サイコフレーム

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サイコフレーム (Psycho Frame) は、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』に登場する、架空の技術および工業部材。

概要[編集]

サイコミュの基礎機能を持つコンピューター・チップを、金属粒子レベルで鋳込んだモビルスーツ(MS)用の構造部材。チップ単体では実効的な効果を持たないが、コアとなる高出力のメイン・プロセッサを配置することで、非常に高効率かつ高密度なサイコミュ・システムとして機能する。本来であれば膨大な搭載スペースを必要とするサイコミュであるが、この素材の導入によって装置の大幅な小型化が可能となり、省スペース化にも貢献している。コクピット周辺や機体各所[1]に分散配置することにより、サイコミュ及び機体自体のレスポンスを飛躍的に向上させ、ニュータイプ能力をMS操縦という面で最大限発揮できるようになる。

本来は新生ネオ・ジオンにおいて開発された技術(漫画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア BEYOND THE TIME』によると開発者はナナイ・ミゲル)であり、当初はジオン系勢力との関連が深いアナハイム・エレクトロニクス(A・E)のグラナダ工場のみが生成技術を有していた。しかし、地球連邦軍の新型MS開発を手掛けるA・Eのフォン・ブラウン工場との技術格差を是正するため、新生ネオ・ジオンの総帥であるシャア・アズナブルによって意図的にリークされている[2]。結果としてサイコフレームは、敵方であるνガンダムをはじめとした連邦MSへも搭載されるという数奇な運命をたどることになる。

『逆襲のシャア』以降は、下記のフルサイコフレームなどが研究されたものの「未知の領域が多大」であり、多様な可能性を秘めている一方で悪用された際の危険性が高すぎるため、開発が中止(小説版では封印)された。しかし、後述するMCA構造などの技術にその系譜が見て取れるほか、F91などにもサイコフレームが使用されていたとする資料もあるため、後の時代においてその扱いが変わっていった可能性もあるが、詳細は不明である[3]

電撃ホビーマガジン2012年2月号掲載の福井晴敏インタビュー[要ページ番号]では、「サイコフレームは物理法則を超越したオリハルコンであり、またサイコフレームはいかなる物体よりも固くなる」と述べられている。また、ユニコーンガンダムの開発指揮者であるカーディアス・ビストは、サイコフレームが発動した時に特殊な現象が発生することを予め想定していたとも述べている。

想定外の機能[編集]

思惟の送受信[編集]

サイコミュの小型化・機体の追従性・運動性の向上のほかに、感応度の向上などニュータイプの脳波の増幅・送受信機としての機能が想定されていたが、微弱なオールドタイプの脳波も送受する作用が存在し、感知能力を先鋭化させたり、遠く離れた人に意思を伝えたり、人の意思が集中する接点となる現象が起きている。

サイコ・フィールド[編集]

サイコフレームの共鳴現象により発生する正体不明の謎の力場で、詳細なメカニズムは明らかになっていない。人智を超えた数々の不思議な現象を引き起こしている。発光現象(緑色(作中では虹色とも言われている)のオーロラ状の光の帯。『機動戦士ガンダムUC』のOVA版では赤色や青色、金色のものも確認できる)を伴い莫大なエネルギーを無尽蔵に発生するが、それは電気や光とは異なる全く未知のエネルギーであり、物理が物理に働きかけて生じる弱々しいエネルギーなど比較にならない、既存のあらゆるエネルギーとは全く別次元の莫大なエネルギーである。後述の「アクシズ・ショック」の際に初めてこの現象が確認されて以降、サイコフレーム搭載機によりたびたび確認されている。予めこのような作用を想定して開発されたシステムではなく、地球圏に生きる人々の多くの思惟が共鳴した結果、偶発的に発生する現象である。

サイコフレームが最大共振すると、搭載機は虹色のオーラでその身を包む現象を起こし、人智を超えた性能を見せる。「アクシズ・ショック」のνガンダム以外では、『機動戦士ガンダムUC』の「UC計画」によって誕生した人の意思を感受することに長けたインテンション・オートマチック・システム搭載機の、ユニコーンガンダムバンシィ[4]シナンジュ[5]などでも確認されている。小説版では三機とも最終決戦にて虹色に発光したが、OVA版では戦闘中に虹色に発光したのはユニコーンガンダムのみに変更され、コロニーレーザー相殺やバナージ救助の時にバンシィも虹色の発光現象に到った。

サイコフレーム技術の応用[編集]

改良型サイコフレーム[編集]

νガンダム ヘビー・ウェポン・システム装備型の駆動系に採用された。詳細不明。

フルサイコフレーム[編集]

νガンダム ヘビー・ウェポン・システム装備型に対し、シャアの反乱の長期化に備えて検討された仕様。

ユニコーンガンダムではムーバブル・フレームそのものを、強度と生産性の問題をクリアしたサイコフレームを使って構築した「フルサイコフレーム構造」を実現しており、サイコミュオペレーションシステム「NT-D」と連動させることで、NTパイロットでも目で追うどころか気配を認識することすらできないほどの高機動性を実現している。ただし、パイロット自体の肉体的・精神的負荷も甚大であるため、NT-D発動時間は5分という制限(通常時はレスポンスにリミッターがかかる)が設けられている。ユニコーンガンダム1号機は発光色が赤、2号機バンシィは金、そして後に両機とも緑色へと変化した。また、3号機は青に発光する。この発光がなぜ起こるのか、発光色の差異は何を表すのかは、開発したアナハイムのスタッフですら分かっていない。

サイコフレーム機にはサイコミュ母機との連携が解説された資料もあるが、フルサイコフレーム機についての母機の設定は判明していない。

バイオ・コンピューター[編集]

F91にはサイコミュの主増幅器としてコクピット周辺のフレームにサイコフレームが組み込まれ、頭部に実装されている。

既存のサイコミュとバイオコンピューターの併用は前例がないため、未知数とされている。F90IIやクラスターガンダムクロスボーン・ガンダムにも頭部にバイオコンピューターが実装されているが、サイコフレームをはじめとするサイコミュの搭載に関しては不明である。

マルチプル・コントラクション・アーマー[編集]

マルチプル・コントラクション・アーマー(Multiple Construction Armor、MCA)構造とは従来のムーバブル・フレームに代わるもので、それぞれの部材を単機能とはせず、構造材であり電子機器でもあり装甲としての機能を持つ部材とする技術である。

構造材そのものに電子機器の機能を盛り込む技術は、U.C.0090年代においてνガンダムサザビーに採用されたサイコフレームですでに確立されていた。これを応用・発展させてフレームそのものに電子機器の機能を持たせることで、機体強度を維持したままで機体内の容積自体が激減して飛躍的な軽量化を達成し、既存のMSを遥かに超える高い機動性を獲得することに成功している。

劇中での内容[編集]

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、ニュータイプとサイコフレームが共鳴して未知数の力を引き出す可能性があるとされている。また、試料用のサイコフレームを身に着けていた(T字型で宇宙服の腰に付けていた)チェーン・アギは感知能力を一時的に先鋭化せており、リ・ガズィ搭乗時にはバイオセンサーの効果もあってかα・アジールのメガ粒子砲をも防いでいる。そして、サイコフレームが媒体となって遠く離れたアムロが導かれたり、地球圏の多くの人々による意思の共鳴を引き起こしている。アクシズ落下の最終段階には地球圏に生きる人々の多くの思惟とサイコフレームが共鳴し、発生した大規模なサイコ・フィールドが地球へ落下しつつあったアクシズを宇宙へ押し戻すという奇跡的な現象を起こしている。これはアナハイムのスタッフから、「アクシズ・ショック」と呼ばれることになった。

『機動戦士ガンダムUC』では、ユニコーンガンダムの戦闘中にたびたびサイコ・フィールドの展開が確認されており、最大で半径数百キロメートル以上のフィールドを展開させた。ユニコーンガンダム1号機が地球から大気圏を突破しようとするネオ・ジオンの偽装貨物船ガランシェールと、それを救出するために大気圏近くまで降下してきたロンド・ベルネェル・アーガマが接触した際には、小規模なアクシズ・ショックが発生している。2隻の船の接触を補助するため、自らをケーブルのつなぎ目としたユニコーンガンダムのフルサイコフレームが、MSでは到底引き寄せることはできないはずの質量(アクシズよりも格段に軽いが)の2隻を接合させるという現象を引き起こした。この他にも、サイコ・フィールドに巻き込まれたガルダ級輸送機(当時でも最大級の空中艦艇)が瞬時に粉砕されたり、触れるだけで誘爆を引き起こしたりしている。OVA版ではシャンブロとの戦闘の際に発生したサイコ・フィールドがぶつかり合って周りの建物を破壊しており、終盤では1号機のバナージと2号機のリディが共にニュータイプとして覚醒した結果、フルサイコフレームの色が赤と金から緑へと変化した。ユニコーンガンダムのシールドはサイコフレーム内蔵であるため、緑色に発光した1号機のシールドは推進器も無しに自在に防御と攻撃を行うシールドファンネルとなった。最終的に2人を含む多くの思惟とユニコーンガンダムを融合させ、複合する意識の集合体へと進化してコロニーレーザーの直撃すらかき消し、迫ってきた連邦艦隊をたやすく壊滅させている。

サイコフレーム採用MS[編集]

サイコフレーム採用機
サイコフレーム改造機

脚注[編集]

  1. ^ コクピット周辺以外の駆動系にも配置したという資料がある一方で、小説版『機動戦士ガンダムUC』では強度と生産性の問題から映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』時点ではコクピット周辺にしか実装できなかったとしている。
  2. ^ リークの目的はMSパイロットとして長年のライバルであるアムロ・レイとの決着をつけるべく、機体の性能を互角のものにしたいという私的なもの。小説『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』ではこれに加え、地球を汚染することに恐れを覚えたことから、自らの行いを止めさせるべく、技術をアムロに与えている。
  3. ^ 先述の通り、『逆襲のシャア』の設定ではリーク情報によりフォン・ブラウン工場も有したことになっているが、OVA『機動戦士ガンダムUC episode3 ラプラスの亡霊』では、サイコフレームの製造設備は月のグラナダに集約されていること、表向きは開発が中止されており機密保持も兼ねて一括管理されていることが語られている。
  4. ^ OVA版では戦闘中には虹色に発光していない。
  5. ^ 小説版のみ。
  6. ^ 機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション(バンダイ)及び機動戦士ガンダムF91 ニュータイプ100%コレクション、ニュータイプ1991年1月号、4月号(角川書店)にサイコフレームを搭載していると記述がある。

関連項目[編集]