時をかける少女 (1983年の映画)

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時をかける少女
監督 大林宣彦
脚本 剣持亘
筒井康隆(原作)
製作 角川春樹
山田順彦(プロデューサー)
大林恭子(プロデューサー)
出演者 原田知世
音楽 松任谷正隆
主題歌 原田知世
編集 大林宣彦
配給 日本の旗東映
公開 日本の旗1983年7月16日
上映時間 104分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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時をかける少女』(ときをかけるしょうじょ)は、1983年7月16日に公開された大林宣彦監督、原田知世初主演の日本映画。筒井康隆ジュブナイルSF小説時をかける少女』の最初の映画化作品。大林宣彦の「尾道三部作」(他の2作は『転校生』・『さびしんぼう』)の2作目に数えられ、ロケの多くを広島県尾道市(一部は竹原市)で行っている。
併映は『探偵物語』。

主演の原田知世は、第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] ストーリー

高校1年生の芳山和子は3月、学校のスキー教室に来ていた。夜、ゲレンデで幼馴染の堀川吾朗と話している場に同級生の深町一夫が現れる。3人が集合場所へ戻り、皆が揃って下山しようとするとなぜか一夫のスキーセットだけが見当たらない。一夫は帰路の列車では途中の駅で野草を摘む。

新学期となった4月16日の土曜日。和子と一夫、そして吾朗は放課後に当番で理科教室の掃除をする。吾朗と一夫にカバンを取りに行かせ、和子が1人理科教室にいると、無人のはずの隣の実験室から物音が聞こえた。和子が実験室に入ると白い煙が漂っており、それを嗅いだ和子は気を失い倒れてしまう。吾朗と一夫に保健室に運ばれた和子は、実験室で起きたことを話したところ、吾朗はそんな形跡はなかったという。2人の先生とともに確かめてみるが実験室は綺麗になっていた。奇妙に思いながらも和子は吾朗と一夫3人で下校する。途中寄り道した一夫の家の温室で、和子は実験室で嗅いだ香りが漂っていることに気付く。「ラベンダーを栽培しているんだ」という一夫。

月曜日、和子は元気に登校する。その夜地震が起き、吾朗の家の辺りで火事が起きていると知った和子は家族の制止も聞かず近くまで行く。心配した一夫もそこにいた。火事が小火とわかって帰宅する途中、和子は何者かに襲われ、気が付くと自室のベッドで目覚めたところだった。その朝、和子が吾朗と昨夜の事件を話しながら歩いていると、突然お堂の屋根瓦が落ちてくる。気が付くと再び和子は部屋のベッドにいた。変な夢ばかり見ると思いながら和子が登校すると、今日は18日の月曜だという。吾朗に昨夜の出来事を話すが吾朗はそれを知らない。さらに植物採集で学校を休むと言っていた一夫も登校していた。授業が始まれば、以前やった問題が出される。和子は訳が分からなくなり、一人悩む。

和子は部活を中退し一夫の家で悩みを相談する。一夫は驚きもせず、和子に起こった出来事を理解しようと論理づけながら話をする。和子はテレポーテーションタイムトラベルを一緒にしたタイムリープという能力を持ってしまったと話す。「嫌だわ、普通じゃないのって」和子は苦悩する。その夜和子の予期した通り地震が起こる。火事が起こる前の吾朗の家に来ると、そこには一夫も来ていた。「慌てなくても大丈夫って教えてあげようか」という和子に「なんて説明するんだい?」と一夫は答え、2人は吾朗の家を後にする。

和子は幼い頃一夫と事故に遭い、ともに手に傷を負った過去があった。だが、その和子の記憶にある傷跡は一夫の手にはなかった。翌日、登校途中やはりお堂の瓦が落ち、和子は吾朗を助ける。その手にはなぜか傷跡があった。疑問を抱いた和子は、登校せずに一夫の家の温室でラベンダーの香りを嗅ぐと、一夫が植物採集をしている海岸に現れた。

本当のことを知りたいという和子に、一夫は「あの土曜日の実験室に戻る」ことを強く念じるように答える。そして土曜日に戻った和子が実験室に入ると人影がいた…。

[編集] 評価・影響

「時をかける少女」の映像化作品としては、NHK少年ドラマの『タイム・トラベラー』以来のものであったが、本作は尾道・竹原の情景や叙情性にあふれる演出、原田知世の清新な魅力、ジュブナイルを題材にとった先見の明などが人気を集め、その後の同作の映像化作品には少なからぬ影響を与えることになった[1][2]。"アイドル映画の金字塔"として今日でも評価が高く[3]後にテレビドラマ、映画などで、その時々のトップアイドルを主役に据えたリメイクが何度も作られる契機を作った作品である[3]

青少年層を中心に多くのファンを獲得し、漫画・アニメ業界人のゆうきまさみ出渕裕とり・みきといった人々が本作について書いたり語ったりしたことでさらにそれが広がった一面もある(上記の3人のうち2人は、本作の翌年に原田主演で撮影された『天国にいちばん近い島』の一般エキストラに参加するほどであった。また、ゆうきは、原田が出演したテレビドラマ『ねらわれた学園』と内容をミックスしたパロディ漫画「時をかける学園」(「ねらわれた少女」とルビ)を執筆している)[2]。他に宇多丸など、近年も熱狂的なファンが多い[4]

原作者の筒井康隆は同年に本作のパロディ「シナリオ・時をかける少女」を書いている。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

[編集] ロケ地

[編集] 裏話

  • この映画を作るきっかけは『転校生』をとても気に入った角川春樹からのラブコールであった[5]
  • 原作、シナリオでは浅倉であった吾朗の姓が完成版では「堀川」となっているのは、竹原市に実在する醤油店を吾朗の実家として撮影する際、美術が立派な看板を作るので、撮影後も看板を記念に残して使えるようにとの配慮から直前になって変更したためで[6]、看板はその後も長い間醤油店の店先に掛けられていた。
  • 主題歌のPV風のエンディングは、本編の撮影のあとそれぞれのパートで歌う場面を撮影し、それらを編集したものである[5]
  • 作品のキーとなる「桃栗三年柿八年」の歌は監督の大林が作曲したオリジナルのもの[5]。ちなみに「柚子は九年でなりさがる、のばかめが十八年」と続く。
  • 本作のカレンダーは公開された1983年のものとなっている。またラストの場面が1994年に設定されたのは、この年の日付と曜日の対応が1983年とまったく同じであることが理由であった[6]
  • カレンダーの上に見える短冊は富岡鉄斎がデザインした「昇龍と火用慎」であり、現在でも鉄斎美術館で頒布されている。
  • 本編中に映る桜は実際のロケ時にはまだ開花しておらず、登校シーンなど多くのカットはマット合成と散る花びらを用いることによって表現している[6]
  • 瀬戸内海沿岸の尾道市と竹原市が舞台だが、クライマックスでの合成の海(波)を除き、海が背景に写りこんでいない。これは意図的な演出だという。
  • ポスターの撮影は日本大学鶴ヶ丘高等学校の生物室を使用し、撮影を見学した同校の高校生達は試写会の招待状を貰った。
  • 断崖絶壁で植物採集をする深町一夫のところに芳山和子が駆け寄るシーンは、安全な場所での撮影を後ではめ込んだものではなく、本当の断崖絶壁で撮影されたもの。ロケ地は竹原市の黒滝山[7]。崖の下に打ち寄せる波だけは後から合成されたものであるが、それ以外は全て実写。この撮影の際、深町演じる高柳良一が、隣りの足場に移動したとたん、それまで立っていた足場がまるごと崩落するハプニングが起き、大きな岩が谷底で砕け散った。高柳は「もう俳優なんてやってられない! 平凡なサラリーマンになって、休みの日には妻と子供を連れて焼肉屋に行くような生活をするんだ!」と叫んだ。大林監督がそれを面白がり、『天国にいちばん近い島』で小林稔侍の台詞にそのまま使った。高柳は言葉通り俳優を辞め、今日家族にその約束を果たしているという[2][7][8]
  • 去って行く一夫のラストシーンで遠近感がグーッと引き伸ばされるように歪む、被写体のフレームサイズは変わらないのに背景だけが動いていくという撮影技法(ドリーバック・ズームアップ)は、アルフレッド・ヒッチコックが『めまい』で発明して、その後、多くの映画やCM、テレビドラマで使われるようになったもので、英語では『めまい』のタイトルそのまま「vertigo Shots(めまいショット)」、あるいは「Dolly zoom」「The 'Trombone' Shot」などと呼ぶようであるが、日本では大林がこれを初めて使用し「逆ズーム」と命名したという[9][10]。大林は「『めまい』の頃は、子供だった故で、あれーと思ったが、それっきり。この手法に意識的に出会ったのはロジェ・ヴァディムの『獲物の分け前』のラストで、ジェーン・フォンダがひとり生きる部屋のシーンで床がスルスルと奇妙に伸び続けた。これをキャメラマンの長野重一と発見し、1970年マンダムのCMで阪本善尚と使用したのが、わが国で初めての例。私が"逆ズーム"と命名して、その後数々のCMで使用した。『時をかける少女』では阪本キャメラマン設計の逆ズーム装置を使用して、幻想的な画面効果を得ることができた」と話している[9]
  • 2011年5月7日、東京有楽町で本作の上映会&大林と原田のトークイベントが行われ、これに高柳も参加、28年ぶりとなる3人の「3ショット」が披露された[11]

[編集] 関連作品

コンピュータゲーム
  • 『時をかける少女』PHOENIX、1984年1月、PC8801シリーズ。

[編集] 脚注・出典

  1. ^ 「少女がつくった時代 80年代、アイドル映画の極意」 金沢21世紀美術館
    『時かけ』公開記念放談 細田守×小黒祐一郎 第4回 イベント性と映画的体験
    人物ポートレート アニメーション監督 細田守|え る ふ ぷ ら ざ N e t
    散歩の思考: SwingBooks Blog: 映画『時をかける少女』(細田守監督)
    追悼~脚本家・剣持亘~“時をかける少女”の系譜
    「時をかける少女」四半世紀を超え続編 谷口正晃監督「素朴なあこがれから挑戦」
    仲里依紗のかわいさ全開!! アイドル映画の最高峰『時をかける少女』
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    イントロダクション&ストーリー | 映画「時をかける少女」
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  2. ^ a b c 『別冊映画秘宝VOL.2 アイドル映画30年史』洋泉社、2003年、p1、107-121
  3. ^ a b 『時をかける少女 NOTEBOOK』 ニュータイプ編、角川書店、2006年、p69
  4. ^ ライムスター 宇多丸のウィークエンドシャフル2007年4月21日
    サタデーナイトラボ「時かけ特集」 (ライムスター 宇多丸のウィークエンドシャフル)
    eo音楽|原田知世 インタビュー
  5. ^ a b c 角川ヘラルド発売のDVDに収録された大林宣彦インタビューによる
  6. ^ a b c イメージフォーラム1983 8月号 No.35製作ノート〈時をかける少女〉
  7. ^ a bあさイチ』2012年1月13日放送
  8. ^ 高柳良一の全仕事-「時をかける少女」――そのフレームの外にあった風景
  9. ^ a b 大林宣彦『ワンス・アポン・ア・タイム・イン尾道』フィルムアート社、1987年、p156-157
  10. ^ 映画講座23 of MASUDA home page
  11. ^ Oricon career2011年5月8日
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