ブラザーコンプレックス

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ブラザーコンプレックスとは、男兄弟に対して強い愛着・執着を持つ状態を言う。俗に「ブラコン」とも略され、この場合、男兄弟に対して強い愛着・執着を持つ兄弟姉妹自体に対しても使われる。

概説[編集]

ブラザーコンプレックスという用語は、もともとはフェティシズム俗語であったが、分析心理学的にフェティシズムとコンプレックスが関連した概念であったため、コンプレックスという用語で一般化した。ただし、心理学用語として正式に認められた用語ではない。対象が姉妹である場合はシスターコンプレックスという。

一般的にブラザーコンプレックスは、「兄もしくは弟に対する恋愛的感情」や「自分のものにしたい独占欲」のある姉妹、と言う図式で捉えられる[1]。ブラザーコンプレックスの女性にとって兄や弟は性的な憧憬とも重なって理想化されたイマーゴとなり、自身の人生に親以上の影響力がある場合がある。例えば、兄と共通点や似たところがある恋人や配偶者を選んでいたりすることなどである[2]。マイナスイメージを伴うこともあり、中でも、妹の立場にあって「自分のわがままを最大限受け入れてくれる兄」や、姉の立場にあって「自由自在かつ都合好いように扱える弟」という場合が近年にはしばしば見られ、姉妹を持つ男性(妹を持つ兄、姉を持つ弟)には、女性観に関してネガティブ化してきている傾向が高くなっているだけになおさらである。一方、男兄弟(男同士の兄弟)の間の強い絆(兄弟ながら男同士として強い愛着を保つ兄と弟。バンド・オブ・ブラザーズ)には、「兄を慕う弟」「弟想いの兄」として、わりあい肯定的に見られることが多い。

原因[編集]

原因に関しては不明。過度のブラザーコンプレックスの原因は両親の問題や社会不安などの原因があるという推測がある。児童心理学者ピアジェに関連する解釈では姉の場合は弟の出生による自身の非中心化の葛藤を、弟を支配することで解消しているのではないかと推測される。

ラカンなども『家族複合』で触れてはいるが、フロイト派の論述は女性に関してはさほど適切でないとされている。なお、彼によると女性は初め父親に対して性愛を持つが、父親が母親を見ているのに気づき父親ではない兄弟に向くとしている。エディプスコンプレックス同様脱却が不完全になることが多いと解釈する。

萌え用語としての利用[編集]

近年[いつ?]萌え用語としてブラザーコンプレックスと言う用語が使われることもある。この場合、男性のシスターコンプレックスに対応して利用されていると考えられるが、実際には女性のブラザーコンプレックスは悲劇的で激しいものが多いため、シスターコンプレックスに比べると利用率は低い。

また、近年[いつ?]やおい系雑誌に対する評論を中心に、兄弟間においてもこの用語が使われることも多い。

参考文献[編集]

  1. ^ 『用例でわかる カタカナ新語辞典 第3版』学研辞典編集部,学習研究社,2011年7月,563ページ ISBN 978-4053032645
  2. ^ 『きょうだいコンプレックス』岡田尊司,幻冬舎,2015年9月,173-174ページ ISBN 978-4344983915

関連記事[編集]