シナンジュ (ガンダムシリーズ)

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シナンジュは、小説およびOVA機動戦士ガンダムUC』に登場する架空の兵器

ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の首魁フル・フロンタルが搭乗するニュータイプ専用モビルスーツ (MS)。

機体解説[編集]

諸元
シナンジュ
SINANJU
型式番号 MSN-06S
全高 22.6m
本体重量 25.2t
全備重量 56.9t
出力 3,240kW
推力 128,600kg
センサー
有効半径
23,600m
装甲材質 ガンダリウム合金
武装 60mmバルカン砲×2
ビーム・ライフル×1
ビーム・サーベル×2
ビーム・アックス×2
グレネード・ランチャー×1
シールド
搭乗者 フル・フロンタル
シナンジュ・スタイン
SINANJU STEIN
型式番号 MSN-06S
全高 22.6m
本体重量 23.1t
全備重量 54.2t
出力 3,240kW
推力 128,600kg
センサー
有効半径
23,600m
装甲材質 ガンダリウム合金
武装 60mmバルカン砲×2
ハイ・ビーム・ライフル×1
ビーム・サーベル×2
ビーム・キャノン
ミサイル×2
シールド

地球連邦宇宙軍再編計画「UC計画」の一環として、アナハイム・エレクトロニクス社が開発した試作MS。かつて同社が開発したMSN-04 サザビー、RX-93 νガンダムと同じく、機体の駆動式内骨格「ムーバブルフレーム」の一部にパイロットの脳波に反応する特殊構造材「サイコフレーム」を採用したニュータイプ専用機である。

ファンネルなどのサイコミュ兵装を持たないが、ニュータイプパイロットの脳内操縦イメージを思考波としてMS内部のサイコフレームに感受させ、機体の挙動へダイレクトに反映させる「インテンション・オートマチック・システム」を搭載しており[1]、MS単体の機体制動・追従性・機動性を極限にまで突き詰めて設計されている。そのため、通常の手動操作を凌駕する反応速度と動作精度を誇り、乗り手の意思を汲み取るこのシステムを搭載する「UC計画」によって誕生した三機(ユニコーンバンシィ・シナンジュ)は、パイロットのニュータイプ能力に呼応し、サイコフレームが最大共振すると、第二次ネオ・ジオン抗争時のνガンダムと同様に、虹色の光の力場「サイコ・フィールド」を機体から発し、ほかのMSとは一線を画する驚異的な性能を見せた。

元々はサイコフレームをメインフレームに据えたMSの、一般パイロットの操縦では計測不可能な限界値を取得するべく、機械上での試験運用を目的とした実験機で、驚異的な機動力と追従性を誇るも、発生する加速度によるパイロットへの肉体的負荷は殺人的なレベル[2]で、なおかつ上記のインテンション・オートマチック・システム制御のサイコミュによる精神的負荷もあるため、並のパイロットにはまず乗りこなせない“極めて端的な[3]”MSであった。その限界値を突き詰めた設計ゆえに、人間が乗り込む機動兵器としては欠陥機とも言えるMSであったが、「赤い彗星の再来」と渾名され、ニュータイプとしてもMSパイロットとしても高い能力を誇るフル・フロンタルが操縦することにより、あくまで理論上であったそのポテンシャルを遺憾なく発揮した。

背面と脹脛側面の推力偏向スラスターのほか、全身に多数のスラスターを装備し、いかなる姿勢においても高い機動性を発揮する。背面の推力偏向スラスターは翼を想起させる形状になっており、最大出力時には羽ばたくような挙動を行う。背面の推力偏向スラスターの下部には、サザビーのものよりも大型のプロペラントタンクが配置されており、戦闘ではこれを意図的に切り離すことで囮としても利用した。その高機動性は、インダストリアル7から脱出したネェル・アーガマを攻撃する際に、周りに無数に漂うスペースデブリをまったく意に介することなく高速移動しながら戦闘していることからもうかがえる。

この機体で検証されたデータを基にユニコーンガンダムが開発された経緯があり、言わばユニコーンガンダムとは兄弟機の関係にあるが、U.C.(宇宙世紀)0094年にアナハイム社から「袖付き」に強奪され(実際には強奪に偽装した譲渡であった)、ユニコーンガンダムと刃を交えることとなった。強奪後は「袖付き」によって操縦系統の改良、推力強化が行われ、「袖付き」を象徴するフラグシップ機たるべく、全身の外装をジオン風に一新し、真紅の塗装と金色のエングレーブが施された。

ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の首魁であるフル・フロンタルが搭乗し、真紅に染め上げられた機体が、青い残光によって彗星の如く軌道を描きながら戦場を高速移動するその姿から、パイロットのフロンタルと共に「赤い彗星の再来」と渾名され、総帥シャア・アズナブルを失い士気の低下したネオ・ジオンの崇拝と士気高揚の対象となり、地球連邦軍からは恐怖の対象として畏怖されている。

バナージ・リンクスの駆るユニコーンガンダムとの最終決戦では、搭乗するフル・フロンタルの高いニュータイプ能力にシナンジュのサイコフレームが呼応し、兄弟機であるユニコーンと同様に、その機体から虹色に輝く光を発する。対峙する二機から放たれるサイコ・フィールドによって、サイコフレームを搭載していないMSでは介入不可能なほどの力場を発生させるなど、超常的な戦闘を繰り広げた。

改修前の純白の機体デザインは、PlayStation 3専用ソフト『機動戦士ガンダムUC』特装版に同梱されたシナンジュ強奪事件を描いた小説、およびダウンロードコンテンツ「エピソード0:戦後の戦争」に「シナンジュ・スタイン[4]」として登場。「袖付き」による改修後と比較して、本来“ユニコーンガンダム0号機”とでも呼べる出自の経緯もあり、連邦系MSの特徴とも言える直線的なシルエット、およびデュアルタイプのセンサー(OVA第3話において、モノアイセンサーが損傷した際、本来ツインアイセンサーがあった位置にサブセンサーが作動している)など、いわゆる“ガンダムタイプ”に近い姿・顔立ちが確認できる。OVA第2話にもアルベルト・ビストが提供した、シナンジュへの改修前と思われる機体データ画像が登場するが、スタインともシナンジュともデザインが若干異なる。これは、地球連邦軍の情報部が改修後を予測した、あくまで仮定のデータに過ぎなかったためとのこと[5]

武装[編集]

60ミリバルカン砲
スタイン時より頭部左右に内蔵された近接防御機関砲。
ビーム・ライフル
本機専用に開発された長銃身(ロングバレル)型の高出力ビーム・ライフル。腰部背面のラックに取り付け可能。オプションとして銃身下部に中折れ式グレネード・ランチャーかバズーカを、上部にサイトセンサーを取り付け可能。その威力は一般的なビーム・ライフルをはるかに凌ぎ、ロングバレルから放たれる一撃は、ネェル・アーガマのカタパルトデッキを容易に貫通するほど。射程距離にも優れ、長距離狙撃も行える。兄弟機であるユニコーンガンダムのビーム・マグナムに一撃の威力こそ劣るが、継戦能力の観点で言えば優れる。
ビーム・サーベル
スタイン時より前腕装甲内に格納される斬撃装備。前腕部に取り付けたまま使用することも可能。ユニコーンガンダムへと継承される機構の一つ。リゼルのロング・ビーム・サーベルとの鍔迫り合いに片手で押し勝ち、サーベルもろとも機体を両断するほどの出力を持つ。
ビーム・アックス
シールド裏面に2基収納されるビーム斧。シールドに装着したまま使用することもできる。サザビーのビーム・アックスと同様に、出力を上げることでビーム・ソードアックスとなる。また、2基を連結することでビーム・ナギナタにもなるなど多彩な用途が可能。ナギナタ状態で高速回転させることで、簡易的なビーム・シールドの役割を果たす。
シールド
サザビーのシールドを若干細身にした形状をしており、表面にはネオ・ジオンの紋章と金色のエングレーブが施されている。裏側にはライフルに取り付けるためのグレネード・ランチャーとビームアックスが収納される。また、ショルダーアーマーに直結しているスラスターユニットに固定することができる。先端が鋭く尖っており、打突武器としても使用される。状況によっては装備しない場合もある。
バズーカ
ユニコーンガンダムのハイパー・バズーカと同様、銃身の伸縮が可能。腰部背面のラックへの取り付けのほか、ビーム・ライフルやシールドに装着することができる。なおシールドなどに装着時は銃身を縮めているが、この場合弾頭の初速が遅くなるという欠点もある。OVA版ではグレーと白で塗装され、ビーム・ライフルに装着しロングバレルの状態で使用する。

スタイン時[編集]

ハイ・ビーム・ライフル
νガンダムHWS仕様のハイパー・メガ・ライフルに似た形状の大型火器。
シールド
同じくνガンダムのシールドに似た形状で、裏面にビーム・キャノンとミサイルを持つ点も共通する。

ネオ・ジオング[編集]

諸元
ネオ・ジオング
NEO ZEONG
型式番号 NZ-999
全高 116.0m
重量 153.8t
装甲材質 ガンダリウム合金
搭乗者 フル・フロンタル

OVA第7話に登場予定。シナンジュをコア・ユニットに据えた拠点攻略用巨大モビルアーマー(MA)。一年戦争終盤にシャアが搭乗したジオングの名称とコンセプトを踏襲し、脚部を排除した純粋な宙域専用機として完成した。サイコ・フレーム技術を基点とした多彩な兵装を備え、下半身にはα・アジールのものに似た長大なプロペラント・ブースターが接続されている。

脚注[編集]

  1. ^ PlayStation 3専用ゲーム『機動戦士ガンダムUC』「エピソード0:戦後の戦争」より。
  2. ^ 本機体の実証データを基に開発された兄弟機・ユニコーンガンダムの専用パイロットスーツには、このパイロットへの殺人的G負荷を緩和するため、「DDS」とよばれる対G用薬剤投与システムが搭載された。
  3. ^ プラモデル「シナンジュ」組立説明書, 1/144スケールモデル HGUC, バンダイ 
  4. ^ 「スタイン/シュタイン(stein)」はドイツ語で「石」。宝石の“原石”を意味している。
  5. ^ 『月刊ガンダムエース』 2013年 1月号 No.125 111ページ