角居勝彦

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角居勝彦
Katsuhiko-Sumii20110116.jpg
2011年日経新春杯表彰式
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 石川県金沢市
生年月日 1964年3月28日(50歳)
所属団体 JRA
初免許年 2000年(2001年開業)
経歴
所属 栗東・中尾謙太郎(1986.10 - 1996.12)→
栗東・松田国英(1997.1 - 開業)→
栗東T.C.(開業 - )
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角居 勝彦(すみい かつひこ、1964年3月28日 - )は日本中央競馬会 (JRA) 栗東所属の調教師

人物[編集]

1964年石川県金沢市にて4人兄弟の三男として出生。角居が生まれ育った金沢の街は地方競馬金沢競馬場があるものの、伝統・文化を重んずる風習があることから、競馬というスポーツは流行っておらず、一般家庭で育った彼もまた馬とは無縁の生活を送っていた。

同年代の級友よりも年長の兄たちに混じり、様々な遊びを繰り返すうち「人と違うことをし、注目受けてみたい」という性質が育まれながら、能動的に行動を起こすのが不得手であった角居はそんな自分を変えてみようと地元の進学校である金沢桜丘高を卒業後、帯広畜産大学への進学を目指すも失敗。進学校の生徒ということもあり、一浪し大学の再受験を奨める声も上がったが「気持ちが大学には向かず、自分を変えるために親元を離れたい」という角居は周囲の反対を押し切り、父の助力を得て北海道グランド牧場に勤務することとなった。

角居が就職した当初グランド牧場は生産のみを事業としていたが、1985年より急速な拡大路線を採用。これまでの繁殖に加え、新たに馴致・調教を事業に取り入れる。しかし牧場から送り出した馬が「躾ができていない」として幾度もトレセンから戻ってくる光景を目の当たりにし、「牧場とトレセンでは何が違うのか」ということに関心を持ち始めた角居は程無くしてグランド牧場を退職。競馬学校での厩務員課程を経て1986年4月、栗東・中尾謙太郎厩舎の厩務員として配属される。

その半年後調教助手の資格を習得、以後10年に渡り中尾を補佐し続け、この間ナリタハヤブサなどの活躍馬を担当した角居であったが、後年中尾との調教方針にズレが生じ始める。「休みなく鍛えて強くする」という中尾に対し角居は「休ませつつ鍛える」という考えであったが、中尾の手法は当時の一般的な調教スタイルであることから、言われるままにメニューをこなしてきたものの、中尾の不在時には調教内容を独断で変えたこともあったという。

中尾に対し自分の考えをうち明けることは無く、そのため軋轢などは生じなかったものの、空回りしている現状を変えるべく角居は1997年1月松田国英厩舎に移籍。作業のマニュアル化・集団調教・中間管理職ポストの設置など業務の合理化を実践、さらに画期的な調教方法やローテーションを採用し多くの実績馬を育て上げる松田厩舎の運営スタイルは角居に感銘を与え、これらは角居の独立時に積極的に取り入れられている。

松田の薦めから調教師試験を受けることとなった角居は2000年3度目の挑戦で合格。森秀行藤沢和雄厩舎で1年間技術調教師を務め、2001年に栗東で開業。定年となった二分久男厩舎の馬を引き継ぐ。2004年菊花賞デルタブルースで制したの皮切りに管理馬から多くのGI馬を輩出してきた角居は、開業当初よりの方針「世界に挑戦できる人と馬を作りたい」という理念の下、積極的に管理馬を海外遠征にも参戦させ、2005年シーザリオアメリカンオークスを制したほか、香港マイルではハットトリックが優勝。翌2006年には先のデルタブルース、並びにポップロックメルボルンカップの1・2着を独占するなど角居の理念は現実のものとなった。

その後も64年ぶりのダービー優勝牝馬となるウオッカや国内ダート重賞を席巻するカネヒキリなど数多くの実績馬を輩出してきた角居は2010年ヴィクトワールピサ皐月賞を制覇。デルタブルースの菊花賞・ウオッカの日本ダービーと合わせて三歳クラシック三冠の完全制覇を成し遂げ、2011年には同馬でドバイワールドカップを日本馬として初制覇するなど国内外で多くの実績を出し続けている。2011年には59勝となり、初のリーディングトレーナーとなる。

福祉活動[編集]

角居は引退した競走馬の処遇を考えるなかで[1]、障害者を対象とした乗馬の普及支援団体「Reins」の設立と活動に協力[2][3]。2011年より開催されている[4]関連イベント「サンクスホースデイズ」の実行副委員長を務める[1]

調教師成績[編集]

年度 勝利数 表彰歴
2001年 19
2002年 15
2003年 19
2004年 30
2005年 32 '05JRA賞(最多賞金獲得調教師)、最多賞金獲得調教師賞、優秀調教師賞、関西競馬騎手クラブ賞(特別賞)
2006年 27
2007年 28
2008年 44 '08JRA賞(最多賞金獲得調教師)、最多賞金獲得調教師賞、優秀調教師賞、関西競馬記者クラブ賞
2009年 45 '09JRA賞(優秀技術調教師)、優秀調教師賞
2010年 47 '10JRA賞(最多賞金獲得調教師・優秀技術調教師)、最多賞金獲得調教師賞、優秀調教師賞
通算 306
日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初出走 2001年3月11日 1回阪神6日6R 4歳上500万下 セトノマックイーン 10頭 3 5着
初勝利 2001年3月24日 2回阪神1日9R 山陽特別 スカイアンドリュウ 15頭 6 1着
重賞初出走 2001年4月1日 3回中山4日11R ダービー卿CT センターフレッシュ 14頭 10 11着
重賞初勝利 2002年11月16日 4回中山5日11R 東京スポーツ杯2歳S ブルーイレヴン 8頭 1 1着
GI初出走 2001年12月2日 5回阪神2日11R 阪神JF シェーンクライト 18頭 13 10着
GI初勝利 2004年10月24日 4回京都6日11R 菊花賞 デルタブルース 18頭 8 1着

代表管理馬[編集]

厩舎スタッフ[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 角居師、障害者乗馬普及イベントに協力” (日本語). デイリースポーツ. p. 1 (2012年11月16日). 2013年4月18日閲覧。
  2. ^ 村上和巳 (2010年6月). “村上和巳の編集員通信「“Reins(手綱)が活動開始”」” (日本語). 競馬ブックコーナー. インターグロー. 2013年4月18日閲覧。
  3. ^ 心ゆたかに 広報委員長が訊く (2) 「『障害者乗馬』を多くの方に知ってもらいたい」 (PDF)” (日本語). 京都馬主協会 (2010年). 2013年4月18日閲覧。
  4. ^ 癒しテーマ「サンクスホースデイズ」開催” (日本語). 日刊スポーツ (2011年10月11日). 2013年4月18日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]