アーリントンカップ

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アーリントンカップ
(NHKマイルカップトライアル)
Arlington Cup[1]
(NHK Mile Cup Trial)
第27回アーリントンカップ
優勝馬:タワーオブロンドン
鞍上:クリストフ・ルメール
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 阪神競馬場
創設 1992年3月8日
2024年の情報
距離 芝1600m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳(国際)(指定)
負担重量 馬齢(牡・せん57kg、牝55kg)
出典 [2][3]
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アーリントンカップは、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬重賞(GIII)である[1]

正賞はアーリントンインターナショナル賞[3]

概要[編集]

ペガサスステークス[編集]

1987年に創設され、1991年に廃止された「ペガサスステークス」を前身とする[4][5][6]。3歳馬による別定重量戦の1600メートル戦だった[5]

アーリントンカップ[編集]

アーリントンカップの優勝レイ
(2023年優勝馬:オオバンブルマイ)

1992年から、阪神競馬場とアーリントン国際競馬場(Arlington International Racecourse、2000年からはアーリントンパーク競馬場)が提携を結んだのを機に、ペガサスステークスは「アーリントンカップ」に改称された[4][5][注 1]。アーリントンパーク競馬場からは賞の寄贈が行われていた[6]

一方、姉妹提携先のアーリントンパーク競馬場では、交換競走として「Hanshin Cup Stakes(阪神カップステークス)」が施行されていた[4][6][7][8][注 2]

2018年よりNHKマイルカップトライアル競走に指定されるとともに、NHKマイルカップの優先出走権を3着までに付与されることになった[9]

競走条件[編集]

以下の内容は、2024年現在[2][3]のもの。

出走資格:サラ系3歳

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢(牡・せん57kg、牝馬55kg)

2018年よりNHKマイルカップのステップ競走に指定され、地方競馬所属馬はNHKマイルカップの出走候補馬(3頭まで)が出走可能なほか、JRAの3歳芝重賞競走の優勝馬および2歳GI競走の優勝馬にも出走資格が与えられる[10][11]

賞金[編集]

2024年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[2][3]

歴史[編集]

  • 1992年 - 4歳馬限定の重賞競走として創設、阪神競馬場の芝1600mで施行[4]
  • 1993年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[12]
  • 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方所属馬が2頭まで出走可能になる[12]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳」に変更。
  • 2007年
    • 前年12月に新設された外回りコースに変更。
    • ICSCの勧告により、格付表記をJpnIIIに変更[13]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる[14]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[14]
  • 2015年
    • 出走可能頭数を18頭に拡大。
    • 外国馬の出走枠を9頭に変更[15]
  • 2018年
    • 開催時期を4月に変更し、NHKマイルカップトライアルに指定されるとともに、NHKマイルカップの優先出走権を3着までに付与される[9]
    • 負担重量を馬齢重量に変更。
    • 指定交流競走に変更、JRAに認定されていない地方所属馬も出走可能になる。
  • 2020年 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[16]
  • 2022年 - アーリントンパーク競馬場の廃止に伴い、正賞がアーリントンパーク競馬場賞からアーリントンインターナショナル賞に変更となる[2]

歴代優勝馬[編集]

距離はすべて芝コース。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1992年3月8日 阪神 1600m エルカーサリバー 牝3 1:37.5 山田泰誠 田中良平 (株)クレアール
第2回 1993年3月7日 阪神 1600m グランドシンゲキ 牡3 1:38.3 土肥幸広 岩元市三 靏本貢
第3回 1994年2月27日 中京 1700m メルシーステージ 牡3 1:42.9 河北通 小野幸治 永井康郎
第4回 1995年2月26日 京都 1600m エイシンバーリン 牝3 1:34.3 南井克巳 坂口正則 平井豊光
第5回 1996年2月25日 阪神 1600m スギノハヤカゼ 牡3 1:33.9 田島裕和 鹿戸幸治 杉江義夫
第6回 1997年2月23日 阪神 1600m ブレーブテンダー 牡3 1:36.1 松永幹夫 池江泰郎 前田幸治
第7回 1998年3月1日 阪神 1600m ダブリンライオン 牡3 1:34.6 O.ペリエ 田所秀孝 畑清介
第8回 1999年2月28日 阪神 1600m エイシンキャメロン 牡3 1:35.8 武豊 坂口正則 平井豊光
第9回 2000年2月26日 阪神 1600m エイシンプレストン 牡3 1:35.7 福永祐一 北橋修二 平井豊光
第10回 2001年2月24日 阪神 1600m ダンツフレーム 牡3 1:35.9 武豊 山内研二 山元哲二
第11回 2002年2月23日 阪神 1600m タニノギムレット 牡3 1:33.9 武豊 松田国英 谷水雄三
第12回 2003年3月1日 阪神 1600m ウインクリューガー 牡3 1:36.8 武幸四郎 松元茂樹 (株)ウイン
第13回 2004年2月28日 阪神 1600m シーキングザダイヤ 牡3 1:35.8 武豊 森秀行 青山洋一
第14回 2005年2月26日 阪神 1600m ビッグプラネット 牡3 1:34.7 武豊 南井克巳 (有)ビッグ
第15回 2006年2月25日 阪神 1600m ステキシンスケクン 牡3 1:34.3 O.ペリエ 森秀行 榮義則
第16回 2007年2月24日 阪神 1600m トーセンキャプテン 牡3 1:33.9 四位洋文 角居勝彦 島川隆哉
第17回 2008年3月1日 阪神 1600m ダンツキッスイ 牡3 1:34.6 藤田伸二 橋本寿正 山元哲二
第18回 2009年2月28日 阪神 1600m ダブルウェッジ 牡3 1:35.6 小牧太 田所秀孝 深見富朗
第19回 2010年2月27日 阪神 1600m コスモセンサー 牡3 1:34.8 石橋脩 西園正都 (有)ビッグレッドファーム
第20回 2011年2月26日 阪神 1600m ノーザンリバー 牡3 1:34.2 武豊 浅見秀一 林正道
第21回 2012年2月25日 阪神 1600m ジャスタウェイ 牡3 1:36.3 福永祐一 須貝尚介 大和屋暁
第22回 2013年2月23日 阪神 1600m コパノリチャード 牡3 1:34.8 W.ビュイック 宮徹 小林祥晃
第23回 2014年3月1日 阪神 1600m ミッキーアイル 牡3 1:34.0 浜中俊 音無秀孝 野田みづき
第24回 2015年2月28日 阪神 1600m ヤングマンパワー 牡3 1:35.9 松岡正海 手塚貴久 星野壽市
第25回 2016年2月27日 阪神 1600m レインボーライン 牡3 1:34.1 M.デムーロ 浅見秀一 三田昌宏
第26回 2017年2月25日 阪神 1600m ペルシアンナイト 牡3 1:34.1 M.デムーロ 池江泰寿 (株)G1レーシング
第27回 2018年4月14日 阪神 1600m タワーオブロンドン 牡3 1:33.4 C.ルメール 藤沢和雄 ゴドルフィン
第28回 2019年4月13日 阪神 1600m イベリス 牝3 1:34.2 浜中俊 角田晃一 前田幸治
第29回 2020年4月18日 阪神 1600m タイセイビジョン 牡3 1:34.3 石橋脩 西村真幸 田中成奉
第30回 2021年4月17日 阪神 1600m ホウオウアマゾン 牡3 1:34.2 川田将雅 矢作芳人 小笹芳央
第31回 2022年4月16日 阪神 1600m ダノンスコーピオン 牡3 1:32.7 川田将雅 安田隆行 (株)ダノックス
第32回 2023年4月15日 阪神 1600m オオバンブルマイ 牡3 1:33.9 武豊 吉村圭司 岡浩二
第33回 2024年4月13日 阪神 1600m ディスペランツァ 牡3 1:34.1 J.モレイラ 吉岡辰弥 (有)ターフ・スポート

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 「アーリントンカップ(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、1161-1184頁。 

注釈[編集]

  1. ^ 主催者のJRAによれば、1992年の開催は「第1回アーリントンカップ」であり、手続き上はペガサスステークスは廃止、アーリントンカップは新設とした(通例、「名称変更」の場合には従前の回数をそのまま引き継いでいる)。しかし現在は「アーリントンカップの前身がペガサスステークスである」と説明している。
  2. ^ 2000年は「Hanshin Handicap」、2001年から2011年は「Hanshin Cup Handicap」、2012年からは「Hanshin Cup Stakes」。1マイルのG3戦で、当初はダートコース、2007年からはオールウェザーコースで行われていた。

出典[編集]

  1. ^ a b Arlington Cup” (英語). International Federation of Horseracing Authorities. 2016年2月22日閲覧。
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6 (2023年). 2023年9月10日閲覧。
  3. ^ a b c d 令和5年第2回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月10日閲覧。
  4. ^ a b c d レースについて:アーリントンカップ 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2023年9月10日閲覧。
  5. ^ a b c アーリントンカップ特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2016年2月22日閲覧。
  6. ^ a b c 2023年度第2回阪神競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 1. 2023年9月10日閲覧。
  7. ^ Hanshin Cup S” (英語). International Federation of Horseracing Authorities. 2016年2月22日閲覧。
  8. ^ Hanshin Cup” (英語). Equibase. 2016年2月22日閲覧。
  9. ^ a b 2018年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年4月2日閲覧。
  10. ^ [地]が出走できるGI競走等とそのステップ競走について(平成30年度)” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年4月2日閲覧。
  11. ^ [地]が出走できるGI競走等とそのステップ競走について【令和4年度】)” (PDF). 日本中央競馬会. 2022年4月3日閲覧。
  12. ^ a b 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  13. ^ 第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 761-762 (2007年). 2016年2月22日閲覧。(索引番号:06011)
  14. ^ a b 第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 655-656 (2009年). 2016年2月22日閲覧。(索引番号:07011)
  15. ^ 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 5 (2015年). 2016年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。
  16. ^ 4月19日(日曜)までの中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年4月2日). 2021年4月2日閲覧。

各回競走結果の出典[編集]

外部リンク[編集]