ヒートロッド

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ヒートロッドは、アニメガンダムシリーズ』に登場する状の架空の武器。

本項では、同シリーズに登場する類似した武器についても併せて記述する。

ヒートロッド

一年戦争時(宇宙世紀0079年)に、ジオン軍によって開発されたモビルスーツ (MS) 「グフ」の右腕に内蔵された固定武装である。鞭自体の発する熱によるダメージに加え、電撃を送り込むことによって敵MSの電気系統をショートさせて行動不能にさせる、あるいはパイロットを感電させてじわじわ苦しめる効果がある(劇中描写はむしろこちらがメインである)。当時のアニメの(サディスティックな)敵役が多用する「電気ムチ」のMS版であり、主に敵役キャラの「特技」として個人専用機が搭載多用する。劇中では、ミミズのような形状に多重関節を持つかなりの太さを持ったケーブルとして描かれるが、後の作品ではワイヤーケーブルの先端に錘をつけたものとしても描かれる。

グフに搭乗したランバ・ラル大尉ホワイトベース隊MSと交戦した際に多用され、アムロ・レイガンダムカイ・シデンガンキャノンなどを苦しめた。しかし、ジャブロー降下作戦時に登場した一般パイロットの駆るグフは、ヒートロッドをあまり使用していなかった。その後もアッグガイのような格闘戦重視型のMSに採用されたり、旧ジオン軍のMSを意図的に模して作られたオールズモビルのRFグフで採用された例はあるが、後の宇宙世紀ではほとんど廃れた武器となっている。

名称については、ロッド(rod)ではなく鞭(ウィップ)状であるとの矛盾が生じている[要出典][1]。なお、後世の世界を描いた『機動戦士ガンダムF91』には、試作型モビルアーマー (MA) 「ラフレシア」が「テンタクラーロッド」という触手状の武装を使用している。

類似の武装

海ヘビ
グリプス戦役期(宇宙世紀0087年)に登場したMS用の手持ち式オプション装備。グリップとそこから伸長するワイヤー、敵に絡み付けるプローブ部から構成されている。
ヒートロッドとは異なり熱が出ず、電撃のみでダメージを与える。グリプス戦役ではヤザン・ゲーブルの率いるハンブラビ隊のみが使用していた。同小隊は3機のハンブラビの間に張った網で敵MSを捕らえて電撃を流す「クモの巣」という武装も使用しており、これらの高圧電流武器を使うことに長けていたようである。
また、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するギラ・ドーガもこの海ヘビに酷似した武装を持ち、人質を取られて身動きの取れないνガンダムを電撃で攻撃するシーンがある。その後、『機動戦士ガンダムF90』(宇宙世紀0120年)でオールズモビル軍のRFザクがガンダムF90を奪取した際に類似の武装を使用しているが、ワイヤーを絡めるだけで電撃を流す描写はなかったため、同一のものかは不明である。
ワイヤーアーム
宇宙世紀0080年代中盤、ジオン残党の改造MS「シュトゥッツァーシリーズ」が使用した装備。ウインチユニットと、ワイヤー先端に取り付けられたザク系MSの下腕部を流用したと思われる腕で構成されている。
3機の連携でワイヤートラップを張り、絡まった敵MSに電流を流して機器をショートさせるという、ハンブラビの「クモの巣」に似た戦法で攻撃する。単機での使用も可能となっており、敵MSの拘束などに使用される。
ビームストリングス
ザンスカール戦争期(宇宙世紀0150年代)のザンスカール帝国のMSは宇宙用の武装として「ビームストリングス」と呼ばれる電撃ワイヤーを装備したものが多かった。
「ビーム」という名称は宇宙空間で広がる細いワイヤーが光線のように見えるためであり、ビームライフルやビームサーベルといったビーム兵器とは全く異なる武装である。

宇宙世紀以外の類似兵器

新機動戦記ガンダムW』(アフターコロニー世界)では、ガンダムエピオン及びトールギスIIIが使用する武器として存在する。V字状の刃をいくつも連ねた鞭となっており、近接戦で高い威力を発揮した。こちらは熱のみで破壊力を付加する。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(コズミック・イラ世界)では、グフイグナイテッドが両腕部に格闘戦用の鞭「スレイヤーウィップ」を装備している。スレイヤーウィップに高周波パルスを発生させ、絡め取った物体を物理的に破壊することが可能である。

機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン』(西暦世界)では、リボーンズガンダム及びMAのエンプラスやレグナントが、敵に向かってワイヤーを飛ばし、そこから電撃を流して攻撃する「エグナーウィップ」を装備している。こちらの武装は海ヘビに近い。

機動戦士ガンダムAGE』(Advanced Generation世界)では、ガンダムAGE-2ダークハウンドにフック型の有線射出兵器「アンカーショット」が装備されている。この武装は敵パイロットや電子機器に高圧電流を流し込み、直接ダメージを与えることが可能である。

脚注

  1. ^ 「rod」には「硬鞭」という訳もあるが、これは細くて硬い、まっすぐな棒を指すものである。

関連項目