キュベレイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キュベレイ(QUBELEY)は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の兵器。ネオ・ジオン軍のニュータイプ専用試作モビルスーツ(MS)である。(型式番号:AMX-004 / MMT-03)
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] キュベレイ
| キュベレイ | |
|---|---|
| 型式番号 | AMX-004(MMS-3) |
| 所属 | ネオ・ジオン(アクシズ) |
| 建造 | ネオ・ジオン(アクシズ) |
| 生産形態 | 試作機 |
| 頭頂高 | 18.4m |
| 本体重量 | 35.2t |
| 全備重量 | 57.2t |
| 出力 | 1,820kw |
| 推力 | 61,600kg |
| センサー 有効半径 |
10,900m |
| 装甲材質 | ガンダリウム合金 |
| 武装 | ビームガン兼ビームサーベル×2 ファンネル×10 追加装備・大型ビームサーベル×2 |
| 搭乗者 | ハマーン・カーン |
アクシズにて設計・開発されたニュータイプ専用試作型MS。一年戦争時に多大な戦果を挙げたニュータイプ専用モビルアーマー「エルメス」の後継機。キュベレイの開発はグリプス戦役以前より基礎研究が開始されていたとされ、サイコミュを搭載し、ビットを小型化した遠隔誘導攻撃端末「ファンネル」の運用を可能とした。また、機体制御そのものもサイコミュによって行うことができる。
スペック・ノート上のファンネル搭載数は10基とされているが、実際にはそれを超える数のファンネルの使用が確認されており、正確な搭載数は明らかになっていない。エルメスの持つ12機のビットはそれ自体がモノアイや核融合炉を搭載し継戦能力に富んでいたが、このファンネルは小型化と引き替えにそれらの能力が犠牲となっており、頻繁に母機キュベレイに帰還してエネルギーの再充填を行わなければならない。
この他、ビーム・サーベルを腕部に内蔵しており、腕部に収納している時はビームガンとして機能する[1]。
外観的な大きな特徴である2対のフレキシブル・バインダーは各3基のメイン・バーニアを内蔵し、姿勢制御と機体機動を同時に行う。キュベレイが実戦投入されたグリプス戦役期のMSには、これに類する機能を有するAMBAC装置と推進器を兼ねたスラスター・バインダーを装備した機体が多い。本機が装備するバインダーは「もう一対の腕」と形容できる広範な可動域と高い自由度を確保しており、曲芸的な空間機動力を機体に付与している。バインダー・ノズルの推力自体は標準の域を出ないが、バインダーを機体を覆う形で折り畳む事により、推力ベクトルを一方向に集中させ、加速に適した形態をとることが可能である。また、シールドとしての機能も有する。
なお、華奢な外観に似合わぬ高いサバイバビリティを持ち、四肢どころか下半身を失っても上半身だけで大気圏内飛行・戦闘が可能である。
キュベレイのサイコミュを稼動させるためには高いニュータイプ能力が必要であった。このため、事実上ハマーン・カーン専用機として運用され、アクシズの旗機としてグリプス戦役・第一次ネオ・ジオン抗争を通して随一の性能を誇った。
型式番号はAMX-004。当初はMMS-3で、AMX-004は連邦内での識別番号という設定だったが(機体種類が不明であるためXが含まれている)、これはいつの間にか消滅した。
[編集] 劇中での活躍
グリプス戦役末期にアクシズの指導者ハマーン・カーンの座乗する一機が実戦投入され、エゥーゴの百式やΖガンダムといったエース機を圧倒し、また本機と並ぶ当時最高峰のNT専用機であるティターンズのジ・Oともニュータイプ・パイロット同士による超常的な戦闘を展開した。
その後の第一次ネオ・ジオン抗争時には最終決戦時のみ出撃。ジュドー・アーシタのΖΖガンダムを相手に一進一退の死闘を演じる。戦闘中、ΖΖガンダムのハイメガキャノンの照射を受けたキュベレイは、搭乗者であるハマーンのニュータイプ能力によってバリアーを展開、直撃に耐えた。ハイメガキャノンの出力が増大し、キュベレイはコロニー壁面に叩き伏せられ、装甲を損傷する。しかし、ハマーンの戦意は失われず、戦闘の最終局面においてファンネルを囮に使った不意打ちを仕掛け、ΖΖガンダムと切り結ぶ。そして相打ちに近い形ではあったが、キュベレイは胴を両断され、爆散した。
[編集] デザイン
デザインを手がけたのは永野護。曲線を多用した形状と白の塗装を組み合わせた、優美かつ華麗な機体である。モビルスーツの中では異色とも言える外見だが、パイロットのハマーンの存在と合わせ、ファンの間でも人気が高い。だが「当時は全く支持されなかった」と永野は語っている[2] 。
なお永野の準備稿には「エルメスII」の記述が見られ、ガンプラでも左背中に「LMES2」とある。また装甲を外すとシルエットはザクそのものという発言を幾度かしており、サイコミュ機の流れを引きつつ、スタンダードなジオン系もイメージさせるデザインになっているという。
イラストや劇中の作画によって、頭部のモノアイは1つだったり2つだったりする。
インタビューによると、永野が中学時代に描いたロボットがキュベレイの原点で、同じデザインから発展したものにリック・ディアスがあるとのこと。両デザインとも胸部や脚部が似通ったデザインラインとなっている。加えて「月刊ZガンダムエースNo.001」では「当初マラサイとしてデザインされていたものがクリンナップされてキュベレイとなった」と書かれている。また同誌には、現在とは微妙に違う「永野版キュベレイ」のポスターが付属していた。
永野の作品である『ファイブスター物語』には、キュベレイのデザインがそのまま流用されたメイザー・ブローズというキャラクターが登場する。装着した甲冑はキュベレイそのものだが中身は人間で、ファンネルに似た武器を使用する。また、腕に「Q」(キュベレイのアルファベットの頭文字)のマーキングがある。
[編集] キュベレイMk-II
キュベレイMk-II(キュベレイ・マーク・ツー、QUBELEI Mk-II)は、『機動戦士ガンダムZZ』に登場するMS。(型式番号:AMX-004-2 /AMX-004-3)
ハマーン・カーンが搭乗した試作1号機のマイナーチェンジ・バージョン。基本的な機体構成は同じである。当時アクシズ内にて養成されていたクローン・ニュータイプの能力を査定する為に製造されたとも言われている。ビーム・サーベルの基部が3方向に展開可能など、若干の改修がされている他、サイコミュ・コントローラーによる外部制御が可能な仕様の機体も存在する。
エルピー・プル用の2号機(黒、紺、紫色とも)はエゥーゴの巡洋艦アーガマに回収された後に、サイコガンダムMk-IIとの交戦時に破壊されている。また、プルツー用の3号機(サイコミュ・コントローラー搭載機、赤色)はハマーン・カーン暗殺任務の際に近衛部隊のゲーマルク、ガズアル、ガズエルと交戦した他、エゥーゴのΖΖガンダムとも交戦している。
優れたサイコミュ兵装を有するキュベレイであったが、そのオールレンジ攻撃もΖΖガンダムには通用せず、ネェル・アーガマによるハイパー・メガ粒子砲の余波を受け、機体は破壊される(搭乗者のプルツーは無事に脱出している)。
[編集] 量産型キュベレイ
量産型キュベレイ(りょうさんがたキュベレイ、MASS-PRODUSED QUBELEY)は、『機動戦士ガンダムZZ』に登場するMS。
| 量産型キュベレイ | |
|---|---|
| 型式番号 | AMX-004G(AMX-017) |
| 所属 | ネオ・ジオン |
| 建造 | ネオ・ジオン |
| 生産形態 | 量産機 |
| 頭頂高 | 18.4m |
| 本体重量 | 35.2t |
| 全備重量 | 62.1t |
| センサー 有効半径 |
10,900m |
| 武装 | ハンドランチャー兼ビームサーベル×2 ファンネル×30 アクティブカノン×2 |
| 搭乗者 | ニュータイプ部隊 |
本機はキュベレイの量産モデルではあるが、試作機より性能が向上しているとされる。「量産機=コストダウンの為に試作機をデチューンしたもの」である場合がほとんどであるガンダム世界においてはある意味珍しい機体である。背部に2基のアクティブ・カノンを搭載し、さらにキュベレイの3倍のファンネルを搭載して、火力を大幅に向上させている。
ネオ・ジオン内乱時にグレミー・トト率いる反乱軍・ニュータイプ部隊に編成され、クィン・マンサの随伴機として大量投入された。パイロットはクローン・ニュータイプで、ハマーン正規軍及びエゥーゴのガンダム・チームを相手に圧倒的な戦闘力を見せ付けた。だが、最終的にはキャラ・スーン操るゲーマルクと交戦し、全機が撃墜されている。
なお、初登場時のカラーリングはグレミー軍の識別用として多数の機体に施されたグレーだったが、反乱軍壊滅後はキュベレイMk-II(プル専用機の2号機)と同色に変更されている。パイロットのニュータイプ部隊は、プルツーらと同じくプルのクローンであるとする説がある(小説『機動戦士ガンダムUC』において、それを裏付ける描写が存在する)。
第一次ネオ・ジオン抗争終結後の目撃例としては、ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還』において、グワダン級戦艦イン・エクセスの艦載機として登場している。特殊任務用の機体として改修が施されており、プロトタイプに近い頭部と肩のスパイク(突起)が目を引く特徴となっている。ゲーム中の展開次第ではシャア・アズナブルが搭乗する機体となる。
- デザイン
- デザインの初出は、講談社の書籍『Ζガンダムを10倍楽しむ本』のピンナップに描かれた永野護デザインのモビルスーツであるとされている。ただし機体色は真紅であり、アクティブカノンも描かれてはいない。
- しかし、この様な形状の機体は劇中に登場しておらず、デアゴスティーニ・ジャパンは「出展に関しましては現時点では不明のためご案内できかねる(2007年8月9日時点)」「量産型キュベレイはアニメ本編では数話しか出ていない機体で、カラーリングの差異の理由づけなど、細かい部分は本編内で語られていません。そこで、本編で足りなかった部分を補う意味を含めて126号に提示したようなバリエーション機を登場させた次第です。本編ではこのような仕様の機体は登場していませんが、映像に登場していなかっただけで計画されていたかもしれません。そのような『IF』に近い設定遊びのひとつとしてお楽しみいただければ幸いです。(2007年8月10日時点)」とコメントしている。
[編集] G-3
| ゲー・ドライ | |
|---|---|
| 型式番号 | MAN-010 |
| 所属 | ネオ・ジオン(アクシズ) |
| 建造 | ネオ・ジオン(アクシズ) |
| 生産形態 | 試作機 |
| 武装 | ビームガン兼ビームサーベル×2 ファンネル×多数 球状メガ粒子砲×12 肩部メガ粒子砲×2 |
| 搭乗者 | ハマーン・カーン |
G-3(ゲー・ドライ)は、近藤和久の漫画『機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルアーマー(型式番号: MAN-07G(MAN-010))。
ネオ・ジオンが開発したニュータイプ専用機で、ハマーン・カーンが搭乗している。同じ近藤の『機動戦士ガンダム ジオンの再興』及び『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』内でも、MSの姿形は多少違うが登場している。
同じ名称で複数の姿形が提示されているが、共通点はエルメス直系の後継機で、脚部と肩のバインダーをたたむことでステルス性と機動性を備えたMA形態を取れるNT専用可変MAである事。
機体各所に備えられた多数の球状メガ粒子砲(12門)、両肩のメガ粒子砲(2門)、そして多数のファンネルを搭載する。なお『ジオンの再興』における設定としてファンネルをミサイルのような誘導兵器として使える事(ファンネルミサイル)と一般兵向けにファンネルを撤廃したボマータイプの存在が追記されていた。
劇場版『機動戦士Zガンダム』においてキュベレイが両肩のバインダーを折りたたむ変形機構を有しているが、この機体の変形機構が影響していると思われる。また、この機体はクィン・マンサのデザインにも影響を与えており、公式設定上では無きものにされているものの、デザインという観点だけから見ればさまざまな機体に影響を与えた重要な機体と言える。
なおG-3(ドイツ語読みでゲー・ドライ)という名称は、コトブキヤからガレージキット化された際に、キュベレイという名称を嫌った近藤が、小林誠の提案により当時のドイツ軍制式ライフルH&K G3に因んで名づけたものである。
[編集] クィンテット・キュベレイ
クインテット・キュベレイ(QUINTET QUBELEY)は、ゲームブック『機動戦士ガンダムZZ vol.3「エニグマ始動」』に登場するMS。
ネオ・ジオンのニュータイプ専用MS。量産型キュベレイを改修し、シュペール・サイコミュ・システム(1人のパイロットで複数のMSを制御するシステム)を搭載した機体である。パイロットは本機をマスターMSとして、サブユニットを積んだ4機の量産型キュベレイをファンネルに見立て思念誘導する。
[編集] プロトタイプキュベレイ
プロトタイプキュベレイ(PROTO TYPE QUBELEY)は、ゲーム『SDガンダム GGENERATION F』に登場するMS。(型式番号: AMX-001/MSN-08)。
アクシズの試作MS。エルメスのMS化を目指したが、サイコミュの小型化に成功せず、全高25mもの大型MSとなった。カラーリングは水色で、エルメスに四肢がついたようなデザインになっている。類似のコンセプトの機体として、シュネー・ヴァイスが挙げられる。

