エネル

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エネルEnel SpA)は、イタリアの大手電力会社・エネルギー会社。1962年、当時の産業国有化政策により電力会社複数が合同して設立された。

かつては国営会社Ente Nazionale per l'energia ELettrica、国営電気エネルギー会社)だったが民営化され、2006年現在では株の31.1%をイタリア政府が持っている。ミラノ証券取引所およびニューヨーク証券取引所ティッカーシンボル:EN )に上場している。

発電・送電・配電においてイタリア国内で独占的なシェアを持ち、世界でも有数の大きさの電力会社である。またガス事業や通信事業なども行っている。

原子力・地熱・太陽光発電[編集]

エネルはイタリア最大の発電業者であるが、同時にフランス原子力発電所の電力を輸入している。エネルはフランスやスロバキアの新しい原子力発電所建設や、欧州加圧水型炉(EPR:European Pressurized Water Reactor)開発に投資することで将来の電力供給を確実にしようとしている。

エネルは水力・火力・原子力以外の発電にも投資している。100年以上の地熱発電の経験を積み、イタリア国内で32箇所、国外で20箇所の地熱発電所を運転している。また太陽光発電所の建設も進め、1993年には発電量3.3 MW のSerre Persano 発電所を稼動させ、2008年には6.0 MW のMontado di Castro 発電所の稼動を計画している。

エネルの多国籍展開[編集]

1990年代以降の欧州連合の電力市場開放政策によりイタリアでも電力自由化が行われ、エネルも1999年に再編され民営化された。この際にエネルは欧州連合の基準に合わせるために事業を分割し、15,000 MW 分の発電所を手放した。一方で各国の電力会社を買収し、イタリア国内で42,000 MW を発電しイタリア国外で50,000 MW を発電している。

エネルグループは世界各地の電力会社を傘下に収める多国籍企業であり、ヨーロッパ全体での発電量ではドイツのE.ON に次ぎフランスのEDFを凌いで2位になっている。エネルは世界屈指の大手エネルギー企業として、ヨーロッパ各国の電力自由化と業界再編を仕掛ける側にある。フランスの大手エネルギー企業でベルギーのエレクトラベル(Electrabel)も傘下に置くスエズに対し買収を仕掛けたが、スエズは2006年2月にフランスガス公社 (GDF) との合併を発表しフランスがイタリア企業からエネルギー大手を防衛する形になった。その後はスペインの最大手エンデサを買収する意向を示し、同じくエンデサを傘下に置く意欲を示していたドイツのE.ONが撤退した後に着々と買収を進めている。

このほか、スロベニアギリシャフランスベルギートルコブルガリアロシアアメリカ合衆国カナダチリパナマコスタリカニカラグアエルサルバドルグアテマラブラジルなど各国の電力会社を所有しあるいは協力し、発電所を運営している。

外部リンク[編集]