機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-

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機動戦士ガンダム ピューリッツァー
-アムロ・レイは極光の彼方へ-
漫画
原作・原案など 矢立肇富野由悠季
作画 才谷ウメタロウ
出版社 KADOKAWA
掲載誌 ガンダムエース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 2021年10月号 -
発表期間 2021年8月26日 -
巻数 既刊2巻(2023年7月25日現在)
その他 脚本:大脇千尋
関連作品
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-』(きどうせんしガンダム ピューリッツァー アムロ・レイはきょっこうのかなたへ)は、矢立肇富野由悠季原案、大脇千尋脚本、才谷ウメタロウ作画による漫画作品。『月刊ガンダムエース』 (KADOKAWA)にて2021年10月号より連載中[1]

機動戦士ガンダム』の登場人物であるキッカ・コバヤシ(旧姓キタモト)を主人公として、宇宙世紀0094年を舞台にキッカが伝記執筆のためにアムロ・レイの足跡を追い、関係者から話を聞くストーリーである[1]

2巻の発売にあたって、カイ・シデン( - 古川登志夫)がキッカにエールを送る内容のPVが2023年7月25日から同年10月25日の期間限定で、YouTubeのKADOKAWAanimeチャンネルにて公開された[2][3]

あらすじ[編集]

宇宙世紀0094年。第二次ネオ・ジオン抗争で行方不明とされていたアムロ・レイの戦死が確定され、サイド1のロンデニオンで開催される「第二次ネオ・ジオン抗争戦没者追悼式典」にはアムロの名も刻まれることになった[4]

キッカ・コバヤシは月のセント・ジョセフ大学に在学。宇宙世紀0093年にマウント・フジ出版の新人賞を獲得し、在学中にファンタジー小説の作家デビューを果たしていた。世に出回っているアムロを題材とした小説、伝記に違和感を覚えるキッカは、「英雄ではないアムロ像」を自ら執筆すべく取材を行う[4][5]

主な登場人物[編集]

キッカ・コバヤシ
主人公。月のセント・ジョセフ大学へ進学し、在学中に作家デビュー。
月の出版社に「実像のアムロ」を描く小説の企画を持ち込むも、「大衆受けしない」とやんわりと拒否され、元ホワイトベース乗員という売りは良いとゴーストライターによる執筆を持ちかけられる。それを断り、卒業までに書き上げたら出版する約束を取り付ける。
フラウ・コバヤシ
キッカの養母。日本の静岡県に住居をかまえる。戦没者追悼式典での元ホワイトベース乗員としてのスピーチ依頼は断っている。
キッカに養父ハヤト・コバヤシの遺した手紙と、カイ・シデンの連絡先を教えた。
レツ・コバヤシ
キッカの義兄。戦死した義兄・カツに代わってシズオカの実家を守っている。
ハヤトとフラウの実子。キッカ、レツにとっては義妹。名前は明らかになっていない。
カイ・シデン
元ホワイトベース隊のMSパイロット。現在はジャーナリストとして名を馳せており、その動向はブライトやセイラと同等に連邦からも注視されている。アムロの足跡を取材するキッカに元ホワイトベース隊や様々な関係者といった人たちの現在の連絡先などを教える。アジア地区で直接通話で会話した際に彼なりにアムロとの関係にけじめをつける意図があったと知らされる。
キッカは最初に連絡のメールを送った際、畏まり過ぎた文面から「一年戦争当時(15年前)の自分が、居住まいを正している姿を同様に当時のカイに大笑いされている姿」を想像していた。
当初は連絡リストや一部の取材パスの手配以上の干渉はしないつもりだったが、ルオ商会がサイコフレームに関して食指を動かしている情報をオスカから聞くことになる。
ジョブ・ジョン
元ホワイトベース隊のMS予備パイロット。戦後、民間人に活躍の場を奪われたという悪評が経って軍にも故郷にも居辛くなって各地を渡り歩く。宇宙世紀0095年時点では第二次ネオ・ジオン抗争でフィフス・ルナが落着したラサで復興作業用MSパイロットとして働いている。
アムロの才能を見出し、アムロを中心とした戦術を組み立てたブライト・ノア、同じくアムロの才能を見出していたリュウ・ホセイについて語る。オムルからは「ホワイトベースの何でも屋」と評されるが、器用貧乏なだけで何一つ大成しなかったと自嘲するも、サナリィへの転職を勧められる。
オムル・ハング
元ホワイトベースのメカニック。グリプス戦役ではカラバに参加したが終結後に退役。宇宙世紀0095年時点ではサナリィに所属しており、ジョブに会おうとしていたが、カイからキッカが取材のために当のジョブの元に向かっていることを聞いて、ラサにやって来た。
アムロがほとんど独力でMSシミュレーターを組み上げ、鹵獲したザクの出力性能を調査してシミュレーターの精度を上げたり、ガンダムの整備にもアムロが携わっていたことを証言する。メカニックとしては整備に熱心なのは有難かったが、最終的に反応炉の設定まで指定してくる要求のシビアさ細かさには呆れることもあったという。
サナリィの企画準備室長という肩書で人材集めをしており、サイド4に設立予定の支社にジョブ・ジョンを勧誘する。
オスカ・ダブリン
元ホワイトベースのオペレーター。宇宙世紀0095年時点でも連邦軍の情報局に所属。ロンド・ベルを外部から支援するためにロンド・ベルへは参加しなかったとのこと。第二次ネオ・ジオン抗争の際にはνガンダムを発注する段取りに手を貸した。キッカに一年戦争時のホワイトベース隊の動向データを提供したほか、戦後メディアに対してアムロが「ニュータイプとはなにか」を語ったが理解され難く、大衆には「戦場において突出した戦果を挙げる者」をニュータイプと呼ぶようになったことを語る。
情報局としての柵から、ステファニー・ルオとキッカを引き合わせたが、キッカを無用な危険に巻き込む気はない様で、ルオ商会の動向をカイに伝える。
カマリア・レイ
ラサからの避難民キャンプでボランティア活動を行っている。アムロとは一年戦争時以来会ってないが愛していることを語る。
カイからは取材前にアポを取った場合、下手をすれば「逃げられるかもしれない」とアドバイスされていた。キッカは離れて暮らす母親、留守がちな父親(テム・レイ)と、アムロは(彼自身が感じ取れるという意味での)両親からの愛情が薄かったのではないかと思いをはせる。
ステファニー・ルオ
オスカの紹介でキッカのインタビューを受け、ニューホンコンで出会ったアムロの印象を語る。
キッカに自社にスカウトしていたモスク・ハンを引き合わせたほか、資金援助を申し出ると共に、セイラ・マスの所在地までの航空券を渡す。
セイラ・マス
元ホワイトベース隊の通信士、後に戦闘機パイロット。セイラが主宰する戦災孤児支援の財団との関係から、ステファニー・ルオとの知遇を得ている。また、宇宙世紀0095年時点ではリィナ・アーシタがセイラの下にいる。
キッカにはアムロ、シャア、ララァ・スンの関りについて証言する。
ベルトーチカ・イルマ
カラバに参加していたジャーナリスト。宇宙世紀0095年時点ではカラバから離れ、フリーランスの情報屋となっている。ステファニー・ルオとの関連から、偽名カレン・ラッセルでキッカにコンタクトを取った。
編集者(仮)
「ザ・フォン・ブラウン・タイムズ・パブリッシング」の編集者。名義貸しを勧めるような意地の悪いことを言いつつ、キッカの本音を引き出し「書き上げたものを読んで決める」と告げた。

書誌情報[編集]

  • 矢立肇・富野由悠季(原案)、大脇千尋(脚本)、才谷ウメタロウ(漫画) 『機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、既刊2巻(2023年7月25日現在)
    1. 2022年8月26日発売[6]ISBN 978-4-04-112925-8
    2. 2023年7月25日発売[7]ISBN 978-4-04-113964-6

出典[編集]

  1. ^ a b “アムロ・レイの足跡を大人になったキッカが辿る、ガンダムエース新連載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年8月26日). https://natalie.mu/comic/news/442524 2022年9月2日閲覧。 
  2. ^ カイ・シデンがキッカにエールを送る「ガンダム ピューリッツァー」2巻記念PV”. コミックナタリー (2023年7月25日). 2023年7月27日閲覧。
  3. ^ 機動戦士ガンダム ピューリッツァー:キッカがアムロの足跡たどる “カイ・シデン”古川登志夫がキッカにエール PV公開”. MANTANWEB (2023年7月25日). 2023年7月27日閲覧。
  4. ^ a b “機動戦士ガンダム ピューリッツァー:20歳のキッカ アムロの足跡たどる コミックス第1巻発売”. MANTANWEB (MANTAN). (2022年8月26日). https://mantan-web.jp/article/20220826dog00m200025000c.html 2022年9月2日閲覧。 
  5. ^ “アムロの伝記を書くキッカが関係者を取材する「ガンダム ピューリッツァー」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月26日). https://natalie.mu/comic/news/491208 2022年9月2日閲覧。 
  6. ^ 「機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-(1)」公式情報”. webエース - 角川コミックス・エース公式サイト. KADOKAWA. 2022年9月14日閲覧。
  7. ^ 「機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-(2)」公式情報”. webエース - 角川コミックス・エース公式サイト. KADOKAWA. 2023年7月25日閲覧。

外部リンク[編集]