ゲーマー

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ゲーマー: Gamer)とは、コンピュータゲームを趣味とする愛好家の呼称[1]eスポーツなどのプロゲーマーも存在する[2][3]

ゲーマーの歴史[編集]

1970年代
スペースインベーダー』の流行による最初の大きな盛り上がり。まだゲーマーとは呼ばれないものの、小さいのに非常にゲームが上手な子供や百円玉をテーブル型ゲーム機の上に積みあげ熱中するサラリーマン、足繁くゲーム喫茶に通い詰める学生などといった、「アーケードゲーマー」の動向が生まれる。同時代、『ゲームセンターあらし』がゲーマーを題材にした漫画(およびアニメ作品)でヒットする。ただこの頃はコンピュータゲームを含むコンピュータの仕組みは一般に良く理解されておらず、この漫画ではそれを逆手に取った荒唐無稽な技で読者を楽しませたものの、その一方で早くも「風営法」「ゲームセンターで遊ぶマナー」にも言及しており、この時代から一部悪質ゲーマーの行動が問題視されていたことも伺われる。米国ではゲームセンターに設置されるビデオゲームに熱中する大人も出たほか、1977年にアタリVCS(Atari 2600)が発売され、大流行する。
1980年代
米国では1982年アタリショックが発生するなど、米ゲーム市場にとっては辛い時期の始まった頃にも重なるものの、日本では1983年ファミリーコンピュータが発売され流行、1980年代を通して大きなブームを引き起こし、市場が一挙に拡大した。同時期にはその拡大市場の追い風にも乗り、ゲーム産業が発展する。この頃のゲーマーは、単にゲーム好きの青少年による自称だったり、高橋名人を初めとするゲームソフトメーカーの社員だったり、あるいは契約社員などの形でゲームメーカーでデバッグを行う者や、出版社が発行する攻略本などのゲームライター、あるいはゲーム好きのタレントや、毛利名人を初めとするタレント化したゲーム愛好者など、様々な系統が見られる(ファミコン名人)。
1990年代
1990年代中〜末頃の対戦格闘ゲーム全盛時に、格闘ゲームばかり遊ぶプレイヤー層が出現した。対戦格闘ゲームが人間対人間の競技的な性格を持つことから、ローカルチャンピオンから著名な格闘ゲーム・ゲーマーまでおり、有名になったプレイヤーをタレント的にゲームの宣伝に使うメーカーも現れた。また、格闘ゲームはキャラクター性において他のゲームに比べ突出しており、キャラクターに強く思い入れるファンという新たな層も形成された。この一部には「コスプレゲーマー」のような他のサブカルチャーと融合した者も見られ、多様なゲーマー文化を形作っていた。
2000年代
2000年代からリアルマネートレード(RMT)のような、「プレイ時間や地道な作業の蓄積がゲームの中で大きな価値を生む」というような性格のオンラインゲーム上で、ゲーム内のアイテムを入手してほかのプレーヤーに現金で販売するという市場が一部で生まれた。これで収入を得ている者も存在した。

ゲーマーの分類[編集]

熱心なゲーム愛好者が自身のことをゲーマーだと称したり、あるいはゲームをプレイすることで何かを得ている者がゲーマーと呼ばれることがある。対外的にゲームマニアと評されるのを嫌ってゲーマーを自称するものもいる。「ゲームに対して何らかの価値観を見出している者」を含め、様々なゲーマーの種類についても説明する。価値観によって揺らぎを含む。この辺りはゲーマー自身の主観にも寄り、俗語隠語の常として不明確である。ゲーム関連であることが分かっている上での記事や会話の際、これらの呼称は「ゲーマー」が「ユーザー」に置き換えられて言われることがある(ハードコアゲーマー⇒ハードコアユーザー[4][5][6][7])。また、普及学では「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」と分類される。

マーケティングによる分類[編集]

ハードコアゲーマー
ハードコアゲーマーは海外においてよく使われる用語で、日本と海外の文化圏における違いから扱いが特異的であり、コアゲーマーとヘビーゲーマーを包含している場合が多い。ハードコアはしばしばカジュアルの対義語として用いられるものの、この場合コア・ヘビー・ライト・ミドルの四分類とは大きく異なるので注意。
カジュアルゲーマー
スマートフォン用ゲームやDMM.comに費用を惜しまない。カジュアルゲーマーは海外においてよく使われる用語で、日本と海外の文化圏における違いから扱いが特異的であり、ライトゲーマーとミドルゲーマーを包含している場合が多い。カジュアルはしばしばハードコアの対義語として用いられるものの、この場合コア・ヘビー・ライト・ミドルの四分類とは大きく異なるので注意。
コアゲーマー
ヘビーゲーマーが若干ネガティブな意味合いを含むのに対して、ゲーマーの中でも特にゲームに関心を持つゲーマー。閉鎖的な程度に付き合う。積極的にウェブサイトなどで情報発信および情報収集し、ゲームメーカーにも積極的に意見を述べるタイプを指す場合が多い。ただし、特定のゲームに対する思い入れや意見も多く持ち、ともすれば極度のゲームマニアと批判を受け易い傾向があるのも否めない。同様に、複雑な作品やマニアックな作品を好む場合が多く、ヘビー・ライト・ミドルに対して否定的な場合が少なくない。ゲームを経済的消費活動と捉えた際に、一人当たりの消費数値は大きいものの、多数派ではなく少数派による偏った消費がゲーム業界全体に悪影響を与えた場合が少なくない。珍しい・マイナーなゲームや古いゲームに詳しかったり、特定のゲームタイトルに詳しかったりと、ゲームの関連情報に興味を示す傾向があり、様々な系統が存在する。和田洋一はしばしばコアゲーマーについて発言している。知情意ではなく合理主義的な価値観や自我を重視する傾向がある。
ヘビーゲーマー
熱心なゲーマー。マニアに近い。時間や費用を惜しまない程度に付き合う。「売り上げに貢献する客」と言える存在である。ただし、中毒のように四六時中没頭し、より高得点を得たり、あるいは対戦格闘ゲームで相互に腕を試し合ったりする。知情意における意を重視する傾向がある。
ライトゲーマー
ゲームは好きではあるものの、マニアほどには入れ込んでいない、単なるゲームで遊ぶことがある程度でしかないゲーマー。娯楽として付き合う。広告のイメージや雑誌掲載記事のゲーム画像などを見て「面白そうだ」と感じ購入することにより単純な流れで売れ筋のゲームや世間で話題になっているゲームに集中し易くなる。ただし、この言葉は単にヘビーゲーマーの対義語というよりコンシューマーゲームの普及に伴う宣伝戦略の影響がある。マニアと同一視されかねないゲーマーという区分から一歩引いた形の同層を設け、従来ほどゲームに積極的ではない層の取り込みを狙う業界側の意向により多用された。ライトゲーマーという言葉は、国内ではPlayStation登場時、従来機のスーパーファミコンや当時の競合機のセガサターンなどを好む年齢層の高いオールドゲーマーと区別するための用語として頻繁に使われるようになった。ライトゲーマーはソニーによるプロモーション活動の一環として利用された言葉であり、PlayStation用ゲームのネガティブイメージを取り払うための手段として、雑誌メディアを中心に多用されたという説がある。ニンテンドーDSWiiで新たにゲームを遊び始めた新規のゲーマー層を指す場合が多々ある。知情意における知を重視する傾向がある。
ミドルゲーマー
中間のゲーマー。趣味として付き合う。ライトゲーマー以上にゲームには積極的であるものの、かといって四六時中ゲームに傾倒している訳でもない、という程度と言える。ただし、前述のように元来からコア・ヘビーとライトとの境界線が曖昧であり、何を持って「中間」とするかは個々の価値観などで大きく異なり、非常に曖昧な分類ではある。知情意における情を重視する傾向がある。

スタイル・ジャンルによる分類[編集]

RPGゲーマー・アクションゲーマー・FPSゲーマー・音ゲーマー・格ゲーマー・ギャルゲーマー・シューティングゲーマー(シューター)
ゲームジャンルの名称にゲーマーをつけることで、そのジャンルを遊ぶゲーマーを表す[注釈 1]
アーケードゲーマー
アーケードゲームを遊ぶゲーマーの名称。またはACゲーマー。
コンシューマーゲーマー
コンシューマーゲームを遊ぶゲーマーの名称。またはCSゲーマー。
パソコンゲーマー
パソコンゲームを遊ぶゲーマーの名称。またはPCゲーマー。1980年代まではゲームを遊ぶ者だけでなく、プログラムの作成を楽しむ者も指す言葉だった。1990年代に日本のPCゲームメーカーは多くが撤退し、ジャンルも洋ゲーやアダルトゲームなどに偏ったため、愛好者はハードコアゲーマーが大半を占めていた。しかし、2000年代以降はパソコンが一般に普及した影響もあって、カジュアルゲーマーが徐々に増えている。
ネットゲーマー
ネットワークゲームを遊ぶゲーマー。
ストーリー重視派
ゲームを構成するにあたって、物語の主幹となるストーリーがしっかりしていなければ面白くないと言う思想。日本製RPGが好きなゲーマーに多い。
システム重視派
戦闘などのシステムがいかに作りこまれているか、面白いかと言う思想。アクションゲーマーに多い。
自由主義派
日本製ゲームに見られる「ストーリーに沿って淡々とゲームを進める」レール式タイプのゲームを嫌う思想。ある程度自分の好きなようにゲームが進められる度合いを「自由度」と評する。洋ゲーが好きなゲーマーに多い。
RMTer
ネットワークゲームなどでRMTにより金銭を得るゲーマー。
ヌルゲーマー
難易度の低い(言い換えれば温い)ゲームを好むゲーマー。
積みゲーマー
ゲームソフトは買うものの、遊ばずに積み上げたままになってしまうゲーマー。
バカゲーマー・クソゲーマー(クソゲーハンター)
いわゆるバカゲークソゲーと呼ばれるマイナーなソフトを特に愛好する、一種の倒錯嗜好ないしゲームの価値を相対化して捉えようとするゲーマー。
収集家・コレクター
コンピュータゲームを、遊ぶ対象としてではなく、コレクションする対象として楽しむ者たちもいる。特に、コンシューマーゲームのレアものコレクターは数多い。一部にはアーケードゲーム基板コレクターのように、一般には取り扱いや保管が難しいものや、大型の専用筐体のように非常に場所を取るゲームさえも蒐集する者達まで存在する。こういった者たちは、収集家・コレクターの常として珍しい物・有名な物の所有を好む傾向があり、その意味ではバカゲー・クソゲーなど、変な意味で有名になったゲームの収集を通して重なる傾向を示す者も見られ、中には特定ゲームソフト(いわゆるクソゲー)のロムカートリッジのみを大量に蒐集している者も存在する。
チーター(ビーター)
ベータ版ゲームなどでチートにより遊ぶゲーマー[注釈 2]
プレイヤーキラー
ネットワークゲームなどで他のPCを攻撃するゲーマー。
タダゲーマー、フリーゲーマー
ネットワークゲームなどでフリーゲームを遊ぶゲーマー。
ホワイトゲーマー
ライトゲーマーよりもゲームを遊ぶ動機がないゲーマー。
ニュービー
ホワイトゲーマーよりもゲームを遊ぶ動機がないゲーマー。
ゲイマー
ゲイのゲーマー。
張り付き型ゲーマー
特定のゲームシリーズやゲームジャンルに強い思い入れがあり、多少の悪評や障害も気にせずに買い支える根強い客層である。対象となる要素は特定のゲームシリーズから、RPG・アクションといったゲームジャンル、サッカーやハイファンタジーといった題材、『機動戦士ガンダム』といった版権に絡んで、またはやおいといった価値観によるものまで、ある所定の要素を機軸として一貫的に「張り付く」という傾向とされる。ただ、これらでは「ゲーマー」という枠に収まらずに他の趣味嗜好ジャンルまで入り込み、そのためには対価の支払いを厭わないタイプである。続編や特典商法、関連商品やグッズ販売などのメイン顧客で、ゲームメーカーがコアゲーマーという場合はまずこのタイプとされ、マーケティング上でも標的市場の中心として扱われる。一方で年間数本程度しかゲームソフトを買わないゲーマーも含まれ、この系統ではライトゲーマーに近くなる。
やりこみ型ゲーマー
「やりこめば強くなる」という種類のゲームなど収集要素などを好み、一つのゲームを深く長く遊ぶゲーマー。こういったゲーマーの好む要素や関連語としては、「高い難易度」という要素や「スコアアタック」のような行為や、「俺tueee」ないし「マゾい収集」という表現にみられる徹底的な遊び方、またゲーム内のアイテムを収集し尽くす「レアコレクション」を行ったり、クリア後にもくりかえせる要素や本編以外のやりこみ要素など、単一作品で長く遊べる要素を好む(やり込み)。ネットゲームでもMMORPGなどはこの系統と相性が良く、またこれらのゲームではこういったゲーマーが楽しめるようなゲーム作りを行う傾向がある。ヘビーゲーマーと扱われるものの、シリーズが続いたゲームタイトルでは、複雑さ・高難易度についていける層でもあり、この系統ではコアゲーマーに近くなる。徹底的な攻略という意味もあり、プロゲーマーになるにはこのタイプからとなる。
雑食型ゲーマー
いろんなゲームに興味をもち、手広く遊んでいくゲーマー。流行っている作品、評判の良い作品、ネタが目立つ作品、新しいシステム、珍しい挑戦的な実験が成されたゲーム作品を好む。ゲームソフトそのものに費やす金銭は大きくなるものの、関連製品などといったものには興味が薄く、ゲームそのもののゲーム性などに指向の強い系統といえよう。ゲームに対する広い知識・意見もありゲーマーを自称する場合も多いと見なされる。ただ関連市場としてみても関連製品には関心を示さず、無難な系統にまとまりやすいシリーズ作品に対しての関心の薄さもあり、メーカー側から見た単一の市場としては簡単に他社製品にも流れるため、あまり一般市場との差はないと見なされる。一部のゲーム全体に対する愛好心が強い者はバカゲーやネタゲーなどに手を広げていくと考えられる。「積読」(書籍は買うが読まずに積み上げてしまう読者)ないし積みゲーマー(ゲームソフトは買うものの、そのうち遊ばずに積み上げたままになってしまうゲーマー)になり易い。

ゲーマーの比率と役割[編集]

PlayStation 3Xbox 360はハードコア向けソフトが中心であり安定しているのに対し、ハード出荷台数が多いWiiはカジュアル向けソフトが中心であり極端に売れるか売れないかの様相を呈している。

確実な利益を見込めるコア・ヘビー向けゲームが目立ったものの、これらと前述のゲーマー活動により「少数派の熟練者が市場の主流と誤認され、消費者と開発者の双方が正確な全体の流れを掴み損ねる」ことが少なくない。これによって市場が衰退してしまった顕著な例としては、かつてアーケードゲーム市場の花形だった対戦型格闘ゲームなどがある[8]。この熟練者と中級者以下の温度差によりコア・ヘビー重視の市場形成とゲーム離れを招いた。

口コミなどによる販売数増加においては多数派となるミドルゲーマー以下の潜在的な力が大きく、このことで予想外の流れとなる場合も少なくない。中高年の消費者による『脳トレ』のブームが例である。『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』がヘビー・コアからの酷評を受けたものの、口コミでゲームを購入した大人数のミドルゲーマー以下からは好評を博し、社会現象となるほどの評価を得たという例もある。これは日本国外においてもいえる状況であり、例としてはWiiにおいて「サードパーティーが売れない」というジンクスを打ち破った作品として欧米で知られる『Just Dance』(ユービーアイソフト)は発売当初はウェブサイトのIGNでは10点中2点と酷評されたものの、ライトゲーマーを中心に絶賛されて口コミが広まり、大ヒットかつロングセラーとなり、シリーズ化されて続編も同様にヒットしている。

これらミドル以下はゲーマーとメーカーともに把握し難く、特に経営上これが重要となるメーカーはできるだけ正確なデータが得られるような活動も増加している(任天堂に実施しているクラブニンテンドーなどがそれである)。

ファイナルファンタジーシリーズ』においてもゲーマー層が分化しており、特に一部のソフトではそれが顕著になっている。例として『FFV』はコア向け、『FFIX』はライト向け、『FFXI』はヘビー向け、『FFXIII』はミドル向けなどが挙げられる。

調査によるとゲームで遊んだ経験のあるアメリカ人は49%とのこと。さらに、アメリカ人の10人に1人がゲーマーを自称している[9]

ゲーマーの年齢層
2013年の日本におけるアクティブユーザーの分布を見ると、男性は15〜19歳が最も多く全体の7.8%、次いで10〜14歳が全体の7.6%を占める。女性は3〜9歳が最も多く全体の6.8%、次いで10〜14歳が全体の5.6%を占める。男女とも、40〜49歳までの各世代は構成比がそれぞれ6%、3%を超え活動的だが、50〜59歳以上になるとそれが急速に低下し男女とも2%未満になる[10]
女性 年齢層 男性   女性 年齢層 男性
6.8% 3〜9歳 7.3%   3.2% 35〜39歳 7.1%
5.6% 10〜14歳 7.6% 5.1% 40〜49歳 7.4%
4.7% 15〜19歳 7.8% 1.6% 50〜59歳 1.9%
3.4% 20〜24歳 7.2% 1.3% 60〜69歳 0.9%
4.2% 25〜29歳 6.1% 0.2% 70〜79歳 0.3%
3.8% 30〜34歳 6.4% 40.1% 全体 59.9%

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ シューターは『ゲーメスト』の中でよく用いられた。
  2. ^ ビーターは『ソードアート・オンライン』の中でよく用いられた。

出典[編集]

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関連項目[編集]