ジオン公国

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ジオン公国(ジオンこうこく, Principality of Zeon,稀にZeon Dukedom)は、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズにて登場する架空の国家。『機動戦士ガンダム』では、主人公アムロ・レイが所属することになる地球連邦軍に、敵対する勢力として登場する。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 概要

地球周回軌道上で地球からは最も遠い月の裏側に位置するサイド3に本拠を置くスペースコロニー国家。首都はズム・シティー。形式上議会も存在するが、事実上総帥ギレン・ザビによって掌握されており反対派(ダイクン派)は粛清されている。そのため首相のダルシアも半ば傀儡と化している。

ジオニズムを国是と称するが、ザビ派的解釈によるジオニズムは「人の革新」が単なる「選民」に堕してしまっている。形式的には最高指導者は公王のデギンで、ダルシア首相が政府の首班である。しかし、実質的には公王の子息のギレン・ザビが総帥として権力を掌握していた。一年戦争において地球連邦政府に宣戦を布告する。

総人口は1億5000万で、100億を超える地球圏の総人口の大半が連邦に帰属する中では(月面都市群やサイド6等の中立地域の存在を考慮しても)圧倒的に不利な状況にあり、国力も地球連邦の30分の1以下であるとされる。しかし優秀な将兵や優れた軍事技術を保有しており、特にミノフスキー物理学時代の申し子であるモビルスーツを連邦に先駆けて実用化した事により、公国軍は極めて精強で一時は連邦を圧倒する活躍を見せた。

主な産業は製造業で地球連邦向けの輸出で潤う一方、資源が不足しており資源開発に多大な投資を行ってきた。宇宙世紀0034年には資源枯渇による急激なインフレが発生し、翌0035年には通貨危機が発生。0042年には工業生産力がピーク時から4割低下し、混乱した国民が強い指導者を求めた結果ザビ家の独裁政治を許す結果となった。その後奇跡的に経済は持ち直すが国民の資源枯渇に対する恐怖は、資源を多く持つ地球への侵略戦争へと国を導く。


「ジーク(Sieg=勝利)」という掛け声や、選民思想を持った指導者が国を率いることなどはナチス・ドイツをモデルとしているが、「解放」をうたう戦争の大義名分や戦争末期の悲惨な抵抗戦闘の描写、戦後の政府が連邦に協力したことなど、ジオン公国は大日本帝国とその後の日本の歩みそのものである。序盤戦には活躍したが戦争後期には旧式化していったザクは大日本帝国の零式艦上戦闘機を思わせる[1]企画段階のメモでは「ジオン皇国」との表記も見られる[要出典]

また、国号の「ジオン」の綴りは元々「ZION」であったが、読みが「シオン」となり、文字通りシオニストの国を意味してしまい不穏当なため、最近の書籍やプラモデルなどでは「Zeon」と綴られるようになった。

[編集] ジオン公国の歴史

[編集] 一年戦争開戦前

宇宙世紀0050年代、宇宙移民者(スペースノイド)たちの間に、被抑圧者階級としての自覚が高まってきていた。
新たなフロンティア開拓の美名のもと、人々(=労働者)は宇宙で暮らしはじめたのであるが、“地球環境保全のため人類の生活圏を宇宙にシフトさせる”という理念は結果的に破られた。第1期移民が完了した時点で、移民はストップしてしまう。地球連邦の利権に群る政治家・官僚や富裕層は、宇宙より生活環境の安定している地球に居残り続けたのである。これは、先行して地球に別れを告げた移民者たち=スペースノイドにとって裏切り行為に他ならなかった。更に連邦政府は各コロニー・サイドを植民地扱いし、コロニー公社などの特殊法人を通じてありとあらゆる物に重い税金をかけるなど多くの搾取を行うようになった。

このような状況の中、地球を自然のままそっとしておくべきとする「地球聖地論(エレズム)」と、宇宙生活で独特の視野を得た宇宙生活者の自治権確立をうたう「コントリズム」を融合した思想(後の「ジオニズム」)を唱えて、シャア・アズナブルセイラ・マスの父親であるジオン・ズム・ダイクンがサイド3にて政治活動を始める。やがてその運動はサイド3全てに広がり、宇宙世紀0058年に単独での自給自足が可能となった時点でジオン共和国が誕生と同時にジオン国防隊(ジオン公国軍の前身)を設立させた。しかし、ダイクンは連邦政府との自治権をめぐる問題は、武力による実力行使ではなく、あくまで平和的に対話で解決しようとしていたと言われる。

宇宙世紀0068年、ジオン・ダイクンが死去。一説ではザビ一派に暗殺されたとされる。ダイクンの死後、共和国は彼の側近であったデギン・ソド・ザビが引き継ぐことになった。ザビ家、特にデギンはそれまでのダイクンのやり方を一変、武力闘争による独立を目指すべくダイクン派を一掃し、ザビ家による独裁政治体制を敷き、自らは公王に納まった。革命運動の英雄ジオン・ダイクンを否定しているというマイナスイメージを避けるため、国号自体は変えずにジオン公国とした。デギンはダイクン政権の対話路線から一転軍事的対決姿勢を強め、地球連邦政府に対する開戦準備を着々と進めていくこととなる[2]

更に、デギンはダイクンの正当な後継者であると周囲に印象付ける為に、彼を称え首都の名前を、ダイクンのミドルネームから取ってズム・シティーとした。

[編集] 一年戦争開戦 そして敗北

宇宙世紀0079年1月3日に地球連邦政府に対して、完全な独立を求めて宣戦布告。後に一年戦争[3]と言われたこの戦いの初期、ジオン公国軍はザクIIなどのモビルスーツを中心とした戦力や「コロニー落とし」でモビルスーツを持たない連邦軍を圧倒し、サイド1、サイド2、サイド4、サイド5各スペースコロニーを壊滅、本来同胞であるはずのコロニー住民を虐殺するにあたって、地球圏の総人口の半数を死滅させた。核兵器の使用禁止などを盛り込んだ南極条約締結後、戦線は膠着するもすみやかに地球に侵攻、鉱物資源の確保等、長期化への備えをする。

しかし連邦軍もV作戦を発動して独自にモビルスーツを開発。同時に宇宙艦艇の再建等で戦力を増強した連邦軍に徐々に勢いを持ち返され、最終的にはジオン本土(サイド3)に対する最終防衛ラインであるソロモンア・バオア・クーを陥落させられ、且つザビ家一統も不和・内紛からドズルの娘ミネバ・ラオ・ザビ以外は死亡してしまう。ジオン公国の議会によって共和国政府としての体制を整えられたジオン共和国は、宇宙世紀0079年12月31日18:00、連邦政府にサイド6を通じて休戦協定を申し入れ、連邦政府は即座に受諾、宇宙世紀0080年1月1日[4]月のグラナダにて地球連邦政府と終戦協定を結び、同年2月18日終戦条約(グラナダ条約)[5]を締結した。

[編集] 終戦後

ジオン共和国の投降勧告に従わなかったジオン公国軍残存勢力は地上においてはアフリカ、宇宙においては暗礁宙域やアクシズなどの小惑星群等へ撤退し、再起へ向けて地下勢力化していく。宇宙世紀0083年にはデラーズ・フリートが反乱を起こすが鎮圧されている。

一年戦争後からサイド3で存続していたジオン共和国は、『機動戦士Ζガンダム』の作中(グリプス戦役)においてはティターンズに協力させられていたが、『機動戦士ガンダムΖΖ』の作中(第一次ネオ・ジオン抗争)ではネオ・ジオン(アクシズ)に吸収されてしまう。そして、それまで形式的な自治を認められていたものの、宇宙世紀0093年の第二次ネオ・ジオン抗争を経て、0100年に自治権を放棄。正式に地球連邦政府の傘下となる(小説『機動戦士ガンダムUC』では0096年の段階でジオン共和国の自治権返上が決定している)。

[編集] 公国軍の編成

総司令官は総帥でもあるギレン・ザビミノフスキー粒子による有視界戦闘に対応し、多数のモビルスーツを搭載できる艦艇を中心とした部隊編成で、開戦当初は古い戦術のままであった連邦軍を圧倒した。公国軍は以下の二つの軍で構成されており、非公式な後付設定では艦隊とモビルスーツの運用における意見対立が原因で分割されたことになっている。総司令官が長男のギレン、公国軍の主要な軍の司令官はそれぞれキシリア・ドズル・ガルマであるため、国軍とはいえ実質的にザビ家の私兵のような指揮系統となっている。

ドイツの鉄十字勲章をモチーフにしたと思しき「ジオン十字勲章」という勲章制度があり、またドイツの軍艦旗をもとにしたデザインの旗もある。

宇宙攻撃軍
ドズル・ザビ麾下。公国軍の中では最大規模を誇る。主な拠点はソロモン。主な将校はランバ・ラルやコンスコン、シン・マツナガ、アナベル・ガトー、左遷される以前のシャア・アズナブルなど。
突撃機動軍
キシリア・ザビ麾下。宇宙では宇宙機動軍として呼ばれている。ニュータイプ研究など特殊な活動も行う。主な拠点はグラナダ、オデッサ。主な将校はマ・クベ黒い三連星ララァ・スン、サイクロプス隊、ジョニー・ライデン、軍籍回復後のシャアなど。特殊部隊も多い。
地球方面軍
突撃機動軍の一部。ガルマ・ザビ麾下であるが、その権限は実質上、北米地域等に限られている。広大な地球の制圧を担当しており、潜水艦隊を擁する海軍もこの一部である。また地球攻撃軍との連絡が途絶した戦争末期にジオンは宇宙軍の兵力を充当できずに学徒動員に踏み切っていることから、数的な主力はこの地球方面軍に割り当てられていたものと思われる。
親衛隊
上記の軍に属さない、ギレン・ザビに忠誠を誓う直属の護衛部隊で、その宇宙艦隊は後のデラーズ・フリートの母体となった。

[編集] 政体

一般にザビ家の独裁政治と言われるジオン公国だが首相議会が存在し、一応野党も存在していることなどから、建前としては立憲君主制とみられる。ただしダルシア首相は自ら「傀儡に過ぎない」と言っており、また議会勢力もギレンが押さえている。

君主は「公王」であるが、元来の公国とは公(公爵/duke/prince)が治める国の事である。公王というのは、元来は王ないし皇帝の臣下に過ぎない公が、実質上独立国の君主となった場合においての俗称である。ジオン公国においてそのような歴史は見られない。自称を「公国」、君主を「公」として独立国家を宣言するのは、シーランド公国セボルガ公国という実例が存在する。ただしどちらとも正式に国家として承認した国はない。

[編集] ジオン軍の派生集団

一年戦争終戦後も、ジオンの名を継ぐ反地球連邦勢力は多数登場している。

その闘争は、宇宙世紀0120年から宇宙世紀0122年に掛けての火星独立ジオン軍の武装闘争とその壊滅(オールズモビル戦役)に至るまで、実に40年以上にわたって継続した。ガイア・ギアにおいては宇宙世紀200年ごろにズィー・ジオンが存在した。

[編集] ジオン訛り

機動戦士ガンダム』作中で「ジオン訛り」という単語が現れる。ホワイトベースに潜入したフラナガン・ブーンが、同時に潜入したキャリオカに言う台詞であり、「訛りがひどいため喋るな」と指摘された。ただ、劇中では(当然の事であるが)登場人物は日本語で話しており、訛りは聞き取れず、その内容の設定も特に存在していない(そもそも作中の人物が、実際にはどんな言葉で会話しているかの設定が存在しない)。しかし、この言葉遣いでジオン公国(もしくはサイド3)の出身とわかるほど顕著だといわれている。

この設定は後に『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』においてバーニィが連邦軍基地に潜入した際にも用いられ、訛りと会話内容の間違いからジオン兵であることが判明してしまう。また、『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』においても、ガトーがジオン残党軍のユーコン級潜水艦に乗り込んだ時にジオン訛りを久々に聴いて懐かしむシーンがある。

機動戦士ガンダム MS IGLOO』では、捕獲したザクに搭乗した連邦のフェデリコ・ツァリアーノ中佐の声にジオンの警備兵が「ひどい訛り」と指摘しているが、ジオン訛りを強調して喋っていたのか、不自然な訛りだったのか、単に中佐が普通に喋ったのを「連邦訛り」だとジオン兵が揶揄したのか、劇中では判別できない。

[編集] ジオン公国の企業

[編集] 脚注

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  1. ^ モデルグラフィックス2000年3月号のインタビューで監督の富野由悠季は、モビルスーツを零戦に喩えて解説している
  2. ^ これらはかなり無理のある後付け設定である。ファーストガンダム導入部のナレーション「ジオン公国を名乗り」や、『機動戦士ガンダムIIIめぐりあい宇宙』でのシャアのセリフ「ジオンの名を使った」から考えれば、デギンによる「ジオン公国」建国以前には「ジオン」という国号は存在しなかったことになる。安彦良和の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではジオン生前の国号を「ムンゾ自治共和国」、小田雅弘執筆『MSV3連邦軍編』では「サイド3共和国」と称している
  3. ^ ジオン兵・サイド3市民は「ジオン独立戦争」と呼んでいた。
  4. ^ MSV(講談社)では、1月26日の締結とされる。一般的な手続きから考えて、1月1日は停戦が行われた日であり、休戦協定の締結は1月26日であると考えられる。
  5. ^ 一般的に終戦とは停戦または休戦→休戦協定→平和条約(または講和条約)の締結となるため、ここで締結されたのは平和条約であろう。ただし、一年戦争を終戦させた条約であるため、終戦条約と呼ばれたと考えられる。終戦協定も同様に休戦協定であるが、一年戦争の終戦を意味する協定であるため、終戦協定と呼ばれたのであろう。詳しくは条約を参照のこと
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