賞金女王決定戦競走

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賞金女王決定戦
(クイーンズクライマックス)
格付け プレミアムGI
優勝賞金 1600万円
決定戦 得点上位6名
トライアル 3日間 3レース
出場資格 獲得賞金ランキング上位12名
主催者 各市町村、組合
開催地 日本の旗 持ち回り
開催時期 12月中旬 - 下旬
第1回執行日 2012年12月13日
次回開催予定
開催期間 第13回2024年(令和6年)
12月28日-12月31日
開催地 ボートレース蒲郡(ナイター開催)
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賞金女王シリーズ戦
(クイーンズクライマックスシリーズ)
格付け 一般戦GIII
優勝賞金 100万円
優勝戦 6名
各準優勝戦上位2名
準優勝戦 得点上位18名
予選 4日間
出場資格 獲得賞金上位の選手
(賞金女王決定戦出場者を除く)
主催者 各市町村、組合
開催地 日本の旗 持ち回り
開催時期 12月中旬 - 下旬
第1回執行日 2012年12月11日
次回開催予定
開催期間 2024年(令和6年)
12月26日-12月31日
開催地 ボートレース蒲郡
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賞金女王決定戦(しょうきんじょおうけっていせん)は、女性ボートレーサーによるボートレース(競艇)のGI競走の1つ。

概要[編集]

2011年(平成23年)1月31日に発表された、平成24年度以降のレース体系見直しの中で開催が明らかになった。女子ボートレーサーのみによって争われるG1競走としては女子王座決定戦競走に次ぐ2つ目の競走となる。同月には賞金王決定戦競走が開催されることもあり、「女性版グランプリ」とも言われる。ボートレースのSG・G1競走が新設されるのは、2000年名人戦競走が誕生して以来12年ぶりで、21世紀に入ってからは初めてとなった。

2014年住之江開催分より、当競走の通称名称を「クイーンズ クライマックス(QUEENS CLIMAX)[1]とするとともに、「プレミアムGI」にという格付けとなった。更に大会日程も大晦日決勝となった。

開催日程や節の構成は、かつての賞金王決定戦競走に範をとっており、「賞金女王決定戦」と「賞金女王シリーズ戦」が並行して開催される。

出場資格[編集]

女子レーサーが対象となる。

第1選考
選考期間は当該年の1月1日から10月31日まで[2]
選考期間内における獲得賞金ランク上位42名を全対象選手から選抜する。
第2選考
選考期間は当該年の1月1日から「チャレンジカップ」の終了日まで[2]
選考期間内における獲得賞金ランク上位12名を全対象選手から第1選考の42名を除いて選抜する。
選出除外
  • フライング休みが当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合。
  • スタート事故による選出除外となるプレミアムGI、GI、GIIおよび女子戦の罰則期間が当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合[3]
  • 負傷・病気・出産等により出場を辞退した選手。
  • 褒賞懲戒規程による出場停止処分を受けた選手(この場合は何位であっても出場不可)[4]
特例
フライング休みが当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合でも、選考期間内における獲得賞金ランクが全対象選手の中で12位以内の場合は選出が継続される[5]
スタート事故による選出除外となる罰則期間が当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合でも、選考期間内における獲得賞金ランクが全対象選手の中で12位以内の場合は選出が継続される(2023年以後は適用可否は不明)[6]

第1選考と第2選考を合わせた54名のうち、第2選考の選考期間内における獲得賞金ランク上位12名が賞金女王決定戦に、それ以外が賞金女王シリーズ戦に出場する。

レース構成[編集]

賞金女王決定戦[編集]

賞金女王決定戦はシリーズ戦の3日目より開幕し、4日間の日程で開催される。各選手が1日1レース、3日間のトライアル競走(シリーズ3日目~5日目の第11競走および最終12競走)を行い、得点上位6名が最終日第12競走で行われる賞金女王決定戦(優勝戦)へ進出し、残りの6選手は最終日第10競走で行われる順位決定戦に回る。賞金女王決定戦(優勝戦)は、トライアル競走の結果により枠番が決められ実施される。なお、詳細については下記を参照のこと。
トライアル1走目は獲得賞金ランキングによって組の振り分けや枠番を決定[7]。2走目と3走目は前走の着順により各組に振り分けられ、枠番は抽選により決定する。
なお、A組・B組のレース順は各開催競艇場の番組編成員が決定する。

1走目
枠番 1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠
A組 2位 3位 6位 7位 10位 11位
B組 1位 4位 5位 8位 9位 12位
2走目 3走目
枠番 抽選により決定する
A組 前走A組1・3・5着とB組2・4・6着の6名 前走A組1・3・5着とB組2・4・6着の6名
B組 前走A組2・4・6着とB組1・3・5着の6名 前走A組2・4・6着とB組1・3・5着の6名

トライアル競走の点数は下記の表により算出する。

得点表
着順 1着 2着 3着 4着 5着 6着
トライアル 10点 9点 7点 6点 5点 4点


区分 選手責任 選手責任外
待機行動違反・失速(2回目以降) -3点  
失格・欠場 -2点 0点 
不良航法 -7点  
妨害失格・その他賞典除外に相当する違反
F・選手責任L・競技規定23条関連違反
-10点  

最終日の編成は下記の表をもってトライアル競走の結果により決定する[7]



枠番 1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠
賞金女王決定戦 1位 2位 3位 4位 5位 6位
順位決定戦 7位 8位 9位 10位 11位 12位
順位の決定方法
1 得点表、減点表に基づく合計点順に順位を決定する。
2 合計点が同一の場合は、上位着位の多い選手(最下位
着位が多い場合を含む)を上位とする。
3 着位数が同一の場合は、最高タイム(2周レースを除く)
の速い選手を上位とする。
4 最高タイムが同一の場合は、抽選により決定する。
欠員が生じた場合について
賞金女王決定戦に欠員が生じた場合は、シリーズ戦の選手出場選出基準に基づく上位選手から補充される。ただし、第4日目の予選競走終了後にシリーズ戦の準優勝戦出場が確定した選手、第5日目の準優勝戦終了後にシリーズ戦の優勝戦出場が確定した選手および選手責任によるスタート事故をした選手は除外される。

使用するモーター(エンジン)は開催場が所有する勝率上位のものや、専門紙スポーツ新聞の記者が推薦する12機が用意され、エンジンとボートの抽選は一般のファンにも公開される。

賞金女王シリーズ戦[編集]

42名の女子レーサーによって通常の女子リーグ戦と同様に6日間の日程で開催。4日間の予選(初日・2日目の第1競走から最終12競走(うち初日最終12競走はドリーム戦)、及び3日目・4日目の第1競走から第10競走)を経て、5日目の第8競走から第10競走に準優勝戦、最終日の第11競走に優勝戦が行われる。

優勝すると翌年の夏に開催されるレディースチャンピオンへの優先出走権が与えられる。

賞金女王シリーズ戦は2014年まで一般戦であったが、2015年よりオールレディース戦[8]と同じくGIII競走として開催している。この時、出場資格の基準を「当該年1月1日を起算日とし、レディースチャレンジカップ最終日までにおける賞金女王決定戦進出の12名以外の獲得賞金額上位選手」に改められた。ただし、一般戦時代でも他の一般戦とは異なり、ファンファーレは女子リーグ戦・女子王座決定戦・賞金女王決定戦と同じものを使用していた。

賞金・賞品など[編集]

賞金女王決定戦の優勝選手には、優勝賞金1,600万円(Boat Race振興会会長賞200万円含む)[9]のほか、以下の賞品が贈られる。

  • 日本財団会長賞:ジュエリー(1~3着)記念品(4~6着)
  • オリジナルティアラ(500万円相当)[10]
レース名 出場資格 1着 2着 3着 4着 5着 6着
賞金女王決定戦 トライアル1~6位 1,000万円 380万円 270万円 190万円 160万円 140万円
順位決定戦 トライアル7~12位 100万円 70万円 50万円 40万円 37万円 35万円
トライアル 獲得賞金上位12名 28万円 20万円 14万円 12万円 9万円 7.5万円
賞金女王シリーズ優勝戦 各準優勝戦上位2名 70万円 45万円 35万円 30万円 27万円 24万円

歴代優勝者[編集]

賞金女王決定戦[編集]

出典はボートレースオフィシャルウェブサイトにあるクイーンズクライマックスの各回ページより。なお日本財団会長賞は第10回まではダイヤモンドネックレスのため、ブランド名を表記する。

回数 開催年 優勝戦日 開催場 優勝者 日本財団会長賞
選手名 登録番号 年齢 所属支部 枠番 コース 決まり手
1 2012年(平成24年) 12月16日 大村 三浦永理 4208 29 静岡 3 3 まくり差し 銀座和光
2 2013年(平成25年) 12月15日 芦屋 平山智加 4387 28 香川 1 1 逃げ ティファニー
3 2014年(平成26年) 12月31日 住之江 日高逸子 3188 53 福岡 1 1 逃げ カルティエ
4 2015年(平成27年) 12月31日 福岡 川野芽唯 4433 29 福岡 4 4 恵まれ -
5 2016年(平成28年) 12月31日 平和島 松本晶恵 4399 29 群馬 1 1 逃げ ハリー・ウィンストン
6 2017年(平成29年) 12月31日 大村 遠藤エミ 4502 29 滋賀 1 1 逃げ ブルガリ
7 2018年(平成30年) 12月31日 平和島 松本晶恵 4399 31 群馬 1 1 逃げ カルティエ
8 2019年(令和元年) 12月31日 徳山 今井美亜 4611 29 福井 3 3 まくり差し ティファニー
9 2020年(令和2年) 12月31日 浜名湖[11] 平高奈菜 4450 33 香川 1 1 逃げ ブルガリ
10 2021年(令和3年) 12月31日 福岡 田口節子 4050 40 岡山 2 2 まくり ティファニー
11 2022年(令和4年) 12月31日 住之江 田口節子 4050 41 岡山 2 2 差し 純金製インゴット
12 2023年(令和5年) 12月31日 多摩川 浜田亜理沙 4546 35 埼玉 1 1 逃げ 純金製インゴット
  • 所属支部欄は、第2回(2013年)までは住所で記載。
  • 第4回(2015年)の日本財団会長賞は優勝戦での返還艇発生のため辞退

賞金女王シリーズ戦[編集]

回数 開催年 優勝戦日 開催場 優勝者
第1回 2012年(平成24年) 12月16日 大村 池田浩美
第2回 2013年(平成25年) 12月15日 芦屋 山下友貴
第3回 2014年(平成26年) 12月31日 住之江 中谷朋子
第4回 2015年(平成27年) 12月31日 福岡 平山智加
第5回 2016年(平成28年) 12月31日 平和島 川野芽唯
第6回 2017年(平成29年) 12月31日 大村 廣中智紗衣
第7回 2018年(平成30年) 12月31日 平和島 塩崎桐加
第8回 2019年(令和元年) 12月31日 徳山 平田さやか
第9回 2020年(令和2年) 12月31日 浜名湖[11] 海野ゆかり
第10回 2021年(令和3年) 12月31日 福岡 松尾夏海
第11回 2022年(令和4年) 12月31日 住之江 宇野弥生
第12回 2023年(令和5年) 12月31日 多摩川 西橋奈未

※2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止の為、開催地・浜名湖競艇場が立地する静岡県及び愛知県三重県岐阜県の在住者を対象とした事前抽選による入場制限を実施[12]

開催予定[編集]

  • 第13回大会 ボートレース蒲郡(ナイター開催)[13][14]
    • 12月26日 - 12月31日:クライマックスシリーズ戦
    • 12月28日 - 12月31日:クイーンズクライマックス

脚注[編集]

  1. ^ SG競走等に使用する通称名称の使用及びSGコミュニケーションロゴのリニューアルについて”. BOAT RACE official web (2013年10月22日). 2013年10月27日閲覧。
  2. ^ a b BOAT RACE オフィシャル WEB 第1回賞金女王決定戦&シリーズ戦 あっせん決定日に関するお知らせ 出場選手の発表
  3. ^ 正式には「GIII競走開催要項第9条第1項に基づく出場資格の喪失期間」。
  4. ^ 正式には「選手、審判員及び検査員褒賞懲戒規程に基づき出場停止処分を受けたため」である。
  5. ^ BOAT RACE オフィシャル WEB 第1回賞金女王決定戦&シリーズ戦 あっせん決定日に関するお知らせ 出場選手の発表選手会が定める「競走の出場辞退に関する規程」で13位~15位となった選手は、シリーズ戦への出場が可能です。この場合、あっせん辞退期間の変更を行います(選手会との確認作業あり)。
  6. ^ BOAT RACE オフィシャル WEB 第1回賞金女王決定戦&シリーズ戦 あっせん決定日に関するお知らせ 出場選手の発表賞金女王決定戦に選出された選手は、スタート事故、女子戦での優勝戦フライング等により除外されている者であっても出場することができます。
  7. ^ a b 賞金女王決定戦 出走表
  8. ^ 2014年度より現在の女子リーグ戦と入れ替えでGIII昇格
  9. ^ グレードレースの見直し及び平成23年度優勝賞金額(SG競走等)について
  10. ^ BOAT RACE オフィシャル WEB 2012年新設開催「GI賞金女王決定戦」の優勝者が戴冠する500万円相当のオリジナルスワロフスキーティアラのデザイン決定
  11. ^ a b 令和2年度SG競走及びプレミアムG1競走等の開催地決定
  12. ^ PG1クイーンズクライマックス事前申込入場制実施のお知らせ - BOAT RACE 2020年10月10日
  13. ^ クイーンズクライマックスのナイター開催は史上初
  14. ^ 令和6年度SG競走及びプレミアムG1競走等の開催地決定”. BOATRACE OFFICIAL. 2023年7月5日閲覧。

参考文献[編集]

  • 日本レジャーチャンネル発行「BOAT RACE fanbook」2012年前期版

関連項目[編集]

外部リンク[編集]