ギャン

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ギャン(GYAN)は、アニメ機動戦士ガンダム』を始めとするガンダムシリーズに登場する架空の兵器

ジオン公国軍の試作型モビルスーツ (MS) である。

本項では、バリエーション機についても併せて記述する。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] 機体解説

諸元
ギャン
GYAN
型式番号 YMS-15
所属 ジオン公国軍
開発 ツィマッド社
生産形態 試作機
全高 19.9m(18mとする資料もあり)
本体重量 52.7t
全備重量 68.6t(95tとする資料もあり)
出力 1,360kw
推力 56,200kg
センサー
有効半径
4,400m
最高速度 95km/h
装甲材質 超硬スチール合金
(強化スチール合金とする資料もあり)
武装 専用ビームサーベル
シールドミサイル
ニードル・ミサイル
ハイドボンブ
搭乗者 マ・クベ

当初は、マ・クベの為に開発された専用MS[1]とされた。マ・クベは戦闘の際に、ギャンが自分の為に作られたMSであると発言している[2]シャア・アズナブルの副官であるマリガン少尉も、シャアに対しマ・クベがホワイトベース隊を倒すために自分用のMS(ギャン)を開発させていたことを報告している[3]。後に、ゲルググと同時期に次期主力量産機の座を争う形で開発された機体と設定された。

主武装として高出力の試作ビームサーベルを携行し、シールドに内蔵されたニードルミサイルは威嚇・牽制程度の威力[4]という白兵戦(対MS戦)に特化した開発コンセプトを持つ。このような特殊なシールドが作られたのは、ツィマッド社がビームライフルの開発に失敗したからだといわれている。その場しのぎの措置であったが、盾以外の機能を持たせる複合武器としてのコンセプトは、その後のMSにも継承されている(単純にミサイルを搭載したものから、ビーム兵器や実体剣、果てはブースター等)。また、アクチュエーターの機能を増強させる「流体パルスアクセラレーター」を試験的に導入したとする設定もある[5]。そのため、白兵戦(近距離戦闘)においてはかなり高性能であった。

しかし、ビームナギナタだけでなくビームライフルも装備し、対艦戦闘も可能な汎用性の高いゲルググに対し、白兵戦に特化して重火器の使用ができないという運用の難しさがネックとなり(空間戦闘能力の低さも指摘される)、次期主力機トライアウトに敗れている。なお、次期主力MSは既にゲルググに内定しており、次期主力機のコンペティション自体が形式的なものに過ぎなかったともいわれている[6]

同様の対MS戦(白兵戦)、短距離戦を重視した設計思想を持ったMSにMS-07グフがあるが、ヒートロッド(電磁ムチ)やヒートサーベルがビームサーベルとなり、50mm連装砲がミサイル類となるなど、火力は大幅に増加している。

ロールアウトした試作機3機[7](1機とする説もある)の内1機はマ・クベ大佐が搭乗、戦闘参加するも撃破された。ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロ・レイガンダム相手に善戦したことから、ギャンの白兵戦能力の優秀さが伺える[4]。主力MSの座はゲルググに譲り、量産化や以降のバージョン展開はされなかったとされたが、後年、基本性能や白兵戦能力の高さが評価され、ゲルググとの長所を合わせたガルバルディの開発に至っている[4]。また、コンセプトを受け継いだR・ジャジャなど発展機が開発され、ギャン改などのバリエーションも設定されている。

[編集] 武装

試作ビームサーベル
試作ビームサーベル(ビーム剣とも呼ばれる)は貫通力を重視し、同時代の連邦製のものよりも高出力のビーム刃を形成できたが、収束率が低く、エネルギー効率は悪い[要出典]。多くの解説本がギャンを「ジオン初の試作ビームサーベル装備機とするが、劇中ランバ・ラル専用グフの白兵戦武器がビーム状の刀身を形成し[8]、さらに放送時発行の書籍で「ビームサーベル」を装備と明記されているために設定の整合性が合わなくなっている。ランバ・ラルのグフがビームサーベルを所持していた場合にはジオニック社製では初のビームサーベルをランバ・ラルのグフが所持した機体になる。そしてギャンはツィマッド社製で初のビームサーベルを所持した機体となる。
ミサイルシールド
シールドにはハイドボンブと呼ばれる機雷を25基(12基とする資料あり)[要出典]、ニードルミサイルを60基(56基とする資料あり)[要出典]内蔵している。
ただし、攻撃を防ぐ盾にミサイルを仕込む仕様から、「敵の攻撃で誘爆するのでは」「実は盾ではなく携行ミサイルランチャーなのでは」との説もある[9]。劇中ではガンダムのビーム・サーベルによって損傷したが、誘爆していない。
また、プラモデルでのミサイルシールドのハイドボンブ射出口は旧キットでは12箇所あるが、HGUCMGでは10箇所となっている。劇場版にはギャンは登場しないが、テキサスコロニー内にハイドボンブのみがジオン軍の浮遊機雷として登場する。
その他
上記以外の、通常の携行武器を運用できたかは不明である。

[編集] 設定の変遷

型式番号はYMS-15であるが、テレビアニメ放映後の第1次ガンダムブーム時に付けられた設定上の型式番号は MS-X10 であった(MS-15 と表記されることも多い[10][要出典]。試作機を意味するYが付けられたまま実戦参加する事はないため、これも誤りではないとする説がある[誰によって?]。また、テレビアニメ企画時の名称はハクジ(白磁)であり、ギャンはゲルググの名前だった。

番組の視聴率低迷の原因を「毎週違う敵ロボットが出ないからだ」とするTV局の要請に応じ、当時のロボットアニメに頻出する「大幹部専用のロボット」に倣った「マ・クベのために作られた機体」として登場した経緯を持つ。前述の設定については劇中で、マ・クベが自ら出撃する理由にキシリアがギャンを自分のため開発してくれたことに対する面子とする発言や、シャアの副官マリガンがマ・クベ自身「打倒木馬」のために専用MSを造らせたとの発言から理解できるが、それらに対するフォローが近年の派生作戦には少ない。わずかにキシリアがマ・クベによる当機の開発計画を優先させ、それゆえマ・クベのために開発されたとの発言があったとの記述がある程度である[要出典]。公式サイト「機動戦士ガンダム公式Web」においては映像中の発言に準じ、マ・クベ用に開発されたと解説している[1]。漫画『機動戦士ガンダム0079』12巻メカニックファイルには「ゲルググと競作された機体を、マ・クベ自身が自分なりにチューンナップした物」という、既存の説を総合したような説明がある。

「マ・クベ専用機ではなく、ゲルググとの競合に敗れた試作機」「素人でも操縦が易しい」という設定は、書籍「ガンダムセンチュリー」で放映後につけ加えられた設定である。それを元に「ゲルググはジオニック、ギャンはツィマッド」がつけ加えられ、「ジオンのガンダム」などの設定は00年代に入ってからつけ加えられた。

ギャンが他のジオン軍MSと同様、流体内パルス・システムで駆動すると明言した資料がなかったため、フィールドモーター駆動であるという説が生まれ、小説や模型誌などでも引用されていた。一方、プラモデル「MG ギャン」の解説書では流体内パルス駆動と設定している。いずれも、映像作品中で言及されない非公式設定である。

備考

近年の「ホビージャパン」「電撃ホビーマガジン」などの模型誌では、ゲルググと比べて非常に機体が細い[11]事から、本機はフィールドモーター駆動の試験のために開発されたのではないか、あるいは鹵獲した連邦製MSを元に開発されたのではないか、白兵戦重視のコンセプトからもジオン版ガンダムとして作成されたのではないか、果てにはコア・ブロック・システムを搭載していたのではないか…など、さまざまな架空の設定に基づいた作例が製作されている。また、当初の型式番号からMS-10 ペズン・ドワッジとの関係も指摘されている[誰によって?]

[編集] 劇中での活躍・登場作品

テレビアニメ『機動戦士ガンダム』では、ホワイトベースがテキサスコロニーに寄港する第37話にのみ登場。パイロットは、これまで指揮官として登場していたマ・クベ。マ・クベはギャンが彼の専用機であると発言し、シャアやマリガンもマ・クベがギャンを開発させたと述べている。本機は、配下のリック・ドムを使ってガンダムをおびき出し、小惑星の上に仁王立ちで立ちはだかるというスーパーロボット風の演出で登場した。

そしてマ・クベはガンダムが接近すると小惑星を爆破し、逃げ込んだテキサスのゲートにも爆薬を仕掛けておき、テキサス内部には(あらかじめ散布しておいた)ハイドボンブと、三段構えのブービートラップでダメージを与えた。さらにガンダムの主力兵装であるビームライフルの弾切れを誘った上に、そこからニードルミサイルの乱射でシールドを破壊してひるませてから、白兵戦に持ち込んで先制するという、周到かつ執拗な策でガンダムに挑んだ。しかし、そこまでしてなおニュータイプとしての能力を見せ始めていたアムロ・レイのガンダムの敵ではなく、逆に作戦の小賢さに憤りを覚えた彼の猛反撃を受け、撃破された。

劇場版には登場しなかったが、劇場版を元にしている漫画機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場。マ・クベが搭乗するがア・バオア・クー脱出時に艦載砲によって撃破されている。

短編小説集『ガンダムNOVELS―閃光となった戦士たち』に収載されている『月光の夢 宇宙の魂』では、ギャンとゲルググの次期主力機コンペティションの様子が語られている。ここではギャンがフィールドモーター駆動とされているほか、ドラマを成立させるため一部設定に独自の解釈が見られる。

雑誌「MJ(模型情報)」で連載されたメカニックデザイン企画『F.M.S』では、オデッサ戦の2週間後、マ・クベ師団残存勢力からMS-15と技術陣を回収するというエピソードがある。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、オデッサ戦撤退時にマ・クベ自らが搭乗し、迫りくる連邦軍の前に堂々と立ちふさがり、抜刀したグフ部隊の先頭に立って敵軍に斬り込む活躍をする(ガンダムとは戦っていない)。しかしマ・クベは「量産はさせるな、マ・クベの名はギャンと共に記憶されるべき」と豪語し、兵の後退を確認した後黒海に入水。連邦水上艦隊を道連れに自爆した。なおシールドにはハイドボンブとニードルミサイルの両方が装備されている。

[編集] バリエーション

[編集] ジオン公国軍製

  • YMS-15(MS-15) ギャン
  • MS-15B ギャン量産型
    ツクダホビーのボードゲーム『ジークジオン』サプリメントセット第2弾『トワイライト オブ ジオン』に登場。ギャンの量産タイプで、ゲルググタイプのビームライフルを装備して遠距離戦闘も行えるようになった。しかし、ゲルググの量産に伴い10機程しか作られなかった。
  • カリョーヴィン
    ホビージャパンの雑誌「RPGマガジン」別冊「RPGマガジングレイト」Vol.3に掲載された『機動戦士ガンダムRPG アドバンスドエディション』用シナリオ『マクベの遺産』に登場。キシリア・ザビ専用のカスタムメイド機。インド神話の架空の鳥、迦陵頻伽(迦陵頻迦、カリョービンガ)が名の由来。ギャンのバリエーションという設定はなく、外見にもほとんど類似点は見られないが、マ・クベとの関連からギャンと共に語られることがある。
  • MS-17 ガルバルディ(ガルバルディα)
    ギャンの発展機。外見はゲルググだが、中身はほとんどギャンであるという。ジオン軍の次々期主力機として小惑星ペズンで開発されていた。終戦後は連邦軍に接収され、ガルバルディβとして量産化された。

[編集] アクシズ製

  • MS-15PLUS (MS-15S) ギャンEX
    雑誌『GUNDAM WEAPONS 2』に収載された漫画『OPERATION TITAN』に登場(単行本『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』に収載)。雑誌掲載時には MS-15S ギャン という名称であったが、単行本収録時に MS-15PLUS ギャンEX と言う名称に変更された。一年戦争期のギャンの予備パーツをアクシズで組み上げた機体で、ビームライフルが装備されている。シャア・アズナブルが搭乗。
  • MS-15K ギャン改
    ゲーム『SDガンダム GGENERATION(初作)』が初出。ゲルググにおけるMS-14J リゲルグに当たる機体。実は上記のギャンEXをゲーム用にリメイクしたものである。アクシズで開発された機体で、運動性が高く、全体的な性能は同時期に開発されていたバウを上回っていたが、汎用性が低かった為に量産化は見送られた。その後、騎士型MSとして開発が続けられ、R・ジャジャとなったとされる。
  • AMX-104 R・ジャジャ
    アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。ギャンの発展機で、騎士用MS。

[編集] オールズモビル(火星独立ジオン軍)製

  • OMS-15RF RFギャン
    漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場。ギャンのリメイク機。R・ジャジャの発展機であると思われる。名称はリファイン・ギャンの意。指揮官機なのか非常に装飾的な塗装が施され、武装にヒートロッドを装備している。

[編集] その他

ギャンは正式採用されなかった機体であるが、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでは戦争の流れにおけるif(公式の歴史設定とは異なる架空の流れ)が楽しめるよう作られたため、「ゲルググではなくギャンが正式採用されていたら」という設定で数々のバリエーションが作られている。

各機体には、カラーリングを違えたエース専用機体(作品によっては性能値が異なることがある)が登場する作品もある。

[編集] 脚注

  1. ^ a b 機動戦士ガンダム公式Web「メカ-ジオン軍-ギャン」
  2. ^ TV版「機動戦士ガンダム」第37話。出撃前のマ・クベとウラガンの会話より。
  3. ^ TV版第37話、テキサスコロニー港湾ドックでの会話より。
  4. ^ a b c 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』197ページより。
  5. ^ バンダイ・マスターグレード「ギャン」解説。
  6. ^ 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』196ページより。
  7. ^ 『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[宇宙編]』049 ギャン より。
  8. ^ TV版第19話「ランバ・ラル特攻」終盤の戦闘。『THE ORIGIN』でもビーム状のサーベルを装備している。
  9. ^ 別冊宝島『僕たちの好きなガンダム』シリーズのギャンの解説頁より。
  10. ^ 講談社「SFプラモブック(1)機動戦士ガンダム」
  11. ^ これはHGUCモデルのカトキハジメによるアレンジに由来する誤解であり、大河原邦男による決定稿ではゲルググなみにボリュームがある。このアレンジについて、HGUCモデル発表当時の「ホビージャパン」では「マ・クベのイメージが投影されたためではないか」との説を挙げていた。

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

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