超教派

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超教派(ちょうきょうは、Ecumenicity; Super-denominationalism, Interdenominationalism)は諸宗教との対話、超教派的を示唆する。名詞形「エキュメニスティ」の形容詞形「エキュメニカル」や「エキュメニズム」はキリスト教界の一致した働きに用いられている。厳密な意味では「超教派」の定義に含まれないことが多い。「エキュメニカル(ecumenical)、「エキュメニズム」が使われる場合、ローマ・カトリック教会、プロテスタント教会、正教会、東方教会の合同礼拝などを指している。

「エキュメニスティ」の語源は「世界」(ギリシャ語「οἰκουμένη オイクーメネー oikoumene)から派生した。オイクーメネーは「家」(ギリシャ語「οἶκος オイコス oikos)に由来する。神が創造された地に「産めよ、増えよ、地に満ちて」という祝福にそって世界的な広がりを形容する言葉 オイクーメニコス(「ラテン語: oecūmenicus、ドイツ語エクメーネ)に派生した。

概要[編集]

教派、超教派の語はそれぞれの立場によってニュアンスと協力範囲の相違が存在する。

超教派と呼ぶ場合、世界教会協議会(WCC)が意識され、キリスト教界だけでなく、諸宗教との対話も含まれる。近年、ジョン・ヒックの宗教多元主義の影響を受けている。したがって、イスラーム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、仏教、神道などと平和について話し合う。世界宗教者平和会議 WCRP(World Conference of Religions for Peace)のように諸宗教が同じテーブルにつく。

福音派のエキュメニカル運動は聖書信仰福音主義に同意するプロテスタントのクリスチャンに限定される。福音主義のローザンヌ誓約は、あらゆる類のシンクレティズム(混交宗教)や異教との対話(ダイアローグ)をキリストと福音に対する冒瀆として退ける[1]。さらに狭い範囲では聖霊派を除外した福音派のみを指して超教派と称する。日本の福音派の指導者尾山令仁は、聖書信仰に立つ福音派と聖霊派の協力を訴えた。 福音派の第5回日本伝道会議において竿代照夫は、超教派という訳語について疑問を呈し、教派が相互に協力するという意味において「協教派」と呼びたいと述べた[2]

脚注[編集]

  1. ^ ジョン・ストット著『ローザンヌ誓約-解説と注釈』いのちのことば社
  2. ^ 『リバイバル・ジャパン』2009.11.15号

参考文献[編集]

  • 「キリストはキリスト教だけのものではない」( 記者会見 神戸国際支縁機構 2020年)。
  • 世界宗教者平和会議
  • 『キリスト者の一致』ロイドジョンズ いのちのことば社

関連項目[編集]