有馬記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
有馬記念
(グランプリ)
58th Arima 20131222.jpg
第58回有馬記念
主催者 日本中央競馬会
開催地 日本の旗中山競馬場
施行時期 12月下旬
格付け GI
1着賞金 2億円[1]
距離 芝2500m
出走条件 サラブレッド系3歳以上(国際)(指定)[注 1]
出走資格も参照
負担重量 定量(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
第1回施行日 1956年12月23日
テンプレートを表示

有馬記念(ありまきねん)とは日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場の芝内回り2500メートルで施行する中央競馬重賞競走GI)である。

正賞は日本馬主協会連合会会長賞、中山馬主協会賞[1]

概要[編集]

1955年(昭和30年)まで、暮れの中山競馬場では中山大障害が最大の呼び物であった[2]が、東京優駿(日本ダービー)などと比べ華やかさに欠けていた[2]ことから、当時の日本中央競馬会理事長であった有馬頼寧が中山競馬場の新スタンド竣工を機に「暮れの中山競馬場で日本ダービーに匹敵する大レースを」と提案[2][3]。当時としては他に類を見ないファン投票で出走馬を選出する方式[注 2][注 3]が採用され、1956年(昭和31年)に「中山グランプリ」が創設された[2][4]

しかし、第1回中山グランプリの興奮も冷めやらぬ1957年(昭和32年)1月9日に創設者の有馬理事長が急逝した[2]ため、有馬の功績を称えて第2回から「有馬記念」に改称[2][5]。以来、中央競馬の一年を締めくくるレースとして定着した[2]。施行場は創設時より中山競馬場で変わっておらず、施行時期も12月下旬で定着している。

地方競馬所属馬は1995年(平成7年)から出走が可能になった[2]。外国馬は2000年(平成12年)から2006年(平成18年)まで、当該年度のジャパンカップを優勝した馬のみに出走資格が与えられていた[2]。2007年(平成19年)からは国際競走となり、外国馬の出走枠も6頭に増やされた[2]

出走資格[編集]

3歳(旧4歳)以上のサラ系競走馬(出走可能頭数:最大16頭)

  • JRA所属馬(ファン投票選出馬、及びJRA選定馬)
  • 地方所属馬(JRA選定馬)
  • 外国調教馬(最大6頭まで)

出走馬の選定方法は以下のとおり。

  • 特別登録を行った馬の中からファン投票上位10頭が優先出走できる[注 4] [注 5]
  • 上記以外の馬(外国調教馬を除く)は「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる(地方馬も同様)。

負担重量[編集]

  • 定量(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)[2]
  • 負担重量の変遷[2]
    • 第1回:3歳54kg、4歳以上55kg(牝馬2kg減)
    • 第2回 - 第9回、第29回 - 第45回:馬齢重量
    • 第10回 - 第24回:3歳54kg、4歳56kg、5歳以上55kg(牝馬2kg減)
    • 第25回 - 第28回:3歳55kg、4歳57kg、5歳以上56kg(牝馬2kg減)

賞金[編集]

現在(2014年)の1着賞金は2億円で、ジャパンカップの2億5000万円に次いで国内で2番目の高額賞金が設定されている[6][注 6]

  • 1着賞金は2億円で、以下2着8000万円、3着5000万円、4着3000万円、5着2000万円[1]

褒賞金制度[編集]

日本中央競馬会では、2000年以降に以下のような褒賞金制度を設けた。これらはいずれも、クラス分けに用いる「収得賞金」には算入されない。

  • 2000年:同一年に秋季開催で行われる古馬GI(天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念)を全て優勝した馬に、1億円の特別褒賞金(後に内国産馬には2億円、外国産馬には1億円に変更)を交付する制度が始められた[9]。達成馬は2000年のテイエムオペラオーと2004年のゼンノロブロイ
  • 2010年:JRA所属馬で当該年のJRA・海外のGI競走を優勝した馬が本競走に出走し、かつ3着までに入着した場合に限り、1着馬に3000万円、2着馬に2000万円、3着馬に1000万円の褒賞金を交付[10]するようになった。
  • 2011年:天皇賞(秋)とジャパンカップのいずれかで3着以内に入着した馬が本競走に出走し、かつ3着までに入着した場合に最大5000万円の褒賞金が交付されるようになった[10]

歴史[編集]

  • 1956年 - 4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走「中山グランプリ」を創設、中山競馬場の芝2600m(内回り)で施行[2]
  • 1957年 - 名称を「有馬記念」に変更[2]
  • 1960年 - 施行コースを芝2600m(外回り)に変更[2]
  • 1966年 - 施行コースを芝2500m(内回り)に変更[2]。これ以降、この施行距離が定着。   
  • 1984年 - グレード制導入、GIに格付け。
  • 1995年 - 指定交流競走となり、地方所属馬も出走が可能に[2]
  • 2001年
    • 馬齢表示を国際基準へ変更したことに伴い、出走条件を「4歳以上」から「3歳以上」に変更[2]
    • 負担重量を「定量」に変更。5歳以上の負担重量が牡馬・騸馬57kg・牝馬55kgに変更。
    • 敬宮愛子内親王御誕生慶祝」の副称を付けて施行[2]
  • 2007年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が6頭まで出走可能に[2]

歴代優勝馬[編集]

国際競走となった2007年以降は優勝馬の国旗を表記する。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第1回が「中山グランプリ」[2]、第2回以降は「有馬記念」。

回数 施行日 競馬場 距離 調教国・優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主[要出典]
第1回 1956年12月23日 中山 芝・内2600m メイヂヒカリ 牡4 2:43 1/5 蛯名武五郎 藤本冨良 新田松江
第2回 1957年12月22日 中山 芝・内2600m ハクチカラ 牡4 2:49 0/5 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第3回 1958年12月21日 中山 芝・内2600m オンワードゼア 牡4 2:49 1/5 八木沢勝美 二本柳俊夫 樫山純三
第4回 1959年12月20日 中山 芝・内2600m ガーネツト 牝4 2:50.9 伊藤竹男 稗田敏男 畑江五郎
第5回 1960年12月18日 中山 芝・外2600m スターロツチ 牝3 2:44.5 高松三太 松山吉三郎 藤井金次郎
第6回 1961年12月24日 中山 芝・外2600m ホマレボシ 牡4 2:40.8 高松三太 稗田敏男 川口文子
第7回 1962年12月23日 中山 芝・外2600m オンスロート 牡5 2:44.4 山岡忞 中村広 田村喜志
第8回 1963年12月22日 中山 芝・外2600m リユウフオーレル 牡4 2:42.5 宮本悳 橋本正晴 三好笑子
第9回 1964年12月27日 中山 芝・外2600m ヤマトキヨウダイ 牡4 2:45.1 梶与四松 稲葉幸夫 門井みち
第10回 1965年12月26日 中山 芝・外2600m シンザン 牡4 2:47.2 松本善登 武田文吾 橋元幸吉
第11回 1966年12月25日 中山 芝・内2500m コレヒデ 牡4 2:37.0 保田隆芳 尾形藤吉 千明康
第12回 1967年12月24日 中山 芝・内2500m カブトシロー 牡5 2:39.7 大崎昭一 久保田彦之 (有)志賀
第13回 1968年12月22日 中山 芝・内2500m リュウズキ 牡4 2:46.2 森安弘明 矢倉玉男 福井章哉
第14回 1969年12月21日 中山 芝・内2500m スピードシンボリ 牡6 2:35.1 野平祐二 野平省三 和田共弘
第15回 1970年12月20日 中山 芝・内2500m スピードシンボリ 牡7 2:35.7 野平祐二 野平省三 和田共弘
第16回 1971年12月19日 中山 芝・内2500m トウメイ 牝5 2:36.0 清水英次 坂田正行 近藤克夫
第17回 1972年12月17日 中山 芝・内2500m イシノヒカル 牡3 2:38.5 増沢末夫 浅野武志 石嶋清仁
第18回 1973年12月16日 中山 芝・内2500m ストロングエイト 牡4 2:36.4 中島啓之 奥平真治 ハイランド牧場
第19回 1974年12月15日 中山 芝・内2500m タニノチカラ 牡5 2:35.9 田島日出雄 島崎宏 谷水雄三
第20回 1975年12月14日 中山 芝・内2500m イシノアラシ 牡3 2:38.1 加賀武見 浅野武志 石嶋清仁
第21回 1976年12月19日 中山 芝・内2500m トウショウボーイ 牡3 2:34.0 武邦彦 保田隆芳 トウショウ産業(株)
第22回 1977年12月18日 中山 芝・内2500m テンポイント 牡4 2:35.4 鹿戸明 小川佐助 高田久成
第23回 1978年12月17日 中山 芝・内2500m カネミノブ 牡4 2:33.4 加賀武見 阿部新生 角替光二
第24回 1979年12月16日 中山 芝・内2500m グリーングラス 牡6 2:35.4 大崎昭一 中野隆良 半沢吉四郎
第25回 1980年12月21日 中山 芝・内2500m ホウヨウボーイ 牡5 2:33.7 加藤和宏 二本柳俊夫 古川嘉治
第26回 1981年12月20日 中山 芝・内2500m アンバーシャダイ 牡4 2:35.5 東信二 二本柳俊夫 吉田善哉
第27回 1982年12月26日 中山 芝・内2500m ヒカリデユール 牡5 2:36.7 河内洋 須貝彦三 橋本善吉
第28回 1983年12月25日 中山 芝・内2500m リードホーユー 牡3 2:34.0 田原成貴 服部正利 熊本芳雄
第29回 1984年12月23日 中山 芝・内2500m シンボリルドルフ 牡3 2:32.8 岡部幸雄 野平祐二 和田農林(有)
第30回 1985年12月22日 中山 芝・内2500m シンボリルドルフ 牡4 2:33.1 岡部幸雄 野平祐二 和田農林(有)
第31回 1986年12月21日 中山 芝・内2500m ダイナガリバー 牡3 2:34.0 増沢末夫 松山吉三郎 (有)社台レースホース
第32回 1987年12月27日 中山 芝・内2500m メジロデュレン 牡4 2:33.9 村本善之 池江泰郎 メジロ商事(株)
第33回 1988年12月25日 中山 芝・内2500m オグリキャップ 牡3 2:33.9 岡部幸雄 瀬戸口勉 佐橋五十雄
第34回 1989年12月24日 中山 芝・内2500m イナリワン 牡5 2:31.7 柴田政人 鈴木清 保手浜弘規
第35回 1990年12月23日 中山 芝・内2500m オグリキャップ 牡5 2:34.2 武豊 瀬戸口勉 近藤俊典
第36回 1991年12月22日 中山 芝・内2500m ダイユウサク 牡6 2:30.6 熊沢重文 内藤繁春 橋元幸平
第37回 1992年12月27日 中山 芝・内2500m メジロパーマー 牡5 2:33.5 山田泰誠 大久保正陽 (有)メジロ牧場
第38回 1993年12月26日 中山 芝・内2500m トウカイテイオー 牡5 2:30.9 田原成貴 松元省一 内村正則
第39回 1994年12月25日 中山 芝・内2500m ナリタブライアン 牡3 2:32.2 南井克巳 大久保正陽 山路秀則
第40回 1995年12月24日 中山 芝・内2500m マヤノトップガン 牡3 2:33.6 田原成貴 坂口正大 田所祐
第41回 1996年12月22日 中山 芝・内2500m サクラローレル 牡5 2:33.8 横山典弘 境勝太郎 (株)さくらコマース
第42回 1997年12月21日 中山 芝・内2500m シルクジャスティス 牡3 2:34.8 藤田伸二 大久保正陽 有限会社シルク
第43回 1998年12月27日 中山 芝・内2500m グラスワンダー 牡3 2:32.1 的場均 尾形充弘 半沢(有)
第44回 1999年12月26日 中山 芝・内2500m グラスワンダー 牡4 2:37.2 的場均 尾形充弘 半沢(有)
第45回 2000年12月24日 中山 芝・内2500m テイエムオペラオー 牡4 2:34.1 和田竜二 岩元市三 竹園正繼
第46回 2001年12月23日 中山 芝・内2500m マンハッタンカフェ 牡3 2:33.1 蛯名正義 小島太 西川清
第47回 2002年12月22日 中山 芝・内2500m シンボリクリスエス 牡3 2:32.6 O.ペリエ 藤沢和雄 シンボリ牧場
第48回 2003年12月28日 中山 芝・内2500m シンボリクリスエス 牡4 2:30.5 O.ペリエ 藤沢和雄 シンボリ牧場
第49回 2004年12月26日 中山 芝・内2500m ゼンノロブロイ 牡4 2:29.5 O.ペリエ 藤沢和雄 大迫忍
第50回 2005年12月25日 中山 芝・内2500m ハーツクライ 牡4 2:31.9 C.ルメール 橋口弘次郎 (有)社台レースホース
第51回 2006年12月24日 中山 芝・内2500m ディープインパクト 牡4 2:31.9 武豊 池江泰郎 金子真人ホールディングス(株)
第52回 2007年12月23日 中山 芝・内2500m 日本の旗マツリダゴッホ 牡4 2:33.6 蛯名正義 国枝栄 高橋文枝
第53回 2008年12月28日 中山 芝・内2500m 日本の旗ダイワスカーレット 牝4 2:31.5 安藤勝己 松田国英 大城敬三
第54回 2009年12月27日 中山 芝・内2500m 日本の旗ドリームジャーニー 牡5 2:30.0 池添謙一 池江泰寿 (有)サンデーレーシング
第55回 2010年12月26日 中山 芝・内2500m 日本の旗ヴィクトワールピサ 牡3 2:32.6 M.デムーロ 角居勝彦 市川義美
第56回 2011年12月25日 中山 芝・内2500m 日本の旗オルフェーヴル 牡3 2:36.0 池添謙一 池江泰寿 (有)サンデーレーシング
第57回 2012年12月23日 中山 芝・内2500m 日本の旗ゴールドシップ 牡3 2:31.9 内田博幸 須貝尚介 小林英一
第58回 2013年12月22日 中山 芝・内2500m 日本の旗オルフェーヴル 牡5 2:32.3 池添謙一 池江泰寿 (有)サンデーレーシング

有馬記念の記録[編集]

  • レースレコード - 2:29.5(第49回)[2][11]
  • 最多優勝騎手 - 3勝
    • 岡部幸雄(第29回・第30回・第33回)[12]
    • 田原成貴(第28回・第38回・第40回)[12]
    • オリビエ・ペリエ(第47回 - 第49回)
    • 池添謙一(第54回・第56回・第58回)[13]
  • 最多勝調教師 - 3勝
    • 二本柳俊夫(第3回・第25回・第26回)[12]
    • 大久保正陽(第37回・第39回・第42回)[12]
    • 藤沢和雄(第47回 - 第49回)
    • 池江泰寿(第54回・第56回・第58回)[13]

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 八大競走の中では最も出走条件が緩やかで、クラシックに出走できない騸馬でも出走が可能である。
  2. ^ この他に推薦委員会による選出もあったが、形骸化したため1996年より廃止された。
  3. ^ 日本の公営競技において、初めてファン投票による競走対象の選定を行ったのは競輪オールスター競輪)である。
  4. ^ なお上位第10位までで出走の意思がない場合、その分を11位以下の馬が繰り上げで出走できる権利がある。
  5. ^ 中央にアラブのレースがあった時代にはアングロアラブの出走も可能であり、「アラブの怪物」の異名を持つセイユウがファン投票による権利を持っていたものの、アラブの読売カップ(秋)連覇を優先し出走を辞退している。
  6. ^ 地方競馬で施行する競走では、JBCクラシック(JpnI)の1着賞金8000万円が最高額で、東京大賞典(GI)の7000万円がこれに続く[7][8]

出典[編集]

  1. ^ a b c 平成25年第5回中山競馬番組 (PDF) - 日本中央競馬会、2014年7月28日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 今週の注目レース(第58回有馬記念) - 日本中央競馬会、2014年7月28日閲覧
  3. ^ Gallop臨時増刊「有馬記念全史」14P 有馬記念創設の歴史
  4. ^ Gallop臨時増刊「有馬記念全史」15P 有馬記念創設の歴史
  5. ^ Gallop臨時増刊「有馬記念全史」15P 有馬記念創設の歴史
  6. ^ 平成26年度重賞競走一覧 (PDF) - 日本中央競馬会、2014年7月28日閲覧
  7. ^ 2014年ダート交流重賞競走一覧 - 地方競馬全国協会、2014年6月21日閲覧
  8. ^ JBC特設サイト2014(開催概要) - 地方競馬全国協会、2014年6月21日閲覧
  9. ^ 同一年度に本会が定める競走に優勝した馬に対する褒賞金(PDFファイル) (PDF) - JRA公式サイト 2011年12月7日閲覧
  10. ^ a b 有馬記念競走における褒賞金(PDFファイル) (PDF) - JRA公式サイト 2011年12月7日閲覧
  11. ^ Gallop 臨時増刊「有馬記念全史」152P
  12. ^ a b c d Gallop 臨時増刊「有馬記念全史」151P
  13. ^ a b 「別冊宝島」競馬激闘史 122P 有馬記念データ

各回競走結果の出典[編集]

  • 『日本の競馬 総合ハンドブック2013』 60頁、61頁 発行:一般社団法人中央競馬振興会(1956年 - 2012年、馬主名義除く)

netkeiba.comより(最終閲覧日:2014年7月28日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]