ユニバーサル ミュージック グループ

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ユニバーサル ミュージック グループ
Universal Music Group N.V.
サンタモニカのオペレーション本部
種類 公開会社
市場情報 EuronextUMG
略称 UMG
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンタモニカ(オペレーション本部)
オランダの旗 オランダ王国ヒルフェルスム(役員オフィス)
設立 1934年9月 (89年前) (1934-09)
事業内容 音楽、エンターテイメント
代表者 ルシアン・グレンジ英語版会長最高経営責任者
シェリー・ランシング英語版(取締役会長)
主要株主 中華人民共和国の旗 中国 テンセント(20%)
フランスの旗 フランス ヴァンサン・ボロレ(18%)
イギリスの旗 イギリス パーシング・スクエア・ホールディングス英語版(10%)
主要子会社 ユニバーサル ミュージック グループのレーベル一覧英語版
外部リンク www.universalmusic.com ウィキデータを編集(英語)
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ユニバーサル ミュージック グループ英語: Universal Music GroupUMG)は、グローバルに展開する多国籍音楽会社中国テンセントを最大株主に持つ。オペレーション本部をアメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカに、コーポレート本部(役員オフィス)をオランダ王国ヒルフェルスムに置く。ワーナー・ミュージック・グループソニー・ミュージックエンタテインメントと共に、「ビッグ3」の一つである。

概要[編集]

1996年に、親会社のMCAが傘下のユニバーサル・ピクチャーズに合わせて社名をユニバーサルと変更した際、音楽部門であるMCAレコードもユニバーサル ミュージック グループと改名した。MCAは当時の6大メジャー・レーベルの一つだった。1998年に、ポリグラムと合併したことによって、世界最大のレコード会社となった。現在の会長兼最高経営責任者は、ルシアン・グレンジ英語版ポリドール・レコードはジェームス・ブラウンなど、マーキュリー・レコードはバーケイズ、カメオ、コンファンクシャンなど、モータウンはテンプテーションズなどの魅力的なカタログを保有している。

親会社であったヴィヴェンディ・ユニバーサル(2000年に酒造会社だったシーグラムの娯楽部門がヴィヴェンディと合併したもの。現在はヴィヴェンディに改称)の娯楽部門(ヴィヴェンディ・ユニバーサル・エンタテインメント)は財務体質悪化の為、2004年にNBCと合併、NBCユニバーサルとなったが、ユニバーサル ミュージック グループは合併の対象には含まれなかった。

2018年7月に売却案が出ており[1]、2020年には、中国の複合企業テンセント・ホールディングズが、ユニバーサルの一部を買う案が出た[2]。2019年末までにヴィヴェンディが保有するユニバーサル ミュージック グループの株式10%をテンセントに売却[3]、2021年9月、ユニバーサル ミュージック グループはユーロネクスト・アムステルダムに上場し株式公開、株式の60%がヴィヴェンディの株主へ分配された[4]

日本では、同社の音楽作品は子会社のユニバーサル ミュージック合同会社より発売されている。

ちなみに、2009年2月、電通傘下のジェネオン エンタテインメント(旧:パイオニアLDC)とNBCユニバーサル傘下のユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンが合併し「ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)」となったことにより、「ユニバーサル」とそのシンボルマークである地球儀マークを冠する異なる企業グループによるレコード会社が並立することになった[注釈 1]

同社は生成AIを問題視しており、2023年10月、生成AI企業のAnthropicを相手取って所属アーティストの著作権を巡り訴訟を起こしている[5]

2024年2月にはTikTokとの楽曲利用ライセンス契約を打ち切った。この理由としてTikTokはAI音楽の創作を促進しており、TikTokが望む契約を結ぶことは「AIによるアーティストの置き換えを支援するのと同義だ」としている[6]

沿革[編集]

  • 1995年 シーグラムが、MCAレコードやユニバーサル・ピクチャーズを擁するMCAを買収。
  • 1996年 シーグラムが、旧MCAをユニバーサルと改名。これに伴い、MCAレコードもユニバーサル ミュージックと改名。
  • 1998年 シーグラムが、ポリグラムを買収し、ユニバーサルミュージックと統合。
  • 2000年 シーグラムが、酒造部門と娯楽部門に分割され、前者をペルノ・リカールに、後者をヴィヴェンディに売却。これによりヴィヴェンディ・ユニバーサルが誕生。
  • 2004年 ヴィヴェンディ・ユニバーサルの娯楽部門はNBCと合併するが、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)はこの合併には参加せず。
  • 2006年 仏ヴィヴェンディが松下電器産業(現:パナソニック、1990年 - 1995年は単独所有、1995年 - 2006年は共同所有)の所有していた残りの株式を買収し、ユニバーサル ミュージック グループはヴィヴェンディの100%子会社となる。年末より独立レーベルのコンコード・ミュージック・グループの配給を開始。
  • 2007年 ベルテルスマンの音楽出版部門であるBMGミュージック・パブリッシングを買収、ヴィヴェンディ傘下のUMGに統合。
  • 2011年 ヴィヴェンディがEMIの音楽部門の買収をソニーと争い、最終的に獲得。UMG傘下に統合させると発表した[7]
  • 2015年 グループ再編。北米以外を統括してきた子会社“UMG International”を実質解体し、各地域子会社を直接UMG傘下に置き権限と責任を強化するシステムに改めた。UMGも実質北米の地域会社として他地域との連携を強化する。
  • 2019年 ヴィヴェンディが保有するユニバーサル ミュージック グループの株式10%をテンセントに売却[3]
  • 2021年 オランダのユーロネクスト・アムステルダムに上場し、株式公開企業となった[4]

主要なレーベル・グループ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 過去に、ユニバーサルミュージックの日本法人が発足当時、ビクターエンタテインメントとの合弁会社であるユニバーサル ビクターの様に並立していた時期もあった。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]