地球連邦軍
提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地球連邦軍(ちきゅうれんぽうぐん)は、複数の小説やアニメ作品に登場する架空の軍隊。本項目では特にガンダムシリーズの地球連邦軍について詳述する。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 宇宙世紀の地球連邦軍
『機動戦士ガンダム』(宇宙世紀0079年)から『機動戦士Vガンダム』(宇宙世紀0153年)までの時代に登場する。
[編集] 概要
設立は宇宙世紀に移行する前の西暦2009年(サンライズの宇宙世紀年表より)。地球連邦の軍事部門だが、連邦政府の文官や議員などはあまり登場しないため、作品によっては地球連邦軍=地球連邦といった政体の軍事政権であるかのように描かれる場合もある。大部分のサイド(スペースコロニー群)をもその勢力下に置くが、政治的にはアースノイドの権益だけを擁護する目的で運用されることも多い。劇中では連邦軍やただ単に連邦と呼ばれる場合もある。
どのように軍事費を賄っていたのかに関しては描写が無い為不明であるが、地球及び各サイドからの税収で賄われているものと思われる。また、シビリアンコントロールも機能している模様。
シリーズに登場する諸勢力の中では最大の規模であり、また最も長期に渡り存続した。反面、劇中では非常に巨体な組織故の官僚主義、縦割り行政や事なかれ主義が蔓延した組織として描かれることが多かった。一年戦争後期には改革派も存在したが、レビルなど主要人物の大半が戦死したことでほぼ瓦解している。宇宙世紀0080年代には、地球至上主義を掲げる地球連邦軍の一部隊ティターンズが連邦軍の実権を掌握したが、連邦宇宙軍及びスペースノイドから発生したエゥーゴとの内部抗争に敗れて崩壊した。
宇宙世紀0130年代の木星戦役や0150年代のザンスカール戦争では、連邦政府や連邦軍上層部が武装勢力の跳梁を放置し、一部の部隊が独断で別の武装勢力を支援するなど、組織としての統制が取れなくなっている様子が見られた。
[編集] 英語表記について
地球連邦軍の英語表記は数種類存在する。元々は映像上で正式な表記が存在しなかったため、地球連邦には「Union」「Federal State」「Federation」などが、地球連邦軍には「Union A.F.」「Federal Force」などが用いられていた。
その後、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の頃に「U.N.T.(United Nation Troops)」が地球連邦軍の正式な表記とされ、中でも宇宙軍を表す「U.N.T. SPACY」が主に用いられた。他にも地球連邦陸軍「U.N.T. ARMY」、地球連邦海軍「U.N.T. NAVY」、地球連邦空軍「U.N.T. AIR FORCE」、地球連邦地球軍(陸海空軍の総称)あるいは地球連邦地上軍(MSVによる陸海軍が一時合併していたときの呼称)などを指すと思われる「U.N.T. LAND」「U.N.T. GRAND」などという表記もあった。
しかし、1999年のプラモデル『パーフェクトグレードガンダム』発売の際に、地球連邦が「Earth Federation」、地球連邦軍が「E.F.F.(Earth Federation Force)」に変更され、中でも宇宙軍を表す「E.F.S.F.(Earth Federation Space Force)」が主に用いられるようになった。これは、「U.N.T. SPACY」が「国際連合宇宙戦術局」などという存在しない組織と勘違いされかねないという理由があったため[1]で、以前からある表記に矛盾を起こさないように「U.N.T.」には「非通常戦術(Under Normal Tactical)」、「SPACY」には「特別分類建造場(SPecial Assortment Construction Yard)」と言う略称がこじつけられた[2]。なお、地球連邦陸軍は「E.F. ARMY」と言う表記が用いられていたが、21世紀初頭には「E.F.G.F(Earth Federation Ground Force)」の表記も見られるようになった[3]。
なお、上記に記した略称は全ての終止符(.)を省いたり(EFSF など)、最後の終止符のみを省いた表記(U.N.T など)が使われることもある。
[編集] 編成
一年戦争当時、連邦軍総司令部は南米のジャブローにあったが、グリプス戦役初期には既に移転しており、ジャブローはエゥーゴによる襲撃を受けた直後にティターンズの仕掛けた核により自爆。それ以降、劇場版『逆襲のシャア』でチベットのラサから移転しているという台詞が存在しているだけで、総司令部がどこに置かれたのかははっきりしていない。地球連邦に敵対する勢力は上層部の描写も多く、時には最高指導者自らがモビルスーツなどに乗って最前線で戦うことさえあるのに対し、連邦側は主人公の所属する部隊を中心に描かれ、それより上の指揮系統はあまり登場しない。尚、地球連邦軍では「士官学校未卒の軍人は、佐官以上の階級に昇進出来ない」とする規則が存在する[4]。
また、詳細な部隊編成も劇中に登場しない事から不明である。
- 地球連邦軍
サイドを含む、地球圏全域に部隊が駐留している。
-
- 地球連邦陸軍(E.F.G.F.)
- 詳細な編成は不明であるが、劇中ではヨーロッパ方面軍や極東方面軍(第08MS小隊)、オーストラリア方面軍(コロニーの落ちた地で…)などが登場する。主な所属人物にイーサン・ライヤー、パウルスなどがいる。
- 地球連邦海軍(E.F.M.F.)
- 明確な描写なし。主な所属人物にバッフェなどがいる。
- 地球連邦空軍(E.F.A.F.)
- 明確な描写なし。主な所属人物はサミュエラ、テキサン・ディミトリーなど。
- 地球連邦宇宙軍(E.F.S.F.)
- マゼランやサラミスといった宇宙艦艇を有し、ルナツーや占領後のコンペイトウ(ソロモン)を宇宙における拠点とした。主な所属人物にロドニー・カニンガンやワッケインなどがいる。
- 情報部
- 主な人物にアリス・ミラーやデン・バザークなどがいる。
- ロンド・ベル
- 宇宙世紀0090年に発足した独立部隊。主な人物にブライト・ノア、アムロ・レイなどがいる。
この他、一年戦争後期にはサイド6に地球連邦の駐留軍がいる事が描かれている。
[編集] 主要な軍事拠点
詳細は「宇宙世紀の施設と地名」を参照
- 地球上
-
- ルナツー:一年戦争緒戦にて宇宙の大半をジオン公国軍の制圧化に置かれた事から、地球連邦軍唯一の宇宙での拠点(宇宙基地)となった。しかし、戦略的には価値が低くかった為、大きな戦闘は発生しなかった。戦争後期にはビンソン計画によって再建され、チェンバロ作戦や星一号作戦に参加する宇宙艦隊がここに一端集結し、作戦に参加している。宇宙世紀0093年の第二次ネオ・ジオン抗争では、ネオ・ジオン軍に占領される。
- コンペイトウ(旧ソロモン):一年戦争後期のチェンバロ作戦において地球連邦軍が占領し、星一号作戦への橋頭堡としている。一年戦争終結後も拠点として運用され、宇宙世紀0083年には多数の艦艇を参加させた観艦式が行われた。
[編集] 歴史
一年戦争勃発以前より主力戦車や制空戦闘機、攻撃機や爆撃機といった通常兵器に加え、マゼラン級戦艦やサラミス級巡洋艦、コロンブス級補給艦といった宇宙艦艇など、多種多様な兵器を有していた。MSの登場後は、積極的にMSの開発を進めている。だが、第二次ネオ・ジオン抗争以降は新兵器開発に消極的な傾向が見られるようになり、『機動戦士ガンダムUC』では、当時の最新鋭機のジェガンはおろか、それ以前の機体すら配備されていない部隊もあった。また長年にわたり仮想敵だったジオン公国とその系譜の組織が完全に絶えた宇宙世紀0120年代以降は軍としての質が大幅に低下、クロスボーン・バンガードやザンスカール帝国などの組織に圧倒される姿が多く見られた。特に150年代ではジャベリンやジェムズガンさえも旧式化したというのに最新鋭機のジェイブス(小説版のみ登場)は満足に配備されず、40年前の機体であるヘビーガンや60年前の大型機ジェガンさえも前線に駆り出される有様で、往時のガンダムタイプのような高性能機を作り出す力は無くなっていたようである。艦船もラー・カイラム級を主力艦として扱い続けていた[5]。更に後年を描いた『ガイア・ギア』(宇宙世紀0203年)の時代にも存在するが、『G-SAVIOUR』(宇宙世紀0223年)の時代では既に崩壊してしまっている。ただし、これら2つの作品を正史扱いするかどうかは微妙なところである。
詳細は宇宙世紀の正史を参照
- 宇宙世紀0001年:ラプラス事件発生。
- 宇宙世紀0079年:一年戦争勃発。軍主導による「V作戦」「ビンソン計画」を発動し、モビルスーツ(MS)の開発やMSの運用能力を有した艦艇の配備を行なう。また、61式戦車やフライマンタといった従来の兵器形態から、MS主体の編成に移行する。主力MSはジムシリーズ。
- 宇宙世紀0080年:一年戦争終結。
- 宇宙世紀0081年:「連邦軍再建計画」を開始し、その一環として「ガンダム開発計画」などがスタート。
- 宇宙世紀0083年:デラーズ紛争勃発。主力MSは、一年戦争時のもののマイナーチェンジ機であるジム改やジム・カスタムなど。
- 宇宙世紀0087年:グリプス戦役勃発。主力MSはジムIIやハイザック等。ティターンズが一時、地球連邦軍の実権を掌握したが、同じく元々は地球連邦軍の一部であったエゥーゴやアクシズとの戦闘で弱体化し、消滅。
- 宇宙世紀0088年:第一次ネオ・ジオン抗争。主力MSはジムIIIなど。
- 宇宙世紀0093年:第二次ネオ・ジオン抗争(シャアの反乱)。主力MSはジェガンなど。
- 宇宙世紀0100年:ジオン共和国の自治権の放棄に伴い、地球連邦政府が「戦乱の消滅」を宣言。
- 宇宙世紀0105年:マフティー・ナビーユ・エリン軍がオーストラリアにて連邦中央閣僚会議を襲撃。マフティー処刑。
- 宇宙世紀0120年~0122年:オールズモビル戦役。第一次オールズモビル戦役では、「アドミラル・ティアンム」を旗艦とする第十三独立艦隊が火星に派遣される。
- 宇宙世紀0123年:コスモ・バビロニア建国戦争勃発、宇宙戦国時代へ。地球連邦軍は実戦経験の不足により弱体化。主力MSはジェガンの性能向上発展型など。
- 宇宙世紀0133年:木星戦役。
- 宇宙世紀0149年:ザンスカール帝国が建国される。地球連邦および地球連邦軍は介入しなかったが、ジャンヌ・ダルク艦隊などが戦闘に参加。
- 宇宙世紀0218年:地球連邦が崩壊。これに伴い、地球連邦軍も解体される。
[編集] 装備
連邦軍内の開発部門や工場により開発・生産された物の他、アナハイム・エレクトロニクス社やヴィックウェリントン社、ハービック社など民間企業も軍から受注して開発・生産を請け負う(ただし、最初のTVシリーズ放映時には民間軍需産業の設定が存在しなかった)。一年戦争以降はMSとそれの運用能力を有する艦艇の配備が進められた。
詳細は「宇宙世紀の登場機動兵器一覧」、「ガンダムシリーズの登場艦船及びその他の兵器一覧」をそれぞれ参照
[編集] 地球連邦軍の関連研究機関とそこで開発された主な技術
その他マグネット・コーティングシステムなど開発元の不明な技術もある。
[編集] その他の地球連邦軍が登場する作品
- YAMATO2520
- 太陽の牙ダグラム
- 宇宙の戦士
- 特装機兵ドルバック
- スターグラディエイター
- 銀河漂流バイファム
- スターシップ・トゥルーパーズ
- 機動戦士ガンダム00
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION
[編集] 脚注
- ^ 実際にはかなり以前から U.N.T. SPACY と言う表記はおかしいという意見があった。
- ^ 「陸軍」ARMYや「海軍」NAVYに合わせた「宇宙軍」SPACYという造語は、「超時空要塞マクロス」でも使われているが、英語ではSpacy=奇妙な、常軌を逸したという意味になってしまうので、実際にはこれが名称変更の最大の理由と思われる。
- ^ 2006年マスターグレードジム・スナイパー発売に際して、陸軍の表記が「E.F.G.F(Earth Federation Ground Force)」に変更されている。
- ^ このため、一年戦争の英雄アムロ・レイの最終階級は大尉である(『機動戦士ガンダムUC』においてラー・カイラムの艦長室に飾られていたアムロの遺影には、「2階級特進で中佐」と記されていた)。
- ^ 連邦政府の急速な衰退により予算を獲得できず、数を揃える事もできないともとれる。
[編集] 関連項目
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||