JBCクラシック

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JBCクラシック
開催地 盛岡競馬場(2014年[1]
格付け JpnI
1着賞金 8000万円(2014年[1]
賞金総額 1億2000万円(2014年[1]
距離 ダート2000m(2014年[1]
出走条件 サラブレッド系3歳以上(指定交流)
競走条件も参照
負担重量 定量(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
第1回施行日 2001年10月31日
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JBCクラシック(ジェイビーシークラシック)とは、日本日本のJBC実行委員会と施行競馬場を管轄する地方競馬主催者が、各地の競馬場で持ち回り開催する重賞競走JpnI)である。農林水産大臣が賞を提供しており、正式名称は「農林水産大臣賞典 JBCクラシック」と表記される。

正賞は農林水産大臣賞、JBC協会賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会会長賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞。

概要[編集]

アメリカのブリーダーズカップに範をとりながら、将来的にダートの各カテゴリー(年齢・性別・距離など)におけるチャンピオン決定戦とすべく、2001年(平成13年)に生産者が主導して実施する「JBC競走」のひとつとして、JBCスプリントとともに創設された[2]。のちに創設されたJBCレディスクラシックとともに、2014年(平成26年)現在は3つのJpnI競走が同一日に同一の競馬場で施行される[1]。開催地は固定されておらず、各地の競馬場が持ち回りで施行している。

施行距離はダート2000mを原則としているが、施行場の距離設定の都合により前後する場合がある[注 1]

競走条件・賞金[編集]

以下の内容は、2014年(平成26年)の開催概要[1]に基く。

競走条件[編集]

サラ系3歳以上の地方競馬および中央競馬選定馬[1]

  • 出走可能頭数:16頭[1]
  • 出走枠[1]
    • 地方競馬選定馬:10頭
    • 中央競馬選定馬:6頭
  • 父馬が、一般社団法人ジャパンブリーダーズカップ協会(JBC協会)に当該馬の生産年度に有効な種牡馬登録されている馬[1]
  • 以下のトライアル競走を優勝し、優先出走権を付与された[3]
  • その他の馬は、JBC出走馬選定委員会により選定

父馬がJBC協会に種牡馬登録されていない馬は、当該馬の馬主がJBC協会の定める「追加登録料(1着賞金の2%相当額)」をJBC協会に支払えば、当該年、当該馬に係る同種牡馬登録がなされたものとして出走が可能(当該馬について過去に支払われた追加登録料は、本年も有効とする。ただし、本来支払うべき追加登録料が過去に支払われた追加登録料を超える場合は、その差額を支払うものとする)[1]

トライアル競走[編集]

競走 格付け 競馬場 距離 備考
日本テレビ盃 JpnII 船橋競馬場 ダート1800m 本競走のみ優先出走権付与
マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnI 盛岡競馬場 ダート1600m 本競走かJBCスプリントのいずれかに優先出走権付与

上記のほか、各地区地方競馬で施行される一部の重賞競走が「JBC指定競走」として、JBC出走馬選定要領により定められている。優先出走権の付与はないが、選定にあたってその成績が重要視される[3]

負担重量[編集]

定量(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)

賞金[編集]

1着賞金の8000万円は、地方競馬で施行する競走としては最高額[注 2]。創設から2010年までの1着賞金は1億円[4]だった。

2014年の1着賞金は8000万円で、以下2着1840万円、3着1040万円、4着720万円、5着400万円[1]

歴史[編集]

馬と人間の長い歴史的関係や、馬がもつ人間の心を捉えて離さない魅力は、競馬が美術や文学のモチーフとなっていることもあり、競馬に特別の趣を与えてきた[2]。また、競馬は「馬」が主役のスポーツ・賭け事であるが、その背後には「生産」という産業的な広がりを持っていることを意味する[2]

競馬において競走と生産は、「理想の競走馬の追求」という目的を共有することでその関係を成立させている[2]。この共通の価値観に基いて「チャンピオン決定戦」たる競走が行われ、これが大衆にも訴えかけ、共感を得ることができる最大の魅力となっている[2]ことから、競走と生産、そして大衆との良好な関係が競馬の発展を生み出しているといえる[2]

米国ブリーダーズカップ創設の背景[編集]

北米では1970年代から1980年代にかけてサラブレッド市場が拡大期に入り、生後数ヶ月の幼駒や数回出走しただけの2歳馬が高値で取引されたり、将来の繁殖馬候補としてシンジケートが組まれるなど、生産者だけのマネーゲームの様相を呈していた[2]。その一方で、各競馬場は入場者数や発売額が伸び悩み、大衆の支持を失いつつあった[2]。このことは生産者にも危機感として現れることとなった。競馬は直接・間接的に関与している大衆の支持(興行収入=賭けとしての参加)によって支えられているものであり、その大衆から見放されてしまえば、どんなに高価な馬であっても、その必要がなくなってしまうからである[2]

「沈滞した競馬を救うために生産者も何かをしなければならない」という発想が、生産者自ら発案し主導するレースである「ブリーダーズカップ」創設の原点となった[2]

JBCの創設[編集]

ブリーダーズカップ創設時の北米とまったく同様とはいえないものの、日本の生産者もまた危機感を抱えていた[2]。日本では競走馬の供給先として中央競馬のほかに地方競馬があるが、多くの地方競馬が経営不振に陥り、存廃が議論されている[2]。また、賞金の減額によって馬の価格が低下したり、売れ残りが発生する現状は既に生産者にも打撃を与えており[2]、生産者として抱いている競馬の現状に対する危機感や、自ら立ち上がるべきという決意は、北米とも共通するものがある[2]

生産者の発案・主導によるレースを創設し、競馬を幅広い層にアピールし大衆の娯楽、スポーツとしての支持を集めるという思想[2]に基き、とくに地方競馬の窮状を打開することによって日本競馬全体の発展を図る意味合いから、主に地方競馬で行われているダート競走において「チャンピオンデー」を設けることとして計画が進められ、ダートの選手権距離である2000mで行う「JBCクラシック」、優秀馬の生産に不可欠な要素であるスピード能力を問うため1200mで行う「JBCスプリント」の2競走が、2001年に創設された[2]

年表[編集]

  • 2001年
  • 2005年
    • 株式会社FDOが協賛(2006年まで)。
    • この年のみ、競走馬関連情報サイト「フサイチネット」を冠にした「フサイチネット協賛 農林水産大臣賞典 JBCクラシック」として施行。
  • 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告に伴い、格付け表記をJpnIに変更。

歴代優勝馬[編集]

距離はすべてダートコース。

施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主
1 2001年10月31日 大井 2000m レギュラーメンバー 牡4 JRA 2:05.2 松永幹夫 山本正司 (有)ノースヒルズマネジメント
2 2002年11月4日 盛岡 2000m アドマイヤドン 牡3 JRA 2:05.6 藤田伸二 松田博資 近藤利一
3 2003年11月3日 大井 2000m アドマイヤドン 牡4 JRA 2:04.3 安藤勝己 松田博資 近藤利一
4 2004年11月3日 大井 2000m アドマイヤドン 牡5 JRA 2:02.4 安藤勝己 松田博資 近藤利一
5 2005年11月3日 名古屋 1900m タイムパラドックス 牡7 JRA 2:00.9 武豊 松田博資 (有)社台レースホース
6 2006年11月3日 川崎 2100m タイムパラドックス 牡8 JRA 2:16.1 岩田康誠 松田博資 (有)社台レースホース
7 2007年10月31日 大井 2000m ヴァーミリアン 牡5 JRA 2:04.8 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
8 2008年11月3日 園田 1870m ヴァーミリアン 牡6 JRA 1:56.7 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
9 2009年11月3日 名古屋 1900m ヴァーミリアン 牡7 JRA 2:00.2 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
10 2010年11月3日 船橋 1800m スマートファルコン 牡5 JRA 1:49.9 武豊 小崎憲 大川徹
11 2011年11月3日 大井 2000m スマートファルコン 牡6 JRA 2:02.1 武豊 小崎憲 大川徹
12 2012年11月5日 川崎 2100m ワンダーアキュート 牡6 JRA 2:12.5 和田竜二 佐藤正雄 山本信行
13 2013年11月4日 金沢 2100m ホッコータルマエ[注 3] 牡4 JRA 2:12.6 幸英明 西浦勝一 矢部幸一

JBCクラシックの記録[編集]

  • 最多勝騎手(6勝):武豊(第5回、第7回 - 第11回)
  • 最多勝調教師(5勝):松田博資(第2回 - 第6回)

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本の地方競馬でダート2000mの競走が行える競馬場はいくつかあるが、フルゲートで施行できる競馬場は門別・盛岡・水沢・浦和・大井・姫路金沢佐賀だけである。名古屋(1900m)と園田(1870m)では2000mの競走が施行できないため距離が変更されたほか、2000mが施行可能な競馬場でも出走可能頭数の事情により川崎は2100mで、船橋は1800mで行われた。第13回の金沢も2100mで施行された。
  2. ^ 中央競馬も含めた日本の競馬全体では、ジャパンカップ(GI)の1着賞金2億5000万円が最高額となっている。
  3. ^ 前年の優勝馬が出走して負けた、初めてのケースとなった。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l JBC特設サイト2014(開催概要) - 地方競馬全国協会、2014年7月22日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p JBC特設サイト2014 - 地方競馬全国協会、2014年7月22日閲覧
  3. ^ a b JBC特設サイト2014(Road to JBC) - 地方競馬全国協会、2014年7月22日閲覧
  4. ^ JBCクラシック 歴代優勝馬 - 地方競馬全国協会、2014年7月31日閲覧

各回競走結果の出典[編集]

馬主名義
JBISサーチより(最終閲覧日:2014年7月22日)

外部リンク[編集]