オリエンタル・マグネチック・イエロー
オリエンタル・マグネチック・イエロー(Oriental Magnetic Yellow / OMY)は、ゲーム音楽作曲者たちで結成された、テクノと呼ばれる音楽を演奏する日本の音楽グループである。
概要
[編集]メンバーは当時ナムコに勤務していた、細野江晴臣(細江慎治)、佐野本龍一(佐野信義)、相原隆幸宏(相原隆行)、佐々武秀樹(佐々木宏人)の4人。彼らの音楽はしばしば「YMOのパロディ、オマージュ」と呼ばれることもある。
1993年に再結成したYMOのライブに足を運んだところ、聞きたかった1980年代の曲ではなかったことに失望[1]。自分たちで新曲を作ろうと思いついたのが、OMY結成のきっかけとなった[1]。耳の肥えたYMOファンから怒られるのも覚悟していたが、そのファンにも同じ想いがあったために、絶賛を受ける[1]。
1994年、トルバドールレコードより発売された1stアルバム(メジャーリリース時は2ndアルバム)『SONIC SKATE SURVEYOR』は、YMOをモチーフにしたオリジナル楽曲を収録していたが、2ndアルバム(メジャーリリース時は1stアルバム)『ORIENTAL MAGNETIC YELLOW』からは、YMOのオリジナル楽曲のメロディやアレンジをパロディにした楽曲を収録している。
演奏面では本家ではシーケンサーはタンス(モーグ・シンセサイザー)を使用していたが、OMYではタンスと箪笥をかけて「noog」と書かれた箪笥が置かれている。その代わりに音はノートパソコンで演奏されている。ボーカルは本家のようなドラムと兼任して歌うのではなく、キーボードの佐野本が歌う形になっている。
1996年にポニー・キャニオンのサイトロン・レーベルよりメジャー・デビューし、すでに発売されていた自主レーベルからのアルバムが全国流通となった。細野江は週刊SPA!の取材にて、「似て非なるものを作るのがこれほど難しいとは思わなかった」と振り返った[1]。また、ゲームサウンドクリエイターが参加したということで、発売ごとに『マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)のゲームミュージックコーナーでも紹介されていた。1997年6月21日には、本家の「ウィンター・ライヴ1981」に対抗するように「サマー・ライヴ」を渋谷ON AIR EASTで開催。
2001年にアルバム『弱気なぼくら / NERVOUS』を発売して以降は主だった活動をしていない(「閑散」した)。
2010年7月頃、Twitter上でメンバー達が再び交流し、複数人で新たに楽曲が作られTwitter等のアカウントも作成されるなどの動きを見せていたが、立ち消えになっている。
BGMにYMOの「RYDEEN」を使用していたアーケードゲーム『スーパーロコモーティブ』が2022年10月27日発売のメガドライブ ミニ2に移植された際、BGMがOMYの「RYZEEN」に差し替えられることが発表された。
結成30周年となる2024年、長らく廃盤状態であった6作品がCASSETRONレーベルより3月20日に再発売された。すべての楽曲が細野江晴臣の手によってリマスタリングされている。
また、3月24日にディスクユニオンROCK in TOKYOで行われた再発記念イベント内で、再始動が宣言された[2]。
ディスコグラフィ
[編集]リリース | タイトル | 規格 | レーベル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |
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1 | 1994年8月 1997年1月18日(再発) |
SONIC SKATE SURVEYOR | 12cmCD | トルバドールレコード ポニーキャニオン(再発) |
TTRC-8 PCCB-243(再発) |
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タイトルおよびジャケットは『SOLID STATE SURVIVOR』のパロディだが内容はオリジナル色が強い。 |
2 | 1995年8月 1996年12月16日(再発) |
ORIENTAL MAGNETIC YELLOW | 12cmCD | トルバドールレコード ポニーキャニオン(再発) |
TTRC-10 PCCB-235(再発) |
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前半6曲は『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』、後半7曲は『SOLID STATE SURVIVOR』収録曲のパロディ。 |
3 | 1996年8月 1997年2月21日(再発) |
×0BREEDS 養殖 | 12cmCD | トルバドールレコード ポニーキャニオン(再発) |
TTRC-15 PCCB-246(再発) |
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前半5曲(BREEDING SIDE)は『×∞MULTIPLIES 増殖』収録曲のパロディ、後半7曲(PERSONAL PLEASURE SIDE)は『PUBLIC PRESSURE』をパロディ化したライブ収録であり、そのためギタートラックがミュートされている。インディーズ盤には「OMY」と赤いスタンプの押された段ボール片が封入されていた。 |
4 | 1997年6月18日 | TECHNODERUCK | 12cmCD | サイトロン・レーベル | PCCB-265 |
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『BGM』および『TECHNODELIC』収録曲のパロディ。『BGM』の楽曲は3曲に留まっている。 |
5 | 1999年9月17日 | O.M.Y. SOLO WORKS | 12cmCD | サイトロン・デジタルコンテンツ | PCCB-392 |
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YMOメンバー(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)のソロ発表曲のパロディが中心。 ただし細野のソロアルバム『フィルハーモニー』収録の「フニクリ・フニクラ」だけは、演奏を完全コピー・メロディーもそのままで「おにのパンツ」と題し、日本で広く知られる替え歌が歌われている。 |
5 | 1999年9月17日 | 弱気なぼくら/NERVOUS | 12cmCD | サイトロン・デジタルコンテンツ | SCDC-81 |
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前半5曲(from 弱気なぼくら)は『浮気なぼくら』、後半7曲(from NERVOUS)は『SERVICE』収録曲のパロディ。ラストにはS.E.T.コントのパロディも収録。 |
2024年3月20日に、全作品がCASSETRONレーベルから再発された(規格品番:CTN-30~35)。
なお、CDに収録されていない楽曲として「上を向いて歩こう」のカヴァーが存在する。細江慎治のYouTubeチャンネルにてミュージックビデオが公開されている[3]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d 「今週の紙一重 OMY '80年代のYMOを"再現"するマニアゆえの深い~愛情!」週刊SPA! 1997年1月22日発行 通巻2527号 15ページ
- ^ “【ROCK in TOKYO】3/24(日)O.M.Y. リリース記念トークショー&サイン会開催!”. diskunion ROCK in TOKYO (2024年3月24日). 2024年3月24日閲覧。
- ^ 上を向いて歩こう cover / O.M.Y - Hosoe Shinji - YouTube
外部リンク
[編集]- Oriental Magnetic Yellow (Oriental-Magnetic-Yellow-181530335231254) - Facebook
- Oriental Magnetic Yellow - Tumblr
- SuperSweep 細江のサイト
- STUDIO CARNAVAL 相原のサイト
- This is Oriental.Magnatic.Yellow HomePage - トルバドールレコード[リンク切れ]
- OMYsite | We are OMY!! Aha~ha~ Wake Up Plz!!! - ファンサイト[リンク切れ]