新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop

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新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop
ジャンル SFガンダムシリーズ
小説
著者 隅沢克之
イラスト あさぎ桜(キャラ)、MORUGA(メカ)
出版社 角川グループパブリッシング
掲載誌 ガンダムエース
刊行期間 2010年8月号 -
その他 原案矢立肇富野由悠季
協力:バンダイホビー事業部
テンプレート - ノート

新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』(しんきどうせんきガンダムウイング フローズンティアドロップ)は、隅沢克之による日本小説作品。『ガンダムエース2010年6月号にて、「ガンダムW プロジェクト」の第1弾として発表され、同年8月号にプロローグを掲載し、10月号より本連載を開始。イラストは小説版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の挿絵や、漫画版『新機動戦記ガンダムW BLIND TARGET』を担当したあさぎ桜

概要[編集]

元々トレーズ・クシュリナーダの視点から時代を描く「新機動戦記ガンダムW エントリッヒ・エロイカ」という小説作品を構想していた隅沢だったが、当時の力量不足が災いし、未完のままお蔵入りになったという(後年、文庫版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の発売時に「エントリッヒ・エロイカ」の物語を書き足す案もあったが、分量が単行本5冊以上にまで及ぶと計算され、再度お蔵入りとなる)。それから10年以上の月日が流れ、執筆技術が多少向上した要因も重なり、再び小説に挑戦する想いが生じたとの事で「エントリッヒ・エロイカ」の物語を序章とし、その後の新たな展開を加えて描かれるのが本作である。

物語は『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』より数十年後から始まり、MC(マーズセンチュリー)と改暦した火星と、「ファイル」という形で語られるテレビシリーズ以前のAC(アフターコロニー)時代の地球圏の2つを舞台として構成されている。

物語[編集]

MC-0022年、地球圏統一国家大統領による「オペレーション・ミュートス」発動の許可を受けたプリベンターの老師・張は、部下のキャシィ・ポォ准佐に対し、大統領から送信されたメモリーチップのほか、ヒストリーバンクから3つのファイルをダウンロードし、自身が滞在する火星支局北極冠基地にまで持って来るよう命じる。オペレーション・ミュートスの発動には人工冬眠用冷凍カプセルに眠る「オーロラ姫」の覚醒が必要とされ、オーロラ姫を目覚めさせるにはそのファイルの存在が欠かせないという。やがて基地に現れたファザー・マックスウェルと名乗る初老の男性が持参する4つ目のファイルと合わせ、老師・張は冷凍カプセルの中で眠り続けていたAC時代のガンダムパイロット、ヒイロ・ユイを覚醒させる。

かつて「もう誰も殺さない」と誓ったヒイロに与えられた任務は、地球圏にとって最大の敵であるリリーナ・ピースクラフトの殺害だった。

登場人物[編集]

ヒイロ・ユイ
かつてのガンダムのパイロットの1人。詳細な理由は不明だが、長い間コールドスリープによって若い肉体を維持しており、「オーロラ姫」と呼ばれていた。
しかしMC-0022 NEXT WINTERに「オペレーション・ミュートス」発動により覚醒させられる。通常は1日以上しなければ立つことも出来ない状態から、直ぐに行動を開始し、身体能力の健在ぶりを見せた。
「P・P・P(パーフェクトピースプログラム)」が発動していることによって、現状ヒイロ以外にリリーナを殺すことはできないとされている。
カトリーヌ追撃任務後に出現した大量のMS(マーズスーツ)との交戦中、リリーナからの通信を受け、「お前はお前の戦いをまだ終わらせていない」と伝える。
搭乗機は「白雪姫(スノーホワイト)」。
ファザー・マックスウェル
かつてのガンダムのパイロットの1人、デュオ・マックスウェル。息子と共に「オーロラ姫」の覚醒に必要なファイルを持ってきた。
ガンダムパイロットとしての役目が終わった後、酒浸りの日々に陥り、同棲していたヒルデにも愛想をつかされ、その後は人類最果ての新天地火星へと移り住んだ。火星では気ままな一人旅を新しい「相棒」(2代目、800ccの大型バイク)と続けていたが、夜間の飲酒運転により操縦を誤り転倒、愛車は大破、自身も大怪我を負うも、通りすがったトロワが呼んだ救援により一命を取り留めた。入院費の支払いに苦慮していたところ、同じく火星に来ていたヒルデと再会。泣きついた上、彼女のマンションに転がりこみ、再び同棲生活を始める。新しい相棒(3代目、1500ccの大型バイク)を作る為のエンジンの費用捻出のためヒルデにプロポーズし結婚するも(この時点でヒルデがJames Clerk Maxwellの名義で戸籍を作った。デュオ・マックスウェルという戸籍はそもそも存在せず、また火星にも密入国したため戸籍がなかった)二、三ヶ月で家出、離婚後ヒルデに借金返済の約束をさせられ「ファザー・マックスウェル」を名乗るようになる。
シュバイカー孤児院の資金調達のために、火星で賞金稼ぎまがいの仕事をしていた。風土病により、キュレネの風やサリィよりも老けて見えるほどに老化が進んでしまった。
デュオ・マックスウェル
ファザー・マックスウェルの(血の繋がらないらしい)息子。髪を三つ編みにしており、容姿も若い頃のファザーにそっくりであるが、口は悪い。
ファザーに訓練を積まれており、ヒイロ・ユイに匹敵する腕前とのこと。またメカの扱いに長けており、推定4歳の時点で、ファザーのバイクを修理するほどの技術を有していた。
ファザー曰く、口が悪いのは「男手ひとつで育てた為」とのことだが、実際にはそれ以前にシュバイカー孤児院で育てられており、この頃から口が悪かった。
上着の襟回りの白いファーは、幼少期のクリスマスにファザーが着ていたサンタ衣装の切れ端であり、同じく幼少期にナイナに貰った髪留めリングやシールを今でも大切にしている等、物持ちがいい。
搭乗機は「魔法使い(ワーロック)」。
ドクトルT
かつてのガンダムのパイロットの1人、トロワ・バートンと名乗っていた人物。特徴である長い前髪は健在のようだ。
本人曰くドクトルTのTは「トロワ」ではなく「トリトン」とのことだが、後にトロワ・フォボスを名乗る少年にはどちらでも「3」と思われている。
トロワ・フォボス
MC-0021 FIRST WINTERに、火星連邦政府の初代大統領ミリアルド・ピースクラフトを暗殺した少年。しかし暗殺直後に所属していた組織に裏切られてしまう。そこをドクトルTとカトリーヌに助けられ、行動を共にする。その後、キャスリンによってヒイロ・ユイに匹敵するレベルまで訓練を積まされた。
かつてのトロワと同じく「名無し」であり、カトリーヌ追撃の際にドクトルTに「あんたのTはトリトンだったな?」と確認を取り、トロワ・フォボスを名乗ることにした。
名無しの自分を象徴する「ボロ雑巾のような」ニット帽を愛用、トロワを名乗ると同時に一時手放すが、名を捨てると再び被っている。
W教授
かつてのガンダムのパイロットの1人、カトル・ラバーバ・ウィナーである。「スノーホワイト」と「ワーロック」の開発・製造を担当したらしい。
『EW』から本作までの具体的な経過年数は示されていないものの、ファザーやドクトルTが「初老」と表記される中、「青年」と表記されている。かつての戦いで多くの命を奪ったことへの自責から、自分は幸せになってはならないという強迫観念に囚われている。結婚はしておらず、姉のイリアからは「恋愛すらしないのかもしれない」と言われていた。
カトリーヌ・ウード・ウィナー
W教授の妹。トロワ・フォボス曰く「かなり年の離れた兄妹」。試験管から生まれたため自分の存在を卑下しており、生命溢れる美しい世界を直視するのは申し訳ない事であるとし、眼鏡を着用している。ラシード曰く「妙なところがカトル様に似てしまった」。一人称は「ボク」。
リリーナの完全平和主義に賛同し、彼女の力になるため未完成のMS「プロメテウス」を奪い脱走する。
シスター・ヒルデ
ラナグリン共和国で表向き図書館の司書をしていた。デュオ(ファザー)と結婚したが家出され、その間に本来デュオが負うはずだった彼の知り合いの老神父の遺産である教会や孤児、借金まで押しつけられる羽目になるが、孤児達を不憫に思い、離婚もせずにシュバイカー孤児院として運営を引き受けていた。
ファザーの放蕩ぶりにはその腕を折る程の怒りを持っていたが、彼を『P・P・P』の呪縛から解放する為に研究を再開するなど(実はナノテクノロジーの権威)今でも憎からず思っているようである。
津波によって、シュバイカー孤児院とデュオ以外の孤児を失ってから、心が壊れてしまった。
ミス・キャスリン
トロワ・フォボスに訓練を施した絶世の美女。「三十代に入ったばかりと言っても差し支えない」外見で、ドクトルTからは「姉さん」と呼ばれている。「おばさん」は禁句らしく、彼女を「おばさん」づけで呼んだトロワは容赦なく殴られた。
ラシード・クラマ
ウィナー家で惑星間輸送の仕事を勤めている。カトリーヌからイリヤに好意を抱かれていると言われたものの、自身とは釣り合いが取れないことや、既婚であることを理由に一笑にふしている。自責の念を強めるカトルのことを、少年時代から変わらず心配している。
イリア・ウィナー
カトルやカトリーヌの姉にして、カトリーヌの育ての親。
キュレネの風
かつてゼクス・マーキスの名でOZに、ウィンドの名でプリベンターに所属していた、サンクキングダムの王子。娘と共に火星を旅していた。キュレネとは、ファザーと再会した都市の名前で、名をなんと呼べばよいかを聞かれた際に名乗った。トールギスの後継機を駆り、孤独な戦いを続けている。
ナイナ・ピースクラフト
キュレネの風とノインの間に産まれた、双子の姉弟の姉。幼い頃に父と火星を旅していたが、後にシュバイカー孤児院に預けられる。デュオのことを気に入っていた。
ミル・ピースクラフト
キュレネの風とノインの間に産まれた、双子の姉弟の弟。男ではあるが、母ルクレツィア・ノインの若き日にそっくりである。

地球圏統一国家[編集]

キャシィ・ポォ
プリベンターに所属している女性。階級は准佐。かつてのガンダムパイロットの協力者サリィ・ポォの娘であり、ファザーには「おっかさんそっくり」、ヒイロには「劣化サリィ」と評された。
老師・張
キャシィの上官。かつてのガンダムのパイロットの1人、張五飛である。現在は火星支局北極冠基地に1人で滞在している。トレーズの開発したガンダムエピオンの開発データを入手し、独自のMSであるエピオンパイを1人で製造・整備した。初めての搭乗にもかかわらず、機体のスペックを十二分に発揮させていた(ガンダムパイロットを引退したファザーは「奴はバリバリの現役だ」と評している)。
ドロシー・T・カタロニア
地球圏統一国家大統領。オペレーション・ミュートスを発動させる。
レディ・アン
大統領補佐官。
シルビア・ノベンタ
地球圏の大使。

火星連邦政府[編集]

ミリアルド・ピースクラフト
火星連邦政府の初代大統領。後にトロワ・フォボスを名乗る事になる少年に暗殺された。かつてのEVE WARSにてホワイトファングを指揮した「ミリアルド・ピースクラフト」を名乗っているが、その正体はルクレツィア・ノインの年の離れた兄「ディズヌフ・ノイエンハイム」である。
ゼクス・マーキス
火星の人工海上国家・ラナグリン共和国の上級特佐。ミリアルドの死後、火星連邦政府からの独立を宣言した。長く伸ばした金髪、端整な顔立ち…と容姿はかつてのOZのゼクス・マーキスにそっくりだが、本人ではない上、クローン、整形、変装、生霊でもないらしい。
リリーナ・ピースクラフト
「星の王子様」と呼ばれる冷凍カプセルで長きに渡り眠っていた。
ミリアルドの死後目覚めさせられ、二代目大統領として火星の統治を宣言する。ファザー曰く「かつてのリリーナとは変わってしまった」とのこと。
火星支局北極冠基地にノインとともに乗り込み、MS(マーズスーツ)と戦闘中だったヒイロと通信し、「早く私を殺しにいらっしゃい」と告げる。

トレーズ・ファイル[編集]

トレーズ・クシュリナーダ
かつてのOZの指揮官。宇宙の平和的指導者ヒイロ・ユイの甥、アインとクシュリナーダ家の令嬢アンジェリーナの間に生まれる。財団の後継者となるべき立場であったが、養父フンデルトとアンジェリーナとの間に弟ヴァンが生まれると、片方の血しか引いていない自分よりもヴァンのほうがふさわしいと、連合軍の士官学校へ入学した。士官学校では優秀な成績を収め、誰よりも優秀な将軍になると叔父のカタロニア将軍にも認められていた。当時無用の長物と言われ、自身も有効ではないと思っていたモビルスーツという兵器に、コルシカ基地でのトールギスとの邂逅に着想を得たことで、モビルスーツの戦闘理論を構築、史上初となるモビルスーツ部隊を創設するに至った。
ヴァン・クシュリナーダ
トレーズの父親違いの弟。トレーズは彼の将来を有望視していたが、自身は母親のアンジェリーナの意思に従い、兄に地球と宇宙の覇権を握らせることを目標に行動していた。若くして才能を発揮し、宇宙におけるモビルスーツの量産を軌道に乗せ、それを連合に卸すことで財団に莫大な利益を生んだことで10代にして財団の副代表の地位に就いた。母親への愛情が強く、近づく男に対して過剰なまでの敵意を撒き散らしてしまう。その後、AC-188にアディンの命令を受けたヒイロが暗殺しようとするが、他の暗殺者に先を越されてしまう。その際、アンジェリーナも巻き添えをくらい死亡した。暗殺者はその後ヒイロが初めて殺した人間となる。
アディン・ロウ
ヒイロの実の父親。血の繋がった実の親子であることは伝えず、自身の持つ知識と技術、生き残る術(「感情のままに行動する」こと)を伝えた。
アオイ・クラーク
OZのエージェントで、ヒイロの実の母親。ヴァンから依頼され、ウイングガンダムゼロの設計図を入手し、ヒイロを通じてヴァンに渡す。高い身体能力の持ち主であり、それはヒイロにも受け継がれた。
セイス・クラーク
アオイの夫で、ヒイロの義理の父。リーオーの開発者であり、宇宙要塞バルジの設計を担当した。

ピースクラフト・ファイル[編集]

サブリナ・ピースクラフト
サンクキングダムの王女で、リリーナの祖母にあたる人物。外見は金髪であることを除けばリリーナと瓜二つ。消極的で大人しい性格だが芯は強い。サムウェアという名のノルウェージャンフォレストキャットを可愛がっている。
公にはシャトルの事故で死亡したことになっている。
カテリナ・ピースクラフト
サブリナの双子の妹であるが、双子は一緒に育てられないというサンクキングダムの習俗で、L-1コロニーのドーリアン家に引き取られ育つ。積極的で活発な性格で、家庭教師であるヒイロへの恋心を自覚している。
美しい金髪と透き通る青い瞳を持っており、その容姿はリリーナに限りなく近い。また動物全般を愛するが、サブリナと違って本物のサムはなかなか懐いてくれていない(ワイバーンのAIであるサムは彼女と共に戦っていたが)。
AC145年11月26日、サンクキングダムが衛星軌道上からの核弾頭ミサイルで攻撃される事実を掴んだカテリナは、ジェイがサムの人格データを組み込んで開発した《ワイバーン》に乗って出撃。27日午前0時に発射されるようセットされていた攻撃衛星を見事破壊し、核弾頭ミサイルも地球圏から遠ざけることに成功。そのまま大気圏に突入し、サンクキングダム王国を占拠した反乱軍に宣戦布告をし、王政復古の宣言をした。
その後はウェリッジ侯爵の強力もあってAC145年12月に入り、サンクキングダムを占拠、王はじめ王家関係者を人質にとった反乱軍に単独で接触した。そして卓越した外交手腕と圧倒的なカリスマ性によって反乱軍と軍事同盟を結び、連合軍からの独立を目指すことを決めている。
AC146年5月頃、彼女は新たに《シス・マーキス》と自らを名乗るようになり、男装の麗人を演じ、自らを戦士として律するようになる(彼女が纏った仮面は、ゼクス・マーキスが纏っていたものと酷似している)。
ヒイロ・ユイ
後の宇宙の平和的指導者であり、その外見はガンダムパイロットのヒイロが成長した姿を連想させる。
カレッジ時代に家庭教師としてカテリナ、後にサブリナと出会う。優秀ながらも熱意というものがなく、「極端な合理主義者」と渾名されるほどだったが、運命に翻弄されるピースクラフト姉妹との関わりの中で変化し、また姉妹にも影響を与えた。
ジェイ・ヌル
ヒイロのカレッジの友人であり、後のドクターJである。「ワイバーン」を造った。
ヒイロを反地球統一連合を掲げる地下組織に勧誘していた。
トマス・カラント
ヒイロのカレッジの友人であり、後のホワイトファングの指導者カーンズの兄。「ワイバーン」に搭載されているZEROシステム初号機と「P・P・P・P(プロトタイプパーフェクトピースプログラム)」をプログラミングした人物。
地球圏統一連合軍の破壊工作により死亡。
マルティクス・レクス
地球圏統一連合軍に対抗する反乱軍の参謀補佐官。後のピースクラフト王。
当初は反乱軍のいち大尉でしかなかったが、単身ワイバーンで現れたカテリナ・ピースクラフトの護衛監視を命じられて以降は彼女と意気投合し、後にカテリナを主体とした反連合組織《シャーウッドの森》の一員となる。
非常に優秀であったが、「多分」という言葉を口癖のように使っており、優秀な作戦を立案してもいつも言葉の最後には「多分」という言葉がつくため、人を不安にさせてしまい、その点において作戦参謀としては悪癖だと言う評価もある(この悪癖がついたのは、AC146年4月以降《シャーウッドの森》に参加して以降とも言われる)。

登場兵器[編集]

白雪姫(スノーホワイト)
ドクトルTとW教授が開発したMS(モビルスーツ)。人工冬眠から覚醒したヒイロ・ユイの搭乗機。装備はカートリッジ装填式の新型バスターライフル(装弾数は三発、予備カートリッジ三発を携行)とビームサーベルで、かつてヒイロが搭乗したウイングガンダムに通じるところがあり、ZEROシステムも搭載している。ガンダムタイプかどうかは不明だが、開発者である二人はガンダムを意識してこの機体の製造をしていた。
元々はMC歴時点で一切のMSに対するデータが失われて機体の開発が難航していた中、ウィナー家所有の古い資源衛星の格納庫で『第二次月面戦争』において使用され、その後解体されて放置状態であったガンダニュウム合金製のMSを発見し、ウイングガンダムゼロやオペレーションメテオで降下した5機のガンダムの間に開発された試作機と判明したものを現在の技術でブラッシュアップしたのがこのMSである。
オペレーションメテオ以前のMSが基でありながら、スペックは現在の主要マーズスーツや、IIやIIIからの大幅な改良を加えられたビルゴIVにもひけをとらない。加えて通常の機体ならば行動不能になると言われる火星の強力な磁気嵐の中でもステルスマントを羽織るだけで稼働可能である。
後にヒイロに変わりW教授が搭乗。追加武装として『七つの矮星(ジーベンツバーク)』という特殊な弾頭を新型バスターライフルにセットし、七つの特殊な効果を持った砲撃を放つことが可能。
魔法使い(ワーロック)
デュオの搭乗するMS(モビルスーツ)。装備はビームサイズ。具体的な内容は不明だが、隠密行動により真価を発揮する機体。
白雪姫同様ガンダムタイプかどうかは不明だが、ツインアイタイプのMSとして描かれており(二機ともステルス機能付きのマントで機体を覆っている)、パイロットのデュオも「ガンダムパイロット」とされている。
シェヘラザード
ドクトルTとW教授が開発中のMS(モビルスーツ)。白雪姫・魔法使いの二機よりも開発が遅れているが、その状態のままプロメテウスを止める為にトロワ・フォボスが出撃した。
ドクトルTを持ってして「踊るアサシン──接近戦のみに特化した凶器の人型兵器」であり、ジャンビーアというアラビア風の短剣を装備し、『ベリーダンス』という民族舞踏をするかのような流線動作が可能。
本来はシャムシールという長い新月刀も装備される予定だったが、ソフトウェアの誤作動によって持たせることが出来ていない。
プロメテウス
シェヘラザードとともに開発中の機体であったが、未完成のままカトリーヌにより奪取される。ヘビーアームズ改(EW)と同様にピエロのようなマスクを装着しており、更に全身に重火器を内蔵するタイプの機体である。
最大の特徴は、自身の全長以上に大きな十字架型の兵器を武器として持っていることであり、この武器にはガトリングガン、マシンキャノン、ホーミングミサイルといった強力な火器が搭載されている。
80%まで未完成ながらも火力は魔法使いよりも上とのこと。2014年1月現在、唯一ビジュアルが公開されているFTのMS(モビルスーツ)。
エピオンパイ
トレーズが開発したガンダムエピオンの設計データを入手した老師・張が独力で開発したMSでガンダムエピオンの2号機である。
基本はオリジナル機と同様だが、新たにビームカノンとマシンキャノンを搭載したドラゴンハングとビームトライデントを装備しており、ヒートロッドは外されているほか、カラーリングはトレーズを彷彿とさせる白と蒼である。かつてのシェンロン・アルトロン同様、張はこの機体を「ナタク」と呼んでいる。
オリジナル機と同様にZEROシステムを搭載し、MA形態にも変形が可能。MA形態時にはドラゴンハングが三つ目の頭となり、三つ首の翼竜となる。
エピオン初号機
トレーズが建造したオリジナルのガンダムエピオン。AC歴に建造され、数十年後の月日が流れても、今尚も現存している数少ないMSの中の1機。EVE WARS後にミリアルド(現キュレネの風)によって火星に隠されていたがディズヌフによって回収され、現在はラグナリン共和国のゼクス・マーキス上級特佐が搭乗している。
過去にウイングガンダムゼロとの決戦で切り落とされた左腕は銀色の新造パーツとなっており、MA形態時に双頭の竜となる足先にもビーム砲が追加されている。

用語[編集]

クローン
その一人一人の予備とも言うべき存在。姿形も本人そっくりで名前も同じで本人からは「名前の同じ弟(妹)」と呼ばれている。クローンの使用例は、「本人が事故等により内臓の一部を摘出しなければならないときクローンの内臓の一部を移植することで本人に生命をつなぎとめたりする」とのこと。
風土病
原因不明の火星の風土病。侵されると急激な老化現象を引き起こす。老化現象には個人差が生じる。ワクチンが開発されているものの、ファザーに打たれたものは効果がなかった。カトルの姉のイリアが風土病について調べている。
火星暦「MC(マーズセンチュリー)」
火星連邦政府が「火星国家の独立」を宣言した際に制定した暦。火星のパラテラフォーミングの完成(火星に人類が生活できるようになった)の年であるA.C.182を持ってMCの初年「MC-0001」とした(「火星国家の独立」はMC-0017となっている)。火星の公転周期・自転周期に合わせたものとなっていて、「1年」は地球圏時間で687日、「1日」は24時間37分となっている。本作を始めMC-0022年がA.C.220年代中期の時間点前後推算。
火星連邦政府
火星圏の国家を統括する組織。初代大統領は「ミリアルド・ピースクラフト」。初代の暗殺後は、コールドスリープから目覚めたリリーナ・ピースクラフトが二代目を務めている。
ラナグリン共和国
火星にある国家の1つ。ミリアルド大統領の暗殺によって火星政府の革新派と保守派の両勢力が均衡になり、革新派が亡命してきたことを機にゼクス・マーキス上級特佐が火星連邦政府からの離脱並びに独立宣言すると共に宣戦布告をした。

書籍[編集]

角川書店から発売。

  1. 贖罪の輪舞(上)ISBN 978-4-04-715634-0(2011年2月24日刊行)
  2. 贖罪の輪舞(下)ISBN 978-4-04-715674-6(2011年2月24日刊行)
  3. 連鎖の鎮魂曲(上)ISBN 978-4-04-715733-0(2011年6月23日刊行)
  4. 連鎖の鎮魂曲(下)ISBN 978-4-04-715816-0(2011年10月22日刊行)
  5. 悲嘆の夜想曲(上)ISBN 978-4-04-120136-7(2012年2月23日刊行)
  6. 悲嘆の夜想曲(下)ISBN 978-4-04-120290-6(2012年6月22日刊行)
  7. 寂寥の狂詩曲(上)ISBN 978-4-04-120452-8(2013年1月23日刊行)
  8. 寂寥の狂詩曲(中)ISBN 978-4-04-120737-6(2013年6月22日刊行)
  9. 寂寥の狂詩曲(下)ISBN 978-4-04-120983-7 (2014年1月25日刊行)