ケヤキ

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ケヤキ
野間の大ケヤキ
樹齢約1,000年といわれる野間の大ケヤキ
大阪府豊能郡能勢町
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : 真正バラ類I Eurosids I
: バラ目 Rosales
: ニレ科 Ulmaceae
: ケヤキ属 Zelkova
: ケヤキ Z. serrata
学名
Zelkova serrata
(Thunb.) Makino[1]
英名
Japanese zelkova
樹形(3月)
葉と枝(4月)
樹形(6月)北海道江別市大麻東町公園

ケヤキ(欅、学名Zelkova serrata)は、ニレ科ケヤキ属落葉高木ツキ(槻)ともいう。

形態・生態

高さ20 - 25mの大木になり40mを超す個体もある。鋸歯は曲線的に葉先に向かう特徴的な形であり、鋸歯の先端は尖る。雌雄同株で雌雄異花である。は4 - 5月頃、葉が出る前に開花する。

秋の紅葉が美しい樹木でもある。個体によって色が異なり、赤や黄色に紅葉する。

葉の裏と柄に短毛の密生する変種をメゲヤキという。

分布

東アジアの一部と日本に分布。日本では本州四国九州に分布[2]し、暖地では丘陵部から山地寒冷地では平地まで自生する。

人間との関わり

箒を逆さにしたような樹形が美しく、街路樹庭木などとしてよく植えられる。 巨木が国や地方自治体天然記念物になっていることがある。

木材

ケヤキ無垢板;塗装済み

木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じる。堅くて摩耗に強いので、家具建具等の指物に使われる。日本家屋建築用材としても古くから多用され、神社仏閣などにも用いられた。現在は高価となり、なかなか庶民の住宅には使えなくなっている。

伐採してから、乾燥し枯れるまでの間、右に左にと、大きく反っていくので、何年も寝かせないと使えない。特に大黒柱に大木を使った場合、家を動かすほど反ることがあるので大工泣かせの木材である。また、中心部の赤身といわれる部分が主に使われ、周囲の白太は捨てられるので、よほど太い原木でないと立派な柱は取れない。

1940年、戦時色の強まった日本では、用材生産統制規則により特定の樹種について用途指定を実施。ケヤキ材の使用用途については軍需、内地使用の船舶、車両用に限られることとなった[3]

シンボル

多くの自治体が、「県の木」「市の木」といったシンボルにケヤキを指定している。

日本の著名なケヤキ

専福寺の大ケヤキ

なお、東京競馬場の第3コーナー内側に、俗に「大欅」と呼ばれる大木がある。数々の逸話があり、「欅ステークス」という名の特別競走まで開催されているが、実際は(エノキ)であってケヤキではない。

日本の著名なケヤキ並木

脚注

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Zelkova serrata”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年4月26日閲覧。
  2. ^ 中村 享『万葉鉢づくり』立風書房、1990年6月30日、62, 63頁。ISBN 4-651-86010-9 
  3. ^ 香田徹也「昭和15年(1940年)林政・民有林」『日本近代林政年表 1867-2009』p420 日本林業調査会 2011年 全国書誌番号:22018608
  4. ^ 宮城県仙台市在住の歌手さとう宗幸は、仙台市にある定禅寺通のケヤキ並木をイメージし『欅伝説』という歌曲も作成した(1998年4月24日)。

参考文献

  • 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、284-289頁。ISBN 4-635-07003-4 

関連項目

外部リンク