ドップ

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ドップは、アニメ機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』などに登場する架空の兵器ジオン公国軍大気圏内用戦闘機である。

ドップ[編集]

当初地上侵攻作戦を予定していなかったジオン公国軍が急造した戦闘機。その後地上作戦が膠着化していくにつれ、国力の乏しいジオンの主力戦闘機として活躍していくようになる。30mm6連装戦闘砲[1]を中央部に、6連装ミサイルランチャーをその周辺部に備えた武装ポッドを、2枚の垂直尾翼の付け根に左右一基ずつ装備する。ただし、テレビ版および劇場版では、30mmバルカンとミサイルランチャーのどちらも周囲の穴から発射される描写等が見られる。また、『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』第1話では、赤外線誘導地対空ミサイルを回避するため、フレアを射出している。

スペースコロニー国家であるジオンの技術者たちは、大気圏内航空機に関するノウハウも試験飛行を行う場所もなく、コンピューターシミュレーションによって本機を開発したとされ、試験飛行では試作1〜4号機までことごとく墜落したと記録されている[2]。確認されている最高速度はマッハ5(テレビ版22話、オスカの報告)。空力特性がきわめて悪い機体を大推力のエンジンと多数の姿勢制御バーニアで強引に飛翔させているため、運動性は高いものの航続距離は短く、運用には母艦となるガウのサポートが欠かせない。ミノフスキー粒子散布環境下の有視界戦闘を前提に設計されており、操縦席が機体から上方に大きく突出し、視界が広く取られている。

上記の通り、空力特性の悪い機体をエンジンとバーニアで強引に飛翔させて、殆ど揚力で飛行しないが利点はあり、ガンダムに主翼を斬られたガルマ・ザビ機は、この特性のお陰で墜落を免れている。機体色は緑。ガルマ専用機は茶色。

本編での活躍[編集]

  • ホワイトベースが地上に降りてから頻繁に登場している。編隊を組んでホワイトベースを攻撃した他、モビルスーツと共同作戦をとることもあった。ガルマ・ザビも専用ドップに乗り、自ら部隊を率いてガンダムと渡り合っている。基本的にヤラレ役であり、劇中では撃墜されるシーンがほとんどである。第25話では、前日の戦闘で戦死したマッシュの仇を討たんとする黒い三連星とドップ部隊が行動を共にし、マ・クベ軍本陣からホワイトベースまで長距離を移動。ガンダムとホワイトベースを攻撃した。
  • 『機動戦士ガンダム第08MS小隊』では、第4話、第6話、第7話に、ジオン公国軍試作モビルアーマー「アプサラス」の護衛として登場。常に2機編隊だった。第4話ではドップにノリス・パッカード大佐が搭乗し、08小隊と交戦した。僚機が陸戦型ガンダムに撃墜され、ノリス機も損傷して撤退した。第6話で登場した1機は、74式ホバートラックの20mmガトリングガンで撃墜された。第7話では再びノリスが搭乗し、アプサラスII捜索に従事。ジェット・コア・ブースターを空戦の末に撃墜するが、僚機も撃墜されている。
  • 『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』では、現実のジェット戦闘機を参考にしたよりリアルな航空機描写を付加して描かれている。1機が地対空ミサイルを回避しきれず、撃墜された。
  • 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、「ガルマ編」にてキム伍長のガンタンクにミサイルを直撃させて撃破した。
  • 漫画『機動戦士ガンダム0079』では、通常機の他、翼を大型化した機体がジャブロー攻略戦において気化爆弾を使用。擬装林を焼き払い宇宙船ドックのメインベイハッチを露出させ、ガウ爆撃の先導役も果たした。
  • 小説版『機動戦士ガンダム』では、ガルマ率いるガウ搭載の宇宙戦闘機として登場。装備しているリム対艦ミサイルによってペガサスを襲撃したが、迎撃で多数が撃墜され、母艦(ガウ)3隻を撃沈されて撤退している。

模型化[編集]

メインでガンダムと交戦した敵メカでガンプラブーム時に唯一プラモデル化されなかった。当時、森永製菓製の食玩「機動戦士ガンダム ミルクキャラメル」で商品化され、スケールは1/144(この食玩はアイテム毎にスケールが異なり、1/144と設定されたのはドップのみ)。

その後十数年経過して、超合金の「可動戦士ザク」に完成品モデルが付属した後に、EXモデルの第4弾として正式なプラモデルがリリースされた。

バリエーション[編集]

ドップ改
書籍『M.S.ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』において多数登場している機体だが、あくまでもリファイン版であり、別機種という訳ではない。デザインは『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のために出渕裕が描いたものの劇中には使用されなかったラフ画稿[3]を元にしているが、キャノピーの下に窓を有し、下部垂直尾翼はオミットされ、主翼の形状も異なる。
ドップII
漫画『機動戦士ガンダムZZ外伝 ジオンの幻陽』の単行本下巻の巻末ページで、大河原邦男によるドップの設定画を「ドップII」として紹介しているが、作品中に通常のドップは全く登場しないため、同作品におけるアレンジされた形状のドップがそれに該当すると考えられる[4]。デザインはドップ改のラフ画稿[3]ほぼそのままで、下部垂直尾翼を二つ有し、キャノピーの下部の窓がオミットされている。また同漫画の劇中では、翼下にミサイルを懸架した本機が、エンドラ級巡洋艦インドラに配備され、ニューヤーク攻略作戦において戦線に投入された様子が確認できる。
リトル・ドップ 
MSV-R』に登場する、グフ複合試験型に内蔵された機体。ジオン版コア・ファイターとして作られたのではないかと推測されている。

備考[編集]

Wikipediaの当記事に掲載されていた型式番号「DFA-03」は、個人のウェブサイトで創作された非公式設定が無断転載されたものである[5]。ただし『ガンダムエース』誌に掲載された外伝作品、『U.C.HARD GRAPH』小説版での使用が確認されており、設定として取り入れられている可能性がある。

脚注[編集]

  1. ^ 皆川ゆか機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』 講談社、512頁。
  2. ^ みのり書房『ガンダムセンチュリー』50頁。
  3. ^ a b 『VISUAL COMIC 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 (Vol.2)』、バンダイ、1989年10月。同書では、「ドップ・アドバンスド」と名称が付けられているが、あくまで没となったラフデザインに付けられた物。なお、月刊『ホビージャパン』にて連載された模型作例オリジナルの機体に「アドバンスド・ドップ」が存在するが、形状はドップから全く離れており関連性はない。
  4. ^ 「II」の呼び方及び、ドップ改との関連は不明。紹介時の画稿が矛盾する事から、設定として明確に定まった物ではない可能性もある。なお、月刊『ホビージャパン』に連載された模型作例オリジナルの機体に「ドップII(ドップ・ツヴァイ)」が存在するが、形状は大きく異なる物であり関連性はない。
  5. ^ 創作元サイト「Fly on the Cloud! オータム マガジン」宇宙世紀の駄ッ作機・創作形式に関するメモ参照。

関連項目[編集]