なすの (列車)

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なすの
E2系電車「なすの」 (2011年2月6日 大宮駅)
E2系電車「なすの」
2011年2月6日 大宮駅
概要
日本の旗 日本
種類 特別急行列車新幹線
現況 運行中
地域 東京都埼玉県茨城県[注 1]栃木県福島県
前身 新幹線「あおば
運行開始 1995年12月1日[1]
運営者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
路線
起点 東京駅
終点 那須塩原駅郡山駅
営業距離 226.7 km(東京 - 郡山間)[注 2]
使用路線 東北新幹線
車内サービス
クラス グランクラスグリーン車普通車
座席 グランクラス指定席
グリーン車指定席
普通車指定席
普通車自由席
技術
車両 E2系電車新幹線総合車両センター
E3系電車山形新幹線車両センター
E5系電車(新幹線総合車両センター)
E6系電車(秋田車両センター)
軌間 1,435 mm
電化 交流25,000 V・50 Hz
架空電車線方式
最高速度 275 km/h [注 3]
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なすのは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が東北新幹線東京駅 - 那須塩原駅郡山駅で運行している特別急行列車愛称である。

概要

1995年平成7年)12月1日に、東北新幹線の各駅停車タイプの列車である「あおば」のうち、東京駅 - 那須塩原駅間で運転されていた列車を分離し、近距離新幹線列車として運転を開始した[1]。主な利用客は東京駅 - 小山駅・宇都宮駅間の通勤通学客およびビジネス客である。その後、東北新幹線の運行体系見直しなどにより、日中の一部列車の運行区間が郡山駅まで延長され、現行の運行形態となっている。

列車名は目的地である「那須野が原」にちなみ、史上初の音読みを含む新幹線列車名であった[注 4]2階建車両E4系)のみの編成で運行される場合は「Maxなすの」と呼ばれていた。

新幹線の列車名に採用される以前には、上野駅 - 黒磯駅間を東北本線経由で運行する準急列車として登場し、その後急行列車新特急エル特急)の名称としても使用されていた。

運行概況

東京駅 - 那須塩原駅・郡山駅間で平日16往復、土曜・休日14往復が運行される。これとは別に、小山駅→東京駅の上り1本が毎日運行される。号数は251号から284号が与えられている。

通常は郡山駅以北では運行されていないが、2011年4月に福島駅まで臨時運行されたことがある。

車内販売は運行開始当初から小山発の上り1本と夜間の一部列車、臨時列車を除いて営業していた[2][3]が、主に担当していた日本レストランエンタプライズの宇都宮営業支店が廃止された2010年3月以降は郡山駅発着列車(早朝の上り1本を除く)のみの営業に縮小され[4]、2015年3月14日で全廃された。

停車駅

東京駅 - 上野駅 - 大宮駅 - 小山駅 - 宇都宮駅 - 那須塩原駅 - 新白河駅 - 郡山駅

運行本数(定期列車)
運行区間 下り 上り 備考
東京 - 郡山 5 7
東京 - 那須塩原 11 9 上下各2本は土曜・休日運休
東京 - 小山 0 1

使用車両・編成

なすの
← 東京
小山・那須塩原・郡山 →
PJRPJRNC
E2系
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
G
PJRPJRNC
E5系
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
G◯ GC
PJRPJRNC
E2系+E3系 17両編成[5][6]
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
G G
E2系やまびこ E3系つばさ
  • 10号車と11号車の間は通り抜けできない。
PJRPJRNC
E5系・H5系+E6系
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
G GC G
E5系・H5系 E6系
  • 10号車と11号車の間は通り抜けできない。
  • 全車禁煙
  • 座席種別・編成は変更される場合がある。
凡例
G=グリーン車指定席
指=普通車指定席
自=普通車自由席
GC=グランクラス座席指定席

E2系E3系E5系E6系が使用される。E2系もしくはE5系単独の10両編成のほか、E2系とE3系L編成を併結した17両編成、E5系とE6系を併結した17両編成も運行されている。市販されている時刻表では、E6系が併結される「なすの」に「E6系」の表記がある。

H5系を除く東北新幹線大宮以北で営業運転を行う営業用新幹線車両すべてが充当されている。通常「はやぶさ」+「こまち」および「やまびこ」+「つばさ」で運用されている他車の間合い運用を中心とした運用が行われる。

E5系で運転される列車はグランクラスの営業も実施されるが、専任アテンダントによる車内サービスはなく、「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」(一部列車を除く)より割安なグランクラス料金が設定される[報道 1]

かつてはE1系400系200系・E3系R編成・E4系も使用されていた。

平日の東京駅17時台以降に発車する下り列車と9時台以前に東京駅に到着する上り列車は普通車が全車自由席となる。土曜日・休日は小山駅始発の252号を除く全列車に普通車の指定席が設定されている。

沿革

在来線

新幹線

  • 1995年(平成7年)12月1日:ダイヤ改正で、東北新幹線東京駅 - 那須塩原駅間で運転されていた「あおば」・「Maxあおば」を分離し、近距離新幹線「なすの」・「Maxなすの」となる[1]。また、在来線特急の名称を「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」(2002年11月までは列車名に「新特急」を冠する)に変更。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月22日:E2系0番台およびE3系0番台が営業運転開始。E3系0番台は200系およびE2系0番台と併結。
    • 10月1日:東北・上越新幹線の名称を行き先別に整理し、「あおば」・「Maxあおば」を廃止。
    • 12月20日:E4系が営業運転開始。
  • 1998年(平成10年)
  • 1999年(平成11年)
    • 4月29日:E4系と400系の併結運転による「なすの」の運転を開始。
    • 12月4日:E1系の定期運用終了。「Maxなすの」はE4系のみの運用となる。E3系1000番台の営業運転開始(E4系と併結)。200系とE3系0番台の併結運転終了[報道 5]
  • 2000年(平成12年)12月2日:「なすの」上り2本がE4系「Maxなすの」(8両編成)に変更[報道 6]
  • 2001年(平成13年)
    • 9月20日:200系と400系およびE3系1000番台の併結運転終了。
    • 12月1日:早朝時間帯に小山駅 → 東京駅間の「なすの」上り1本増発[報道 7][報道 8]
  • 2002年(平成14年)
  • 2005年(平成17年)12月10日:一部の「Maxなすの」の運転区間を郡山駅まで延長。
  • 2007年(平成19年)3月18日:全車両禁煙になる。
  • 2008年(平成20年)12月20日:E3系2000番台の営業運転開始(E4系と併結)。
  • 2010年(平成22年)4月18日:400系の定期運用終了。
  • 2011年(平成23年)11月19日:200系の定期運用終了。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日:E5系「なすの」の営業運転開始。同時に、グランクラスの営業を開始(座席のみ)。E4系16両編成による「Maxなすの」の定期運用終了。E2系1000番台とE3系1000番台・2000番台の併結運転開始。
    • 9月29日:E4系の定期運用終了。「Maxなすの」を廃止し、列車名を「なすの」に統一。E4系とE3系1000番台・2000番台の併結運用終了。
  • 2013年(平成25年)
    • 3月16日:E6系「なすの」の営業運転開始(E5系と併結)。
    • 9月28日:E2系とE3系0番台の併結運用終了[注 5]
  • 2015年(平成27年)3月14日:車内販売を全廃[報道 12]
  • 2020年(令和2年)
    • 4月8日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、同年4月9日 - 5月31日まで車内販売、グランクラスの指定席の発売および「なすの」のグランクラスの営業を中止することを発表[報道 13]
    • 4月14日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、同年6月1日 - 6月30日まで、グランクラスの指定席発売を見合わせることを発表[報道 14]
    • 4月27日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響により、同年5月28日以降の全列車の指定席発売を見合わせることを発表[報道 15]
    • 5月8日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響により、同年5月28日以降に運転本数を削減することを発表[報道 16]
    • 5月13日:JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止により以下の運転計画および措置の実施を発表。
      • 同年5月21日以降、同年5月28日以降の列車の指定席発売を再開[報道 17]
      • 同年7月1日以降、当面の間、グランクラスの指定席発売を見合わせ[報道 18]
      • 利用客の減少に伴い、同年5月28日以降の定期列車の一部を運休し、臨時ダイヤによる運行を実施[報道 17]
    • 5月19日:JR東日本が、同年5月21日以降の指定席発売を延期することを発表[報道 19]
    • 5月22日:JR東日本が、国の緊急事態宣言が解除されたことを理由に、同年5月28日以降に計画していた臨時ダイヤによる運行の実施を取りやめ、定期列車の運行を継続することを発表[報道 20]。ただし、グランクラスのサービス中止は当面の間継続[報道 20]
    • 6月19日:グランクラスの営業サービスを再開[報道 21]
    • 10月31日:利用客の減少に伴い、E3系R編成の定期運用を廃止[7]
  • 2021年(令和3年)
    • 1月16日 : JR東日本が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止(緊急事態宣言再発令)のため、同日より当面の間、車内販売の中止、グランクラス指定席発売および「なすの」のグランクラスの営業を中止することを発表[報道 22]
    • 3月13日:ダイヤ改正により上野駅 - 大宮駅間 (埼玉県内のみ) の最高速度を110 km/hから130 km/hに引き上げ、所要時間を短縮する[報道 23]

脚注

注釈

  1. ^ 設置駅なし
  2. ^ 実キロ。東京 - 郡山間の営業キロは213.9 kmである。
  3. ^ E5系およびE6系充当の列車の場合、遅延による回復運転の際は320km/h運転を行う場合がある。
  4. ^ 2015年の「はくたか」の運転開始までは音読みを含む唯一の新幹線愛称でもあった。
  5. ^ 繁忙期にはE2系とE3系0番台との併結に変更される場合がある。

出典

  1. ^ a b c “JR東日本が12月1日ダイヤ改正 東北新幹線抜本見直し”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1995年9月19日) 
  2. ^ 弘済出版社『JR時刻表』1999年4月号 60-67頁
  3. ^ 交通新聞社『JR時刻表』2009年4月号 60-74頁
  4. ^ 交通新聞社『JR時刻表』2010年4月号 60-74頁
  5. ^ E2系 やまびこ/なすの/とき/たにがわ”. 東日本旅客鉄道. 2022年12月9日閲覧。
  6. ^ E3系 つばさ/なすの”. 東日本旅客鉄道. 2022年12月9日閲覧。
  7. ^ “さらば「初代こまちカラー」 定期運用廃止の元・秋田新幹線E3系 今後どうなる?”. 乗りものニュース. (2020年11月10日). https://trafficnews.jp/post/101639 2020年11月10日閲覧。 

報道発表資料

  1. ^ 2012年3月 ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道プレスリリース 2011年12月16日
  2. ^ "秋田新幹線「こまち」6両化と増発のお知らせ" (Press release). 東日本旅客鉄道. 8 January 1998. 2014年12月9日閲覧
  3. ^ "ダイヤ改正について 東北・秋田新幹線" (Press release). 東日本旅客鉄道. 25 September 1998. 2014年12月9日閲覧
  4. ^ "ダイヤ改正について 東北・山形新幹線" (Press release). 東日本旅客鉄道. 25 September 1998. 2014年12月9日閲覧
  5. ^ "平成11年12月 ダイヤ改正について I.新幹線" (Press release). 東日本旅客鉄道. 24 September 1999. 2014年12月9日閲覧
  6. ^ "2000年12月 ダイヤ改正について I.新幹線" (Press release). 東日本旅客鉄道. 22 September 2000. 2014年12月9日閲覧
  7. ^ "2001年12月 ダイヤ改正について I.新幹線 1" (Press release). 東日本旅客鉄道. 21 September 2001. 2014年12月9日閲覧
  8. ^ "2001年12月 ダイヤ改正について I.新幹線 2" (Press release). 東日本旅客鉄道. 21 September 2001. 2014年12月9日閲覧
  9. ^ "東北・上越新幹線E2系8両編成の10両編成化について" (Press release). 東日本旅客鉄道. 22 August 2002. 2014年12月9日閲覧
  10. ^ "2002年12月 ダイヤ改正について" (Press release). 東日本旅客鉄道. 20 September 2002. 2014年11月2日閲覧
  11. ^ "新幹線の一部の編成で喫煙車を禁煙車に変更いたします" (Press release). 東日本旅客鉄道. 24 September 2002. 2014年12月9日閲覧
  12. ^ "一部の新幹線・在来線特急列車の車内販売サービスと新幹線「グリーンアテンダント」によるサービスの終了について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 16 January 2015. 2015年1月16日閲覧
  13. ^ "新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの中止について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 8 April 2020. 2020年4月8日閲覧
  14. ^ "6月の「グランクラス」発売見合わせについて" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 14 April 2020. 2020年4月27日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年4月25日閲覧
  15. ^ "新幹線および中央線特急、常磐線特急の指定席発売見合わせについて" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 27 April 2020. 2020年4月27日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年4月27日閲覧
  16. ^ "5月28日以降の新幹線および中央線特急、常磐線特急の運転本数削減について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 8 May 2020. 2020年5月14日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月14日閲覧
  17. ^ a b "発売見合わせ中の新幹線および在来線特急等の運転計画・指定席発売について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 13 May 2020. 2020年5月14日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月13日閲覧
  18. ^ "6月以降の新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの中止継続について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 13 May 2020. 2020年5月13日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月13日閲覧
  19. ^ "5月28日以降の新幹線および中央線・常磐線特急の指定席発売の延期について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 19 May 2020. 2020年5月22日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月22日閲覧
  20. ^ a b "5月28日以降の新幹線および中央線・常磐線特急の運転計画変更について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 22 May 2020. 2020年5月22日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月22日閲覧
  21. ^ "新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの再開について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 11 June 2020. 2020年7月25日閲覧
  22. ^ "新幹線・在来線特急列車等の車内サービスの中止について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 13 January 2021. 2021年1月13日閲覧
  23. ^ "2021年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 18 December 2020. 2020年12月18日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年12月18日閲覧

関連項目

外部リンク