ゼクス・マーキス

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ゼクス・マーキス(Zechs Merquise)は、アニメ新機動戦記ガンダムW』の登場する架空の人物。本名はミリアルド・ピースクラフト。担当声優子安武人

人物[編集]

秘密組織OZ /スペシャルズに属する仮面を纏った士官。階級は本編開始時点で上級特尉。北欧系男性。初登場はテレビシリーズ第1話。

完全平和主義を唱えたサンクキングダム王国の王子として生を受けたが、王国を地球圏統一連合に滅ぼされると、ミリアルドは復讐のために仮面を被り、名をゼクスに変えて連合へ入り込む。やがてOZの中で頭角を現していき、ライトニング・バロン(閃光の男爵)、後には二級特佐に昇進してライトニング・カウント(伯爵)の異名を持ち、敵味方から恐れられるパイロットとなる。

実の妹のリリーナ・ドーリアン(本名〈あるいは旧名〉はリリーナ・ピースクラフト)と同様、ピースクラフト王家の血筋らしい美貌を持つが、闘争心の強い性格でもあり、相手にハンデを持たれることを嫌う。また、トレーズ・クシュリナーダには早くから正体を見抜かれており、有能な部下として評価されつつ動向に関心を寄せられていた。

シリーズ前半では、騎士道と合理的・能率的に破壊と殺戮を実行する近代的兵士のプロフェッショナリティの狭間で、葛藤する姿が多くみられた。

そのMS操縦技術は5人のガンダムパイロットと同等で、彼らとは幾度も干戈を交える。主人公のヒイロ・ユイとの初戦では機体性能の劣るリーオーを巧みに操り、ガンダムの動きを封じ込めた。常人では発するGによって命にも関わるトールギスを、最初は苦しみながらも短期間で御し、後にはトールギスの運動性のほうがゼクスの反応速度に追いつかなくなるなど、肉体の強靭さや反射神経などパイロットに要求される能力については、ヒイロたちにも劣らず高度なものを持つ。

しかし、OZへの裏切り行為を働いたという理由で、ロームフェラ財団が差し向けたMS部隊に正面から挑んだり、ピースミリオンに所属してからも真っ向からOZのモビルドール部隊を幾度も襲撃するなど、無軌道ともいえる戦闘を行う傾向がある。

ヒイロとは良きライバルとして幾度も交戦し、互いに苦心しながらもゼロシステムを使いこなすようになる。また、単独での活動を前提とするゲリラ兵として教育されてきたガンダムパイロットの面々と異なり、正規の訓練を受けた軍人であるために戦略眼はガンダムパイロットより優秀であるとされ、小説版『Endless Waltz』ではデキム・バートンの企みをいち早く見抜き、MO-IIIを強襲できたのはそのためであると明かされている。

一部では、「部下殺し」という不名誉な二つ名を陰で口にする者もいたが、王族という出自や部下に対しては明朗な気さくさも持ち合わせていたことから、OZ内でゼクスに信望を寄せる者は多かった。

士官学校の同期であったルクレツィア・ノイン(共に10歳の頃、トレーズ率いるOZスペシャルズの一員だった)とは、恋人同士ともいえない微妙な友情を抱き合う関係だったが、強い信頼感を互いに秘めていた。しかし、ノインは次第に立場を違えて敵同士となり、ゼクスの考えをすぐには理解できず悩む。ゼクスのほうも立ち塞がるノインを倒せないことを理想を貫ききれない弱さであると感じ、自分自身の甘さをなじる。それでも最終的には和解し、せめて傍でその戦いを見届けることを望むノインに、ゼクスは「好きにするがいい」とそれを許す。

それから1年後のマリーメイア軍との戦いでも、ノインと共に数百機のサーペントへ挑んで窮地に陥るが、互いの背中を守り合った。その乱が終結した後は火星へのテラフォーミング事業にノインと共に向かっており、絆の強さが窺える。

劇中の活躍[編集]

新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO[編集]

本編から4年前、テロリストの鎮圧に赴いた際に、テロリストに人質に取られたリリーナと再会、救出する。しかし、この時は自らの素性を話す事無く自ら『星の王子様』とだけ名乗り、その場から立ち去る。

新機動戦記ガンダムW[編集]

スペシャルズの部隊長で、地球に降下してきたウイングガンダムを迎撃するなどの功績を認められ、トレーズからは高い信頼を得ている。アニメ前半は主にトールギスを駆り、ガンダムパイロットと幾度も戦う。しかし、次第に彼らの生き方に影響され、戦士としてのあり方に疑問を持ち、南極での決闘後、ロームフェラー財団の調査隊に捕らえられる。トレーズからの赦免を蹴る形でOZから差し向けられた刺客の部隊を振り切り、ハワードの助力を得て、トールギスで宇宙に上がり、サンクキングダム親善大使ミリアルド・ピースクラフトと名乗り、コロニーに和平と非武装化を説き続ける。しかし時代の流れを変えることが出来ず、また、戦場ではゼクス・マーキスとして仮面を被り2つの顔を使い分けることになる。

後に宇宙で放置されたウイングガンダムゼロを得、地球に降りてヒイロのガンダムエピオンと乗機を交換しエピオンを駆り、ミリアルド・ピースクラフトと名乗りホワイトファングの指導者となる。人類に戦争の愚かさを見せ付けるため、戦争の根源である地球の存在を否定、地球にリーブラを落とし核の冬に陥れようとする。最終的にはヒイロ・ユイの乗るウイングガンダムゼロと一騎打ちを繰り広げるも敗退、リーブラの動力部の爆発の中にガンダムエピオンと共に消えた。

漫画版では、リーブラの破壊方法がTV版と異なる(エピオンを含めた6機のガンダムでツインバスターライフルを放つ)為、行方不明になる事は無くエピローグでトレーズの墓に訪れている姿が描かれている。

新機動戦記ガンダムW Endless Waltz[編集]

一年間行方不明になっていた(どのようにリーブラから脱出したのかは不明)が、マリーメイア軍が蜂起すると、レディ・アンの元に訪れ「プリベンター・ウインド」のコードネームを名乗り、トレーズの形見となるトールギスIIIを駆り、マリーメイア軍と戦う。

マリーメイア軍の主戦力であるサーペント部隊の居場所を唯一見抜き、MO-IIIを強襲するが、真のオペレーション・メテオまでは見抜けず、X-18999コロニーを地球に落とすとデキムに宣告された上、サーペント部隊の地球降下を許してしまう。コロニーの安定後はトールギスIIIのメガキャノンでMO-IIIを破壊するが、デキムはMO-IIIの爆破寸前に脱出したため取り逃がす。

地球降下後はノインのトーラスと連携し、多数のサーペントを撃破。反乱終結後はノインと共に火星のテラフォーミングを行うために宇宙へ旅立っていった。

搭乗機[編集]

主な搭乗機
その他の搭乗機

その他[編集]

  • 名前の由来はドイツ語の6sechs ゼクス)、および英語の侯爵Merquise マーキス)であるが、TVシリーズ本編開始時点での彼の爵位は上記の通り男爵Baron バロン)である。ヒイロ達、5人のガンダムパイロットが1~5の数字に由来する名前であるように、ゼクスが「6」の数字を名前に持つのは彼がもう一人のガンダムパイロット、ひいてはもう一人の主人公であるということを示している(ただし、ガンダムVSガンダムシリーズではゼクスの属性はライバルキャラ扱いとなっている)。
  • 初期設定ではニュータイプであり、コミックボンボン連載の漫画版にもゼクスがニュータイプであるというセリフが存在する。しかしその後、『ガンダムW』の世界観にはニュータイプを出さないことになり、TV版ではその単語が出ることは無かった。
  • ゼクスは『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)のオマージュキャラであり、『ガンダムW』本編におけるゼクスの行動は『逆襲のシャア』までのシャアの行動と酷似している。
  • PS3ソフト『ガンダム無双』にヒイロと共にゲスト出演。『ガンダム無双2』でのミリアルドのストーリーモードでは、強力なビーム兵器やファンネルなどの誘導兵器が主流となる戦いに対し、人々に「戦いの礼節」というものを教えるためにエピオンでファンネルを持つ敵と戦うというミッションがある。この時ミリアルドはファンネルについて「四方からの攻撃で敵をなぶり殺しにする」や「小型化による奇襲で敵を葬る」とマイナス的な発言をしている(ただし、前作のガンダム無双ではエルピー・プルとの友情を交わしファンネルを容認している)が、これはトレーズの騎士道に賛同しての発言であり、ストーリーモードをクリアすると仮面を被ると言いマスク姿の「ゼクス・マーキス」が参戦することになる。また、同作のフリーミッションなどでは「お前が死ぬとリリーナが悲しむ」と言いながらヒイロの援軍として登場することがある。
  • ∀ガンダム』第49話にてコレン・ナンダー月光蝶を目撃して連想したガンダムがウイングガンダムゼロであったことや、コレンに関するいくつかの裏設定から「コレンはゼクスの成れの果てではないのか」という説があった(実際には制作上たまたま絵がウイングゼロになっただけであり、コレンが目撃したガンダムが本当にウイングゼロだったのかは不明。詳細はコレン・ナンダー#その他参照)。

関連項目[編集]