラ[28]
魔王国では知らない者はいない、歴代の魔王たち。
コークス
冒険者チーム・ミアガルドの斧に所属する冒険者。魔族だが魔力には恵まれていないため、剣を主体に戦う。チームリーダーではないが、チームメイトを含めた周囲からはチームリーダーとして扱われている。
フォーオ
「北の守り」と称される、「フォレストガーディアン」。大岩ほどの大きさのクモ。現在の王都ができた時(14年目から1000年前)からミアガルド地方に生息している。14年目に“混ぜ物”に襲われたゴールたちの前に現れ、“混ぜ物”を吸い込み平らげ去って行った。その正体はデーモンスパイダー系統の魔物であり、代替わりも行われている。当代のフォーオは、5年前に大樹の村を巣立ったザブトンの子である。
リグネ
ハイエルフ・リフ氏族の戦士長で、リアたちの母。娘たちとはハイエルフの村の滅亡時に生き別れていた。14年目から50年前に一族が管理していた遺跡に戻りそこで役目を全うしていたが、14年目の冬に遺跡に侵入したゴールたちと出会ったことで、大樹の村で娘たちと再会を果たした。その後は魔王国に譲渡したことで「魔王国管理物件」となった遺跡の管理者に就任し、さらに貴族学園で訓練を行う軍の教官として、ゴールたちに雇われることとなった。
オージェスハイフリーグータキハトロイ
混代竜族の女性3人。オージェスが炎竜族、ハイフリーグータが風竜族、キハトロイが大地竜族である。魔黒竜の候補者であり、魔黒竜を決めるための試練を与える役目を持つギラルに会うために、15年目の武闘会の開催前に大樹の村を訪れた。しかし、与えられた試練はいずれも大樹の村の住人との戦闘が含まれていたため突破出来ず、試練後はアイギスに人生相談をするほどにまで落ち込んだ。その後は武闘会の一般の部に出場するも、3人ともウルザに殴られ予選敗退となった。武闘会の開催後はガルガルドの下で働くこととなり、魔黒竜の一件は横に置いて当面は修行を頑張ることを決意した。

大樹の村の外部の竜族およびその従者[編集]

ドライム
ドースとライメイレンの長男(第3子)。グルグラント山に巣を持っており、死の森の魔物の南下を防いでいるため、「門番竜ゲートドラゴン」の異名を持つ。鉄の森のワイバーンを撃墜したヒラクとの敵対を避けるために、グッチの助言で6年目に大樹の村を訪れ友好を結んだ。竜の姿は全長30mで、人間の姿は腰まである長い髪と、左右に分かれた口髭が特徴の気弱そうな長身の中年男性。その外見通り、初対面の相手と話すことを苦手としている。
村の料理と酒がいたく気に入り初来村時には移住を宣言するが、門番竜の仕事を村で行うと迷惑になるとグッチに指摘され渋々諦めた。しかし、その後は足しげく村を訪れては飲食しつつヒラクに愚痴をこぼすようになり、これに対してヒラクは「居酒屋と勘違いしていないか?」と呆れているが、飲食分を大きく上回る価値の手土産を毎回渡されるため断れないでいる。あまりに来村頻度が高い上に来村時は必ず1泊するため、村内には大きな別荘が1軒用意されており、ラスティの移住以降は「娘の顔を見る」ことを口実にさらに来村頻度が上がったが、姉ハクレンの移住後は頻度が大きく減った。
大樹の村のワイン1樽で、村発着の大量の荷物や人員の運搬を引き受けている。ハウリン村までの場合、徒歩では10日かかる危険な行程が、わずか1時間の安全な行程となる。
グラッファルーン
ドライムの妻。竜の姿は白くドライムより少し大柄で、人間の姿は金髪の美女。「白竜姫ホワイトドラゴン」の異名を持つ。7年目に大樹の村を襲撃したラスティを撃墜しようとしたヒラクを止めようと殺気を放っていたため彼に槍で撃墜されかけるが、旧友であったザブトンの裏からの援助とグッチの介入によりことなきを得た。
結婚前にはドライムによくちょっかいを出していて、ドライムの姉ハクレンに何度も追い払われていた。その恨みを忘れておらず、第2回武闘会の模範試合でハクレンと対戦した時は敗北したものの激闘を演じた。
グッチ
ドライムの従者である、古の悪魔族の男性。ドライムにとっては知恵袋のような存在。名前は魔王国でポピュラーな童話の悪役と同じである。
7年目には、村に住むことになったラスティからの「使用人がほしい」との希望に対し自ら立候補したが、ドライムが困る事態が容易に予想されたため却下された。
ドース(Dors[15]
ドライムの父。「竜王エンペラードラゴン」の異名を持つ。人間の姿はダンディな中年男性。ふだんは北の大陸に住んでいる。先々代の魔王を引退に追い込んだ過去を持つ。
第1回武闘会終了後の自由対戦タイムに魔王ガルガルドに対戦を提案するが断られ、それでも熱い視線を向け続けてガルガルドを困惑させた。この対戦は第2回武闘会の模範試合で実現し、ドースの圧勝で終わった。
第2回武闘会の模範試合では、妻ライメイレンを下したザブトンに決勝戦で勝利して優勝したが、その勝利はドースの竜王という立場に配慮したザブトンに「譲られた」ものだった。
ライメイレン
ドライムの母。「台風竜ハリケーンドラゴン」の異名を持つ。人間の姿は優しそうな中年女性だが、性格はドースよりも凶暴であると言われている。ふだんは南の大陸に住んでいる。
分身の術を使うことができ、最大16体に分かれて戦うことができる。分身1体で山を崩せる力があるが、第2回武闘会の模範試合でザブトンと対戦した時にはすべて受け切られて敗北した。この16体分身攻撃が破られたのは夫ドースも初見で、クォンともども驚愕させられていた。
スイレン
ドースとライメイレンの次女(第2子)で、ドライムの2番目の姉。「魔竜スペルドラゴン」の異名を持つ。人間の姿はキツそうな目をした女性。
マークスベルガーク
スイレンの夫。愛称は「マーク」。「悪竜イヴィルドラゴン」の異名を持つ。人間の姿は強面でマッチョな男性。西方の人間の国を縄張りにしている。ヴァルグライフには自身の誕生時に世話になったらしく、彼の頼みは断れない。8年目には創造神像の謝礼として大樹の村に贈呈されたグラゾール師のピアノを運んだ。
ヘルゼルナーク
マークとスイレンの娘。愛称は「ヘルゼ」。「暴竜ラースドラゴン」の異名を持つ。人間の姿はラスティよりも幼い、角と尻尾が生えた少女。
セキレン
ドースとライメイレンの三女で、ドライムの妹。「火炎竜ファイアードラゴン」の異名を持つ。人間の姿はゴージャスな巻き髪の女性。
クォルンとの結婚話をまとめてもらうべく、弟のドマイムに続き大樹の村を訪れ、ヒラクの助言を求めた。
ドマイム
ドースとライメイレンの次男で、ドライムの弟。人間の姿はイケメン青年。顔を合わせると苛められていたために苦手としているクォンとの結婚を強要され、8年目の冬に大樹の村に逃げ込む。これにはクォンからのアプローチのみならず、クォルンとの結婚を目論む姉のセキレンからの強い圧力もあった。その後、ヒラクの提案で相手に要求したい事項を書いた紙をクォンと見せ合ったことで吹っ切れた。
ギラル
暗黒竜ダークドラゴンの異名を持つ竜。名前は襲名したもので、本人は7代目。人間の姿は渋い雰囲気の中年男性で、声も渋い。グラッファルーンは姪にあたる。ドースの永遠のライバルで、竜王である彼に従わない派閥の筆頭であったが、9年目の冬に突如彼に謝罪を行った。ヒラクとは、10年目に娘のグラルの付き添いで大樹の村を訪れた際に知り合った。
クォライン
ライメイレンの弟。ドースとギラルの一族に続く、有力な竜の一族の代表。ただし、実力は鉄の森のワイバーンよりも劣る。クォンとクォルンをドースの一族に送り込んだ。
クォン
クォラインの娘。人間の姿はドレスを着た、長い黒髪の女性。ドマイムに結婚を迫り、彼が大樹の村へ逃亡する原因となった。
クォルン
クォラインの息子で、クォンの弟。セキレンの夫(8年目時点では夫候補)。
ダンダジィ
混代竜族の中で最強の座に君臨している氷竜族。ドライムと殴り合えるほどの戦闘力を持つ。

コーリン教の関係者[編集]

ヴァルグライフ(Valgreif[15]
コーリン教の宗主(トップ)。吸血鬼の始祖で、ルーフローラの祖父[29]。ルーからは「始祖さま」と呼ばれているため、ヒラクからは「始祖さん」と呼ばれる。初登場時点ですでに4000年の時を生きているが、外見は若い。創造神とは自身の誕生時に出会い、「ちょっと変わった体質(吸血鬼)だけど、頑張るように」と励まされて以降、彼を崇拝している。
ルーが子供を産んだことを聞き、8年目の春に密かに大樹の村を訪れたが、ヒラクが彫った創造神像を前に隠れることも忘れ崇拝していたところをヒラクたちに発見された。その後、ヒラクに懇願し新たな創造神像を彫ってもらい、以降は大樹の村と交流を持つようになった。お祭りが好きで、大樹の村主催の運動会には必ず観戦にやって来る。
非常にフランクな性格で、武闘会ではグラッファルーンと共に料理の手伝いを行った。イタズラ心もあり、第2回武闘会では転移魔法でいきなりキアービットを連れて来て、飛び入り参加させた。ほぼいつも明るい笑いを浮かべているが、大樹の社の神像が光っているのを見た時は珍しく慌てる姿を見せた。
アンデッドの大量発生を知らせるために大樹の村を訪れた際には、実用性がない「失敗作」として飾っていたヒラク作の彫刻付きマグカップの1つが偶然ながら「創造神様の手から聖水を戴くように見える」ため譲ってもらい、最重要儀式で使うとして大喜びで持ち帰った。
フーシュ
コーリン教の大司祭の1人。穏やかな美女だが、目的のためならば手段を選ばない「悪辣フーシュ」と呼ばれる一面も持つ。
9年目の運動会の開催時にヴァルグライフとともに大樹の村を訪れ、ヒラクと知り合った。人間の国を訪れると大パレードが行われるほどの有名な人物だが、運動会では宗主ヴァルグライフ・魔王ガルガルド・竜王ドースが同時に訪れていたため、さほど目立つことはなかった。運動会の終了後は、ヴァルグライフの口添えもあり難病を患った息子の治療薬をルーとフローラに調合してもらうこととなり、薬の完成まで村に滞在し大樹の社で終日祈りを捧げたが、その影響で創造神像と農業神像が光を放つようになり、夜でも眩しいために問題となった。
オブライエン
コーリン教に所属する神官戦士。10年目時点で30歳の男性。『弱者の目』[注釈 7]と呼ばれる、相手の力を感覚的に見れる目を持つ。10年目にコーリン教の司祭の依頼で、大樹の村に移動するジャックたちの護衛を担当したが、村に着いた際に村民たちの異常な戦力を目の当たりにしたことで失神した。
ハシシム[30]
コーリン教が組織化させた孤児たちを管理している人物。周囲からは「ハシム」と呼ばれており、自身もそう名乗っている。

天使族の里の関係者[編集]

マルビット
天使族の族長で、キアービットの母親。きっちり几帳面な娘とは反対に、おっとりほんわかした性格をしている。
天使族の中では、ティアに次ぐNo.2の強さを持つ。
ルィンシァ
マルビットの補佐長で、ティアの母親。
スアルロウ
スアルリウスアルコウの母親。若い見た目の上に背が低く、娘たちの妹にも見える。ティアの前に殲滅天使を名乗っていた武闘派であり、「ロヒエール派」の筆頭。
ラズマリア
グランマリアの母。ゴージャスな髪と胸、落ち着いた物腰、柔らかい笑顔と言葉が特徴で、ヒラクからは「天使族というより、女神っぽい。」と称されている。
レギンレイヴ
天使族の最長老。古い天使族の考えや教えを大事にし、暗殺も許容している武闘派。

ワイバーンたち[編集]

鉄の森のワイバーン
鉄の森を縄張りにしていた獰猛なワイバーン。マッコウクジラを超える巨体の持ち主。直径10mほどの巨大な火球を吐き出せる他、ルーやティアですら破れない三重の結界を張れる。
5年目の春に大樹の村を襲ったことでヒラクの怒りを買い、彼が槍に変形させ投げた『万能農具』を喰らい、結界ごと身体を抉られ死亡した。堕とされた後に残った肉は村の宴会に供され、村で酒造りを始めるきっかけとなった。
死の森周辺ではそれなりに影響力のあった個体であったようで、撃墜されたことで各地は騒然となった。この騒動によって、大樹の村の存在は死の森の外部に認知されることとなった。
ワイバーンの長老
ワイバーンの代表。竜族並の巨体を持つ。相談を受けたライメイレンの協力もあり、12年目に鉄の森のワイバーンが迷惑をかけた大樹の村に対し、謝罪し友好を結ぶことに成功した。

神々[編集]

創造神はじまりのかみ
最上位の神で、本人曰く上位の存在は「本体」のみ[8]。世界の管理監督を仕事にしており、数多の部下を生み出し手伝わせることで賄っている[8]。尖った魂の研磨も仕事にしているが、この仕事でのミスがヒラクの過酷な前世の元凶となった[8]
時の神
創造神が最初に作り出した神。出来がよかったため、そのまま創造神の妻となる。
太陽神たいようのかみ
時の神が生んだ神の1柱。
月神つきのかみ
時の神が生んだ神の2柱。双子であり、作中の世界に月が2つ存在するのはそのためだとされる。
大地神だいちのかみ
時の神が生んだ神の1柱。太陽神や月神のように神を生み出そうとし失敗したことで、地上に生命が誕生した。
農業神 / 農神
創造神の娘。複数の世界の農業関係を管理している[31]
光神ひかりのかみ
太陽神が生んだ神の1柱。
炎神ほのおのかみ
太陽神が生んだ神の1柱。
闇神やみのかみ
月神たちが生んだ神の1柱。
水神みずのかみ
月神たちが生んだ神の1柱。
オリオンセーヌ[32]
戦神。

用語[編集]

大樹の村関連[編集]

大樹の村
本作の主な舞台。死の森のど真ん中に位置する村。当初はヒラクの住居のみであったが、住人が増えたことで6年目に成立した。名前の由来は村のシンボルである大樹で、名づけ親はザブトン
ヒラクの転移以来の偶然の蓄積で、通常の村や街では脅威でしかない魔獣のインフェルノウルフデーモンスパイダーが村に属する戦力となり、さらに吸血鬼天使族ハイエルフリザードマンといった戦闘力の高い種族が村民となり、ついには畏怖の対象である竜族までもが村民に加わったためにとてつもない戦力を備える状態となり、魔王国でも一目を置かれる存在となっている。
ヒラクの『万能農具』により、大樹の村で生産される農産物はどれも高品質で、それを素材とする料理もヒラクの知識による作中の世界にはなかった調理法により、他の街や村では味わえない美味となっている。そのためか村民は舌が肥え新しい料理や菓子などに強い興味を示しており、その執着ぶりはヒラクの「海産物があれば」との呟きをきっかけに、港町であるシャシャートの街との交易を始めるほどである。特に鬼人族メイドハイエルフが熱心で、ヒラクから教わるレシピでの料理作りはもちろん、それをアレンジした料理の開発にも取り組んでいる。
酒類についても、素材のよさとエルダードワーフの研究などにより他とは比較にならない高品質なものが造られており、その香味に魅せられ頻繁に訪問するようになり別荘を構えたり(ドライム)、立場を忘れ「帰りたくない」と叫んだりする来村者が続出している。当初、酒類は村外にはほとんど出荷されず大半は酒好きな村民が消費していたが、後に村外出荷に強く反対していたエルダードワーフが態度を変え、少しずつ村外への販売が始まった。
農産物や酒類の他には、大っぴらにはしていないがグノーシスビーのハチミツ、デーモンスパイダーの布、竜族の鱗といった財宝級の品物も産出・出荷している。
ヒラクの『健康な肉体』のせいか、ルーとティアだけではヒラクとの夜の生活に耐えられず、定住の地と繁殖のための男性を求めていたハイエルフのリアたちをティアが移住させ解決を図ったが、その後も続々と女性の移住が増え、逆にヒラクの身が持たない事態となっている。数少ない男性の移住者は卵生であったり(リザードマン)、髭がないと駄目であったり(エルダードワーフ)、子供であったり既婚者であったり(獣人族)でヒラクの助けにはならず、「男性不足」が村の検討会議の議題に挙げられた。ヒラクが働けなくなったり『万能農具』が使えなくなった時に困らないよう通常の農業生産基盤を確立することと併せて、8年目には近くに新たな村(一ノ村)を用意し人間魔族の移住者を募集したものの、やって来たのはミノタウロスケンタウロスニュニュダフネといった特殊な種族ばかりだったため、村の男性不足解消には至っていない。
鉄の森のワイバーンを墜とした後は村の存在が外部に知られ、敵対できないとして魔王国からビーゼル、続いてドライムが来村しそれぞれ友好を結んだ。この時、ビーゼルとは収穫の1割を納税し魔王国の庇護下に入ることを取り決めたが、フラウが代官に就任した後は代官が収受した税を管理地のために使うこととなり、事実上免税となっている。
3年目の冬にハイエルフたちが移住した後は、時間潰しのためにヒラクがリバーシチェスを作り、特にチェスは人気を博した。さらに身体を動かすゲームとしてダーツナイフ投げ)やミニボウリングも導入された。これらは勝負事が好きな村民に大好評で、導入後には遊技場の建設が決まった。
村長のヒラクが朝から晩まで何かしら働いていることから、多くの村民も「働かざる者、食うべからず」と考えほとんど休まないため、休息を取り楽しんでもらうようにヒラクが様々な娯楽を追加導入した。将棋囲碁双六麻雀けん玉お手玉積み木などの遊具やゴルフは概ね好評で、特に麻雀はチェスと共に村の定番ゲームとなり、竜族魔王国王都の関係者を中心とした来訪者たちにも人気を博している。さらには年1回の「運動会」も企画され、初回は8年目に「武闘会」が開催された。これには村民以外にも周囲の村などから参加者が出たり、魔王ガルガルド竜王ドースヴァルグライフをはじめ錚々たる面々が観客として来訪したりと大盛況となった。
作中の世界には「入浴」の概念がなかったが、ヒラクが風呂を作って以降は、その快適さで村の名物となっている。
村内の経済活動の発展と自身の負担軽減を望むヒラクの意向により通貨の導入が検討されるが、突然導入しても定着しない懸念があり、まずは「褒賞メダル」というものが導入された。

大樹の村のエリア・施設[編集]

大樹エリア
村の中枢であるエリア。ヒラクがこの世界に転移して初めて居を構えた「始まりの地」に端を発する。中央に大樹がそびえる200m四方の土地で、大樹の周囲の木々を伐採して開拓。初日に初代住居と井戸、翌日にトイレと100m四方の丸太柵、3日目には丸太柵の外に空堀、その日に堀の外に畑を作り始めたが、ヒラクは「畑に植える種苗がない」ことに気づき無駄な作業と思ったものの現実逃避で夜通し畑を作り続け、堀の周囲に幅50mの畑を開墾した。
夜明け後の4日目は畑に植えられそうな植物を森で探すが見つからず、キラーラビットが3頭手に入っただけだったが、翌5日目の朝に畑の畝に等間隔で芽が出ていることに気づき、創造神と農業神の像を作って感謝の祈りを捧げる。その後、畑の周囲(200m四方)に改めて丸太柵と堀を巡らせ、当初の丸太柵と堀(100m四方)は撤去し、エリアが確定した。
当初は特に名称がなかったが、居住エリアが拓かれたことで「大樹エリア」と名づけられた。
ヒラクの住居
初代住居 / 大樹の
異世界転移直後のヒラクがとりあえずの寝床として大樹の根元近くをくり抜いて作った、4m四方に高さ2mほどの小部屋。転移当初はここで10日間ほど寝起きした。その間に、開墾した畑に種を蒔かないで作物の芽が出たことで、創造神と農業神への感謝として像を彫り壁面にを設えて安置した。
2代目住居建設後は作物の保管庫となった後、祠が存置されて「大樹の」となった。
2代目住居
倉庫用に造った建物がユキの産所として提供され、そのまま犬小屋となってしまったため新たに倉庫用の建物を造ったが、それが初代住居より快適かつ便利(中で火が使えるなど)だったため、倉庫として使うことなく新しい家としたもの。そのままルーティアを迎え入れたが、元が倉庫用だけあって多少広いと言えども3人で暮らすにはさすがに狭く不便であったため、新たに3代目住居の建設が決まった。3代目住居の完成後は、本来の目的であった倉庫に転用された。
3代目住居
ラファたちの移住後にハイエルフたちによって建てられた、ヒラクが驚くほどの大きな2階建ての家。横幅は100m。設計は個室を求めるルーと狭さを感じていたティアの希望を入れた上に、村長に相応しい規模の家が必要と考えたハイエルフたちによる。内部には2階まで吹き抜けの広いホール、ヒラク・ルー・ティアの個室、屋内トイレ、屋内から行ける地下食料庫、厨房、食堂などを備えていた。
4代目住居
移住者の村々の形成後、世話役や駐在員を村長宅に寝泊まりさせる必要が生じるなどで拡張が必要となり、大工事の末に大樹エリア南半分の大半を占める横幅200m・地上3階・地下2階建てで上から見て凹形の大邸宅に建て替えられた。内部は、中央部・ホール西側・ホール北西・ホール東側・ホール北東の計5つの区画に大きく分けられている。
中央部は3階建て。1階は正面出入口と横幅100mの大ホール。ホールは雨でも村民全員を収容できる規模で、出入口にはミノタウロスでも屈まず通れる大きな扉が併設されている。出入口横には飾り棚があり、第1回武闘会の優勝トロフィーが優勝者のマクラの名と共に飾られている。2階は1階大ホールの吹き抜けと窓の開閉・清掃用の通路で、要所に弓矢の保管庫がある。通路の東側には、鬼人族メイドたちの個室エリアへの出入口がある。3階には多数の使用人部屋が配置されている。ホールの地下には東西の地下食料庫を繋ぐ通路がある。
ホール西側は地上2階・地下2階建ての村長エリア。1階は執務室と会議室、ヒラクの私室、小食堂と台所、ルーティアなど側近の私室がある。ヒラクの私室(寝室)の扉には3代目住居に続き外鍵が付いており、私室の奥には地下の食料庫からのみ通じる隠し通路がある。私室と隠し通路の間には扉があるが、こちらも隠し通路側からしか開かず、また隠し通路には私室内が見える覗き穴がある。さらに天井から私室へ入れる通路まであり、さすがにこれでは安眠できないというヒラクの改善要求により、天井の通路は封鎖し扉はどちらも内鍵化され、隠し通路は残すが緊急時とザブトンの子供たちを除き立入禁止とされた。2階は広めの個室エリアだが、2室がアルフレートティゼルの個室用に予定されているのみで、他は空室となっている。この2階へは、1階の側近私室の最奥部にある階段を通らないと行けない。地下1階は食料庫と武器庫だが、武器庫は竜族から贈られた芸術品級の武器が並べられ「宝物庫」の様相を呈している。地下2階は金庫で、ここは村長の執務室からしか出入りできない。
ホール北西は2階建て。1階は北半分が倉庫、南半分が屋内大浴場とヒラク専用の一人風呂、2階はヒラクの作業場である工房と製品の保管庫、ルー・ティア・フローラの研究室がある。しかし、フローラは別棟の研究小屋を使うことになったため、フローラ用の研究室は封印状態となっている。
ホール東側は地上2階・地下1階建て。1階は大食堂と厨房、2階は鬼人族メイドたちの個室、地下は食料貯蔵庫がある。
ホール北東は2階建てで、1階・2階共に来客用の個室が並んでいる。1階にはミノタウロス・ケンタウロスそれぞれの駐在員用の部屋もある。1階中央部は小ホールになっており、ふだんは麻雀やチェスなどのゲームが置かれた遊戯スペースとなっている。2階中央部は1階小ホールの吹き抜けとなっている。
住居内には簡易的な水道が整備され、東西2階部分の屋上に設置された水タンクにポンプで揚水し、そこから住居内の各所へ配水される。これにより毎朝の水汲みという重労働が不要となり、鬼人族メイドたちが歓喜した。さらに住居内の1階のみならず2階・3階にも多数のトイレが設置された。
女性の個室を除く住居内ほぼ全域の天井近くには「スパイダーウォーク」というデーモンスパイダー専用の通路が張り巡らされ、ザブトンの子供たちが住居外との出入りや各階間の移動を含め、自由に通れるようになっている。
ヒラクが転移後の3日目から4日目の朝に開墾したもので、当初は100m四方の周囲を囲む50m四方×12面分だった。畑エリアが拓かれたこともあり、ヒラクの住居が大きくなるたびに面積を減らして半分以下になり、残った畑は作物の栽培よりも実験用として使われている。
犬小屋
作物の保管庫として造った建物だが、突然産気づいたユキの産所としたため、そのままクロ一家の住まいとなったもの。子供たちはパートナーを得てから犬エリアに移り、クロとユキだけが残った。
3代目住居ができた後はクロとユキが冬場を住居内で過ごすようになり、あまり使われなくなった。
地下室
初めての冬を前に、クロたちが狩って来る獲物の肉の貯蔵用として用意された。地下にすることで、天然の冷蔵庫として機能する。
3代目住居の地下食料庫に役目を譲り、使われなくなった。
鶏小屋
6年目にやって来た鶏を飼うため、3代目住居の北側に建てられた。
メイド寮
鬼人族メイドの住居として、3代目住居に隣接して建てられた。4代目住居の建築後に取り込まれて解体されたため現存しない。
研究小屋
4代目住居でのフローラの研究(発酵)の臭気が問題となったため、北西隅の畑1面分をつぶして建てられた。
犬エリア
クロユキの最初の子たちがパートナーを連れ帰村した後、出産ラッシュが想定され犬小屋では狭く対応できないため、大樹の東方に拓かれたエリア。大きな犬小屋と井戸、犬用トイレ、広いドッグランを備える。その後も、頭数の増加に伴い拡張された。
大樹エリアとの境界は丸太柵のみで、空堀は大樹エリアと一体で築かれている。
クロとユキの2頭は犬小屋に残り、犬エリアには移らなかった。
クロたちがイヌではなくオオカミの魔獣と判明した後も、名称変更はされていない。
畑エリア
クロの子たちの帰村と出産ラッシュで食い扶持が増えたため、2代目住居の南方に200m四方の規模で開墾されたのが始まり。移住者の増加や周辺の街や村との交易の増加などに伴い、南東方向にどんどん拡張されている。主に穀物と野菜が栽培されている。
ブドウ畑
鉄の森のワイバーンの肉で宴会が開かれた時に「酒がほしい」と感じたヒラクにより、畑エリアを東方に拡張する形で加わった酒造原料用のブドウ畑。開墾後、ヒラクは本来ならブドウ畑は果樹エリアに造るべきだったと気付いたが、特に問題もないためそのままとなった。
ワインが村民に大好評であるため度々拡張されているが、熟成不足の内に村民が飲んでしまうため長期熟成用に増産が必要となったり、エルダードワーフの移住により研究用の材料も必要となったり、酒の村外出荷も始まったりした結果、畑エリアの半分を占めている。
居住エリア
ハイエルフたちの移住により、その住居を建てる土地として大樹の南西方に拓かれたエリア。ハイエルフの住居に始まり、風呂場、作業小屋、乾燥小屋、燻製小屋、天使族の住居、酒の製造所、リザードマンの住居、来訪者用の宿(迎賓館兼移住者の仮住まい)、獣人族の住居、遊技場、ドライムの別荘、フラウの家(魔王国の出張官舎)、文官娘衆の住居、山エルフの住居、エルダードワーフの住居、発酵食品(味噌・醤油)量産用の小屋と続々と建てられ、エリア自体も南方に拡張されている。このエリアの充実により、ヒラクの住居がある当初のエリアは「大樹エリア」と呼ばれるようになった。後に隣接して西方にゴルフ場、南方に武闘会用の会場(舞台)が造られた。
宿
6年目にビーゼルドライムなどの来訪を受けた際の経験により、「村に来客に対応するための設備や体制がない」という問題に気づいたヒラクが考えを巡らせた結果「まず、来客者用の建物が要る」と判断し、居住エリアを南方向に拡張の上、エリア南東隅に建てられた。
建物は東西約100mの平屋造で、敷地サイズはヒラクの3代目住居とほぼ同じ。来客用ということで、内装は3代目住居より凝ったものとされている。機能は迎賓館だが、まだまだ発展中の農村のため大仰な名は避けられ、シンプルな「宿」という名になった。
最初に使われたのは、ハウリン村から交易希望で来訪した獣人族の使節団の迎え入れ。
一時滞在の来訪者受け入れ用のほか、移住者の到着直後の休憩用や住居の準備ができるまでの待機用などにも使われる。
ヒラクの4代目住居が完成した後は、住居内に来客用の個室が用意されたため信用できる来客はそちらを使うようになり、予告のない来客の応対や運動会の来賓や観客の宿泊、ハウリン村との交換市など交易から戻った者たちの報告会場、夜の宴会場といった用途が中心になっている。
果樹エリア
畑エリアとほぼ同時に、大樹の北方に開墾された。当初は普通の畑だったが、ほどなく果樹専用となった。生食用の果樹に加え、油を絞るためのオリーブも植えられている。ザブトンの子供たちが飼うグノーシスビーの巣用の小屋もある。
薬草畑
ルーフローラの研究用に加え、村民の傷病治療薬の安定供給を目的に、畑エリアの東方に200m四方で開墾された。約30種の薬草が栽培されており、中には危険なものもあるが、厳重な管理の下に育てられている。貴重な薬草も栽培されており、一部は村外に販売されている。
牧場エリア
5年目に牛が来た時に、犬エリアの北側に拓かれたエリア。牛舎、井戸、広い牧草地を備える。拓かれた当初は「牛エリア」と名づけられたが、7年目に山羊と馬が来てエリアが拡張された際に、現在の名称に変更された。
武闘場 / 舞台
8年目に開催された武闘会のために、居住エリアの南方に用意された屋外会場。メインとなる武闘用の舞台は高さ50cm・20m四方で、石のタイルが敷き詰められている。舞台の周囲は土を柔らかくし、場外へ落ちた参加者の負傷軽減が図られている。他に観客席、貴賓席(実際は村長席)、調理場、飲食スペース、多めのトイレも備わっている。
当初、武闘会は1回限りの予定だったため終了後はすべて撤去される予定であったが、次年度以降も武闘会の開催を求める声が多かったためとりあえず存置され、ふだんは村民が模擬戦などに使用している。
8年目の秋には、移住して来たミノタウロスが栄養不足であることが見て取れたため、とりあえずこの武闘場に入ってもらい食事を摂らせた。
負けても体力が続く限り何度でも挑戦できる戦士の部の進行に時間がかかるため、第2回から舞台を1面増設し、同時に2試合が行えるようになった。
大樹のダンジョン
すべてヒラクたちの手作業によって作られた人工ダンジョン。大樹の村の南に位置する。東のダンジョン調査の同行を村民たちに断られたヒラクによって11年目の冬に建設が開始され、12年目の春に完成した。全部で5つの階層に分かれており、様々な種族の来訪を想定し各階層の扉は大きめに造られている。一階層から三階層までは隠し通路を使うことでほぼ直通が可能で、地上から転移門までの所要時間は最短で15分ほど。
一階層は100m四方もの広さの蒲鉾型の部屋で、天井までの高さは10mほど。部屋の外壁と天井のデザインは木の根をイメージしており、巨大な1本の木の根が部屋を包んでいるような形となっている。部屋にはダンジョン内にあるであろう罠や形状を個別に再現しており、罠の対策を学んだり練習をしたりするためのエリアとなっている。通称は「トレーニングルーム」。当初はヒラクが密かに制作した隠し部屋が3つ存在していたが、あっさりと露呈し以降はそれぞれモヤシアスパラガスキノコと栽培にそれほど光を必要としない作物の畑となっている。
二階層は全面が石でできた迷路で、天井までの高さは7 - 8mほど。大小様々な大きさの部屋を通路で可能な限り結び、それらをランダムに塞ぐことで変更可能な迷路を実現している。部屋や通路によっては、山エルフたちが作った初見殺しの罠が仕掛けられており、攻略者が出ると彼女たちが密かに罠を変更しているため、例え村人であっても油断できないエリアとなっている。
三階層はドライムハクレンラスティたちの提案で、防衛に特化した屋敷のような形をしている。役割は、当初は二階層からの侵入者に対しての防衛だったが、ダンジョン内に転移門を設置することとなったため、四階層からの侵入者に対する防衛に変更された。そのため、三階層を降りた場所には竜の姿のドライムたちを収められるほど広い「ボス部屋」が存在する。ボス部屋以外は防衛施設となっており、100人単位で敵が攻め込んで来た際に、各所に村の住人が立て篭ったり隠れて攻撃できるように設計されている。
四階層はザブトンの子供たちが中心となって作ったエリアで、地底遺跡を思わせるデザインをしている。五階層に繋がる場所が複数存在しているため、仕掛けられている罠はかなりの難度であり、三階層に続く階段もザブトンの子供たちの案内がなければ発見は難しい。
五階層は転移門が設置されている部屋、転移門の管理者用の住居、倉庫、大勢で転移した際の待機部屋が存在する。

大樹の村に従属する村々[編集]

一ノ村いちのむら二ノ村にのむら三ノ村さんのむら[注釈 8]
大樹の村にヒラク以外に子種の提供ができる男性が居ないことと、ヒラク以外に開墾や植え付け作業ができる者が居ないことなどの対策として募った移住希望者の住居地として、8年目に作られた3つの村。一ノ村には人間ハーピー族、管理者としてニュニュダフネ、二ノ村にはミノタウロス、三ノ村にはケンタウロスが住んでいる。さらに警備担当として各村ごとに当初20頭ずつ、後に30頭ずつと遊撃隊として別に30頭のインフェルノウルフクロの子孫たち)、警備と畑の害虫駆除担当で50匹前後ずつのデーモンスパイダーザブトンの子供たち)が自発的に展開している。
各村には、象徴として大木が1本ずつ残されている。その根元には創造神と農業神を祀る祠が置かれ、その横には狛犬のようにクロとユキの像が置かれている。また、守護神としてザブトンの像も作られたが、これはザブトンの子供たちが大木の上に引き上げ設置している。以上の各村共通の像に加え、二ノ村には住人のミノタウロスがイメージする農神の像、三ノ村には同様にケンタウロスが信仰する戦神ほか幾つかの神像が置かれている。
当初は一ノ村のみが50人規模で用意されたが、移住希望者が3種族200人以上と判明した上、すでに移住準備を始めていたため受け入れざるを得なくなり、一ノ村の100人規模への拡張と、種族ごとに分かれて住んでもらうために二ノ村・三ノ村の造成が決まった。
一ノ村の拡張と二ノ村の用地開拓ができた時点で最初の移住者であるミノタウロスが来たが、通常の人間サイズを想定した設備の一ノ村では体格が大きいミノタウロスに対応できず、二ノ村にミノタウロスに合わせた設備を急いで整備することとし、続けてやって来たケンタウロスも同様で、手付かずだった三ノ村をケンタウロス用に大急ぎで造成することになった。一ノ村はしばらく無人で放置されていたが、ニュニュダフネの一部が管理担当となり定住し、その後ハーピー族と人間が住むこととなった。
大樹の村から一ノ村は川を挟んで西方へ約10kmの距離があり、大樹の村より若干川下に位置する。これらは、場所を選定したハイエルフリアによる「反乱が起きた際に、川で阻止する」「上下関係が必要」との確固たる考えによるもの。また、その場所には大型の魔獣が棲息しておらず、クロとザブトンの子供たちで防衛が可能ということも選定の理由。
一ノ村から二ノ村、二ノ村から三ノ村はそれぞれ南へ約10kmと15kmの距離が置かれている。これは、将来的に村の規模が広がった時に、重ならないように配慮したもの。
各村には住居と耕作地、井戸、トイレ、ため池用の窪地、排水路が用意されたが、川からの水路は用地のみで、水路そのものは移住した者が造ることとなっている。これは「最初からすべてを与えるのはいけない」との方針によるもの。
各村の名称は仮のもので、後で各村民に正式な村名を付けてもらう予定だったが、特に不都合がなく各村民からの不満や希望もないため、村名の変更は行われていない。
四ノ村よんのむら / 太陽城 / 太陽村
天空を飛行する城。かつては神人族が住んでいたが、約500年前に悪魔族の侵攻で神人族が追放されて以降は、悪魔族と夢魔族が住んでいる。しかし、彼らの住居以外は、悪魔族が侵攻の際に攻撃の一環として持ち込んだ魔物や、神人族がペットとして飼っていたものが暴走した魔獣が縄張りを形成し無法地帯と化していた。また、神人族によって自動操縦にされた上に、操縦権を握る「城主」の地位もゴウによって空位にされていたため、操縦もままならない状態にあった。
「竜が十頭以上集まる場所があったらそこに行って人間の味方をするように」という、2000年前に定められた最上位契約を元に、10年目の冬に武闘会にてその条件を満たした大樹の村に移動を開始した。しかし、村に接近したところでクズデンが宣戦布告を行ったことで村からは敵と判断され、ヒラクの『万能農具』の槍によって撃破されてしまった。撃破後、真相を知った村からは城の制御を目指す「第一制圧部隊」と、魔物や魔獣の殲滅を目指す「第二制圧部隊」が送られ、前述した2つの問題は解決に導かれることとなった。ベルの解放後は、彼女の口から残り3年で燃料が切れ飛行不能になることが語られたが、直後に燃料の正体が保温石であることが判明し、補充されることとなった。補充後は、単体では独立が難しいことや、保温石の対価が払えないこともあり、大樹の村に従属する村の1つとなった。それに伴い名称も「太陽城」から「四ノ村」に改められたが、太陽城や「太陽村」と呼ぶことも許容されている。
半球に城が乗ったような形状をしており、直径は3km。内部は大きく9つのブロックに区分される。中央ブロックは悪魔族と夢魔族が籠城していた城で、謁見の間、居住エリア、会議室、兵士待機所、客室、厨房、浴場などがあり、これらは極めて豪華な内装をしているが、ダンジョンイモの栽培のために至る所が畑となっている。南西、南、南東ブロックは、城ブロックよりも1段低い位置に作られている市街区で、各所に水路が整備されているが、魔物に占拠されていたこともあり、廃墟と化している。東ブロックは工房関連の建物が多い市街区で、頑丈な建物が魔物に巣として利用されていた。北西、北、北東ブロックは市街区よりさらに1段低い位置に存在する森林区で、こちらも水路が整備されているが、魔物の巣となっていたせいか、生える木は枯れたり折れたりしている。北西ブロックに存在する巨大な穴は、破壊される前の岩の内部に続いていた。西ブロックは森林区よりもさらに1段低い位置に存在する貯水区で、中央ブロックから水を汲み上げることで各地に流されている他、各ブロックの水路の終着地点としても設計されている。初登場時には、悪魔族の攻撃の名残りで下部に逆三角形の岩が貼り付いていたが、ヒラクの攻撃によって全壊した。
文献によれば2000年前には存在が確認されている。当初は人間の王が金を惜しみなく注ぎ込み制作した別荘であった。王の没後(制作から20年後)に後継者争いが勃発し、所有権がとある道楽貴族の手に渡るが、貴族が金に困り神人族に売却したことで、戦闘用に改造され現在のような形となった。
当初、「四ノ村」の名はニュニュダフネ用の新たな村の名前になる予定であったが、ニュニュダフネには警報通信や村内の街路灯などの役割で各村に分散してもらうこととなり新たな村の造成は行われず、太陽城の名に使われることとなった。
五ノ村ごのむら
転移門の存在を隠蔽する目的で作られた村。シャシャートの街から馬車で1日ほどかかる場所に位置し、表向きは貴族たちの隠居先と記されている。村を名乗っているが、一ノ村から四ノ村を含めても人口・規模共に桁違いであり、実質街扱いされている。

大樹の村の行事[編集]

大樹の村主催の運動会
様々な種族から成る村民間の親睦やレクリエーション、また褒賞メダルの普及促進のためのメダル獲得チャンス増加を目的として、年に1回の運動会が8年目にヒラクの発案により企画された。実行委員は、ヒラクと文官娘衆
競走などの単純な競技での運動会では種族間の能力差でまったく勝負にならないため、レクリエーション性を重視して「お祭り」に変更しようとしたが、ヒラクが出した神輿トマト祭り牛追い祭りチーズ転がしは文官娘衆の理解が得られず、逆に文官娘衆が知るこの世界の祭りはヒラクが理解できない上、地域ごとの違いが大きく同じ名前でまったく別の概念を指すなど統合は不可能とわかり、実行委員の間で揉めに揉めたあげく、最後は各地のお祭りの名称を書いたくじをヒラクが引いて決めることになり、初回は「武闘会」に決まった。
第1回の武闘会が大好評で毎年開催となったため、2回目以降の運動会は別に開催することになり、9年目はまたくじ引きで「滑走」が選ばれ、それをアレンジした「滑走ボード」が第2回運動会として開催された。
運動会の観客・来賓
第1回では特に招待を出したわけではないが、頻繁に村を訪れるドライムやワイバーン通信で情報交換をしているビーゼルやマイケルなどから開催の報が広まり、各地から首脳級を含む多くの人物が観戦のため来訪した。
第2回運動会からは魔王国・竜族・コーリン教・ゴロウン商会などに正式に招待を出し、魔王・竜王・宗主・会頭といった重鎮が集結する場になっている。本番の開催前や休憩中などは立ち話の機会となり、首脳会談の様相を呈している。
武闘会
8年目に、初の運動会として開催された。形式は1対1の個人戦で、種族や個人の能力差を考慮して一般の部・戦士の部・騎士の部が設けられている。
初回の開催が告知されると勝負事が大好きな村民たちに火がつき、出場に向けたトレーニングを始める者が続出した。さらには戦闘力が桁違いの竜族であるハクレンラスティが本気になり「実家で鍛えて来る」と言い出したが、彼女らが正式に参加すると何が起きるかわからないので、2人には「達人による審判と模範試合」が依頼され、「達人」の言葉に納得した2人は本戦出場を遠慮することを承諾した。
観客として来訪した者でも、適切な部に飛び入り参加することができる。
騎士の部の表彰が終わり本番が終了すると、後は夜遅くまで宴会と、空いた舞台では希望者による自由対戦が行われる。
武闘会は1回限りで翌年の運動会は別の内容にする予定であったが、終了直後から「次こそは出場・優勝を」とトレーニングを始める村民が続出し、村外からの出場者や観客たちからも次回開催を希望する声が多数聞かれたため、翌年以降も毎年開催することとなった。
一般の部
参加資格は「戦いを生業としない者」で、具体的にはフラウ文官娘衆獣人族。第2回からはミノタウロスケンタウロスも加わった。
使える武器は最大2つまでで、あらかじめ対戦相手に見せた上に布を巻くなどのダメージ軽減措置をする。防具と魔法は自由。
勝利条件は、相手を倒し10カウントを取る、頭のハチマキを奪うか切る、ギブアップを宣言させる、場外に落とす、その他審判判定のいずれか。
対戦は1人1戦のみで、連戦はない。戦う相手はくじで決められ、そのため運不運がある。勝者には、褒賞メダル1枚が授与される。
第1回の司会進行はグランマリア、審判はハクレンが担当した。
戦士の部
参加資格は「狩りで森に入る者」を中心に、それと同等の戦闘力を持つ者。具体的にはハイエルフ鬼人族リザードマンエルダードワーフ山エルフ。また、第1回は飛び入り参加でガルフを含むハウリン村の獣人族4人と、南のダンジョンラミア族4人。第2回では第1回の一般の部で激闘を演じたフラウとセナが昇格、ゴードングルーワルドが加わり、飛び入りでランダンが参加。
勝利条件は一般の部とほぼ同じだが、ハチマキは頭のほかに両手・両足にも装着し(ラミア族は足の代わりに尻尾に、リザードマンは両手・両足に加えて尻尾にも)、ハチマキは2つ以上を奪う必要がある。
対戦は、勝者が舞台に残って次の挑戦者と戦う勝ち抜き方式。敗北しても再挑戦が何度でも可能で、勝利数が最も多い者が優勝となる。優勝者には褒賞メダル7枚が、勝利数が多い者には優秀選手として褒賞メダル3枚、また1勝でもした者には褒賞メダル1枚が授与される。
第1回の司会進行はフラウ、審判はラスティが担当した。4勝で並んだヤーとガルフが決勝戦を行い、激戦の末にガルフが場外に落ちて、ヤーが優勝した。
第2回では鍛錬を重ねていたガルフが、ドノバンやグルーワルドの奮戦を抑えて優勝した。
騎士の部
参加資格は戦士の部に参加可能な者の上位者で、第1回の参加者はルーティア皆殺し天使の3人・リアアンダガ悪魔族の2人・ウノマクラ。また、飛び入り参加でラミア族ジュネアスーネア
第2回の参加者は、第1回の参加者から妊娠中のリアとアンが抜け、第1回の戦士の部で優勝したヤーが昇格、マサユキフブキキアービットが新たに加わった。
対戦は1回戦がくじ引きによるトーナメント方式で、一般・戦士の部にあったハチマキ争奪や場外負け、武器に布を巻くなどのルールがない、ガチ対戦。優勝者には褒賞メダル10枚と優勝トロフィー、冠が授与される。準優勝者には褒賞メダル5枚、ほか1勝した者に褒賞メダル1枚、2勝した者に褒賞メダル2枚が授与される。
第1回の司会進行はフラウ、審判は1回戦をラスティ、2回戦から決勝戦までをハクレンが担当した。瞬殺から互角の熱戦、格闘戦、空中戦、飛び道具や魔法、分身攻撃、日頃溜め込んだ鬱憤のぶつけ合い、因縁の対決など多彩な対戦が繰り広げられ、決勝戦はティアとマクラの対戦となったが、相性の問題でマクラの圧勝で終わった。
第2回では第1回以上の熱戦が多く、負傷してフローラ治癒魔法の世話になる者も多かった。決勝戦はマクラとウノの対戦となり、マクラが丸めた糸を投げつけ、ウノが炎の玉を吐いて飛ばすという遠距離攻撃の応酬となった。ウノがマクラの糸で動きを止められ万事休すかと思われた時、ウノの角が光って絡み付いた糸を弾き飛ばし、マクラに強烈なキックを叩き込んだ直後に巨大化して特大の炎の球を命中させ、マクラが敗北を認めてウノの優勝が決まった。
模範試合
主に竜族を中心に、騎士の部でも強すぎる者の対戦をエキシビションとして行う。
第1回では、騎士の部のトーナメント1回戦が終わった後の小休憩中にハクレンとラスティの人間形態での対戦が行われた。竜族どうしの対戦ということで、ドースが飛び入りで審判を担当した。激しい対戦となりラスティが押し勝つかと思われたが、ハクレンの重い一撃が決まり、舞台の石タイルを大量に粉砕する状態でラスティは沈められ、ハクレンが勝利した。
第2回ではハクレンとラスティに加えてドースを含む竜族4人、魔王ガルガルドザブトンが参加。8人になったためトーナメント方式となり、開催タイミングも戦士の部と騎士の部の間になった。ヴァルグライフが審判を務める中、竜族6人の参加を見て開始前から目が死んでいたガルガルドが1回戦であっけなく敗退する一方、ドースとザブトンが安定した強さを見せて決勝に進むが、ザブトンが竜王の立場に配慮して勝ちを譲り、ドースが優勝した。
純粋なエキシビションなので、優勝者に褒賞メダルなどの授与はない。
休憩中の出し物
第2回では騎士の部の前に長めの休憩時間が設けられ、武闘会の各部に出場できない種族が出し物を披露した。内容は、ハーピー族のラインダンス、ニュニュダフネの不思議なダンス、ハイエルフの楽器演奏。また、終了後の自由対戦タイムの合間にはリザードマン組体操獣人族曲芸が披露された。
滑走ボード
第2回運動会の種目としてくじ引きで選ばれた「滑走」に、安全性などを考慮したアレンジを加えたもの。競技性重視の第一部と、お祭り性重視の第二部に分けられた。
会場は居住エリアの西方、ゴルフ場の西隣に新設され、競技コースは直径50m・幅5mの円形の空間の半分を地面に埋め込んだような東西に長い半円形の穴と、その東端に高さ15mの小山、穴の西側に掘られた大きな池で構成されている。小山の頂上から半円の端までの斜面には幅4mの滑り台状の助走路が造られ、その両側にはコースアウト防止用の壁が設けられている。また、必ずボードに乗って滑走する穴の中のコース部分には、潤滑剤が塗られる。
競技としては、ボードを持って小山の頂上からスタート、穴に入るまでにボードに乗り滑走、穴から空中に飛び出して池に着水までで、池の縁から着水点までの飛距離を競う。着水後、水切りの石のように水面をバウンドして進んだり、サーフィンのように水面上を進んだ場合は、停止した位置までを飛距離とする。ボードと参加者が離れた場合は、参加者の着水点で飛距離を測る。穴に入る時点でボードに乗っていない場合は失格。なお、時間内なら何度でも挑戦が可能で、記録は最長距離が採用される。
第一部・第二部とも、優勝者には褒賞メダル10枚とトロフィー、上位者には順位に応じて褒賞メダルが授与される。
コース完成直後のテストでは、ドノバンダガルークロロナーナが試走した。
ボード製作はヒラクと山エルフが、飛距離の測定は天使族のティア皆殺し天使の3人がそれぞれ担当した。
来賓は、魔王国からガルガルドユーリランダンビーゼルグラッツが、竜一家のドースライメイレンドライムグラッファルーンドマイムクォンが、コーリン教からヴァルグライフフーシュが、ゴロウン商会からマイケルが来訪した。
第一部
純粋に飛距離を競うだけの、競技性を最重視する部。スタート後はボードを持って助走路を走り、助走路の途中でボードに乗る。
優勝はダガで、以下ティア・クロの子の1頭・ヤー・ユーリ(飛び入り参加)の順だった。飛び入り参加は、ユーリのほかにビーゼル・グラッツ・ドマイム・クォン・フーシュ。
第二部
飛距離を競うだけではなく、コスチュームや空中でのパフォーマンスなども楽しむ部。ただし、パフォーマンスが採点されるわけではなく、お祭りとして楽しむという位置づけ。よって、ただ滑って飛んでみたい、というだけの参加も可。
スタート時からボードに乗り、助走路を走らない。このため、第一部の終了後に助走路にも潤滑剤が塗られる。
優勝は酒スライムで、以下獣人族の男の子の1人・ライメイレン・ガルガルド・ドースの順だった。飛び入りでマイケルも参加し、「穴に入っている時が怖かった」との感想を語った。
余興
滑走ボードが競技として単調なので時々休憩が入れられ、さまざまな種族が余興を披露した。ハイエルフの合唱と演奏(ダンスつきでアイドルコンサート風)、山エルフの工作発表(準備5分で発表10秒だったが魔王国からの来賓が注目)、エルダードワーフの新作カクテル発表、鬼人族メイドの新作料理発表、ミノタウロスの豊作の歌と踊り、ケンタウロス流鏑馬などが披露された。

魔王国関連[編集]

ガルガルド魔王国
魔王の領地。魔王の城を中心に東側に大きく広がっている。多種族国家であり、主食が種族によって異なるため、作物の疫病による飢饉の被害は深刻にならずに済んだものの、その結果フルハルト王国からは裕福と見なされ、戦争の引き金となってしまった。
他国での情報収集は「魔族と即バレすることが多く無理」としてほとんど行われていなかったが、ヒラクの「現地人を使えばいい」という入れ知恵と巨額の出資(ハクレンの鱗10枚)で各地に「(謎の)商会による慈善事業」の名目で孤児院を建て、そこからの日記日報という形で情報収集を行い、それにより各地の経済状況が明確になったり、魔王国の主敵である勇者の動向を把握して魔王国の防衛に重要な役割を果たすなどで成功を収めている。

魔王国の都市・施設[編集]

死の森死の大地
魔王の城のすぐ東に位置する森と大地。周囲は山地で、森と大地は盆地となっている。生息する魔物や魔獣の戦闘力が規格外で、常人ならば居るだけで1時間足らずで死体になる[33]。大地は塩の層があるため極めて硬く、森を形成している植物はこの厳しい環境に適応したものである。そのためか植物の硬度は鉄を超えており、力あるハイエルフたちですらも「不倒の大木」と呼ぶほどのものとなっている[33]。塩の層から採れる塩は海から採れる塩とは味が違い、採取が困難なこともあり高価で取引されている。
大樹の村の西方を北から南に流れる川があり、村の主要な水源になっている。源流域である北方の山の降水量が多いため、水量は豊富である。
名前は、デーモンスパイダーを筆頭に魔獣たちが捕食してしまうために鳥類がほとんど生息しないことに由来する。
南のダンジョン
大樹の村の南に位置するダンジョンラミア族が住んでいる。5mほどの幅と高さの通路と大小様々な部屋が組み合わさり、アリの巣のような構造をしている。通路は迷路の如く立体的に入り組んでおり、慣れない者が単独で入り餓死したケースも多い。南側はグルグラント山と繋がっている。
防御陣地
南のダンジョンの奥に存在する陣地。ラミア族が長年をかけて建造したもので、堅固な城塞の様相を呈している。
北のダンジョン
大樹の村の北に位置するダンジョン。巨人族が住んでいる。8年目の秋に大樹の村にやって来た移住者のミノタウロスケンタウロスの住居の建設が冬の到来までに完了しない懸念が生じ、間に合わなかった場合の一時疎開・越冬場所に予定された。幸い住居の建設は間に合い、疎開は行われなかった。
温泉地
9年目にヒラクによって、北のダンジョン付近に作られた温泉
東のダンジョン
大樹の村の東に位置するダンジョン。11年目の冬にクロの子供たちによって発見された。ゴロック族が住んでいる。また、虹白石の鉱脈が存在する。
グルグラント山
死の森の南に位置する山脈。ドライムの巣が存在するため、「竜の山」とも呼ばれる。
鉄の森
グルグラント山の南に位置する森。死の森ほどではないものの危険な魔物が多く、突破できるのはトップクラスの冒険者のみである。
ハウリン村
大樹の村の東に位置する山の内部に存在する村。人口は約500人で、100人ほどの人口の5つの集落が連合して形成された。村の年配者たちによると形成されたのは1000年前だというが、ガルフによると年配者たちが見栄を張っているだけで、実際は500年前であるという。住人はほとんどが獣人族で、その大半が犬系である。
狩猟と採掘が中心の生活とヒュマ村との交易を生業としてきたが、交易がトラブルによって停滞気味になったため、新たな交易先として大樹の村に目を付け、6年目以降交流を持つようになった。9年目には、友好目的でヒュマ村から嫁いだナーシィを、理由も言わずに送還させたことがトラブルの原因であることが判明した。真実を知ったフラウビーゼルと共にハウリン村、ヒュマ村、両村の領主に話をつけたことでトラブルは収束に向かった。
主な産業は鉱物の採掘と、それを原料にした加工品の製造。主要産品は顔料染料塗料)、銀製品、ガラス製品、鉄製品(鍋やフライパン)など。
ヒュマ村
ハウリン村が存在する山の向こう側に位置する、人間の住む村の1つ。
タロッテ村
ハウリン村が存在する山の向こう側に位置する、人間の住む村の1つ。
シャシャートの街
鉄の森の南に位置する、人間の住む街。海に面した港湾都市
ビッグルーフ・シャシャート
大樹の村直轄の店。マイケルの勧誘を受け、11年目の春にシャシャートの街にて開店した。経営担当は一ノ村の10組の夫婦から籤引きで決められ、その結果マルコスポーラが当選した。当初はカレー販売店(マルーラ)のみであったが、ビッグルーフ・シャシャートの盛況の影響で売り上げが落ちたという、近隣店舗からの苦情にマーロンが対応した結果、近隣店舗をテナントとして多数構える商業施設となった。
マルーラ
ビッグルーフ・シャシャートの本体であるカレー販売店。店名は「ビッグルーフ・シャシャート」が商業施設全体を指す名称となったため、ヒラクがマルコスとポーラの名前からとって新たに名づけたもの。
イフルス学園
シャシャートの街に位置する私塾。13年目時点で講師数は学園長を含め20人で、生徒数は500人ほど。名誉学園長はルーだが、学園長が何者かは不明[9]
ゴーンの森の里
エルフが住む里の1つ。五ノ村から5日ほどかかる場所に位置する。13年目にこの里のエルフ10人が五ノ村を訪れ、五ノ村が魔物の退治を行ったことで、魔物が里に移動し被害を齎したため、責任を取ってほしいという旨の苦情を持ち込んだ。実際は自分たちが討伐できなかった魔物(グータートル)を五ノ村に自主的に討伐させるための言い掛かりであったが、ヨウコからは即座に看破された上に説教された。その後は態度を改め、正式に五ノ村に魔物討伐の依頼を行った。
依頼後はガルフたちと共に魔物討伐に向かうも、その帰りにガレツの森の里のエルフの攻撃を受け、彼らと争いを繰り広げた。しかし、巻き込まれたガルフたちがわけも分からず双方を鎮圧したことで争いは終結し、降伏した双方は五ノ村に忠誠を誓った。
ガレツの森の里
エルフが住む里の1つ。距離は不明だが、五ノ村の近辺に位置する。ゴーンの森の里とは敵対関係にある。13年目に魔物を討伐した帰りのガルフたちをゴーンの森の里の軍と勘違いしたことが、双方の里の争いの引き金となった。
グライゼン
魔王国の王都。中心には「王城」が建っており、その周囲には内側から順に「貴族屋敷」「庶民家」「商人通り」が存在している[34]。東北東から南西にかけては河川が流れている[34]。西には「魔王軍城」が建っており、南には「穀倉地帯」が広がっている[34]魔王が代替わりすると遷都される[28]
ガルガルド貴族学園
王都の北東に位置する学園。生徒は魔王国の貴族およびその関係者のみで、内部では貴族社会が適用されている。敷地は広く、近隣の山や森も含まれる。校舎は17棟で、寮は教師寮、男子寮、女子寮の3棟。寮の横には寮暮らしができない生徒用の借家が建ち並んでいる。
入学は春と時期が決まっているが、卒業は条件を満たせばいつでも出来るため時期が決まってない。但し、魔王国では冬に大規模な貴族関係者の叙任式があるため、大半の生徒が叙任に伴う人事異動に備え秋の終わり頃に卒業する。
リタの森
貴族学園の北に位置する森。学園関係者からは「北の森」と呼ばれる。ハイエルフの村が存在していた。

魔王国の外部の国々[編集]

フルハルト王国
魔王国の西に位置する人間の国家。数年前に作物の疫病が発生し飢饉が起き、飢饉を乗り越えた魔王国を裕福と判断し、戦争を仕掛けている。
ガルバルト王国
フルハルト王国の北に位置する国家。ルーが昔住んでいたが、その当時は別の国名であったらしい。
ガーレット王国
ガルバルト王国の北に位置する国家。天使族を崇めており、「巫女職」は国王よりも地位が高い。
天使族の里
ガーレット王国の内部に位置する、天使族の共有の連絡場所。
エルフ帝国
シャシャートの街から南西方向に商船で15 - 20日ほどの場所に存在する島国。5000人ほどのエルフが生活している。魔法を動力源とする帆のないを製作できるほどの技術を有している。魔王国には属さない独立した国家で、外部とはあまり関わろうとはしない。
14年目の夏に「我がエルフ帝国の安寧を脅かす大型船の存在は許せん」として、ライメイレンがヒイチロウのために発注した大型の帆船を沈めたことでライメイレンの怒りを買い、無数の竜族を率いた彼女によって国土が襲撃された。襲撃時にはパニック状態の支配者層が民衆に竜族襲撃の理由をやんわりと伝えたことで内乱が起き、最終的に国土の海岸上に位置する大きな城を自分たちの手で焼いたことでライメイレンに降伏が受諾された。降伏後は魔王国に吸収され、港の管理と漁を生業とする数百人を除いたエルフが国土を出て魔王国の各街に移住することとなった。それでも彼らは安心ができず支配者層の娘20人ほどを竜族に捧げるも受け入れられず、幾度もの交渉の末に竜族と関わりがあると彼らが信じる五ノ村で受け入れることとなった。
14年目の冬には、その正体がハイエルフの村を裏切ったエルフの生き残りであることと、リグネの報復を恐れて島に隠れていたことがリグネの口から明かされた。

組織[編集]

ゴロウン商会
シャシャートの街に存在する商会。マイケルが会頭を務める。以前からマイケルがフラウと顔見知りだった縁で、海産物を求める大樹の村と交易を始めた。交易では村からは農産物を買い付け、村へは海産物を届けている。また、村からの単発リクエストにも応じており、家畜用の山羊と馬、ミノタウロスやケンタウロス用の特大サイズの衣類、中古ピアノなどを届けたこともある。
コーリン教
人間の住む地域で最大勢力を誇る宗教。「信仰の自由」が唯一の理念であり、信仰対象は教徒によって異なる。創造神を崇める一派が最大派閥であり、光神、戦神、農神、魔神、薬神、楽神(音楽関係を司る神)の派閥がその次に大きい。
北側会
娼館カジノの多い五ノ村の北側を自主的に統治する組織。メンバーはロガーボを含め10人で、全員が自身の店を持つライバル同士である。設立当初は合議制であったが、利益関係で衝突し議論が進まなかったことや、メンバーの全員集合が困難であったことから、代表者の1人に権力を集中させ、残りの9人が代表者の監視役を行う組織形態となった。
ミアガルドの斧
冒険者チーム。メンバー数は12人だが、他の仕事で抜けたり怪我で休んだりする者がいるため、ふだんは5 - 8人ほどで行動している。メンバーのコークスは「魔王国の王都では、有数の冒険者チーム」を自負しているが、14年目にリタの森に現れたウォーベアの討伐依頼が来なかったことから「実際は上の下ってところだろう」とも語っている。
14年目に貴族学園の生徒にリタの森に現れた魔獣を討伐する時の護衛を依頼され、彼らとともにリタの森に入った。そこで前述のウォーベアと遭遇し窮地に陥るが、生徒を救出しに現れたゴールたちによって生徒共々救出され、以降は彼らとは知り合いとなった。

種族[編集]

明確な言及はないが、この世界では多くの種で男性(オス)より女性(メス)の方が力が強いことを示唆する描写が幾つかある。特に竜族とインフェルノウルフは、明らかに女性(メス)の方が強い。また、種族内はもちろん種族を越えても序列や上下関係を重視する文化が存在する。

亜人[編集]

人間寄りの姿をしているが、人間ではない者たちの総称。その正体は魔神の1度目の失敗で世界が魔力で満ちた時に、その魔力に適応できた者たちである。

吸血鬼(Vampire[4]
血から魔力を取り込める種族[11]。吸血はあくまで魔力回復の手段に過ぎず、食事は別途必要となる。吸血には多少の魅了効果があるが、下級吸血鬼やアンデッドになることはない。体の大きさを変えられるが、大きくするにはそれ相応の魔力が必要。不死であるが、体が魔力で構成されているため、体内の魔力が尽きると消滅する[11]。全員が魔法を使える。その他、牙を伸び縮みできる、夜目が利くなどの身体的特徴も持つ。
本来であれば子は作れず、「血の契約」なる行為により数を増やすが、ルーはヒラクとの間に子を設けられた。
天使(Angel[4]) / 神人族しんじんぞく
背中に大きな白い翼を持つ種族。翼は格納可能。個体数は300人ほどで、大半は個別に活動している。吸血鬼同様、全員が魔法を使える。その生態は謎に包まれている。信仰対象になっていた時代があり、生活のために布施を集めていたこともあった模様。
一夫一婦制であり、身が穢れていないことのアピールのために、卵生の種族を従える。基本的に女性しかいないため、子孫を残すには他種族の男性を必要とする。格式がないと天使族が低く見られるという理由から、相手の男性に結婚条件として天使族の試練を与える文化が存在する。しかし、試練が厳し過ぎ誰も突破できないことや、試練の難度を決める長一族の気分次第で難度が変化することから、試練を無視する派閥が現れており、保守派と対立している。
ロヒエール派
天使族こそが神に認められし種族であり、神と天使族がいれば世の中は平和で幸せであるという思想の派閥。天使族の中では最も過激な派閥と認定されている。
エルフ
本作におけるエルフ。散開した後に相手を包囲し、弓や魔法による遠距離攻撃を行うといった戦法を得意とする。上下関係に厳しく、「格付け」を重視している。五ノ村の周辺に集落が点在しているが、樹王弓王五ノ村の外交官として活動した結果、そのすべてが五ノ村に忠誠を誓った。
ハイエルフ(Hi Elf[4]
エルフの1種。通常のエルフとの差異は不明。長い耳に華奢な体型と美貌を持つ[33]が、その外見に反して力がある。かつては魔王国の北に存在した村で生活していた。約200年前に人間の戦争に巻き込まれ村は壊滅し、その際に一族は散り散りになり、戦争に出向かなかった年少者や年配者は他部族の下での生活、その生活をよしとしない若い女性たちは死の森での放浪生活を余儀なくされていた。女性たちは近隣の村から男性を攫っていたらしく、魔王国からは「森ゲリラ」「マンイーター」とも呼ばれ、凶悪集団扱いされてしまっている。
山エルフ(Mountain Elf[15]
褐色の肌が特徴のエルフ。外見が似ているためハイエルフと同一視され易いが、能力は別種族と言えるほど差異がある。先天的に手先が器用である[17]
鬼人族きじんぞく(Hi Orge[4]
親指サイズの角が額に1 - 2本生えた種族。ハイエルフ同様、力がある。火と水の魔法との相性がよい者が多い。
リザードマン(Lizard Man[4]
爬虫類の顔と鱗で覆われた体を持つ種族。多種族国家である魔王国でも希少な存在。力はハイエルフや鬼人族をも凌ぎ、戦闘力は人間の優れた戦士10人に匹敵すると言われる[35]。水の魔法が得意な反面、火の魔法が苦手。海生種も存在するが、通常種とは別種族と言えるほどに差異がある。
卵生で、特定の時期にオスが精包をメスに渡すことで産卵する。産卵は水中で行い、外敵に備え孵化するまで親たちが交代で卵を守る。孵化は強者の動きが鈍い内に成長するために冬前に行われる。孵化した子の成長は速い。
繁殖方法の相違により人間天使族などと交配することが不可能であるため、純潔を重視する天使族の従者として働く者が多い。
下級竜人アンダードラゴン
鱗の少ないリザードマン。暴れ者で、周囲からは嫌われている。12年目に赤竜族の子供を信仰対象にするために攫ったことで、赤竜族と彼らを信仰する種族によって集落が襲撃された。その後、赤竜族の子供が救出時に怪我を負ったことでさらに激怒した赤竜族が、彼らを信仰する種族諸共下級竜人を滅ぼそうとしたため、最終的にライメイレンが仲裁役として呼び出される事態にまで発展した。
魔族(Magic Human[15]
外見は人間だが、魔力の保有量がその比ではない種族。体内の魔力量が多いと肉体に変化が生じるが、これは魔力を扱い切れない場合の話であり、扱えれば肉体の変化もなくなる。
亜人全体を指す言葉として使用される場合もある。
魔王
魔族の王。任命制だが、基本的に同じ一族から選ばれるため、実質は世襲制と変わらない。同じ一族から選ぶ理由は、一族が能力的に最も優れているからだとされているが、リアは「面倒なことを引き受けてくれる一族に押し付けているだけ」ではないかと推測している。名前を国民に浸透させるために、大抵は就任時に王都の遷都先の地名に改名する[28]。元は亜人が勇者に脅かされていることを知った魔神が、勇者対策として生み出した存在である。
王姫
魔王の娘。魔王が代替わりした後に困るため、「王女」とは呼ばれない。一方で魔王の息子はそのまま王子と呼ばれ、魔王が代替わりした後は呼ばれなくなる。
獣人(Beast Human[15]
人間と獣を折衷した姿の種族。人間と獣の比率は個体差がある。
魔法を得意とする者は少ないが、特にハウリン村の住人は環境上魔法が使えないと困るらしく、全員が使えるように鍛えられる。
ドワーフ
本作におけるドワーフ。鍛冶に長ける。五ノ村の近辺に200人ほどの一団が住む移住地が存在する。13年目にはこの一団のメンバー30人ほどが五ノ村を訪れたが、「優れた素材は、優れた者の手にあるべき」と言い魔鉄粉の譲渡を強要したため、対応したヨウコによって叩きのめされ投獄された。「五ノ村祭」の開催後は、投獄された者たちを含めた一団のメンバー50人ほどが、五ノ村にてフアノの下で働くこととなった。
エルダードワーフ(Elder Dwarf[15]
ドワーフの1種。ドワーフとの差異は不明で、エルダードワーフであるドノバンでさえも知らない。樽のような体型に太い手足と大きな顔を持つ。男女問わず顔に髭が生えており、髭なしの女性は子供と見なされる。
悪魔(Devil[20]
背中にコウモリの羽が生えた種族。羽は格納可能。
約1000年前には魔族側を攻撃していた神人族の矢面に立たされており、彼女らと幾度も太陽城を舞台に戦いを繰り広げていた。約500年前にはクズーポン率いる一団が太陽城に運び込まれる荷物に紛れ奇襲を仕掛けたことで神人族を追放し、太陽城の占領に成功した。しかしその直後、神人族によって太陽城の着陸ができなくなった上に、自分たちが持ち込んだ魔物に魔力を吸収され飛べなくなったことで、太陽城から脱出できなくなってしまった。閉じ込められた当初は様々な脱出方法を考えていたものの、成功しないまま10年が経過すると諦め、太陽城で生活するようになった。
古の悪魔族 / 古代悪魔族 / 上級悪魔族
戦闘力と寿命が一般種より格上の悪魔族。ボスであるグッチドースの一族に挑み敗北して以降、彼らの従者として活動している。
夢魔
「夢の中で愛を食べて生きる」種族。下着のようなファッションをしている。女性はサキュバス、男性はインキュバスと呼ばれる。
元は神人族の従者であり、太陽城には元から約200人のサキュバスが住んでいた。特に戦闘力には優れておらず、悪魔族が太陽城を占領した際には即座に降伏したが、同時に魔物に追い詰められたため、彼らと共同生活を送るようになった。食料は不安によって長時間の睡眠を志願した悪魔族の年配者たちで賄っている。
ハーピー
腕が翼になっている種族。集団生活を好むため個性を出すことが難しく、個体名を持たない。寝る時はベッドや布団を使わず、鳥のように木の枝に止まるか、を作りその上で寝る。リザードマンと同様に卵生で、純潔を重視する天使族の従者として働く者が多い。
ミノタウロス(Minotaur[15]
頭部にスイギュウの角が生えた種族。身長は2 - 3mと大柄。温和な性格で、戦闘時は戦闘に特化した者が集団を守る戦法を取る。戦闘に特化した者は出産時に決まるが、判明するのはある程度育ってからとなる。
ケンタウロス(Centaurus[15]
ウマの下半身を持つ種族。ミノタウロス並みの大柄で、下半身の大きさは本物のウマと同等。
ニュニュダフネ(Nyunyu-daphne[15]
木の精霊に近い種族。本来は切り株の姿をしているが、身長が150 - 170cmでスタイルのよい人間の美女に変身できる。ただし、怪我をすると人間に変身できなくなる。驚くと、蔦が伸びる。日光と水を食料とし、優れた土のある環境を好む。サンゴのような外見を持つ海生種も存在する。
離れていても、同族の間でふんわりとした感情を伝え合うことができる。また、切り株の姿の時に蔦の先端に咲かせた花を光らせて、街灯のような働きができる。
ラミア
ヘビの下半身を持つ種族。南のダンジョンを住処とし、ダンジョンに棲む多くの魔物・魔獣の中で最強の座に就いている。強さは単体で魔族兵100人を相手にしても過剰戦力と言われるほど。下半身を敵に巻き付け締め上げたり、バネのように使い跳び上がり空中の敵を攻撃する戦法を取る。
7年目にクロとザブトンの子供たちにダンジョンを攻め込まれ、彼らに降伏したことを皮切りに、大樹の村と交流を持つようになった。
ユーリの学友(のちの文官娘衆)によって大樹の村の襲撃計画が企てられた時には、それを阻止するための戦力として白羽の矢が立ち、3人がフラウとともに魔王都に出向いて、期待通りの成果をおさめた。
死の森の南部と南のダンジョンを通り大樹の村とドライムの巣の間で荷物を運ぶ「ラミア便」を担っており、ドライムの巣から先の「ドライムの部下便」と連携することで大樹の村とシャシャートの街との交易の定期化に貢献している。ラミア便が片道5 - 7日、ドライムの部下便が片道5日で、計10 - 12日で目的地に到達する。
巨人
その名の通り、3 - 5mの巨体を持つ種族。性格はとても温和で、友好的。北のダンジョンを住処にしており、ブラッディバイパーの子供を食料にして生活している。全身に毛が生えているが、これはブラッディバイパーに丸呑みにされた際に身を守るための進化の結果である。
ダンジョン内で育ち過ぎた10匹のブラッディバイパーに手を焼いていたが、大樹の村から来た調査隊が退治してくれたため、その際に(主にラスティハクレンの攻撃により)少しダンジョンが崩れたことも不問とし、村に感謝している。
人魚
サカナの下半身を持つ種族。海を主な生活の場としている。
サハギン
サカナの上半身を持つ種族。人魚同様、海を主な生活の場としている。
ゴロック族
全身がでできた種族。場所によっては「ストーンマン」などと呼ばれている。身体は硬く、砕かれても時間と共に再生する。それゆえに防御力は高いが攻撃力は0に近いため、ふだんは岩に擬態し身を隠し、などを食べ生活している。知能は高く、主に詩の才能がある。
東のダンジョンを住処としている。11年目に大樹の村から派遣されたダンジョン調査隊に「岩に擬態して近付く敵」と思われ、1人残らず怪我を負わされてしまったが、その後彼らと友好関係を結んだ。
多腕族たわんぞく
6本の腕を持つ種族。バルゴ地域に集落が点在していたが、17年目にブロンによって纏め上げられた。

魔物・魔獣[編集]

魔神の2度目の失敗により誕生した存在。意思疎通は可能でも会話は不可能とされているが、アラクネなどの例外も存在する。大型の魔獣は討伐が難しいため、骨に価値があり財宝扱いされる。

死の森の魔物・魔獣[編集]
インフェルノウルフ(Inferno Wolf[4]
オオカミの魔獣。成体の大きさは大型犬ほどで、体は黒い毛で覆われている。属性は炎と雷。デザインナイフのような角が額から生えており、春になると生え変わる。戦闘力は1頭でも街を滅ぼすほどで、魔法攻撃が効きにくく回避力も高い。知能も高くチェスをプレイできる。デーモンスパイダー、グラップラーベア、ブラッディバイパーと合わせて「死の森の四強」とも呼ばれる[9]
仔の成長は早く、生後7日ほどで乳離れし、30日ほどで成体サイズとなり角が生え始める。
コキュートスウルフ
インフェルノウルフの変異種。体を覆う毛は白。属性は氷と雷。
王を統べる者インフェルノウルフ・エンペラー王を統べる者の妻インフェルノウルフ・エンプレスインフェルノウルフ・キングインフェルノウルフ・クイーン
17年目の夏に存在が判明した、インフェルノウルフの特殊個体。
デーモンスパイダー
様々な大きさと種類が存在する、クモ系統の魔物の総称[11]。戦闘力は単独でも天使族吸血鬼と戦えるほどで、「死の番人」と呼ばれる。糸を使い、飛行する亜人、鳥類、魔獣を捕獲できる。個体特性として「スタンバッシュ」と呼ばれる、初見の相手のみに放てる精神攻撃を持つ。総称名を冠した種類の大きさは約10m[36]。知能が高く、挨拶や肯定の意思表示の際は腕を1本「サッ」と挙げる。
シャドウスパイダーカーススパイダードロースパイダートラップスパイダーデススパイダー首吊りスパイダー
デーモンスパイダーの幼生体。大きさはシャドウが拳大ほど、カース・ドロー・トラップが雑誌ほど、デス・首吊りが畳半畳ほど[36]。この段階でも魔王国側からすれば、充分脅威になり得る存在である。
アッシュスパイダー[36]
詳細不明。大きさは畳2畳ほど。
グレートデーモンスパイダー
デーモンスパイダーの上位種。大きさは20m超え。約100年前に先々代の魔王と戦い引き分けたほどの戦闘力を持つ。
イリーガルデーモンスパイダー[注釈 9]
グレートがさらに成長を遂げた、デーモンスパイダーの最上位種。大きさは約2 - 3m(畳4畳[36])と、グレートに比べるとかなり小柄。
ニードルスパイダー
デーモンスパイダー幼生体の進化形の1種。薄い棒のような姿をしている。12年目の春にギリー・ゲートと共に大樹のダンジョン内で進化を遂げ誕生したことから、ヒラクからは「ダンジョン特化」した種類であろうと推測されている。
ギリースパイダー
デーモンスパイダー幼生体の進化形の1種。ダンジョンの壁や床に潜伏する。
ゲートスパイダー
デーモンスパイダー幼生体の進化形の1種。特定の場所を縄張りにする。
アラクネ
人間の女性の上半身を持つデーモンスパイダー。大きさは約2m四方。魔物の中では例外的に会話が可能。
イモータルデーモンスパイダー
デーモンスパイダー幼生体の進化形の1種。大きさは拳大。異名は「死を告げるクモ」で、不死属性を持つ。戦闘力は単独で王国1つを滅ぼせるほど。大樹の村では13年目にヒラクが制作した棚部屋で脱皮したことで、この種類とカーススパイダーエリートに進化を遂げたザブトンの子供が現れた。
カーススパイダーエリート
デーモンスパイダー幼生体の進化形の1種。その名の通り、カーススパイダーのエリートタイプ。大きさは拳大。異名は「死を運ぶクモ」で、広範囲回復魔法を持つ。カーススパイダーの群れに1匹でもいれば、脅威度が通常の群れの10倍になると言われている。
フォレストガーディアン
フォーオの種族名。
アーマーデーモンスパイダー
17年目にザブトンの子供2匹が、収穫祭で行う演劇用の衣装(ヒラクが制作したフルアーマー)を身に付けたことで進化し誕生した新種。衣装は取り込まれ、体の一部と化している。種族名は文官娘衆の1人によって名づけられた。この種類に進化したのは前述の2匹のみで、2匹に感化されたザブトンの子供たち約20匹が同様の手順を踏んだものの、進化することはなかった。
グラップラーベア
クマの魔獣。大きさは約5 - 6m。全体的な動きは鈍いが手足の速度は速い上、巨体に見合った強大な戦闘力を持つ。冬には冬眠を行う。肉の味は悪くないものの、臭みが強い。
ブラッディバイパー
ヘビの魔物。直径は約1mで、体長は約20m。グラップラーベアに本気を出させるほどの戦闘力を持ち、巨体を武器に暴れ攻撃を行う。魔法は大半が無効化される上に、再生力と生命力は凄まじく、身体が半分に千切れても生き延び再生し続ける。そのため肉は腐り難く強精効果があるとされ、子宝を望む者に珍重されている。グラップラーベア同様、冬には冬眠を行う。肉の味はあっさりしており、鶏肉に似ている。北のダンジョンに多く生息している。卵はバスケットボールほどの大きさで、生の状態では生臭く食べ難いが、ゆで卵にすると濃厚な美味となる。
キラーラビット
ウサギの魔獣。大きさは中型犬ほどで、口の両端から牙が生えている。腸は短く、ヒラクからは肉食であろうと推測されている。死の森の外では「死を告げる兎」の異名で呼ばれ、歴戦の冒険者たちをも震え上がらせるほどに恐れられている。「未来視」の魔眼を持ち、先手は確実に取られる。この魔獣を狩れることが武闘会・戦士の部の出場条件となっている。
死の森では大樹の村の食料確保のためにグラップラーベアやブラッディバイパーといった大型の魔獣が多く狩られるようになったせいか、個体数が急増している。
ゲートボア
イノシシの魔獣。高さと幅は共に約2mで、全長は約4m。インフェルノウルフとは死の森の覇権を争っており、通常は彼らでも容易には倒せない。
グノーシスビー
ハチの魔物。ある程度の知能を持ち、ザブトンの子供たちと意思疎通が可能。巣はスズメバチのものをさらに大きくしたような、大きく丸い風貌をしており、大きさの問題で床に置くように作られるため、アリ塚のようにも見える。
グノーシスクイーンビー[36]
グノーシスビーの女王蜂。大きさは約30cm。頭、首、手足にファーのような毛が生えている。針は持っておらず、魔法も使えない。
グノーシスファーマー[36]
グノーシスビーの働き蜂。大きさは一般的なハチと同程度。ミツバチと同じように花などからハチミツを集める。集められたハチミツは極上の味で、巣を守る兵隊蜂の存在もあり、天井知らずの値が付けられる。そのため作中の世界では「グノーシスビーのハチミツ狙い」という「夢想家や妄想家、もしくは欲に溺れて危険なことをする者たち」を指す慣用句が存在する。
グノーシスウォリアー[36]
グノーシスビーの兵隊蜂。大きさは約15cm。インフェルノウルフですら巣に近付けないと言われるほどの獰猛さと戦闘力を持つ。しかし、敵が現れると女王蜂を護衛している最中でも、優先順位を無視して敵と戦う。
インテリフェネック[9]
背の長いイタチの魔獣。
デスラーテル
太いイタチの魔獣[9]。単体ではそれほど強くないが、集団戦法でその弱さを補っている。
パニックカリブー
シカの魔獣。かなり希少。凶暴な性格で、角を振り回して攻撃する。肉の味は美味だが、角の味はそれを上回る。角は砕いて粉とし、煮てスープにして食する。
アンデッド
実体を持たない魔物が正体である存在の総称。天使族に弱い。9年目の春に大規模な群れが発生した。
ゾンビ
実体を持たない魔物が死体に取り憑き動く存在。世間では「この世に未練のある者が蠢いている」という間違った認識が広まっている。
スケルトン
実体を持たない魔物が実体を持とうとした存在。
ゴースト
実体を持たない魔物が集まり、力を蓄えた存在。浮遊し移動する。通常の攻撃は効かず、倒すには魔法での攻撃を必要とする。
アースラット
モグラの魔獣。穴堀りを得意とし、地中から奇襲を仕掛け攻撃を行う。戦闘力は単独でブラッディバイパーを喰い殺せるほど。本来ならば北のダンジョンの東側に生息しているが、死霊王の催眠術によって使役されたことで、9年目には北のダンジョンに出没していた。
キャタフット[9]
巨大なムカデの魔物。詳細不明。
ポイズンロックヘカトン[注釈 10]
超巨大なムカデの魔物。頭部に大きな牙が2本生えており、体には毒がある。体の一部を欠損しても動き続ける生命力を持つ。大きさは様々で、北のダンジョンに僅かに生息している個体は30cmほどだが、落神の呪詛によって集まった個体は2m以上。
フェンリル
オオカミの魔獣。大きさはインフェルノウルフよりも大きく、体を覆う毛は銀色。口から炎を吐ける。
デスボール
アルマジロの魔獣。1mほどの大きさの球体に変形し、転がり突進する攻撃を行う。10年目に大量発生し、約100匹と約2000匹の2つの群れが大樹の村に向かおうとしていたが、前者はヒラクの半日にも及ぶ駆除作業によって、後者はザブトンの子供たちに捕らえられたところを他の魔獣たちに捕食され全滅した。討伐後に手に入れた外皮はグランマリアの槍を通さないほどの硬度があったが、大樹の村には破壊できる者が何人もいたため、素材としては役に立たないとヒラクに判断され、すべて廃棄処分となった。
ロフイーター
イナゴの魔虫。全長は1mほど。冬に繁殖し、春になると群を作り飛び立つ。その進行方向にある物は何もかもが食い尽くされる。11年目の冬直前に温泉地にて1匹が発見され、群の発生が危惧されていたが、ザブトンの子供たちによって事前に対処された。
ダンジョンウォーカー / 地竜グランドドラゴン
トカゲの魔物。全長は子供でも1mで、成長すると20mほどになる。夜目が利き、ダンジョンの床のみならず壁や天井を這い侵入者に接近する。優れた個体は魔法を使いこなし、冒険者たちからは「ダンジョンの死神」と呼ばれることもある。竜族とは関係ないが、特定の地域では「地竜」とも呼ばれており、ヒラクからも「呼びやすい」という理由でこう呼ばれている。
ポンドタートル
カメの魔物。定期的に甲羅の皮が剥がれて成長する「タートル種」の1種。甲羅は丸い山型で、直径と高さはともに約2m。「池の守護神」と呼ばれるほどに温厚な性格で、ヒラクと意思疎通出来るほどの知能を有している。草食でキャベツとダイコンが好物だが、体躯に反して少食。戦いの際には自身の甲羅の皮を食して回復し、皮が尽きると逃げるという戦法を取る。
死の森の外部の魔物・魔獣[編集]
宝石猫
ネコの魔獣。生まれながら、額に宝石が埋め込まれている。白い個体は貴重で、神聖な魔猫として崇められている。身体強化系の魔法や治癒魔法を得意とする。詳しい生態は分かっていない。
ウォーベア
クマの魔獣。倒すためには兵士が最低でも30人は犠牲になると言われるほどの戦闘力を持つ。
ウッドキラー
木に擬態した魔物。ジャガーブル、ラビットフット、キーンルーン、キャタ、コークロウと共に、討伐に高い報酬が支払われる魔物・魔獣として認知されている。
ジャガーブル
木の上から攻撃を行う魔物。
ラビットフット
一撃必殺のキックを持つ魔物。
キーンルーン
ウミウシの魔物。魔法を使い攻撃を行う。
キャタ
ムカデの魔物。大きさは30cmほど。地中から攻撃を行う。
コークロウ
昼夜問わず、空から攻撃を行う魔物。
トカオン[9]
カメレオン似の魔物。四ノ村に生息している。
グータートル
カメの魔物。草食動物で、木を喰らう。防御力は高いが、攻撃力は大したことはなく足も遅い。ゴーンの森の里エルフが数人がかりでも苦戦を強いられるほどの戦闘力を持つが、ヨウコ曰く「少し変わった攻撃をしてくるが、用心すれば問題ない」とのこと。
ラヴァーズビースト
四足の魔獣。体長は5mで、背中は硬い毛で覆われている。毒に強く、好戦的な性格。単体でも倒すためには兵士100人の犠牲が必要と言われるほどの戦闘力を持つ上に、常につがいや子供と共に行動する。しかし、グラッツによると群れていてもゴールたちが大樹の村で捕まえていた「兎」1匹より弱いらしく、それを知ったシールは魔王国の防衛力に不安を持った。
“混ぜ物”まぜもの
黒いのような姿をした魔物。体の一部を手のように伸ばし、触れた生物を捕食する。ウォーベアやラヴァーズビーストを難なく捕食できるほどの戦闘力を持つ上に、捕食した生物の力を取り込む能力も持ち、長く生きるほど強力で厄介な存在となる。対抗手段は魔王国には存在せず、竜族でなければ対抗不可能とされている。しかし、その事実を国民に知られると逃げる力のない者の不安を煽る恐れがあるため、魔王国では人間の国とも情報を共有しつつ広まらないように口外禁止処置がとられている。
14年目から2000年前に初めて存在が確認され、歴史上では4体が確認されている。この内の4体目は14年目から400年前に魔王国に現れ、23の街と村が破棄され広大な畑が失われる被害を齎した。14年目には5体目がリタの森に現れ、森に入ったゴールたちを捕食しようとするも、彼らを助けに現れたフォーオに吸い込まれ食された。
正体については諸説あり、「魔道具によって生み出される」説、「勇者の成れの果て」説、「全ての魔物は“混ぜ物”から産まれた」説、「古の魔法使いによって生み出された不滅の化け物」説などが唱えられている。この内の「魔道具によって生み出される」説は誤りで、大昔に起きた魔道具で“混ぜ物”を呼び寄せた事件が原因で広まった。最有力説は「魔力の集合体」説で、それによるとゴーレムを操る魔法が完全に自律した存在であるという。魔王国での発生率はかなり低く、ルー曰く「空から降ってくる石に当たるぐらい」の確率である。

生成される存在[編集]

土兵
土から生み出された兵士。
死霊騎士デスナイト
死体から生み出された騎士。通常攻撃は効かず、魔法攻撃も効果が薄い。その上、剣の腕前もかなりよい。
9年目に北のダンジョンでヒラクと出会った個体は、主人である死霊王がウルザに変化したがゆえに、主従のリンクが切れ命令が与えられないまま彷徨っていた。ヴァルグライフの「騎士なのだから、何か使命を与えればいい」という提案に乗った結果、温泉の番人となった。10年目の冬前にヒラクが温泉地を訪れた際には、いつの間にか新たに2体が加わっており、合計3体になっていた。13年目にはルーが作り出した魔粘土を身体に付けたことで全員が肉体を得た。肉体を得た姿は美形の顔を持ち、細身ながらも筋肉が付いた体型をしている。
死霊戦士
死体から生み出された戦士。詳細不明。
竜兵ドラゴンウォリアー
竜族が自身の血肉から生み出した兵士。強さはグラップラーベア並。
ガーゴイル
羽の生えた悪魔の石像。ふだんは石像だが、侵入者が来ると門番や警報として活動する。戦闘力は竜族相手でも時間稼ぎできるほどとされる。ヴァルグライフの詠唱によって生成され、彼の寝室も守っている。

その他の種族[編集]

人間(Human[4]
魔神の1度目の失敗で世界が魔力で満ちた時に、その魔力に適応できなかった者たち。10人に1人が魔法の素質を持ち、100人に1人が魔法を行使できる。
勇者
魔法が使えない人間を哀れに思った農業神が生み出した存在。100万分に1の確率で人間から生まれる。天候を操る魔法、城を生み出す魔法、海を割る魔法、蘇生魔法などの魔法形態も何もかもを無視した強力な魔法が使える。人間の生存圏を広げるために亜人領に侵攻する者もおり、「勇者は亜人を倒す者」という認識が拡がる原因を作った。15年目から6000年前を最後に出現が止まっていたが、15年目に再出現を始めた。
教会勇者 / 偽物勇者
教会で契約し、生まれる勇者。全員が証として「紋章」を持つ。強さは契約者の強さに比例し、剣が得意な者もいれば魔法が得意な者もいる。魔王を倒すことを使命としているが、それ以外は自由である。真っ当な者こそいるものの、死の恐怖を乗り越えながら使命を果たそうとするため、大半の者は堕落している。堕落した者は一般人に対し被害を齎しており、一般人からは「元勇者であるというだけで、石を投げられる」ほどに嫌われている。
死んでも服装や所持品が死んだ場所に置き去りになるのみで、死ぬ直前までの記憶と知識を持ったまま契約した教会で復活する。ゆえに死を恐れず行動できるため、ダンジョン攻略などでは無類の強さを誇る。死ぬことが前提で行動するため集団行動には向いておらず、3 - 10人ほどのサポートをつけ動くことが多い。死ぬたびに契約した教会に戻されることが弱点で、復活場所の変更もできないが、教会を燃やしても燃え跡で復活できる。復活場所に溶岩を流し込まれた場合は、死と復活を繰り返すたびに復活場所が少しずつずれるらしく、実際に溶岩を流し込んだ者の記録によると元の場所から1kmほど横に移動した場所が新たな復活場所になったという。契約した教会は戦力を集め教会を守っており、その戦力は小国の軍よりも強いと噂されている。
元は封印されていた時のライギエルが、自身の封印を解く「仕掛け」の1つとして「勇者システム」を利用し生み出した存在であり、彼が力を失った9年目を境に復活できなくなった。復活できなくなった後は、コートキのように勇者であったことを捨て一般人として新たな人生を送る者と、これまで通りに行動する者に分かれたが、後者は紋章が消えたため勇者であると周囲に認知されず、ただの野盗として捕まったり討伐されてたりしている。
竜族ドラゴンぞく
本作におけるドラゴン。人間の姿になれるが、若い個体は完全な人間体にはなれず、大きな角と尻尾が残る。元々は創造神が浮気をした際に時の神が生み出した神獣であり、神相手にも一歩も引かない。
妊娠した場合は、出産まで姿が固定される。基本は卵生であるが、人間の姿の状態で妊娠すると胎生となる。女性は「自分の伴侶がこの世に生まれると感じると真っ先に駆けつけ、他者を排除して獲得しようとする」習性を持つ。誕生した子の名づけには、親子関係を分かり易くするために親の名前の一部を付けるというルールが存在するが、絶対ではない。
定期的に剥げ落ちる鱗は軽く頑丈で、上質の武器や防具の素材となる。また、入手が極めて困難なため高額で取引され、小さめの鱗1枚でも、魔王国の王都に豪邸を1軒持てるほどの価値がある。ドースの一族が大樹の村に数日滞在した間に剥げ落ち村に残された鱗は大小合わせて数十枚に上り、その価値は桁外れの巨額となるため、フラウに「私の中の何かが壊れた」「地下室に放り込んで見なかったことに」と口走らせた。
「竜族」というと神代竜族・混代竜族・色竜族の3つを纏めて指すことが多いが、竜族そのものが力の象徴であるため、竜族とは無関係の強い種族に「竜」の名が冠されることも多い。その例として作中では地竜下級竜人の他、石竜ストーンドラゴン岩竜ロックドラゴン針竜ニードルドラゴン群竜サークルドラゴン海竜シードラゴン[注釈 11]の名前が挙げられている。当の竜族は他種族に「竜」の名が使われたとしても気にせず、実害がある場合のみ滅ぼすスタイルを取っている。しかし、竜族を信奉する者たちは、信奉対象に勝手に入られては困るという理由で快くは思っておらず、これらの種族を滅ぼそうと行動する過激派も存在する。
神代竜族エンシェントドラゴン (Hi Ancient Dragon[15][14]
竜族の頂点に君臨する竜族。神話に登場する竜族はすべてこれにあたる。神によって生み出され、神の時代を生き、現在まで血脈を受け継いでいる。かつては12の血統が存在したが、現在は半分も残っていない。個体数も少なく、ハーフであるヒイチロウラナノーンを含めても、50頭もいないとされている。ドースによると大半の個体が年配者であり、どこかに隠れて寝ているという。
大樹の村とは、ハクレンによる襲撃の後にこれ以上のトラブルを恐れたドースの一族が釈明と謝罪のため村に集結した時から、交流を持つようになった。ドライムラスティの父娘を除き個体名と血縁関係は謎であったが、村に集結した際に判明した。
混代竜族エルダードラゴンぞく
神の時代の後に生まれた血統の竜族。個体数は200頭ほどだが、全員が纏まってもドースには勝てない模様。炎竜族フレイムドラゴンぞく水竜族ウォータードラゴンぞく氷竜族アイスドラゴンぞく風竜族ウィンドドラゴンぞく大地竜族アースドラゴンぞくなどに分類される。種族毎に得意不得意が明確にあり、縄張り意識も強い。また、強さや頭脳は個体によってまちまちである。
大半が神代竜族個人の下についており、炎竜族はセキレン、水竜族、氷竜族、風竜族はライメイレン、大地竜族はマークに従っている。従えている竜族は基本的に面倒見がよい傾向にある。
色竜族カラードラゴンぞく
神代竜族や混代竜族よりも下位の竜族。赤竜族レッドドラゴンぞく青竜族ブルードラゴンぞく黄竜族イエロードラゴンぞく緑竜族グリーンドラゴンぞく黒竜族ブラックドラゴンぞくなどに分類される。個体数は統制が取れていないため不明だが、1,2万頭ほどと推測されている。同じ色竜でも群で活動する者、個々に活動する者、神代竜族や混代竜族に従う者、逆に敵対する者など、様々な個体が存在する。白竜族ホワイトドラゴンぞくは遥か昔に、紛らわしいという理由で白い神代竜(グラッファルーン系の竜)によって滅ぼされたため現存しない。
スライム
死骸や排泄物を食べて分解処理する生物。「森の掃除屋」「平原の掃除屋」「ダンジョンの掃除屋」などとも呼ばれる。楕円球形の身体に2つの目がついた姿をしており、身体は抱きしめることで癒し効果がある。「野生種」の大きさは拳ほどだが、成長もする。主に沼や池の近くに生息している。
種類は青色のブルースライム、緑色のグリーンスライム、黄色のイエロースライム、赤色のレッドスライムに加え、黒色のブラックスライムや白色のホーリースライムなどの希少種が存在する。これらは単なる色違いではなく、使う魔法も異なる。ホーリースライムは治癒魔法を使う。
ワイバーン
太ったトカゲにコウモリの羽を付けたような外見をした生物。竜族に似た姿をしているが、人間の姿にはなれない。規格外の強さを持っていた鉄の森のワイバーン以外は、死の森を飛べるほどの実力はない。長生きした個体は竜族ほどではないが高い知能を有する。暴れる個体は討伐されるため、長生きする個体は温和な傾向にある。肉は美味とされている。
オーガ
グランマリアの過去回想に名前が登場したのみで、詳細不明。約100年前に群れで皆殺し天使3人と戦い、約100匹が倒された。
精霊
本作における精霊。火の精霊は火のトカゲのような姿をしている。一ノ村では木の精霊と水の精霊が強く、土の精霊は弱いが少しずつ強くなっている。
マーキュリー種(Mercury[20]
太陽城の城主を補佐するために作られた、16体の人工生命体。人間の姿にもなれるが、本来の姿は水晶石であり、こちらの方が燃料の消費が少ない。人間の姿であれば食事が可能だが、太陽城からエネルギーが供給されているため、食事をとらなくても活動できる。
ライオン
正式名称は不明。コウモリの翼を生やし、飛行できるライオン。全長は3mほど。温泉地の採掘場には夫婦とその子供3頭の計5頭が住んでいる。
ミットフィッシュ
小さなサカナ。水質を確かめるために使用される。
九尾狐ナインテール・フォックス(Nine Tails[18]
9本の尾を持つキツネ。ただし、幼体の尾は1本である。人間の姿になれる。スタンバッシュに対する固有耐性も持つ[37]
ユニコーン
真っ白な外見のウマ。足はかなり速く、馬車で1日掛かる五ノ村からシャシャートの街までの道のりを1時間で走り切れる。雄には角が生えているが雌にはなく、魔力の形を見なければ普通のウマとの判別は困難。雄はウマの牧場に潜り込み、勝手に種付けを行うという習性を持つが、種付けされたウマは丈夫な子を産むため、牧場主からは歓迎されている。
フェニックス
本作におけるフェニックス。100年間絶食しても平気と言われるほどに生命力が強く、再生能力もある。雑食。羽は高級素材。
妖精
小さな人型の姿をした存在。幼体は「妖精の羽」と呼ばれる。好物はサトウキビなどの甘味。イモを石に変える、小麦粉の中に砂を入れるなどの悪戯を行うが、これには子を教育せず畑で重労働させている者に罰を与える一面も持っているという。
世界を管理する上位存在。

アイテム[編集]

素材[編集]

魔石
魔物・魔獣の体内に存在する、大きくて綺麗な石。魔物・魔獣にとっては食料であるが、世間では魔道具ゴーレムの動力源としてよく使われている。
保温石ホットストーン / 太陽石
熱を保持し続ける性質を持つ石。温泉地にて採掘できる。火を使わずに安全に暖を取れるため、広く使われている。かつては希少品であったが、大鉱脈が発見されたことで値崩れした。
光石ひかりいし
常に光を放ち続ける石。ライトの代わりに使われるが、小石サイズの物でもそれなりに貴重。南のダンジョンでは12年目にヒラクが来訪した際に色違いが使用された。
ダンジョンイモ
日光を当てずとも育つイモ。約200年前にダンジョンイモのみが罹る疫病により絶滅したと思われていたが、四ノ村では隔離された環境の影響か生き残っていた。乾燥させ粉にすれば小麦粉の代用品として使えるため、四ノ村では悪魔族の主食となっていた。美味ではないことが唯一の難点であるものの、成長が早く収穫量も多いため、絶滅前は魔王国でも領主たちが飢饉対策として育てていた。また、魔物が好むため、誘い出す罠や襲われた際の時間稼ぎとしても使用されていた。絶滅直後は餌を失った魔物が各地を暴れ、魔物を操っているというクレームが人間の国から魔王国に殺到したという。
日光を当てても育てられるが、この場合は辺りを侵食しながら激しく成長する上、その成長に養分を使うためイモを付けない。ゆえに「災害植物」の異名を持つが、日光下にあれば1ヶ月経つと自然に枯れる他、松明や魔法の光には反応しないため、夜になれば容易に処分できる。
フェアリー小麦
ダンジョンイモの絶滅後、代わりとして育てられていた植物。こちらは日光でも普通に育てられる。育て易く味もよいが、収穫量は少ない。魔王国よりも人間の国で人気となり、少ない収穫量もたくさん育てることでカバーされ、最終的に育てない地域がないほどまでになっていた。しかし、11年目から約15年前にフェアリー小麦のみが罹る疫病が流行し、人間の国の大飢饉の原因となってしまった。
星輝石ほしきせき
綺麗な外見の石。大きさは米粒の半分ほどで、採取が面倒なことで有名。装飾として使われる他、魔道具の部品としても使われる。魔鉄粉や黒塵と共にかなり希少な鉱物として知られており、滅多に取引されない上に取引されたとしてもの100 - 1000倍の値が付けられる。
魔鉄粉まてつこ黒塵こくじん
魔物の抜け殻が時を経て石化したもの。元が抜け殻であるため、ある程度は纏まって存在しているものの、粉や塵であるゆえに採取は少々面倒である。魔鉄粉は武具の製造時に少量を混ぜることでちょっとした効果を付与でき、黒塵は魔法を使う際の触媒として使われる。星輝石同様、魔道具の部品としても使われる。
虹白銀にじはくぎん
白っぽい色をした貴重な岩。ミスリルに近い[38]。とても硬いことで有名で、熟練の腕がなければ加工できないと言われている。通常は武器や防具に使われる他、魔道具の材料にもなる。東のダンジョンに鉱脈が存在する。
妖精の羽[注釈 12]
妖精の幼体。光るピンポン球のような姿をしている。瓶に漬け込むと、様々な薬の触媒になる物質を生成できる。生成後は消えるように別の場所に転移するが、転移先は完全にランダムである。
ハロリ
毒草。水に漬け毒抜きすると食べられるが、それでも腹痛には襲われる。しかし、腹を下すことはなくそれなりに腹が膨れるため、大樹の村のハイエルフたちが死の森で放浪生活をしていた時にサラダにしてよく食べていた。また、吹き矢の先に塗る毒としても使っていた。
髪艶苔かみつやごけ
精力剤の材料となる。外見は普通の苔と変わらない。男性が薬として服用すると、女性の髪に艶が出る。リタの森の遺跡で、リグネによって栽培されている。
ポンドタートルの甲羅の皮
ポンドタートルが成長する時に剥がす甲羅の皮。「幻」と言われるほど貴重な存在で、薬、魔法、魔道具の材料として使える。
世界樹ユグドラシル
天使族のシンボルである木。神人族を名乗っていた時代の天使族が、大地の神と契約して手に入れた。生命力は凄まじく、灼熱や極寒の地に置かれたとしても枯れないという。さらに葉の効用も凄まじいらしく、1枚潰して塗ればあらゆる怪我が治り、2枚煎じて飲めばあらゆる病気から回復し、3枚焼いて食えば失った四肢すら再生するという噂があるほどである。
15年目の秋にルィンシァによって、ヒラクに譲渡された。当初は1mほどの苗木であったが、ヒラクによって居住エリアの中央に植えられた後は凄まじい勢いで成長し、短時間で巨木となった。

魔道具[編集]

魔石を動力にしつつ、特定の魔法を発揮する道具。それなりに数があるようだが、上流階級が独占しており一般庶民が触れる機会はない。魔法と同様に得られる効果の数は、基本的に1つの魔道具につき1つである。作成には金銭のみならず、貴重な材料が必要となる。かつて過度な発達により世界が滅茶苦茶となったため、進化は竜族が自主的に管理している。ハクレンによると、昔のものは多層構造が多く強固で力任せで、今のものは少し貧弱だが精密であるという。そのため、魔力の流れを見ればいつの時代のものか判別が可能である。

迷宮の輝石ラビリンスストーン
ダンジョンの管理用アイテム。ダンジョンの拡張する力を利用できる石。具体的な機能は不明だが、ルー曰く「伝説級のアイテム」で魔道具の中では例外的に複数の機能を持つとされる。貴重なものだが、ドースはそれなりの数を所有している。7年目にはドースからのお礼の品として1つが大樹の村に贈られたが、村での使い道が皆無だったため、ダンジョンで暮らすラミア族に貸し出された。
魔法の盾
ヴァルグライフからヒラクに贈られた小さな。火炎系の攻撃を防ぐ効果が高く、建物に飾れば防火の効果がある。ただし、台所やその近くに飾ると台所で火が使えなくなるという欠点がある。
転移門
2つ1組で運用される、設置した場所同士を繋ぐ魔道具。本体と共に大小の石を地面に輪状に並べることで稼働する。扱いが難しく、片方の門を壊すともう片方の門も使えなくなる上、余った門同士の接続も不可能である。また、四ノ村のような移動する場所への設置も不可能である。
昔はそれなりに普及しており、ハイエルフの村や天使族の村でも稼働していたが、戦乱で大半が消失・破棄されてしまい、現在は11年目の冬に四ノ村で発見された3組以外は起動しない。
万能船
ルーがイフルス学園の関係者とともに建造した巨大な帆船太陽城の浮遊の原理を解析・小型化した存在で、変形することで海上のみならず水中や空中をも自在に移動できる。両方のに巨大な「工作腕」が付いており、これにより速やかな変形を可能としている。工作腕はティアのゴーレム術を参照に造られた。「幻影術」によって姿を消す機能も搭載されており、術式の良さから以前にドースが大樹の村に送った魔道具の1つを使っているのではないかとハクレンは推測している。
14年目に完成し五ノ村の南の海岸にてヒラクたちに披露されるも、空中を飛行した時にバラバラになりそのまま沈没した。しかし、この時に沈んだ船は飛行の成功の是非を問わない試作品で、人間の国からの密偵たちに「イフルス学園は、飛行船の研究をやっているが失敗した。ビッグルーフ・シャシャート、五ノ村の儲けはあの研究に投入されている。」という偽の情報を植え付けるために「完成版」とは別に用意されたものであった。完成版は五ノ村の頂上で披露され、その後は大樹の村から四ノ村やハウリン村への移動に使われている。

その他のアイテム[編集]

ゴーレム
魔力で動く、などで作られた物体。形は様々だが、人型が主流である。総じて重い。魔法で瞬間的に作り出すタイプと、事前に用意した部品を組み立てるタイプの2種類が存在する。前者は運用と収納に優れている上に、術者の技量の分だけ複雑な命令が実行可能となるが、魔法の技術的にかなり難しいことや大量の魔力を必要とすることから使い手は少ない。数が少ない方が大きく力強く細かい操作が可能なため、単純な作業では数を増やし細かい作業では数を絞るのが一般的な使い方である。後者は魔力消費がかなり抑えられるが、部品を必要な場所にまで運ばなければならない上に、事前に用途を想定して組み立てるため想定外に弱い。また、簡易な命令しか実行出来ず、荷物の運搬が限界である。作中の世界に存在するゴーレムの大半は後者で、指定した空間に侵入した者を排除する防衛戦力としてよく使われている。
部位は「動力」「命令受信装置」「可動部」「頭脳」の4つ。「動力」はゴーレムを動かすための魔力や魔石で、組み立てるタイプの場合は魔石が使われることが多い。「命令受信装置」はゴーレムに命令を与えるための部位で、視覚や音声で認識するものなど様々な種類が存在する。「可動部」は文字通り動く部位で、ゴーレムの目的が詰まっている。「頭脳」はゴーレムに行動を覚えさせるための魔石で、多く覚えさせるためには大きな魔石が必要となりコストが上がる。「動力」と「頭脳」の魔石は共用される場合が多く、組み立てるタイプが簡易な命令しか実行出来ない原因となっている。
褒賞メダルほうしょうメダル
大樹の村でのみ有効な、通貨のようなもの。あらかじめ決められた物品など(遊具や家具、酒、武器や防具、住宅設備、ハチミツ、畑の増加、その他)と交換できる。サイズは、500円貨とほぼ同じ。素材は石で、円盤状に成形され表裏に絵柄が刻まれ、側面には通し番号が入る。
村では農産物や狩りで捕らえた獲物、交易で入手した物品などはすべて村長ヒラクの所有物とされ、村民への分配はヒラクの承認が必要とされていた。村の規模が拡大し承認がヒラクの負担となったため、負担軽減と貨幣制度導入の第一段階として始められた。
村に貢献した者や種族、武闘会で優秀な結果を出した者などに贈られる。年に1回、1年間の農作業や狩り、警備などの労働の代価として支給される他、武闘会などのイベントで賞品として授与され、またダンジョンの調査に参加した者にも支給される。
目的である物資分配の承認に関するヒラクの負担軽減はある程度達成されたが、メダル自体の製造や、メダルとの交換物である遊具(チェスや麻雀など)の製造はヒラクの担当で、トータルとしてヒラクの負担は増えている。
通貨導入の第一段階なので、村民間で互いに納得・合意の上で物品や労働との交換に使うこともできる。
保有するメダルを麻雀などのゲームで賭けに使うことは黙認されているが、貸し借りは禁止されている。紛失しても補填はなく、不正な手段(強奪、窃盗、詐欺など)で入手したり偽造したりといった行為は厳禁とされ、違反者には村外追放を含む厳罰が科せられる。
グラゾール師のピアノ
この世界に3台しかないという、極めて貴重なピアノ。名目はアルフレートティゼルの誕生祝いとなっているが、実際はヴァルグライフの懇願でヒラクが彫り無償譲渡した創造神像に対する謝礼の品として、ヴァルグライフから大樹の村に贈呈され、宿の食堂に置かれた。
作中の世界ではピアノ自体が高級品であるが、その中でも最上級とされる逸品。通常は大きな儀式でのみ使われるほどのもので、知識豊富なフラウ文官娘衆は現物を目にして顔を引きつらせた。
それほど貴重なピアノを自由に弾けるということで多くの村民が弾いたり音を出したりしたが、あまりに貴重な品というプレッシャーに耐えかねた文官娘衆により練習用として無銘のピアノの購入希望が出され、ゴロウン商会に発注し中古のピアノを1台購入することとなった。
太陽の剣たいようのつるぎ
ガルガルドの背中にある鱗に刺すことで、彼を殺せる真っ赤な剣。役目を背負わされていたベルによってヒラクに譲渡されるが、彼からは「知り合いを殺す剣は不要」と判断され、すぐに『万能農具』で耕され土となった。
フェニックスの卵
赤、白、オレンジ、ピンクのマーブル模様が特徴の卵。大きさは一抱えもあるが、重さは軽い。ギラルによると味は美味。世間では乳児の縁起物として認知されている。12年目に大樹のダンジョンの完成祝いとして、ラミア族巨人族ワイバーンの長老によって、大樹の村に贈与された。その後は大樹の社に供えられていたが、13年目に孵化しアイギスが誕生した。

魔法[編集]

自身や周囲の魔力を使い、何かしらの効果を得る行為。得られる効果の数は、基本的に1つの魔法につき1つである。大半の種族が使えるが、種族によって使用できるか否かの適性や得意・不得意が存在する。

転移魔法
現在地とは異なる場所に転移できる魔法。出発地から目的地まで瞬間的に移動する「テレポート型」と、出発地と目的地の間に仮想的な短絡路を作ってそこを通る「ワープ型」の2種類がある。
テレポート型の使い手はヴァルグライフのみで、移動物量や移動距離に制約はない。ワープ型の使い手はビーゼルほか数人がおり、移動物量と移動距離は消費魔力に左右される。
精霊魔法
精霊を使役し効果を得る魔法。精霊がいる場所では効果が強く、いない場所では効果が発揮できないのが弱点。理屈上は精霊がいれば無限に魔法が使えるが、精霊との対話は疲労を伴う。
灯り魔法
灯り=照明用の光源を生み出す魔法。魔法としては初歩中の初歩で、魔力を持つ者ならほぼ誰でも使える。
魔力の消費量により、明るさや持続時間を調節できる。魔力による光のため、虫が寄って来ることはない。
火炎系魔法
火を生み出す魔法。消費する魔力により、火種程度の小さな火から広範囲を焼き尽くすほどの大きな火炎まで幅がある。
魔法としては初歩的なもので、火種程度ならスライムグノーシスビーでも使うことができる。
治癒魔法
主に、軽い怪我を治療する魔法。それほど難しいものではなく魔力消費も少ないので、魔法が使える者の多くが使える。
再生魔法
腕や脚など身体の一部を大きく失った場合に、その部分を再生し元に戻す魔法。魔力消費が多く、竜族レベルでないと使えない。
第2回武闘会フブキとの対戦で勝利したものの脚を2本失ったマクラに、対戦が続けられるようにライメイレンが施した。

その他の用語[編集]

天使族の試練
天使族が結婚相手の男性に課す、幾つかの試験。内容はその時々で変わるがすべてを突破する必要があり、クリアは極めて困難とされる。キアービットティアとの仲を認める条件としてヒラクに課したものは、以下の5つである。
  1. 財力 - 天使族に金貨777枚を寄付すること(物納も可能)。ヒラクは金貨1000枚以上に相当する掌サイズのゴルゴー石を物納し突破した。
  2. 知力 - いわゆる「石取りゲーム」で勝利すること。ヒラクは必勝法を知っており突破した。
  3. 武力 - ルールーシー=ルーと戦い、生き残ること(勝ち負けは不問)。ヒラクはルーが妻であることを明かしただけで突破した。
  4. 交渉力 - 会話不可能とされるグルグラント山の王(=ドライム)と意思疎通すること。この試練中に偶然ドライム本人が来訪し、ヒラクと親しく言葉を交わしたことで突破した。この光景を目の当たりにしたキアービットは気絶した。
  5. 運 - いわゆる「コイントス」で表を出すこと。ヒラクは表を出したが、直後にキアービットが卑怯にもコインを手で裏返し試練失敗にしようとしたため、激怒したティアが現れてキアービットの後頭部を殴りつけた上にコインを表に戻して踏み付け、床にめり込ませて裏返せないようにし、突破を認めさせた。キアービットはまだ不満そうだったが、ティアに「駄目ならもう一回。今度は顔を殴りますよ」と言われたため折れざるを得なくなった。
ダンジョン
自然発生する魔力溜まり。その魔力に引かれ集まった魔物が住み易く改造することで拡張される。大きいものとなると魔力によって自然に拡張が行われる。内部には竜族亜人魔物・魔獣などが住むことが多い。強い種族が住みきちんと管理している場合は問題ないが、管理されていなかったり管理を行う種族が好戦的や野心的な場合は魔物・魔獣が増えて溢れ出て来ることがあり、適度に中を「荒らす」必要がある。
種類は普通の洞窟、魔物・魔獣が作った巣、遺跡の3つ。普通の洞窟や魔物・魔獣が作った巣には、生息する魔物・魔獣に金銀財宝を集める習性がない限り金目の物は基本的に存在しないが、遺跡には昔の武具、道具、現金が存在していることがある。冒険者が「ダンジョン」と言う時は、基本的に遺跡を指す。
鉱山咳こうざんぜき
死ぬ病の予兆となる病。発症した者は即座に鉱山から離れなければ死に至る。
聖女
神の加護を受けた存在で、神の声を聞ける。場所によっては「使徒」や「神の代行者」とも呼ばれる。
剣聖
人族最強の剣士の称号。聖剣を正しく扱う剣術を失わないために存在する。唯一無二の称号であり、剣聖が指名した者が剣聖を打ち負かすことで継承される。「常に最強であることを求め続けること」と「不正に剣聖を名乗る者を打ち滅ぼすこと」の2つを守る必要があり、これらを守るためであれば大抵のことが許されるという。
魔黒竜デーモンドラゴン
最強の混代竜族に与えられる称号。数1000年ほど廃れていたが、近年になって混代竜族の中で誰が最強か決めることとなり、その証明として求められたため復活した。得るためには暗黒竜の称号を持つギラルが与える「試練」を乗り越える必要がある。試練の内容は本来であれば難度の低い儀式的なものであるが、15年目の武闘会前に行われた試練では候補者が3人いたため、難度の高い競い合うものとなった。

既刊一覧[編集]

巻数 初版発行日・発売日 ISBN
1 2017年平成29年)10月30日[39] 978-4-04-734848-6
2 2018年(平成30年)3月5日[40] 978-4-04-735018-2
3 2018年(平成30年)7月5日[41] 978-4-04-735221-6
4 2018年(平成30年)11月5日[42] 978-4-04-735393-0
5 2019年(平成31年)4月5日[43] 978-4-04-735590-3
6 2019年(令和元年)9月30日[44] 978-4-04-735733-4
7 2020年(令和2年)4月8日[45] 978-4-04-736018-1
8 2020年(令和2年)8月7日[46] 978-4-04-736205-5
9 2020年(令和2年)12月28日[3] 978-4-04-736455-4

漫画[編集]

ComicWalker』にて2017年(平成29年)10月より先行連載されたのちに『月刊ドラゴンエイジ』(KADOKAWA富士見書房)にて2017年(平成29年)12月号より連載されている[47]。『ニコニコ静画』の『ドラドラドラゴンエイジ』でも2017年(平成29年)11月17日より連載されている。原作は内藤騎之介、キャラクター原案はやすも、作画は剣康之

巻数 初版発行日・発売日 ISBN 使用原作巻
1 2018年(平成30年)3月5日[48] 978-4-04-072604-5 1巻
2 2018年(平成30年)7月5日[49] 978-4-04-072777-6
3 2019年(平成31年)4月5日[50] 978-4-04-073130-8 2巻
4 2019年(令和元年)9月9日[51] 978-4-04-073320-3
5 2020年(令和2年)1月9日[52] 978-4-04-073425-5
6 2020年(令和2年)8月7日[53] 978-4-04-073764-5 3巻

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 異世界転移後はこちらを名乗っている[5]。本記事でも彼の名前はすべて「ヒラク」と表記している。
  2. ^ ウェブ版では【万能農具】。いずれも必ず括弧で括られた状態で表記される。
  3. ^ 子犬からの呼び名であり本人は名を持たないが、ウェブ版の登場人物表[9]上の表記に準拠し、本項ではすべてこのように表記する。
  4. ^ 漫画版における読みは「きゅうけつき」[10]
  5. ^ 漫画版では土下座しながら行っている[12]
  6. ^ マスコットキャラクターであるが、ウェブ版の登場人物表[9]に準拠し、本項では登場人物に分類する。
  7. ^ ウェブ版では【弱者の目】。いずれも必ず括弧で括られた状態で表記される。
  8. ^ ウェブ版ではいずれも「ノ」を除いた表記となっている。四ノ村や五ノ村も同様。
  9. ^ 富士見書房による紹介ページ(#外部リンクを参照)および書籍1巻の扉絵にはイリーガルスパイダー(Illegal Spider[4]と表記されている。
  10. ^ 「ヘカトン」と略される場合も存在する。
  11. ^ ウェブ版ではすべて片仮名表記のみとなっている。
  12. ^ 妖精(種族)の幼体であるが、ウェブ版の登場人物表[9]に準拠し、本項では素材に分類する。

出典[編集]

  1. ^ “【異世界のんびり農家】農業でチート! なろう発のまったりスローライフファンタジー”. moemee (弘洋). (2019年5月23日). https://moemee.jp/?p=7943 2020年9月21日閲覧。 
  2. ^ a b 書籍1巻「あとがき」
  3. ^ a b 異世界のんびり農家 09”. KADOKAWA. 2020年12月28日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 書籍01巻 扉絵
  5. ^ 書籍02巻「[序章]時の流れ」
  6. ^ a b c d e f g 異世界のんびり農家七巻、発売記念フェア!”. 小説家になろう (2020年3月14日). 2020年4月10日閲覧。
  7. ^ a b c d 書籍03巻「[序章]過保護なグライム」
  8. ^ a b c d e 書籍01巻「閑話 神」
  9. ^ a b c d e f g h i j 【登場人物表】種族と名前一覧5”. 小説家になろう (2018年2月17日). 2019年11月8日閲覧。
  10. ^ 漫画第22話「酒の完成と来客(魔王の使い)」
  11. ^ a b c d e f 書籍01巻「閑話 ルー」
  12. ^ 漫画第20話「フローラと鬼人族メイドと牛」
  13. ^ a b c d 書籍03巻 扉絵
  14. ^ a b c d e f 書籍04巻 扉絵
  15. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 書籍02巻 扉絵
  16. ^ 書籍02巻「フラウレムの苦悩」
  17. ^ a b c 書籍02巻「閑話 誘惑するヤー」
  18. ^ a b c 書籍06巻 扉絵
  19. ^ a b 書籍01巻「閑話 木」
  20. ^ a b c d 書籍05巻 扉絵
  21. ^ 書籍05巻「閑話 夢魔族」
  22. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 書籍06巻「閑話 フォーグマ」
  23. ^ 書籍07巻「閑話 文官」
  24. ^ 書籍03巻 登場人物辞典
  25. ^ 書籍06巻「閑話 美容師」
  26. ^ 書籍05巻「閑話 射的コーナー」
  27. ^ 書籍04巻「閑話 猛者」
  28. ^ a b c d 書籍04巻「閑話 名前研究者」
  29. ^ 書籍02巻 登場人物辞典
  30. ^ 書籍04巻「閑話 手紙の受け取り先」
  31. ^ 書籍02巻「閑話 農業神」
  32. ^ 書籍07巻「閑話 偶然」
  33. ^ a b c 書籍01巻「閑話 リア」
  34. ^ a b c 異世界のんびり農家 王都周辺”. みてみん (2018年3月31日). 2021年1月4日閲覧。
  35. ^ 書籍01巻「閑話 マイケル」
  36. ^ a b c d e f g 【登場人物紹介とメモ】”. 小説家になろう (2019年1月31日). 2019年10月25日閲覧。
  37. ^ 我は空腹なり”. 小説家になろう (2019年2月10日). 2020年1月10日閲覧。
  38. ^ 東のダンジョン調査隊の帰還”. 小説家になろう (2017年8月14日). 2020年1月10日閲覧。
  39. ^ 異世界のんびり農家 01”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  40. ^ 異世界のんびり農家 02”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  41. ^ 異世界のんびり農家 03”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  42. ^ 異世界のんびり農家 04”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  43. ^ 異世界のんびり農家 05”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  44. ^ 異世界のんびり農家 06”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  45. ^ 異世界のんびり農家 07”. KADOKAWA. 2020年4月8日閲覧。
  46. ^ 異世界のんびり農家 08”. KADOKAWA. 2020年10月19日閲覧。
  47. ^ 書籍化のご報告(ちょっと修正と追記)”. 小説家になろう (2017年9月15日). 2020年4月10日閲覧。
  48. ^ 異世界のんびり農家 1”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  49. ^ 異世界のんびり農家 2”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  50. ^ 異世界のんびり農家 3”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  51. ^ 異世界のんびり農家 4”. KADOKAWA. 2019年9月30日閲覧。
  52. ^ 異世界のんびり農家 5”. KADOKAWA. 2020年1月10日閲覧。
  53. ^ 異世界のんびり農家 6”. KADOKAWA. 2020年9月8日閲覧。

外部リンク[編集]