ドバイワールドカップ

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ドバイワールドカップ
Dubai World Cup
開催国 アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
主催者 ドバイ競馬クラブ(Dubai Racing Club)
競馬場 メイダン競馬場
第1回施行日 1996年3月27日
創設 1995年
2023年の情報
距離 ダート2000m[1]
格付け G1
賞金 1着賞金696万ドル[1]
賞金総額1200万ドル[1]
出走条件 サラブレッド北半球産4歳以上
南半球産3歳以上
負担重量 4歳以上57kg、南半球産3歳54kg、牝馬2kg減
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ドバイワールドカップ英語: Dubai World Cupアラビア語: كأس دبي العالمي‎)は、アラブ首長国連邦メイダン競馬場で行われる競馬の競走である。

概要[編集]

シェイク・モハメドが1996年に創設した国際競走[2]。総賞金は創設当時は400万ドルだったが年々上昇し現在は1200万ドル[1]まで上昇、1995年からサウジカップ新設前年の2019年まで世界最高賞金のレースとして広く認知され[2][3]、日本を含む世界各地の一流馬が出走する[2]。第1回は1996年にナド・アルシバ競馬場ダート2000mで施行[2]され、2010年からメイダン競馬場(オールウェザー2000m)に変更[2]。しかし維持費が高く、さらにアメリカの陣営に不評だったため2015年からダート2000mに戻された[2]

国際競馬統括機関連盟(IFHA)が公表した2012年から2014年の年間レースレーティング[注 1]の平均値に基づく「世界のトップ100GIレース」によると、ドバイワールドカップは全体の21位にランキングされ、クイーンエリザベス2世カップ(19位)、ガネー賞(20位)に次ぐ評価となっている[4]

歴史[編集]

  • 1996年 - ナド・アルシバ競馬場のダート2000mで創設[2]
  • 1998年 - 国際リステッドから国際G1に認定[2]
  • 1999年 - ワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップに参加(2002年まで)。
  • 2010年 - 開催場をメイダン競馬場に変更[2]
  • 2020年 - covid-19の世界的な感染の拡がりに伴い、参加者の健康を守るために一度は無観客開催とすることを決めたものの、3月22日に開催自体を当面見合わせて、第25回は2021年に延期すると発表された。

歴代優勝馬[編集]

回数 施行日 調教国・優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1996年3月27日 アメリカ合衆国の旗Cigar 牡6 2:03.84 J.ベイリー W.モット
第2回 1997年4月3日 イギリスの旗Singspiel 牡5 2:01.91 J.ベイリー M.スタウト
第3回 1998年3月28日 アメリカ合衆国の旗Silver Charm 牡4 2:04.29 G.スティーヴンス B.バファート
第4回 1999年3月28日 アラブ首長国連邦の旗Almutawakel 牡4 2:00.65 R.ヒルズ S.ビン・スルール
第5回 2000年3月25日 アラブ首長国連邦の旗Dubai Millennium 牡4 1:59.50 L.デットーリ S.ビン・スルール
第6回 2001年3月24日 アメリカ合衆国の旗Captain Steve 牡4 2:00.40 J.ベイリー B.バファート
第7回 2002年3月23日 アラブ首長国連邦の旗Street Cry 牡4 2:01.18 J.ベイリー S.ビン・スルール
第8回 2003年3月29日 アラブ首長国連邦の旗Moon Ballad 牡4 2:00.48 L.デットーリ S.ビン・スルール
第9回 2004年3月27日 アメリカ合衆国の旗Pleasantly Perfect 牡6 2:00.24 A.ソリス R.マンデラ
第10回 2005年3月26日 アメリカ合衆国の旗Roses in May 牡5 2:02.17 J.ヴェラスケス D.ローマンズ
第11回 2006年3月25日 アラブ首長国連邦の旗Electrocutionist 牡5 2:01.32 L.デットーリ S.ビン・スルール
第12回 2007年3月31日 アメリカ合衆国の旗Invasor 牡5 1:59.97 F.ハラ K.マクローリン
第13回 2008年3月29日 アメリカ合衆国の旗Curlin 牡4 2:00.15 R.アルバラード S.アスムッセン
第14回 2009年3月28日 アメリカ合衆国の旗Well Armed 6 2:01.01 A.グライダー E.ハーティー
第15回 2010年3月27日 フランスの旗Gloria De Campeao 牡6 2:03.83 T.ペレイラ P.バリー
第16回 2011年3月26日 日本の旗Victoire Pisa 牡4 2:05.94 M.デムーロ 角居勝彦
第17回 2012年3月31日 アラブ首長国連邦の旗Monterosso 牡5 2:02.67 M.バルザローナ M.アル・ザルーニ
第18回 2013年3月30日 アメリカ合衆国の旗Animal Kingdom 牡5 2:03.21 J.ロサリオ G.モーション
第19回 2014年3月29日 アラブ首長国連邦の旗African Story 騸7 2:01.61 S.デソウサ S.ビン・スルール
第20回 2015年3月28日 アラブ首長国連邦の旗Prince Bishop 騸8 2:03.24 W.ビュイック S.ビン・スルール
第21回[5] 2016年3月26日 アメリカ合衆国の旗California Chrome 牡5 2:01.83 V.エスピノーザ A.シャーマン
第22回[6] 2017年3月25日 アメリカ合衆国の旗Arrogate 牡4 2:02.15 M.スミス B.バファート
第23回[7] 2018年3月31日 アラブ首長国連邦の旗Thunder Snow 牡4 2:01.38 C.スミヨン S.ビン・スルール
第24回[8] 2019年3月30日 アラブ首長国連邦の旗Thunder Snow 牡5 2:03.58 C.スミヨン S.ビン・スルール
2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い延期。
第25回 2021年3月27日 アメリカ合衆国の旗Mystic Guide 牡4 2:01.61 L.サエス M.スティッドハム
第26回 2022年3月26日 アメリカ合衆国の旗Country Grammer 牡5 2:04.97 L.デットーリ B.バファート
第27回[9] 2023年3月25日 日本の旗Ushba Tesoro 牡6 2:03.25 川田将雅 高木登
  • 馬齢表記は北半球の基準で表記している。

日本調教馬の成績[編集]

主なステップレース[編集]

テレビ放送[編集]

地上波テレビの中継権は2017年よりフジテレビ系列全国ネットで放送されている。(フジテレビ制作版と関西テレビ制作版があるが、出演者と内容は別)

BSテレビの中継権は農林水産省の関連団体が運営するグリーンチャンネルが有している。

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 年間レースレーティングは、個々のレースにおける上位4頭のレーティングを年度末のランキング会議で決定した数値に置き換え算出した平均値。なお、牝馬限定競走以外のレースで、対象馬が牝馬の場合はアローワンスが加算される(日本の場合+4ポンド)。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 2023 ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2023年3月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i ドバイワールドカップデー特集 - netkeiba.com、2015年3月28日閲覧
  3. ^ CNN, Ben Morse. “Saudi Cup: Maximum Security wins world's richest horse race”. CNN. 2021年10月31日閲覧。
  4. ^ THE WORLD'S TOP 100 G1 RACES for 3yo's and upwards (PDF) - 日本中央競馬会、2015年3月7日閲覧
  5. ^ 2016年レース結果 - エミレーツ・レーシング・オーソリティー 2016年3月31日閲覧
  6. ^ 2017年レース結果 - レーシングポスト 2017年3月26日閲覧
  7. ^ 2018年レース結果 - 日本中央競馬会 2018年4月1日閲覧
  8. ^ 2019年レース結果 - 日本中央競馬会 2019年3月31日閲覧
  9. ^ 2023年レース結果”. レーシングポスト (2023年3月25日). 2023年3月26日閲覧。
  10. ^ 2015年ドバイワールドカップカーニバルプログラム (PDF) - ドバイ競馬クラブ、2014年11月7日閲覧
  11. ^ 2015年レース結果 - レーシングポスト 2015年3月29日閲覧
エミレーツ・レーシング・オーソリティーの公式記録

関連項目[編集]

外部リンク[編集]