神宮前駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。180.199.146.189 (会話) による 2012年5月24日 (木) 01:03個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎歴史)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

神宮前駅
神宮前駅のあるパレマルシェ神宮(2007年4月)
じんぐうまえ
JINGŪ MAE
所在地 名古屋市熱田区三本松町18-1
北緯35度7分32.3秒 東経136度54分45.3秒 / 北緯35.125639度 東経136.912583度 / 35.125639; 136.912583
所属事業者 名古屋鉄道
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 島式 2面4線
乗車人員
-統計年度-
14,987人/日(降車客含まず)
-2010年-
開業年月日 1913年(大正2年)8月31日
乗入路線 2 路線
所属路線 名古屋本線
キロ程 62.2 km(豊橋起点)
堀田 (1.1 km)
(2.2 km) 金山
所属路線 常滑線
キロ程 0.0 km(神宮前起点)
豊田本町 (1.4 km)
(- km) (金山方面)
テンプレートを表示

神宮前駅(じんぐうまええき)は、愛知県名古屋市熱田区三本松町にある、名古屋鉄道である。

利用可能な鉄道路線

  • 名古屋鉄道
    • 名古屋本線
    • 常滑線(始発駅。ただし当駅での折り返しはなく全列車名古屋本線金山方面へ乗り入れ)

駅構造

神宮前駅改札口

島式ホーム2面4線の地上駅(1F:ホーム、2F:改札口)。橋上駅舎を有している。改札口は1ヶ所。自動券売機、改札機、精算機を備える。自動改札機は東芝製が設置されており、ICカードmanacaが使用可能。

バリアフリー設備:2本のホームの各堀田豊田本町方の階段部分と、駅舎への入り口に上りエスカレータ。改札を入り、トイレの奥に各ホームとを結ぶエレベーターがある。但し、ホームのかさ上げは2009年1月現在未施工。改札外のエレベーターはパレマルシェ神宮のものを利用することになっており、東口にはない。

北西方へ(金山駅まで1駅間)は方向別複々線。複々線相互の転線ができないため、多くの場合この複々線の内側線は、常滑線の延長・金山駅乗り入れ線として運用されている。

駅ビル内に運転指令所と名古屋乗務区・神宮前乗務区が併設されているため、運転士や車掌の多くはこの駅で交代する(一部の金山発着の列車を除く)。知立乗務区と犬山乗務区に所属する乗務員も本線直通運転時は当駅まで担当する。常滑線が分岐する。

太田川中部国際空港河和内海方面と名古屋本線鳴海知立東岡崎豊橋方面との行き来は必ず当駅で(跨線橋を渡って)乗り換えとなる(豊橋方面→空港方面の場合は1番線→3番線、空港方面→豊橋方面の場合は2番線→4番線となる)。空港~岐阜間の特急と豊橋~新鵜沼間の快速特急・特急は当駅にて同一方向(金山駅でも乗換可能)は2分程度(名古屋本線通し利用の場合のみ接続可能で相互乗り換えは不可)、逆方向は7分程度で接続しているため、それほど不便ではない。かつて運行されていた豊橋と中部国際空港とを結ぶ特急は、当駅の構造上折り返すことが出来ないこと、及び利便性などの理由から、隣の金山駅で方向転換を行っていた。そのため当駅に2度停車していた。

すぐ南側が名古屋本線と常滑線の立体交差(常滑線上下線が名古屋本線下り線をまたぐ)、北側には隣接して踏切という用地の制約から、2面ホーム・4線とも緩い勾配が付いている。1・2番線は元々水平であったが、方向別配線化の際に堀田駅方を持ち上げた形になった。またこの時に3・4番ホームが8両対応へと延伸され、豊田本町駅方にあった常滑線列車折り返し用の渡り線(1・2番線とも繋がっていた)が廃止された。

発車標LED式2段表示。以前はソラリー式2段表示(それより昔の1980年代後半頃までは行灯式表示)のものが使われていた。特急列車乗車位置表示は金山駅とは異なり更新されておらず、以前よりデジタル式のもの(東岡崎駅・知立駅・名鉄岐阜駅などでも見られる)が使われている。

2005年、当駅の改札口の天井と、橋上駅舎が4番線をまたぐ部分で、吹き付けアスベストが露出していたことを名鉄は明らかにした。そしてこれらについて、同年8月末より「囲い込み工事」が行われた。

隣接する金山駅・名鉄名古屋駅と同じく、標識には日本語の他に英語中国語朝鮮語ポルトガル語の表記がある。

3番線から名鉄名古屋方面へ折り返せるように片渡り線が設置されているが、通常は使用されない。2004年大晦日までは、大晦日に運転された臨時列車のうち、金山行きから神宮前行きに臨時延長された列車を、折り返して金山駅に戻す際に使用されていた。

また、名古屋本線の鳴海駅方面や常滑線から本線・名鉄一宮駅方面や犬山線津島線に直通する列車の中には当駅で種別変更を行う列車が多数設定されている。特に、昼間帯の津島方面への直通列車はすべて当駅で種別変更を行っている。

なお、逆の方向への列車が種別変更をする場合はすべて名鉄名古屋駅で行うため、鳴海駅や太田川駅方面へ向かう列車で当駅で種別変更する列車は1本もない。

のりば
ホーム 方向 路線 行先
1・2 下り 名古屋本線 名鉄名古屋一宮名鉄岐阜方面
犬山線広見線
(一部各務原線
岩倉犬山新鵜沼新可児方面
津島線尾西線 津島佐屋弥富方面
3 - 常滑線空港線 太田川常滑中部国際空港方面
河和線知多新線 知多半田河和内海方面
4 上り 名古屋本線・豊川線 知立東岡崎豊橋豊川稲荷方面
西尾線 西尾吉良吉田方面
  • 1番線は名古屋本線豊橋方面からの、2番線は常滑線からの名鉄名古屋・名鉄岐阜方面行きの列車が発着する。
  • 平日の朝を中心に、名鉄名古屋方面からの当駅止まりの列車も存在する。この場合当駅では折り返しが出来ないため、車両は大江駅や豊明検車区などへ回送される(3番線から金山方面への折り返し線はあるが、使われていない。出発信号機はLED式に更新されている)。
  • 回送列車、団体列車、試運転列車も旅客列車と同じく当駅で乗務員の交代を行うため、運転停車する。回送列車の場合自動放送では、「回送電車です。ご注意下さい」と放送される。
  • 1番線のみ枕木がPCマクラギ化されている。これは後述するATS地上子増設よりも以前に行われたもので、両者に直接の関係は無い(現に2番線は木製枕木のまま地上子が増設された)。
  • 旧愛知電気鉄道線(名古屋本線東部、常滑線)と東西連絡線の起点であることを表す0キロポストは、駅舎やホームから外れた駅北にある踏切(後述)の傍に設置されている。

配線図

名古屋鉄道 神宮前駅 構内配線略図
中部国際空港
河和方面

豊橋
岡崎方面
名古屋鉄道 神宮前駅 構内配線略図
名古屋
岐阜方面
凡例
出典:[1]
画像左上、常滑線とアンダークロスしている橙線は東海道本線(配線は省略)


駅周辺

西口

東口

神宮前駅の東口(右側に写っているミスタードーナツは現在、居酒屋になっている。)

バス路線

神宮東門バスターミナル
名鉄神宮前バス停

西口

名古屋市営バス神宮東門」バス停

名鉄神宮前駅のすぐ西の駅前にあり、かつては名鉄バス(バス停名は神宮前。後に神宮13に変更)も鳴子方面へ発着していたが現在は廃止。名古屋競馬場への無料送迎バスもここから出ている。

東口

名古屋市営バス「名鉄神宮前」バス停(東口より北へ200mほどの場所にあり)
  • 名駅18 名古屋駅 - 鶴舞公園前 - 大須 - 名鉄神宮前
  • 神宮11 名鉄神宮前 - 新瑞橋 - 中根 - 島田一ツ山・相生山住宅
    かつては島田一ツ山・相生山住宅行きの系統には野並車庫行きや中根止まりもあったほか、御器所通行きのバスも運行されていた。

駅北にある踏切

駅北の踏切

駅のすぐ北には、名鉄名古屋本線・常滑線に東海道本線を含めた8本の線路をまたぐ踏切(JR東海・御田踏切、名鉄・神宮前1号踏切)があり、いずれの路線も本数が多いため開かずの踏切となっている(特にJR東海側は通過列車に合わせて遮断機を上げ下げするため遮断時間が名鉄に比べて格段に長い)。なお、歩行者は、踏切横にある歩道橋の利用が可能であるが、利用者はあまり多くない(神宮前駅には名鉄線・JR線の線路を跨いで東口と西口があり、改札を通らなくても行き来が可能であるため)。

遮断時間を可能な限り短縮するため、手動で遮断機を上げ下ろしする踏切となっており、更に踏切全体を3つに区切って別々に動かせるようになっていて、「全開」・「閉鎖」の他にその内の一部の踏切だけ上げられる「半開」がある。これは、自転車・歩行者のみが通行できるように遮断機を半分だけ上げるものである。しかし、2007年にこの踏切で2回「半開」状態で列車が進入・通過をしたことがある。列車は神宮前駅を発車した直後で速度が出ていなかった上、踏切を通過する歩行者や自転車がいなかったため、一人も負傷者を出さなかった。しかし、一歩間違えていたら大事故に繋がっていたという危険な状態が明らかになったため、以下のような安全対策をとることになった。

1回目の事故の際には

  • 遮断機の係員を1時間毎に交代

2回目の事故の際には

  • 遮断機の上昇・下降を知らせる警報音の音量を上げ、神宮前駅のホームに遮断機が降りたのを確認する係員を2名配置

2度目の事故発生後には、名鉄は名古屋市と話し合いを進め高架線に切替えて踏切を撤去する意向を示していた。また、列車の誤通過を防ぐために1・2番線に速度超過検知用のATS線上子を多数設置した。

安全対策の結果もむなしく、2008年にこの踏切で死亡事故が発生してしまった(中日新聞社会面でも大きく報道)。この踏切は廃止が決定し、従来の歩道橋は廃止のうえ道路は跨線橋を建設し、旧道路付近にエレベーター付きの新しい歩道橋が設置される予定。当初は2010年に完成する予定であったが、先延ばしになった。名鉄及びJRとの協議がまとまり、2012年7月に着工(踏切廃止)し、2017年度に完成することになった。着工後は自動車の通行が不可能となる。

利用状況

名古屋市統計年鑑によると、当駅の一日平均乗車人員は、以下の通り推移している。

  • 2004年度 17,063人
  • 2005年度 16,494人
  • 2006年度 16,001人
  • 2007年度 15,549人
  • 2008年度 15,248人
  • 2009年度 14,679人
  • 2010年度 14,987人

また、名古屋鉄道データBOOKによると、2009年度の一日平均乗降客数は29,645人(名古屋鉄道調べ)である。

当駅の利用者数は名鉄全駅の中で第9位であるが、記録のある2003年度以降、その数は年々減少している。

主に名古屋市営バスからの乗り換え客が中心。正月三が日は熱田神宮への参拝客で混雑する。

歴史

  • 1913年大正2年)8月31日 - 愛知電気鉄道(常滑線)の起点駅として開業。
  • 1917年(大正6年)3月7日 - 愛知電気鉄道有松線(後に豊橋線→名鉄名古屋本線)が開通、起点駅となる。
  • 1934年昭和9年)5月1日 - 東海道本線西側に乗り場を新設(通称「西駅」)。
  • 1935年(昭和10年)8月1日 - 名岐鉄道への合併により名古屋鉄道が発足したため、同社の駅となる。
  • 1944年(昭和19年)9月1日 - 名鉄東西連絡線 神宮前 - 新名古屋間が開業。実質的に中間駅となる。
  • 1962年(昭和37年)12月16日 - 常滑線の跨線橋架け替え、神宮前 - 伝馬町信号所間複線化。
  • 1965年(昭和40年)9月2日 - 西乗り場廃止。
  • 1983年(昭和58年)8月26日 - 名古屋本線上下線、常滑線上下線の路線別ホームから、現在の方向別ホームへ配線を変更。
  • 1990年(平成2年)4月1日 - 金山駅 - 当駅間が複々線化。それに先立ち構内北西方の線路や分岐器の付け替え。
  • 2004年平成16年)
  • 2011年(平成23年)2月11日 - ICカード乗車券「manaca」供用開始。
  • 2012年(平成24年)2月29日 - トランパス供用終了。

隣の駅

名古屋鉄道
名古屋本線
ミュースカイ
(太田川駅方面 -) 神宮前駅 - 金山駅
快速特急特急
知立駅 - (一部の特急は鳴海駅) - 神宮前駅 - 金山駅
快速急行
(太田川駅方面 -) 神宮前駅 - 金山駅
急行準急・■普通
堀田駅 - 神宮前駅 - 金山駅
常滑線
ミュースカイ(中部国際空港駅発9時以降の上り列車と全ての下り列車)
(名鉄名古屋駅方面 -) 神宮前駅 - 中部国際空港駅
ミュースカイ(中部国際空港駅発9時以前の上り列車)・特急
(名鉄名古屋駅方面 -) 神宮前駅 - 太田川駅
快速急行
(名鉄名古屋駅方面 -) 神宮前駅 - (一部大江駅聚楽園駅) - 太田川駅
急行・準急
(名鉄名古屋駅方面 -) 神宮前駅 - 大江駅
■普通
(名鉄名古屋駅方面 -) 神宮前駅 - 豊田本町駅

関連項目

脚注

  1. ^ 電気車研究会、『鉄道ピクトリアル』通巻第816号 2009年3月 臨時増刊号 「特集 - 名古屋鉄道」、巻末折込「名古屋鉄道 配線略図」

外部リンク