タイムパラドックス (競走馬)

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タイムパラドックス
Time Paradox 20051229P01.jpg
2005年12月29日、大井競馬場
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1998年5月23日(16歳)
ブライアンズタイム
ジョリーザザ
生国 日本北海道白老町
生産 白老ファーム
馬主 (有)社台レースホース
調教師 松田博資栗東
厩務員 寺崎義和
競走成績
生涯成績 50戦16勝
獲得賞金 9億7786万5000円
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タイムパラドックス (Time Paradox) とは日本の元競走馬であり、現在は種牡馬である。ダート路線で活躍し、おもな勝ち鞍はジャパンカップダート川崎記念帝王賞JBCクラシックなど。馬名は父名からの連想で「時間旅行で生じる矛盾」の意味。

戦績[編集]

出生時はわずか45キログラムしかない非常に小柄な馬だった。2001年3月にデビュー。ダートのレースを2連勝して臨んだ青葉賞[1]で11着に敗れたあと骨折が判明し、休養に入った。デビュー当初は体質が弱くコンスタントに使えなかったものの着実に勝利を重ね、2003年2月にオープンクラス入り。2003年秋に3度目の休養から復帰したころから体質が強化され、以後引退まで一度も休養をとることなくレースに出走し続けることになった[2]

2004年1月に平安ステークスを優勝して重賞初制覇を達成。その後4月にアンタレスステークス、8月にブリーダーズゴールドカップ、10月に白山大賞典を優勝。11月にはGIジャパンカップダートで同じ厩舎に管理されていたアドマイヤドン[3]差し切り、GI初制覇を成し遂げた[4]。年が明けて2005年、勝ちきれないレースも多かったがGIでは好走し、川崎記念、帝王賞、JBCクラシックを優勝。当時の日本のダート部門におけるトップホースの一頭として認識されるようになった。

2006年になると脚部に慢性的な問題を抱えるようになり、体調に不安を抱えながら出走を重ねた。ブリーダーズゴールドカップでハ行が原因で競走除外となり、続くエルムステークスでは10着と大敗した。しかし単勝5番人気で臨んだJBCクラシックでは残り600メートルを切ったあたりで先頭に立つと最後の直線で追い上げてくるシーキングザダイヤを振り切り、JBCクラシック連覇およびGI5勝目を飾った。この勝利で本馬の勝利数は16勝に達し、当時ホクトベガサウスヴィグラスが保持していたグレード制導入以降の中央競馬所属馬による通算最多勝利記録に並んだ。

その後、ジャパンカップダートへ向けて調整が行われていたが、調教後に右前第4中手骨骨折を発症していたことが判明、初めは休養する予定だったが、結局そのまま引退することになった。

引退後[編集]

引退後は北海道新冠町ビッグレッドファームにて種牡馬入りし、初年度は100頭に種付けした[5]。2010年に初年度産駒がデビューした。

主な産駒[編集]

種牡馬としての評価[編集]

父、ブライアンズタイムの本質であるパワー、ダート適性を受け継いでおりダート種牡馬として期待されているだけでなく、母系がサクラローレルイギリス2歳G1を勝ったスティーマーダックなど、芝での活躍馬を輩出している系統ということで、産駒の芝での活躍も期待されている[5]。自身とは異なり、2・3歳の早い時期から活躍する馬や、短距離で活躍する馬が多く輩出されている[6]

タイムパラドックスの保持する記録[編集]

史上最高齢での平地GI優勝[編集]

2006年のJBCクラシックを8歳で優勝した。これは平地GIの勝利としては史上最高齢の記録である[7]

6歳以降での獲得賞金額[編集]

タイムパラドックスは総獲得賞金977,865,000円のうち、844,871,000円を6歳以降に稼ぎ出している。これは、一頭の馬が6歳以降に獲得した賞金としてはタップダンスシチーの779,358,000円を上回る日本記録である。

世代別獲得賞金額[編集]

この馬の世代は、ジャングルポケットクロフネマンハッタンカフェらが3歳時に古馬GIを優勝し最強世代と呼ばれたが、この世代の獲得賞金額1位はタイムパラドックスである。2位はジャングルポケットの704,258,000円。

血統表[編集]

タイムパラドックス血統ヘイルトゥリーズン系/4代内アウトブリード

*ブライアンズタイム
Brian's Time
1985 黒鹿毛
Roberto
1969 鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Bramalea Nashua
Rarelea
Kelley's Day
1977 鹿毛
Graustark Ribot
Flower Bowl
Golden Trail Hasty Road
Sunny Vale

*ジョリーザザ
Jolie Zaza
1991 鹿毛
Alzao
1980 鹿毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Bold Lady
1974 栗毛
*ボールドラッド
Bold Lad
Bold Ruler
Misty Morn
Tredam High Treason
Damasi F-No.14

本馬のいとこにサクラローレル(同馬の項参照)。

脚注[編集]

  1. ^ 芝のレースに出走したのはこのときの1回のみ。
  2. ^ 調教師の松田博資は常に厩舎にいるタイムパラドックスを「厩舎の守り神」と呼んだ。
  3. ^ 当時厩務員の寺崎義和はアドマイヤドンについて「とてもかなう相手ではない」と感じていた
  4. ^ 騎乗した武豊は、この日プロレスラー小川直也東京競馬場に来場して「ハッスル」のパフォーマンスを行ったことにあやかり、自身も「ハッスルしました」と勝利騎手インタビューで話し、ファンの笑いを誘った。
  5. ^ a b 優駿』(日本中央競馬会)2008年4月号
  6. ^ タイムパラドックスを訪ねて~ビッグレッドファーム”. 競走馬のふるさと案内所 (2014年11月26日). 2014年12月3日閲覧。
  7. ^ のちにカンパニーが2009年の天皇賞(秋)マイルチャンピオンシップを、ヴァーミリアンが2010年の川崎記念をそれぞれ8歳で制している。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]