ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム

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ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム
ジャンル ロボット漫画
漫画
作者 朝霧鉄矢、作画=うしだゆうじ
出版社 バンダイメディアワークス
掲載誌 MJサイバーコミックス(アルマリア)
発売日 バンダイ版1990年
メディアワークス版2002年
巻数 全1巻
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ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』(Double Fake Under The Gundam)は、雑誌『MJ』で連載された、うしだゆうじによる「ガンダムシリーズ」の漫画作品。

概要[編集]

時間軸としてはTVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』とアニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の間に位置する。コロニー公社の下請け会社に所属する、ガンダムマニアの主人公・ダリーを中心に語られるオリジナルストーリー。映像作品(アニメ、CGアニメ、実写など)以外はサンライズ非公式と扱われることが多いガンダムシリーズにあって、本作品の出来事は一時期存在した宇宙世紀公式年表[1]に記載されていたこともあり、公式度の高い作品として扱われる場合もある。

基本的に本作オリジナルのモビルスーツやキャラクターを主軸に話が進むが、『ZZ』に登場したイリア・パゾムが新生ネオ・ジオン軍の士官として登場したり、『逆襲のシャア』に登場したジェガンヤクト・ドーガが登場する等、この作品が前述2作の間に位置していることが所々で描写されている。

雑誌連載後にバンダイから発売された単行本が程無くして絶版となったこともあり、作品認知度は高くなかったが、バンダイ発行の『機動戦士ガンダムMS大図鑑』シリーズには本作品のモビルスーツが掲載されており、後年にこの本の流れを汲むメディアワークスの『MS大全集』シリーズにも引き続き掲載されたため、登場機体に関しての認知度は高くなっていた。これらと並行し、ゲーム『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』(『ギャザービート』『ZERO』『F』)にもMSやキャラクターが登場し注目を集める。ただし、上記のシリーズ以外で本作品のMSを掲載した資料はほとんどなく、『GGENERATIONシリーズ』での登場も『F』以降は途絶えているため、作品を含めた現在の公式における位置付けは不明である。

2002年にはメディアワークスから単行本が復刊された。また、雑誌連載時は「ダブルフェイク」というタイトルだったが、単行本化の際に「アンダー・ザ・ガンダム」と改題。更に復刊された際には「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」に変更された(本記事名はこれを採用)。

なお、インターネット上では本作の出来事を便宜上「カラード事件」と呼称する場合があるが、作品内にはそういう記述は無い。

各版の違い[編集]

バンダイ版とメディアワークス版の2つの単行本では、物語の一部内容や収録作品など仕様面で違いがある。

  • バンダイ版では描き下ろしカラーページが冒頭に入り、ダリーとアルヴェニシカのそれぞれの孫が出会い、結婚し、祖父・祖母について二人が語ることで本編が始まっていた。また、連載時とは異なるエンディングが描き下ろされた。
  • メディアワークス版ではエンディングが連載時のものに戻され、バンダイ版にあった冒頭のカラーページが削除され、代わりに描き下ろし『It's Wonderful World』が追加された。
  • どちらもサイバーコミックスで掲載された短編『アルマリア』を収録。

ストーリー[編集]

第一次ネオ・ジオン抗争終結から1年経過した宇宙世紀0090年。地球連邦の傲慢に対するスペースノイドの反感は危険水準まで高まっており、各地でテロリズムへとエスカレートしていた。地球連邦の主導で本格的なコロニー再建計画がコロニー公社を中心に進められていたが、空きコロニーはテロリストの巣となっている場合が多く、連邦軍の護衛付きの危険な仕事となっていた。

コロニー公社の下請け会社、モノトーン・マウス社に勤めるダリー・ニエル・ガンズは、自らハンドメイドの専用ガンダム「Dガンダム」を作り上げ、"ガンダム・ダリー"の異名を取るほどのガンダム好きである。地球連邦軍サラミス改級巡洋艦・アラハスの護衛の下で再建作業に携わっていたダリーは、テロリスト集団「カラード」の襲撃を受けるが、Dガンダムでこれを撃退する。その腕を買われ、アラハスに所属することになるダリーだが、なぜか"ガンダム"を付け狙うカラードの女性パイロット、アルヴェニシカ・キーストや復活したネオ・ジオン軍の暗躍により、事態は意外な方向へと向かっていく…。

登場人物[編集]

声の出演は『SDガンダム GGENERATION-F』による。

モノトーン・マウス社[編集]

ダリー・ニエル・ガンズ
声:草尾毅
モノトーン・マウス社の作業員。「馬鹿」がつくほどのガンダム好きで、ジャンクパーツからDガンダムを作ってしまうほど。資料によっては名前が「ダリエル・ガンズ」になっているものもある(作中でもダリエル・ガンズと呼ばれる場面がある)。
成り行きからカラードとの戦闘に巻き込まれ、Dガンダムを駆って戦う事になる。作中、出撃中にチェリィ達の危機を感知する等、ニュータイプの要素を覗かせた。また機体のコクピットをビームサーベルで貫かれるが、コクピット内でビームを避けると言う荒業を使って無傷で生存している(あまつさえ、大穴の開いたコクピットでそのまま戦闘を行っている)。
なお、『SDガンダムGジェネレーションアドバンス』では、ジュドーによって語られるジャンク屋の一人として名前のみ登場している。
チェリィ・チノ・ローゼス
モノトーン・マウス社の作業員。ダリーの相棒。モノトーン・マウス社では父の形見であるモトリーと名付けた機材に搭乗していた。戦後はダリーと結婚し、サムソンとダニエラの双子を産む。
アイン・グレイフィールド
モノトーン・マウス社の作業員。ダリーの友人。

地球連邦軍(アラハス隊)[編集]

アルバ・ダグルト
アラハス隊技師。
アンティケ・ブリュワール
アラハス隊のMSパイロット。
イベラ・ツギム
ブリッジオペレータ。
ウィントン・マルサリス
アラハス隊のMSパイロット。アリー曰く「鈍臭い」。
オッド・フェルド
アラハス艦長。豪放磊落な性格だが、アニーの件を調べているなど、細心な一面もある。ダリーたちには割と好意的。
シィド・フュエル
アラハス隊チーフメカニック。
スティア・フレドリアツキ
アラハスのブリッジクルー。艦長の補佐役。
タケシ・カザキ
アラハス隊のMSパイロット。階級は中尉。やや堅物な性格で、ダリーたちの扱いに困っていた。ジェガン改に搭乗する。
ドーシー・ビワイド
アラハス隊クルー兼女性パイロット。アンティケとは恋人同士。
マキ・イトウ
ブリッジオペレータ。後にアインと結婚する。
ミカヨ・ツギム
ブリッジオペレータ。イベラとは双子。

カラード[編集]

アルヴェニシカ・キースト
声:こおろぎさとみ
愛称はアニー。アラハスを襲撃した際に"ガンダム"と遭遇。そのパイロットであるダリーを執拗に追い回す。ズサ・カスタム、ズサ・ダインに搭乗する。
故郷と家族をティターンズのコロニーへの毒ガス注入で失った過去があり、そこから反連邦のテロリストとなった経緯がある。
エルデスコ・バイエ
カラードのリーダー。やや穏健派。ザクIII後期型に搭乗する。
後にネオ・ジオンがコロニー落としを行うと知ると、それを阻止する為にアラハス隊と共闘する。
ディーマッド
MSパイロット。カラードの主戦派。故に袂を分かったエルデスコと戦った。ガザWに搭乗。
後にネオ・ジオンに合流する。
ナック・ラジャン
カラード参謀。
フォニオ・ラジャン・アシク
カラードの女性メンバー。
フォムン・ロフト
カラードのメンバー。
ヤン・クリーク
カラードのメンバー。

ネオ・ジオン[編集]

イリア・パゾム
階級は中佐。グワジン級レウルーラの艦長としてアラハス隊と交戦する。カラードの面々を自軍の隠れ蓑として利用する一方、彼らに対して差別的に扱わず自軍の兵士と公平に接し、カラード瓦解後の主戦派メンバーを自軍傘下に加えている。
ジェダ・ジェスカロート
イリアの副官。階級は中尉。粗野で好戦的な青年で、上官イリアが冷や汗を足らずほどの過激な策を提案したこともある。ヤクト・ドーガに搭乗する。
シン・ワタナベ
ワタナベ研究所の被験者の少年。タウとは双子の間柄で、ニュータイプ。
シンシア・ハース
ワタナベ研究所の女性職員。シン、タウのデータ収集を行っている。
タウ・ワタナベ
ワタナベ研究所の被験者の少年。シンと同じくニュータイプ。

登場兵器[編集]

Dガンダムをはじめとする本作が出自のMSの多くは福地仁がデザインを手掛けているが、中にはうしだゆうじがデザインしたものあり、作中でも画稿通りの姿ではなく、まったく異なる姿で登場している機体がある。機体によってはサンライズ公認となっている書籍に漫画のカットと設定画の両方が収録されているものもある。『GGENERATION』に登場したものは設定画に準じている。

モノトーン・マウス社
  • ザクヘッド
    ザクの頭を模した作業用ポッド。
  • Dガンダム
地球連邦軍
ネオ・ジオン

この他にも設定画や正式名称の存在しない機体が数機種確認できる。

本編未登場の兵器
本作のために福地は多数のMSをデザインしたが、中には画稿が上がったのみで本編に登場しておらず、扱い上で本作のものとされる機体が複数存在する。

脚注[編集]

  1. ^ 90年代当時の一部の電撃コミックスに記載されていた「宇宙世紀公式年表」にNSPについての記述が存在する。ただし年表自体は現在採用されていない設定も多く、既に厳格な扱いとはなっていない。
  2. ^ 『模型情報1988年12月号』43ページでは「ネオジオン製のボリノーク・サマーン」と記載されていたが、『MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』123ページの設定では作業用だった可変MSとされ、同ページのガザBがギラ・ドーガの前段階という記述になっている。『GジェネF』ではガザBの部分の記述に基づいているが、同ページにはクェル・ドーガも「重MS」として掲載されている。