ヒイロ・ユイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒイロ・ユイは、アニメ『新機動戦記ガンダムW』の主人公の一人のコード・ネーム。あるいは、同作品中で伝説の指導者とされる人物の名前。前者の声優は、緑川光が担当した。
目次 |
[編集] 人物
- 人種:日系人
- 出身地:L1コロニー
- 身長:156cm
- 体重:体重45kg(TV版時)
- 瞳:プルシアンブルー、もしくはモスグリーン
- 髪:ダークブラウン
幼少期から工作員として英才教育を仕込まれ、並外れて強靭な肉体に秀でた戦闘能力を誇る。劇中では、見事なフェンシングの腕を披露する場面もあったが、主に銃を好んで使用していた。意外なことに乗馬やダンスもこなせる。強靭な精神力の持ち主でもあり、本編でパイロットとしてゼロシステムを使いこなし、その状態で長期間戦い続けた人物は彼とゼクスのみである。
「無口で無愛想で無鉄砲」[1]と評されるような性格。無口ではあるが、動揺し取り乱す場面や、感情的な行動も多々見られる。また物語が進むにつれ、(わかりにくいものの)本来持っていた優しさや思いやりを見せるようにもなった。 詰めが甘い部分もみられたが、冷静で的確な判断力と驚異的な行動力を持つ工作員である事に変わりなく、任務の障害になると判断した者は、かつての恩人や味方ですら殺そうとすることが何度かあった。しかしヒイロが「殺す」と断言したキャラは、実は誰一人として殺していない。
正義感等のものは全く持ち合わせておらず、あくまで感情のままに(無意識的にともされる)行動を取っているとされる[2]。
モチーフは、池田監督曰く「矢吹ジョーの性格の演技の上手い内田有紀」(アルバム・新機動戦記ガンダムW・オペレーション1)
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
[編集] 劇中での活躍
[編集] 新機動戦記ガンダムW
幼少時はアディン・ロウという男に拾われ、生きるす術を教え込まれ共にゲリラ活動を行っていたが、8歳のときにアディンと死別する(この時すでに名前も身元も不明であった)。アディンから教えられた「感情のままに生きる事」は以後、ヒイロの行動原理となる。ヒイロを 見込んだドクターJに声をかけられ、ガンダムに乗ることを承諾したのもその行動原理によるものであった。 ノベルズ版(角川スニーカー文庫)では、3歳の時に両親を失い、その後ドクターJに拾われナンバーで呼ばれ、工作員として教育を受けたという設定になっている。(この小説版はOVA版との繋がりを持たず、TV版とは別の結末を迎えているため、あくまで小説版のみの設定であると考えたほうが良い)。
ドクターJの下で破壊工作とウイングガンダムのパイロットとしての訓練を積む。AC(アフターコロニー)195年、オペレーション・メテオが発動され、OZ殲滅のためウイングガンダムで地球に降下する。降下直前、彼に直接指令を与えるドクターJにOZへの復讐の意味もこめて、指導者「ヒイロ・ユイ」の名をコードネームとして与えられる。
シャトルに偽装したウイングガンダムで大気圏突入中に、ゼクス・マーキス指揮下のOZモビルスーツ部隊と遭遇、ゼクスの巧みな戦術によりヒイロは敗北、ウイングガンダムは海に墜落する。ヒイロは脱出し、海岸でリリーナ・ドーリアンと初めて出会う。気絶していたところを民間人であるリリーナに顔を見られたヒイロは、この時点で自決しようとしたが、アストロスーツの自爆装置が故障していたため失敗し、リリーナの呼んだ救急車を強奪して逃走する。
目撃者であるリリーナを抹殺するため、リリーナのいる学校に編入。同時に学校を拠点にして、海中に沈んだウイングガンダムを、OZに回収される前に破壊しようと動く。その現場で、ガンダムデスサイズのパイロット、デュオ・マックスウェル、リリーナと鉢合わせる。リリーナの殺害をデュオに阻止されると、サルベージされたウイングガンダムに魚雷を叩き込み、自分は海面にたたきつけられ、リリーナによって地球圏統一連合軍の医療施設に収容される。
「何者にも察知されずOZに破壊工作を行う」という任務に失敗した、と自ら判断したヒイロは、自分の存在がコロニーへの攻撃の材料になるのを防ぐため、統一連合の施設からの脱出の際にも自決を試みようとするが、その時にもリリーナの叫びで自決を思い留まってしまう。ヒイロは、完璧に訓練されたはずの自分がリリーナにペースを乱されていることに戸惑い、ヒイロの中でリリーナの存在は強くなり始めていた。学校をOZが襲撃し、リリーナが戦闘に巻き込まれたときは思わず彼女を庇ってしまうなど、とうとう彼女を殺せずじまいであった。その後もヒイロは、自分が「殺す」と宣言した人物を実は一人も殺せていない。
リリーナのいる学校を去った後は、OZの流した偽情報に惑わされ、ニューエドワーズの地球圏統一連合の軍縮会議を襲撃し、コロニーとの和平推進派ノベンタ元帥の乗るシャトルを撃墜してしまう。またシベリアでのトーラス輸送襲撃作戦では、トールギスに乗るゼクスと再戦するも、レディ・アンにコロニーを盾に取られてしまう。レディ・アンの脅しに対し、ドクターJは「投降するがガンダムは渡せない」という返答をするが、これに応じる形で、ヒイロは躊躇なく自分が乗ったままのガンダムの自爆スイッチを押す。
一命を取り留めたヒイロは、トロワのサーカス団で傷を癒すと、ノベンタ元帥の親族に謝罪するための旅に出る。その後ルクレツィア・ノインの手引きで、南極でゼクスと再会。シベリアでの戦いの続きを、一対一で行うというゼクスの申し出を受ける。ヒイロはゼクスによって修復されたウイングガンダムではなくトロワのガンダムヘビーアームズを借りて決闘に挑む。決闘の最中リリーナが割って入り、OZの追討部隊も介入したためトロワと共にその場を去る。
ガンダムを地球に捨てて宇宙に上がると、デュオの名前を勝手に使って学生になりすまし潜伏した。その入学の挨拶では、武装化と戦争に向かうコロニーへの思いをアドリブで語り続け、途中で教師に止められていた。当のデュオ本人は、OZに捕まり反乱分子の象徴として公開処刑されようとしており、そのデュオを暗殺するためヒイロはOZの基地に潜入するが、結局デュオと共に脱出する。今度はOZに協力させられようとする、ドクターJを含むガンダムを製造した5人の科学者を抹殺しようとするなど、あくまでOZを叩くための障害を排除しようと動く。
科学者抹殺の為に潜入した月面基地で逆にトロワに捕まり、ドクターJたちが開発したモビルスーツ、メリクリウスのテストパイロットになる。ヴァイエイトのパイロットとなったトロワと共に任務を与えられ、サンクキングダム大使ミリアルド・ピースクラフトとして宇宙に上がったゼクスと一戦交えた後、彼をレディ・アンのところへ連れていく。そしてウイングガンダムゼロのカトルと対峙し、トロワが犠牲になりながらも、カトルの暴走を食い止める。ウイングゼロとの戦闘で力尽きたところをカトルと共にOZに拘束され、トラント特尉によってウイングゼロの実験に協力させられる。ゼロのシステムに”自分の命を弄ぶ敵”として5人の科学者の姿を見せられヒイロは暴走するが、その前に立ちはだかったカトルの説得で暴走を止め、気絶する寸前にリリーナのイメージを見る。
カトルと共に再び地球に降りたが、戦うことしか知らないヒイロは、OZ主流派に反対するトレーズ派に傭兵として加わり、無軌道に戦い続ける(ここでのコードネームは「レッド・ワン」だった)。そんなヒイロに、カトルは難民の噂に聞いたサンクキングダムに行こうと呼びかける。戦争を拒否して細々と国家を運営するサンクキングダムに身を寄せたヒイロは、その統治者となったリリーナと再会する。
ヒイロは、戦乱の世の中で力なくして平和主義を貫こうとするリリーナの理想に疑問を呈しながらも、モビルドールで世界を蹂躙しようとするロームフェラ財団に抵抗する兵士達がサンクキングダムに寄せる信望や、世界中の平和主義者の子女がサンクキングダムに集まっている状況を見、人心がその理念を求めつつあるのを実感する。ヒイロはリリーナの依頼を受け、カトルやノイン達と共に無防備すぎるサンクキングダムの盾となる事を決める。
しかし、今の自分の戦いを「惨めで、無駄な抵抗」と考えるヒイロは、リリーナに「自分に黙って去るな」と言われていたものの、意義もないままなおも戦いを求め、危険な戦場である、トレーズ派の最後の砦であるルクセンブルクに行ってしまう。そして、その激戦で窮地に陥ったところを回線でトレーズに呼びかけられ、戦士としての自分を問い直してみるように、と古城に隠されたガンダムエピオンをトレーズから託される。
世界の支持を集めはじめるサンクキンダムの平和思想を危険視したロームフェラ財団(OZの母体)は、反乱分子やゲリラをかくまっているという口実で、サンクキンダムへの侵攻を開始する。戦闘が激化して攻撃が市街地に及ぶと、エピオンのゼロシステムでリリーナがビームで蒸発するビジョンを見てしまい、暴走する。カトルやノイン達の奮闘もむなしくサンクキングダムは崩壊するが、暴走を続けるヒイロは、ウイングゼロで遅ればせながら到着したゼクスと、4度目の対決に挑む。互いに機体のシステムに翻弄されて決着はつかず、二人は機体を交換してサンクキングダムを後にする。
それからもヒイロは地球で、単独でOZに戦いを挑み続けていたが、リリーナがロームフェラ財団の代表に就任したことを聞き、それではリリーナは傀儡として利用されるだけだと思ったヒイロは、彼女を暗殺しようとする。財団の議事堂に潜入し自分に銃口を向けるヒイロに気付いたリリーナは、それを受け入れるつもりだったが、ヒイロは彼女の地球と宇宙の和解という理想が、財団全体の支持をも受ける本物であると確認し、殺すことをやめリリーナに期待をよせた。その後、ヘビーアームズを発見したサリィ・ポゥと共に宇宙に上がり、最初に再会した五飛と共に、ピースミリオンに合流、他のガンダムパイロット達と共にゼクスが率いるホワイトファングと戦う。
様々な人物との出会いが変化をもたらしたのか、この頃になると、これまで通りの冷徹な言動の中にも他者を思いやるようなところが見られるようになった。また排他的な考え方から、情勢全体を見極められる様にもなった。リーブラに軟禁されたリリーナを救出するため単身潜入し、そこでもリリーナへの思いやりや尊敬が感じられるような台詞を、彼女に向ける。そしてゼクスとトレーズを倒して戦争を終わらせることが、自分がリリーナにしてやれる唯一のことだという言葉を残して、ゼクスとの最終決戦に挑む。
ヒイロとゼクスの戦闘は世界中に中継され、人々に戦争の虚しさを伝える。ヒイロはゼクスに自分達も含めて「人類全てが弱者」だと言い、ゼクスは「まだ自分を弱者と認るわけにはいかない」と言い残し、リーブラの動力炉を爆破して姿を消す。ヒイロは地球に落下するリーブラの破片を狙撃、これを撃破し、地球を核の冬から守る。
[編集] 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
この作品では、彼の過去の苦い記憶が明らかになる。
かつて地球圏統一連合軍の施設破壊のために潜入したコロニーで、ヒイロは子犬を連れた一人の少女と出会う。この頃はまだ本来の優しさが表面に出ていたのか、無邪気な少女の話し相手になり、じゃれついてくる子犬にも優しげな表情を見せていた。しかしヒイロのミスにより民間施設に誘爆を引き起こし、その少女と子犬を死なせてしまった。ヒイロは雪の中、少女にもらった花とともに子犬を土に埋める。これ以来訓練を重ねるうちに、冷徹無比な工作員としてのヒイロになっていったと思われるが、この出来事は彼の心の底にトラウマとして残っていた。劇中でも対峙する五飛に、いつまでそのような悲劇を繰り返さなくてはならないのかと問いかける。
マリーメイア軍に拉致されたリリーナを救出すべく、デュオと共にコロニーL-3 X-18999に潜入。乗っ取った宇宙用リーオーで戦闘中に、ガンダムナタクを駆る五飛と再会する。ヒイロは五飛に「ガンダムの自爆スイッチを押せ」と呼びかけるが、それを聞き入れず猛攻をかける五飛の前に防戦一方で、同じくコロニー落としを防ぐためにマリーメイア軍に潜入していたトロワの機転で辛くも振り切ることができた。その後トロワと合流し、X-18999落下阻止に成功する。
X-18999を脱出した後、カトルによって回収されたウイングゼロを宇宙空間で受け取り、成層圏でガンダムナタクと激戦を繰り広げながらブリュッセルへ向かう。五飛の攻撃を受けながらヒイロは、自分達が戦い続ければかつて出会った少女のような戦争の犠牲が無駄になり、悲惨な歴史がいつまでも繰り返されると語りかける。その言葉は五飛に、自分の故郷の悲劇を思い起こさせる。「あと何人殺せばいい」という自分の問いかけに答えを出せないまま、ヒイロはウイングゼロごと海底に沈むが、マリーメイアを撃ち、決着をつけるために再びゼロを起動させ、最後の出撃に出る。
ヒイロは大統領府を破壊しようとしたが、最後の最後で子犬を連れた少女の事を思い出し、ツインバスターライフルによるシェルター破壊に留める。大破したウイングゼロから脱出して大統領府に潜入し、マリーメイア・クシュリナーダを銃弾の入っていない拳銃で撃つ。マリーメイアを撃ったのを最後に「もう誰も殺さなくてすむ」と言いながらヒイロは力尽き、リリーナの胸の中で眠る。大統領府を破壊しようとした際は、リリーナ諸共に攻撃し、彼女の死後は自らも後を追おうと考えていたようだが[3]、「シェルターは完璧なんだな」とこだわったのはリリーナのことがあったからだということであり[4]、複雑な心理であったと言える。
その後、自らの役目が終わった事を悟ったヒイロは、リリーナの演説を聞いた後に、たった一人、街の中へと消えた。 漫画版ではその後、リリーナのボディーガードとしてサングラスをかけて活動している姿が見られる。
後日談である『PREVENTER・5』(漫画『EPISODE ZERO』収録)でも行方不明となっており、リリーナ達が人質に取られた事件ではサリィがいくら探しても見つからなかったが、結局自分からプリベンターへ合流、救出作戦に参加する。
[編集] 他作品での出演
- スーパーロボット大戦シリーズ
- 原作で自爆を行ったことから、精神コマンドに「自爆」が含まれているのはお約束となっており、『新スーパーロボット大戦』では初参戦であるにも関わらずその事がキャラクター辞典に明記されていた(但し、『第2次スーパーロボット大戦α』及び『第3次スーパーロボット大戦α』ではシステムの都合上自爆が不可能なため含まれておらず、以降の作品も精神コマンドに「自爆」自体がない事が多い)。担当声優の緑川光がシリーズのファンであるためか、他作品とのクロスオーバー台詞も多い。
- スーパーロボット大戦α
- 無口で無表情という共通点のある『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイと無表情のまま「……」と無言で睨み合うイベントがあるが、この際はヒイロがその場から立ち去っている。
- スーパーロボット大戦W
- 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』期の彼が、嘗ての自分の様な人間性を失った兵士である、『フルメタル・パニック!』の相良宗介に助言をするなどのクロスオーバーが見られる。
- 『SDガンダム GGENERETION ギャザービート/アドバンス』
- 無口なキャラと設定されていたユウ・カジマと無口対決をし、両者「……」としばし無言の後、ユウが「無口だな」とツッコミを入れ、ヒイロが「面白い男だ」と返すイベントがある。『ギャザービート2』ではこのイベントはないものの、ユウの無口に対し今度は死神つながりでデュオが挑戦し、あまりの無口ぶりに敗北する…というイベントが用意されている。
- 『SDガンダム GGENERETION DS』
- オーブでの戦闘の時突然ガンダムエピオンで乱入し、アークエンジェルの危機を救う。その時に、カラミティ、フォビドゥン、レイダーとのブーステッドマン三人と戦闘になるが、その時に「ガンダムのパイロットは戦場でしか生きることを許されない。・・・が、お前達は偽者に過ぎない。その事を今教えてやる」と発言している。この三人との戦闘時にヒイロが三人を同時に撃破すると、エピオンのゼロシステムをフル稼働させてカラミティ、フォビドゥン、レイダーを撃破するイベントが見られる。その後の再戦時には「戦う事でしか己の存在意義を見出せないお前達はかつての俺と同じだ。そんな奴らに俺は負けない!」とかつての自分と重ねて見ているシーンもある。
- 『ガンダム無双』
- 主に東方不敗と行動を共にするが、基本的には単独行動を続けており、東方不敗と共に返り討ちしたジェリド・メサらティターンズ部隊と共同作戦を展開した際もほとんど意に介していない。自陣営のシナリオでは最終的に東方不敗と一騎討ちを繰り広げ、その勝利を以って任務終了とし、戦場を去った。
[編集] 搭乗機
- 主な搭乗機
- XXXG-01W ウイングガンダム
- XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ
- XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロカスタム
- その他の搭乗機
- XXXG-01H ガンダムヘビーアームズ
- OZ-13MSX2 メリクリウス
- OZ-13MS ガンダムエピオン
- OZ-06MS リーオー
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
|
||||||||||||||||||||

