エホバの証人

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エホバの証人
Jehovah's witnesses website.png
エホバの証人の公式ロゴ
分類 キリスト教系の新宗教
三位一体の否認
霊魂消滅説
組織構造 エホバの証人の組織構造[1]
地域 世界の旗 世界
創設者 チャールズ・テイズ・ラッセル
創設日 1870年代
創設地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ペンシルベニア州ビッツバーグ
会衆数 119,485
信徒数 8,340,847人
公式サイト www.jw.org
Statistics from 2017Yearbook of Jehovah's Witnesses[証人 1]
エホバの証人を設立したチャールズ・テイズ・ラッセル(1911年撮影)
王国会館と呼ばれる集会所で週2回の聖書講演会や勉強会等が行われる。

エホバの証人(エホバのしょうにん、: Jehovah's Witnesses)は、キリスト教系の新宗教[2][3][4]ものみの塔聖書冊子協会などの法人が各国にあり、ほぼ全世界で活動している。

1870年代チャールズ・テイズ・ラッセルによって設立され、世界本部は長らくアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に置かれていたが、2016年に同州ウォーウィックへ移転する。信者数は全世界で約820万人、最多国アメリカ合衆国では約120万人、日本は約21万人ほどいるとされている。一般的には伝道活動に熱心で、輸血を拒否すること、格闘技に参加しないことなどで知られる[5][6][7]

聖書は主にものみの塔聖書冊子協会が翻訳した新世界訳聖書を使用する。主流派キリスト教の基本信条三位一体論を否定し、輸血を拒否することで知られている。教義によると、神は唯一神エホバヤハウェ)であり、キリストは神の子であり[7]、天使長ミカエルと同一であるとしている[証人 2]。また、現代の世界(宗教組織、政治組織を含む)は悪魔サタンの支配下にあり[証人 3]、やがて終わりの日にキリスト率いる神の軍団との大戦争(ハルマゲドン)により人類​に​対する​サタン​の​支配​を​終わらせるとしている。また、「エホバの証人」という名称には、すべてのものの創造者エホバについての真理を語る人、という意味が込められている[8][証人 4]カトリック正教会プロテスタントなどの主流派キリスト教会が信じる「三位一体説」や「イエス・キリストの神格化」などの基本信条を否定する立場をとっているため異端異教とされている[9][10][11][12]

沿革[編集]

聖書を信じる宗教としての信仰の確立の歴史[編集]

イエスの復活信仰の確立・ナザレのイエスの死を通しての贖罪信仰の確立・主イエス・キリスト信仰の確立・終末信仰の確立については、プロテスタント#キリスト教としての信仰の確立の歴史を参照

聖書は神の言葉という信仰の確立[編集]

聖書は神の言葉という信仰の確立については、旧約聖書#神の言葉として成立した聖書の歴史を参照

組織[編集]

統治体、地帯区、支部、巡回区、各会衆という構造になっており、各々に監督や長老といった管理監督責任を担う信者が存在する。

施設については、前述の世界本部のほか、ものみの塔教育センターを米国ニューヨーク州パットナム郡パターソンに、ものみの塔農場を米国ニューヨーク州アルスター郡ウォールキルに有する[証人 6]

また、世界96ヶ所に支部事務所が、239の国や地域に約11万の会衆が存在する。

特徴的な組織観[編集]

初期の統治体は、聖書は「神の言葉」であるという前提にもとづき、エホバの証人の組織を神の組織の一部であるとしている[13]神の組織とは、神の意志を行なうために協力して働く、み使いを含めた天と地にいる者すべてによって構成されているとしている。[14]

現在の統治体の上にはイエス・キリストが臨在し、統治体にのみ各種の通信を送っているとされる。[15]統治体の方針や長老等の言葉は、信者にとって聖霊に満たされた神の言葉と設定されているので、それに異を唱える者は、神から疎外されている人として、排斥されることがある。

信者数[編集]

平均伝道者数, 1945年〜2005年

2018年[注 1]の公表値によると、エホバの証人の全世界での伝道者数は約857万人である[証人 1]。 最多国アメリカ合衆国での信者数は約120万人ほどいるとされている。

日本においては2018年度の最高伝道者数は212,802人であり、アジア諸国ではフィリピンに次いで多い。

教義の概要[編集]

チャールズ・テイズ・ラッセルはエホバの証人を設立する前に、セブンスデー・アドベンチスト教会についたり離れたりしていた[16]。その中で後に彼の教義体系の中核になるものをつかんでいき、セブンスデー・アドベンチスト教会の本の中の「地獄というのは墓にすぎない」という教義を借用して、永遠の刑罰の教えに反対し「地獄」(マルコによる福音書9:43-48)の存在を否定した(霊魂消滅説)[17]。他にも類似する教理として「イエス・キリストは天使ミカエルである」とすること[18][証人 2][19]、「自分たちこそ14万4千人の選民である」とすること[18]などの黙示録的表象の強調[20]

JW Library[編集]

近年、JW Libraryアプリが製作され、最新また過去の出版物のほぼ全てが掲載され、集会等で使用されている。これは、一般に公開されているため誰でもダウンロードし教義の大半を閲覧することができる。

神の名[編集]

旧約聖書にみられる唯一神エホバを崇拝の対象とする。

原文に近い聖書写本には、神の固有の名として神聖四文字語יהוהと記述されており、YHWHもしくはJHVHに相当する。しかしながら、子音字のみで母音がないため古代イスラエル人がどのように発音していたか定かではない。

「エホバ」という発音は、欽定訳聖書(1611年)やアメリカ標準訳(1901年)などでJehovah(発音記号:dʒɪhóʊvə)、また日本でかつて広く使用されていた舊新約聖書文語訳(日本聖書協会)でヱホバ(旧仮名遣い)として使用されてきた。

これに対し、学術的にはヤハウェ、ヤーウェなどの表記・読みがなされ、学説ではヤハウェであろうとする説[21]が有力とされている[注 2]

神の概念[編集]

  • キリスト教会、クリスチャンが信じ、重要視している三位一体を否定する[証人 7]
  • の名はエホバである。(読みはヤハウェの可能性も含め定かではないとしている)
  • イエス・キリストは神の子であり、神ではない。エホバに最初に創造された者である[18]
  • 天使長ミカエルがキリストであるとする[18][証人 2]。これはセブンスデー・アドベンチスト教会と同様の教理である[19]
  • キリストの復活はからだの復活ではなく、霊的な復活であるとする[18]
  • 聖霊は神ではない。「非人格的」な「電力の如き神の活動力」である[18]

神の王国[編集]

神の王国は、イエス・キリストの宣教における中心的な概念で、『新約聖書』所収の4つの『福音書』に合計50回以上現れる用語である。エホバの証人のいう神の王国は主に千年王国説(至福千年説)に依っている。千年王国説は、ユダヤ教終末論に由来し、キリスト教では『新約聖書』所収の『ヨハネ黙示録』第20章「千年間の支配」「サタンの敗北」「最後の裁き」[22]がその主な根拠になっている[23]

エホバの証人は神の王国について次のように規定している。すなわち、神の王国は1914年を起点に、天でイエス・キリストを王として設立された[証人 8] 。そのキリストの再臨は「しるし」であり、目には見えない(マタイによる福音書24章3節から25章46節およびルカによる福音書21章5節から36節参照)[証人 9]。エホバの証人が規定する神の王国は、全面的に支持し到来を期待している新しい社会、またそれを実現する政府である[証人 10]。ハルマゲドン後、地上は千年の時を経てかつて創世記に記述されているような楽園に回復される[証人 11][証人 12]。楽園を回復する作業を行うのは、ハルマゲドンを生き残った者、復活された者たちである。

聖書を信じる宗教としての基本的な教義[編集]

ナザレのイエスは死んだけれども、よみがえった[編集]

  • 罪がないナザレのイエスは死刑になったが、死んでから三日たってからまた生き返った、と信じる。聖書に書いてある通りである。

ナザレのイエスは天に昇って行ってから、神の右に座った[編集]

  • ナザレのイエスはみんなの見ている前で、天に昇って行った、と信じる。聖書に書いてある通りである。
  • ナザレのイエスは再び天から降りてきて、最後の審判の時に、今現在生きている者と、すでに死んだ者とをさばくと信じる。(現在イエスは、統治体の上に臨在している。)
  • すでに死んだ人でも生き返ると信じる。イエスを救い主と信じる人は、神の国が到来したら、新しい命がもらえると信じる。

聖書は神の言葉だと信じる[編集]

指導者が聖霊に満たされて語る言葉は、神の言葉とされているので、聖霊に満たされて書かれた聖書は、神の言葉である。旧約聖書#神の言葉として成立した聖書の歴史を参照。

活動[編集]

年間行事[編集]

  • キリストの死の記念を祝う。(主の晩餐に相当)
  • 週に2回、集会を行う。(公開聖書講演会・「ものみの塔」研究、クリスチャンとしての生活と奉仕の集会)
  • 上記以外に地区大会(年1回)、巡回大会(年2回)が催される。
  • 毎回の大会において、当事者に対しバプテスマが行われる。

熱心な伝道[編集]

韓国大成里駅の前に伝道のため置かれたエホバの証人のパンフレット据置台。世界各地の駅前でパンフレットを掲げるスタイルの伝道を行っている。

エホバの証人は街頭、駅前、戸別の家庭訪問などの熱心な伝道を世界各地で行っている[24]。「無言で駅前・街頭にてパンフレットを掲げる」伝道スタイルがベン・H・ウィンタースの小説『地上最後の刑事』の中に登場している[25]

元宗教倫理学会評議員であり宗教学者の生駒孝彰によると、彼らの長時間の伝道の義務と熱心さは有名であり[26]、多い人で月に140時間、少ない者で60時間を費やすという。

エホバの証人は上記の聖書的根拠として以下を挙げている。

彼らは「興味がない」と訪問伝道を断った家にも繰り返し訪問する。公式サイトでは以下の考えを表明している[証人 15]

  • 以前​は​興味​が​なかっ​た​人​たち​も​含め​すべて​の​人​に​伝え​よう​と​努力​し​て​い​ます。
  • 以前​は​興味​を​示さ​なかっ​た​人​で​も,再び​訪問​し​た​時​に​は​関心​を​持っ​て​いる​こと​が​よく​あり​ます。
  • と​は​いえ,聖書​の​音信​を​押しつける​こと​は​あり​ませ​ん。

また繰り返し訪問する理由として以下の3点を挙げている。

  • 移転​し​て​いる​場合がある。
  • 家族​の​別​の​人​が​関心​を​示す​か​も​しれ​ない。
  • 考え​が​変わる​こと​も​ありえる。

主な行動様式[編集]

新型コロナウイルス感染症に伴う影響[編集]

沿革」節でも触れた通り、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い世界中で集会や大会、野外での宣教活動(戸別訪問・街路でカートを用いた伝道)が中止されている。そのため、集会は主に遠隔会議システムを用いて行われる[証人 18]。また手紙や電話、LINE等のSNS電子メールを用いた伝道が行われている。なおエホバの証人の本部ならびに各支部は現在ロックダウンされており、印刷物の製造や発送も中止されているため集会や宣教活動で用いる文書を新たに入手することはできなくなっている。

特筆的な事柄[編集]

輸血拒否[編集]

聖書中には、次のような「血を避けるべき」とする記述がいくつかあり[28][29][30][31][32]、これらを輸血は禁じられていると解釈している[証人 19]。 また、代替治療として無輸血治療の選択、自己輸血血液分画の使用については各人の良心に基づいて決定するとしている。

いかなる生き物の血も、決して食べてはならない。すべての生き物の命は、その血だからである。それを食べる者は断たれる。 — レビ記17章14節(新共同訳)抜粋

幼少者への輸血拒否事案が生じたことから[33][6]、公益社団法人日本医師会は「エホバの証人と輸血」 声明を発表し、「自己決定能力がない幼少の患者」への必要な輸血を親権者が拒否した際の親権喪失の申立を行うことへの考慮、実際に、緊急輸血を必要とした幼児が病院、児童相談所家庭裁判所の連携により救命された例があることに言及している[34]。また日本輸血・細胞治療学会など5学会の合同委員会は2008年「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」を定めた[35]

『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』の著者たもさんは、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけエホバの証人を脱退した。本書の「おわりに」ではエホバの証人について「子どもの人権を侵害し、自由を奪い、教えに背くなら存在を否定し、輸血拒否で実際に命を・・・」と記している[36]

小児を専門とする元千葉大学講師で医師の松永正訓は、医療関連の情報を掲載するヨミドクター(読売新聞社)において、宗教名は記載していないが、胃破裂で運ばれてきた生後3日の新生児が父親から輸血を拒否された体験談を語っている[37]

兵役拒否[編集]

「戦いを学ばない」[38][39]「剣を取るものは剣によって滅びる」[40]という聖書の記述を理由に、兵役を拒否する[証人 20]徴兵制度の国々で軍隊から問題視されることがある。国家は徴兵拒否に対して、エホバの証人の所属者らを投獄するのが一般的である。

近年では、良心的兵役拒否人権の一つとして認識されるようになってきたことから、社会奉仕活動への参加を義務付けることによって、兵役の義務の代替行為とする事例も増えている。

聖書[編集]

歴代会長3名を含む統治体成員5名からなる[41]新世界訳聖書翻訳委員会により翻訳された新世界訳聖書を使用する。

かつてはキリスト教会と同様、一般に入手可能な聖書を使用していた。例えば、英語圏ではジェイムズ王欽定訳 (KJV) とアメリカ標準訳 (ASV) を、日本では舊新約聖書日本聖書協会文語訳)等を使用していた。

主な聖書解釈[編集]

  • キリストの磔刑について十字架の形状を否定し、「一本の杭(苦しみの杭)」であったとする[42]
  • エホバの証人は失われた1世紀のクリスチャンの復興である。
  • 最初のエホバの証人はアベルであり、古代イスラエル人も一国民として神に献身しておりエホバの証人である。
  • キリストの使徒が死に絶えた後、初期キリスト教背教が起こり、後にカトリックを始め多くの教派が生じた。
  • エホバの証人は「神の是認する唯一の真の宗教である」とし「キリスト教会やクリスチャンは悪魔の手先である」「キリスト教会は黙示録に描かれた淫婦」とする[7]
  • 「血を避けるべき」という聖書の記述は、血液を食するだけでなく、体内に取り入れる行為(輸血も含む)を避けることも含まれる。
  • 人は死ぬと存在しなくなる。死後の世界(天国地獄、その他の名称の異世界)は存在しない。
  • 復活は「天への復活」(14万4千人)と「地上への復活」の2種類がある。
  • 信仰を業により示す必要がある。その業の最高のものは布教活動であり、エホバの証人の「救い」は組織への服従に基づいている[18]。エホバの証人発行の書物にて「しかし必要なのは信仰だけではありません。(中略)本当の気持ちを示す業もなければなりません」と書かれている[証人 21]

エホバの証人の文献引用についての見解[編集]

大野キリスト教会牧師であり、「JWTC(エホバの証人をキリストへ)」[17]主宰者の中澤啓介は著書『十字架か、杭か』[42]において以下の点を挙げている。

  • エホバの証人の主張は聖書を正しく解釈していないことが多く、また、歴史的資料を正確に反映していない。
  • エホバの証人の出版物は、権威ある学術的な書物から、自分たちにとって都合がよいように、不誠実な引用を繰り返していて、学問の世界では、まったく考えられないほどの「悪引用」であるため、エホバの証人の出版物を読むだけでは、事実を正確に認識することはできない。

ウィリアム・ウッド牧師は著書において、「『エホバの証人』が自らの考えとして用いているさまざまな文献や論説」は、「多くの場合(中略)彼らにとって都合のよい一部が取り出されているにすぎ(ず)」、「今日の聖書学者のほとんどが、『エホバの証人』の教理は取るに足りないものだといってい(る)」と記している[7]

主流派キリスト教会からの批判[編集]

カトリック・プロテスタント・正教会の各団体、関係者等による見解[編集]

キリスト教主流派が重要視する三位一体などの教義を否認していることから、カトリック・プロテスタント正教会などから異教あるいは異端とされている。例として、以下が挙げられる。

  • 全世界のカトリック教会を統率する組織であるローマ教皇庁は2008年の見解において、エホバの証人をカトリック教会に対して、創価学会サイエントロジー教会旧統一教会(文鮮明)と同列の新宗教としている[9]
  • キリスト教カトリックの司祭でボン大学法学博士のホセ・ヨンパルトは「神はひとつしかない」という重要な教義を認めない「このような宗教はカトリックでもプロテスタントでもない」とする。1985年に日本のカトリック司教団が宣言したように「キリスト教とは決して言えない」[43]
  • プロテスタント福音派尾形守は著書において、エホバの証人等の異端とキリスト教の根本的な違いは「霊の違い」であり、異端は悪霊による惑わしの教えであるとする。根拠として聖書の第一ヨハネ4:1-3、黙示録16:13、第一テモテ4:1を挙げている。
  • 「真理のみことば伝道協会」主宰のウィリアム・ウッド牧師は「キリスト教会はエホバの証人を悪霊による惑わしの教えだと考えている」という見解を示している[7]
  • アメリカ正教会は「正教会のキリスト教徒と異端者」という公式見解にて、エホバの証人を異端として取り上げている[10]
  • シェヌーダ3世 (コプト正教会アレクサンドリア総主教)は「異端・エホバの証人」という書籍を著している[11]
  • 福音派の尾形守は、著書の見解においてエホバの証人は末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)・世界平和統一家庭連合(旧略称:統一教会)と共に「日本で顕著な活動をしている」とし、「三大異端」として取り上げている。またジャーナリストの伊藤正孝、作家の八木谷涼子も同3教団を「三大異端」と記している[6][44]
  • キリスト教大事典』1066頁(教文館、昭和63年8月10日 改訂新版第9版)では、エホバの証人は『いっさいの正統的教理と既成教会に反対(している)』と記されている[12]

カルト・セクト指定[編集]

いくつかの政府はカルトまたはセクトと分類しているケースがある。例として以下の政府・議会報告が挙げられる。

住人による反対運動[編集]

日本の長野県下伊那郡松川町で発足された「松川町増野エホバ対策委員会」は「エホバ反対運動」において「エホバの証人がしつこく訪問してきて困る」という苦情に対処し、かつ「エホバの証人」による社会的被害の拡大を食い止めることを目的として、1998年には「エホバの証人・訪問お断り」ステッカーを2回にわたり計1万枚を自費作成し、近隣地域への無料配布を実施するなどした。それに対して地域住民から高く評価され、その他の地域からも同ステッカーに引き合いの申し込みが同委員会に寄せられた。また、この部落においては、教会(王国会館)の建設反対運動が活発に行われたが、最終的に建設された。

JW.ORG(公式サイト)[編集]

2020年5月時点では、手話言語を含めた1021言語に翻訳されており、世界で最も多くの言語に翻訳されたサイトとなっている[48]。聖書に基づいた様々な教えやアドバイスが記されている。また本サイトから聖書レッスンの申し込みや世界的活動への寄付(クレジットカードデビットカードを使用)、出版物やビデオ、音楽のダウンロード[注 4]が可能である。

裁判・法的規制[編集]

バーネット事件[編集]

米国ウェストバージニア州で、星条旗への忠誠の誓いを拒んだ女性信者の姓にちなむ行政訴訟。

第二次世界大戦中の1943年6月14日米最高裁判所は「エホバの証人の子弟を放校する権利は教育委員会にはない」という判断を下し、勝訴が確定した。  

輸血拒否にかかる事案[編集]

1985年(昭和60年)6月6日、日本の小学生の男児(当時10歳)が神奈川県川崎市高津区交通事故に遭い、両親が輸血拒否したことにより死亡したとされる事件[6]では、男児の父親が新聞記者に「男児が病床で『生きたい』と語った」と証言したため(ただし現場を目撃した医療関係者は、これに否定的見解を示している)、「なぜ救うことができなかったのか」という批判がマスコミを中心として渦巻くことになった[33][49]

その後1988年(昭和63年)、裁判所は「輸血をしても命は助からなかった」と判断、略式命令が下され児童の両親は無罪、運転手が業務上過失致死罪で起訴され罰金15万円の有罪となった(川崎簡略式 昭和63.8.20)。2000年(平成12年)2月19日には、日本の最高裁判所は、「宗教上の理由で輸血を拒否する意思決定を行う権利は人格権の一内容として尊重される」と認め、「無断で輸血を行った医師と病院はこれを侵害した」として患者の遺族(患者は一審判決後に死去。)に55万円の支払いを命じる判決を下した。

なおこの事件では、マスコミ(特にTBSテレビ)による執拗なバッシングが行われた[証人 22]

神戸高専剣道実技拒否事件[編集]

神戸市立工業高等専門学校のエホバの証人の信者である生徒が、「必須科目であった体育での剣道の科目を履行しなかったことで、退学または留年処分になったこと」の是非が争われたケースで、1996年(平成8年)3月8日、日本の最高裁判所は、学校側が主張する剣道の必須性を退け、「格闘技を拒否された場合の代替措置を用意しなかったことは、学校側の落ち度である」と指摘し、「退学または留年処分は不当である」との判決を下し、勝訴が確定した。

性的児童虐待[編集]

2012年6月13日、米国カリフォルニア州のアラメダ上級裁判所(一審裁判所)[50]で行われた裁判で、当協会は約800億円相当の協会の資産の凍結を命じられ、賠償金280万ドル(22億円)の40%を支払うように命じられた。判決によると、エホバの証人の男性信者が当時9歳だった少女に1年の間性的虐待を加えているという通報を知りながら、罪を立証するには2人ないし3人の証人が必要との教理(コリントの信徒二13:1)が結果的に警察へ通報を妨げることになり、長老たちが決定した組織的な隠蔽であり違法との判決に至った。その後、エホバの証人側は同州控訴裁判所(二審裁判所)に控訴の後、原告側と和解した[51]。なお同様の被害が、イギリスオーストラリアで計1600人以上隠蔽されていたとの報告があり、国による調査や告訴が多数なされている[52][53][54][55][56]

兵役拒否に対する処罰[編集]

兵役や国家に対する忠誠の拒否などで処罰されたものある。

エホバの証人は「彼らはそのつるぎを打ちかえてすきとし、そのやりを打ちかえてかまとし、国は国にむかってつるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない」(イザヤ書2章4節)という聖書の記述に従っているためであるが、当該国の軍事当局から見れば従軍拒否などはあくまでも法令違反とされる場合がある。代表的な事例として、ナチス・ドイツにおいて兵役を拒否したためにより強制収容所に送致され多くが処刑された出来事などが挙げられる(「エホバの証人とホロコースト」参照)。2017年現在でも一部の国々で同様の事例が存在する[証人 23]

韓国では、これまで良心的兵役拒否が認められていなかったため、兵役拒否は法に基づき処罰されてきた。この処罰を受けた人は、1954年から2018年まで約2万人に上った。その99.2%がエホバの証人の信徒とされる[57]。しかし、2018年11月1日、韓国の大法院(最高裁判所)は良心的兵役拒否が犯罪ではないとの判決を下し、合計65人のエホバの証人が釈放された。[証人 24]

ロシアでの活動禁止措置[編集]

ロシアの法務省は、エホバの証人を「過激主義団体の一つである」と認定し、布教活動および集会を禁じる措置を行っている。エホバの証人が配布したある小冊子に、作家レフ・トルストイの言葉が引用され、ロシア正教会の教理が「迷信で呪術的」と記載されていたのを司法省が問題視したという[58]。法務省はこれに先立ち、同団体内での「過激主義的な行動」の兆候をつかんだと発表していた[59]。ロシア政府は「憎悪を煽り、市民の人間としての尊厳を軽んじている」と非難、訴状には「この団体は国家を尊重せず、あらゆる市民的な結びつきを弱らせ、国の安全を破壊する」と記されていた。エホバの証人側はロシア​連邦​最高​裁判​所に撤回を求める裁判を起こしたが、最高裁は法務省側の主張を支持し、エホバの証人は2017年4月よりロシア国内の活動を禁止されている[証人 25]。この弾圧に対し、国際宗教自由委員会(USCIRF)の議長でイエズス会の司祭トーマス・J・リースは「ロシア政府の今回の措置は、同国内でのエホバの証人の法的存在を抹消することを目的としているようだ。USCIRFは、この平和的な宗教団体に対する弾圧を止めるよう、ロシア政府に要請する」[58]と声明を発表した。

題材作品[編集]

小説[編集]

  • 説得―エホバの証人と輸血拒否事件』 - 1988年大泉実成。1985年6月に神奈川県で実際にあった、出血多量で死んだ小学生の輸血拒否事件を基に、ある信者家族の信仰と生命の尊さを巡る葛藤を一人のルポライターが克明に綴ったノンフィクション小説[33]。1993年にTBSでドラマ化され話題になった。

ドラマ[編集]

映画[編集]

  • 『あかぼし』渡辺主演。精神のバランスを崩し新興宗教にのめりこんでいく母親を、幼い息子の目を通して描く[60][61]

書籍[編集]

  • 船瀬俊介、内海聡 両著『血液の闇』((三五館 ISBN 978-4883206162、2014年)ーテレビドラマや小説の「説得」その他、昭和天皇崩御の際の輸血についても触れている。副題 輸血は受けてはいけない)。(船瀬俊介著(医療ジャーナリスト)、 内海 聡著(内科医、Tokyo DD Clinic院長) (2014年6月)

コミック[編集]

  • 『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』たもさん著。 - 10歳の時に母親に連れられてカルト宗教に入信。進学や夢、友人関係など、多くのものを宗教による制限のために諦めてきたが、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけにカルト宗教への違和感を強め35歳の時に脱退。体験をコミックエッセイとして描いている。著者は「おわりに」でエホバの証人について「子どもの人権を侵害し、自由を奪い、教えに背くなら存在を否定し、輸血拒否で実際に命を・・・」と記している[36]

脚注・引用[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 2017年9月1日 - 2018年8月31日。エホバの証人の奉仕年度をアメリカの年度に合わせている為である。
  2. ^ もっとも、神の名をどう発音するかではなく、神の名を敬意を込めて用いることが重要である。例えば人名を挙げると「マイケル」という名前は言語によって綴りも発音も変わる(ミッシェル、ミゲル、ミヒャエル、ミハイル等)。
  3. ^ 破門に相当する。
  4. ^ ダウンロードはakamaihd.netサーバを通して行われる。

出典[編集]

  1. ^ Court Trial Testimony Redwood City”. Superior Court of the State of California (2012年2月22日). 2014年4月20日閲覧。 “I am general counsel for the National Organization of Jehovah's Witnesses out of Brooklyn, New York. ... We are a hierarchical religion structured just like the Catholic Church.”
  2. ^ 島薗進『何のための「宗教」か?―現代宗教の抑圧と自由』青弓社 1994年
  3. ^ 井門富二夫『カルトの諸相 キリスト教の場合』岩波書店 1997年
  4. ^ Anthony A. Hoekema (1963). The Four Major Cults:Christian Science, Jehovah's Witnesses, Mormonism, Seventh-day Adventism. Eerdmans. ISBN 0-85364-094-7 
  5. ^ 『日本大百科全書(ニッポニカ)』(エホバの証人)川又志朗
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  13. ^ 神の組織は、神のご意志を行なうために協力して働く、天と地にいる者すべてによって構成されている。「 神の組織の一員として安全を保ちなさい」
  14. ^ 「義なる者たちは地を所有し,そこに永久に住む」
  15. ^ イエス・キリストの目に見えない「臨在」は、異邦人時代の終わった1914年に始まったとされ、それ以後の期間が「終わりの日」に相当するとされている。「 復活の行なわれるその終わりの日に今生きる」
  16. ^ なにゆえキリストの道なのか(32)聖書を教える“エホバの証人”はキリスト教ではないのか 正木弥:クリスチャン・トゥデイ
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  26. ^ 幸福の科学出家騒動は清水富美加個人の責任なのか? カルト宗教信者の子どもたちが抱える問題 - リテラ-エホバの証人も含めた新興宗教の信者を親にもつ子どもたちについて書かれている。
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エホバの証人の公式サイト・出版物など[編集]

[脚注の使い方]
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]