ウインチ
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ウインチ(winch)とは、動力により駆動される歯車などにより減速して回転させるドラムにワイヤロープ等を巻き付け、物の上げ・おろし、運搬、引張り作業などに使用する機械である。巻き揚げ機とも呼ばれ、主に重量物の移動に用いられる。
キャプスタン(Capstan)も参照のこと。
ドラムにワイヤーロープ等を多層巻きするものには、ロープをガイドすることでドラムに均等な巻きつけをするためのシフター装置を装備するものがある。
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形態 [編集]
港湾用定置型電動ウインチ
- 定置型
- ベースにより構造物に固定されるウインチ。トンネル掘削、鉱山、井戸、浜に船を上げる漁港などで見られる。工場や倉庫では、ホイストや天井クレーンが使われることが多い。アスファルトプラント、バケット昇降用、クレーン用、建設用エレベーター昇降用、扉開閉用、ドーム開閉用、遊具設備昇降用など各種設備にもつかわれる。
- 可搬型
- 小型ホイスト
- 手巻きウインチ
- ハンドウインチとも呼ばれる。巻き取りドラムを持たないチルホールにくらべ、ワイヤー長に制限があり、不利。ただし電源が必要ないため、懸垂幕、照明設備、ゴルフ場ネット、駐車場ロープなどの昇降やコンベア脚俯仰用など、あらゆる用途に使用可能。
動力 [編集]
ウインチに使われる動力は、定置型では電動機とエンジンが多い。大型自動車用の排気量約13リッターのディーゼルエンジンを動力とする例もある。
車載用では、電動式はSUVへの後付け用など少数派で、エンジンの動力をトランスミッション、またはトランスファー(四輪駆動車の場合)から分配するパワーテイクオフ (Power Take-Off、PTO) が主流となる。
PTO式での動力の伝達は、機械式と呼ばれるギアのみによるものと、PTOで歯車ポンプを駆動し油圧モーターで駆動する油圧式とがある。小型のものは構造が単純な機械式が多く、それより大型でけん引能力が大きいものでは、エンジンストールの心配が無く、かつ操作が楽な油圧式がほとんどである。
原動機による分類 [編集]
- 電動式
- 油圧式
- 油圧モーター(スピードコントロールが可能。)
- 空圧式
- エアモーター(スピードコントロールが可能。防爆区域の使用に適している。)
- エンジン式
ドラムによる分類 [編集]
- 単胴
- 一つの原動機に対し、一つのドラムを有するもの。
- 双胴
- 一つの原動機に対し、同軸で胴回転のドラムを仕切り板などで分けて何本かのワイヤロープを同時に巻くもの。
- 複胴
- 一つの原動機に対し、二つ以上のドラムを有し、クラッチなどにより、単独または同時にワイヤロープを巻くもの。
- ワーピングドラム(キャプスタンウインチ)
- つづみ型のドラムにワイヤロープを数回巻き、摩擦力を利用し、張力をかけたり、ゆるめたりすることにより、ものを引き寄せるもの。
- 摩擦ドラム
- 2つの溝付ドラムを平行に溝の半ピッチ分ずらして置き、これにワイヤロープを順々にかけて、その摩擦力で荷を駆動するもの。
用途 [編集]
- 建設
- 土木
- 土砂搬出(トンネル工事)など
- 設備
- アスファルトプラント、台車横行、扉開閉、船陸揚など
- 消防車・レッカー車
- 救助活動(工作物の破壊、落下物の引き揚げ)、事故車の牽引などに用いられる。
- 車両積載車
- 自走できない車両の積み下ろしのほか、固縛(タイダウン)にも使われる。
- 四輪駆動車
- 路外走破性の向上や、他車の救援、倒木など障害物の撤去に用いられる。樹木や岩などを介してワイヤのフックを自車に引っかけ、ウインチで巻き取りながら急勾配や泥沼などを走破する。
- 船舶
- その他
歴史 [編集]
ウインチが文献に現れた最古の例として、ヘロドトスのペルシア戦争についての歴史書(『歴史』 7.36)がある。それによると紀元前480年、数百の船を並べてヘレスポントス海峡に橋をかける際に、船を繋ぐ綱を引き締めるのに木製のウインチが使われたという。それ以前にアッシリアでウインチを使っていたと考えられている。紀元前4世紀のアリストテレスの時代には、ウインチと滑車を使った巻き上げ機が普通に建築に使われていた (Mech. 18; 853b10-13)[1]。
脚注・出典 [編集]
- ^ J. J. Coulton, “Lifting in Early Greek Architecture,” The Journal of Hellenic Studies, Vol. 94. (1974), pp. 1-19 (12)