子役

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子役 (こやく)とは、テレビドラマ映画演劇などで子供を演じる配役、もしくはその役者。一般的に児童俳優を意味する。児童の俳優は日本に限らず存在するが、以下では日本における子役について記述する。

概要[編集]

演技以外のタレント活動を中心とする子供は、狭義の「子役」には含まれないため、「子役タレント」と呼び区別する場合もある。しかし、基準は曖昧な状態で、中学生~高校生の俳優や、バラエティ番組出演や雑誌モデルなど、演技以外の活動を中心とする、ジュニアアイドル系の未成年の芸能人もふくまれることもある。

調子外れなたどたどしい歌い方が大人に好ましく感じられて、歌手デビューすることもある(大橋のぞみ芦田愛菜)。

また子役に別の呼称を用いる芸能分野もある。例えば、では子供の出演者を「子方」と呼ぶ。隅田川のように実際に子供(の亡霊または幻影)を表象することもあれば、安宅船弁慶では貴人を象徴するために大人役を演ずることもある。

歌舞伎界では演目に拠っては子供を登場させるものがあり、その際には幹部俳優の子弟が『初舞台』と題して舞台を踏むこともある。

2011年以降、子役がバラエティ番組に出演する機会が増える一種のブームとなっている。

子役と労働に関する法律[編集]

この項では、義務教育を終了していない、中学生以下の子役の労働に関する法規について記述する。子役の労働は、子供を保護する目的で法的に規制されている。

児童は、これを酷使してはならない。
  • 労働基準法第6章 年少者(抜粋:全文は脚注参照[1]。)
    • 第56条(最低年齢)
      使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
    • 第56条 第2項
      前項の規定にかかわらず、別表第1第1号から第5号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても、同様とする
    • 第57条(年少者の証明書)
      使用者は、満18歳に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
    • 第57条 第2項
      使用者は、前条第2項の規定によつて使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない。
    • 第58条(未成年者の労働契約)
      親権者又は後見人は、未成年者に代つて労働契約を締結してはならない。
    • 第59条
      未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代つて受け取つてはならない。
    • 第60条(労働時間及び休日) 第2項
      第56条第2項の規定によつて使用する児童についての第32条の規定の適用については、同条第1項中「1週間について40時間」とあるのは「、修学時間を通算して1週間について40時間」と、同条第2項中「1日について8時間」とあるのは「、修学時間を通算して1日について7時間」とする。
    • 第61条(深夜業)
      使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
    • 第61条 第2項
      厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後11時及び午前6時とすることができる。
    • 第61条 第5項
      第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項の規定によつて使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする。
  • 年少者労働基準規則
    • 第1条(児童の使用許可申請)
      使用者は、労働基準法第56条第2項の規定による許可を受けようとする場合においては、使用しようとする児童の年齢を証明する戸籍証明書、その者の修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を様式第1号の使用許可申請書に添えて、これをその事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)に提出しなければならない。
  • 学校教育法第2章 義務教育(抜粋:全文は脚注参照[2]。)
    • 第20条
      学齢児童又は学齢生徒を使用する者は、その使用によつて、当該学齢児童又は学齢生徒が、義務教育を受けることを妨げてはならない。

舞台子役と深夜労働[編集]

(本節において肩書きは全て当時)

子役の深夜労働については法規によって規制されているが、実態としては歌舞伎や、映画TVドラマに出演する子役には「余人をもって替え難し」(代役がいない)として時間オーバーを認めている。

一方、演劇界においてその規制は厳しく、終演が21時以降になる公演では、子供の出演も21時までに終わるようにされている。そのため、子役の出る演目においては開演時間を早めたり、カーテンコールに出演をさせないなどの対応がとられている。開演時間の繰上げは、日本の一般的な労働者の勤務時間終了後の観劇に影響を与え、興行成績に影響を与える可能性がある。子供を使役や搾取から守るというためには有効な規制であっても、これを避けるために子供の出演を控えたり、子供の出演する演目を避けることになれば、演劇を志す子供の出演機会が奪われる恐れがある。実際に、小柄な女性が子役を務める場合もある。

また、深夜の塾通いを黙認しておきながら、演劇活動に関しては21時までとする規制は実態に合わないとも指摘されている。

2001年文化芸術振興基本法が制定されたことに伴い、演劇界はこの規制緩和に積極的に働きかけている。各演劇興行会社が文化庁長官に要望書を提出したり、2003年6月3日には、神奈川県横浜市日本演劇興行協会構造改革特別区域の1つとして22時まで延長する「子役特区」を提案した。鴻池祥肇特命担当大臣が「モーニング娘。特区」と名付けて実施を目指していたが、厚生労働大臣坂口力は「義務教育を受けるためにも限界がある」と慎重な姿勢を示していた。内閣府で行われた同年9月3日の会談で厚労相の坂口厚が「21時まで認める」と述べ、2004年11月16日の労働政策審議会に対する答申にて、2005年1月1日より全国的に演劇などへの「13歳未満の子役の出演が従来の20時までから21時まで」に延長されることになった。この議論においても、テレビの収録などはこの範囲ではないとの発言もあり、子役や演劇という言葉の示す範囲の曖昧さが指摘されている[3]

21時までの出演が可能となってからも、世界各国の子役事情と比較し緩和が十分とはいえず、2007年12月4日、日本演劇興行協会より子役出演時間延長の要望書が首相官邸に提出されている[4]

2008年4月7日、日本外国特派員協会において「児童俳優の舞台時間延長問題を考えるパネル」が開かれ、子役の笘篠和馬らがパネリストとして出席し、子供の教育を受ける権利や児童の福祉を考慮した上での舞台子役の育成と保護について論じられた[5]

子役を取り巻く環境と問題点[編集]

  • 子役には親(保護者)のサポートが少なからず必要とされるが、その度合いが強く母親が自分(の世間的ステータスの上昇)を投影するかごとくふるまうさまをステージママと呼ぶ。子役の将来やビジネスに関して所属事務所やテレビ局などとトラブルを起こすこともある。
  • また子役は、子どもごころである極端なプライドを、テレビに出ていることから、過剰な自意識として硬直化させ増幅させていることが多い。このため、芸能人以外の職業の人間や一般人またステータスが低いとされる芸能人を見下す態度を取ることがあり、そのさまがテレビや週刊誌などで全国的に流れてしまうことがある。こういった子役に関しては、中尾彬などのベテラン俳優からも「(子役は)ほとんどそういう(プライドが高い、あいさつをしない)やつらじゃないか(NTV系『踊る!さんま御殿』より)」と苦言が呈されることがある。
  • 子役が有名人や芸能人の子であった場合、特にそれが端的に表れることがあり、親のステータスを威に(親の七光りにより)番組でステータスが低いとされる芸能人を見下す態度を取ることがあり、批判されることもある。芸能人としての競争もシードされていることも多いが(例:政治学的な権力の関係論、子役本人自体には権力はないため)、親を超えられない子役も多く、そのためか非行に走ってしまう例もある。最近は「親の七光り」と呼ばれるのを嫌い、あえて親の名前を出さずにオーディションに挑んだり、親とは違うジャンルで活動を行うケースが増えている。
  • 上記以外でも、例えば多額の借金を抱える、離婚を繰り返すなど、子役でブレイクした人が大人になってからトラブルを抱えるというケースは多い。これは子供と大人とでは求められる能力が異なること、大人になっても子役のイメージが抜けずに人気が下降してしまうこと、多忙な生活から満足な教育を受けることができず一般常識を知らないまま成長することなどが理由として挙げられる。
  • 子役のプライバシーや将来における進路の自己決定権というものも問題視されている。子役はプライバシーや肖像権などの概念を理解できず、人権が確保されているとはいいがたいこともある。子役としてうまくいっている以上、周りの親や事務所などの圧力によって本人が望む進路を進むことができないこともある。
  • また、子役は仕事上の都合から、在京・在阪(準)キー局や大手出版社の所在地である東京23区大阪市政令市などの都市部またはその近辺に限られる傾向があるため(新幹線や飛行機で親とともに通う稀なケースもあるが)、テレビに出演する子役はキャストとしてモノトーンになる傾向があり、全国(地方)の子どもを体現し現しているとは言いがたい状況が生まれることがある。また、地方の子どもはどんなに実力があっても自分のみの意思で経済的に動くことが可能な18歳頃になるまでの間に競争が終わっていることがあり、機会の平等の観点から疑問が呈されることもある(地方のテレビ局や出版社などによる活動の機会がほとんどないため、全国的な意味で均等とはいえず、東京一極集中を招いている)。
  • 学業との両立も大きな課題となる。売れっ子の子役の場合は平日も仕事に追われるため学校を休みがちになり、満足な教育を受けられない場合があるため、特に義務教育期間中において問題となる。こうしたことからアルバイトや芸能活動を禁止している学校もある他、レッスンや芸能活動を休日だけに限定する事務所も増えてきている(そのため、あえて高校に進学せず活動する芸能人も少数ながら存在する)。
  • 少女向け雑誌の表紙は1960年代の半ばまでは少女子役の写真であり、それ以後は少女モデルの写真になり、漫画表紙が定番になるのはさらに後のことである[6]
  • 1960年代には達者な子役も多く、『クイズタイムショック』などのクイズ番組では子役をゲストに招いた「子役特集」が頻繁に行われていた[7]

子役・子役出身者[編集]

1910-1940年代生まれ[編集]

1950-1960年代生まれ[編集]

1970年代生まれ[編集]

1980年代生まれ[編集]

1990年代生まれ[編集]

2000年代生まれ[編集]

2010年代生まれ[編集]

脚注[編集]

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関連項目[編集]

法分野

外部リンク[編集]