トロン (映画)
| トロン | |
|---|---|
| Tron | |
| 監督 | スティーブン・リズバーガー |
| 脚本 | スティーブン・リズバーガー ボニー・マクバード (ストーリー原案) |
| 製作 | ドナルド・クシュナー |
| 製作総指揮 | ロン・ミラー |
| 出演者 | ジェフ・ブリッジス ブルース・ボックスライトナー デビッド・ワーナー |
| 音楽 | ウェンディ・カルロス |
| 主題歌 | ジャーニー /『Only Solutions』 |
| 編集 | ジェフ・ガーソン |
| 製作会社 | Lisberger/Kushner |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 96分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $17,000,000[1] |
| 興行収入 | $33,000,000[1] |
| 次作 | トロン:レガシー |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『トロン』(原題: Tron)は、1982年に製作されたアメリカのSFファンタジー映画。
世界で初めて全面的にコンピューターグラフィックスを導入した映画として話題を集め、コンピューターの内部世界を美麗な映像とプログラムの擬人化という手法で表現した点が特徴といえる。
ティム・バートンがアニメーター、クリス・ウェッジがCGプログラマー、「エイブル・システム」のスーパーバイザーとしてロバート・エイブルが参加している。
目次 |
[編集] あらすじ
ソフトウェアメーカー・エンコム社に在籍するケヴィン・フリンはゲーム「スペースパラノイド」を開発したものの、その全データを同僚のデリンジャーに盗まれてしまう。デリンジャーが自身の作として発表した「スペースパラノイド」は大ヒットし、たちまち彼はエンコムの社長に出世する。その一方でフリンは場末のゲームセンターのマスターへと追いやられてしまう。
憤慨したフリンは「スペースパラノイド」がデリンジャーの盗作である証拠を掴むべく、夜な夜なエンコムへのハッキングを行い始める。だが証拠のデータはデリンジャーがプログラムしたMCP(マスター・コントロール・プログラム)によって厳重に隠蔽されており、発見は不可能だった。
そんなある日、偶然にもフリンのハッキングの事実を知ったエンコムの社員アランが、恋人のローラと共にフリンの元を訪ねて来る。これをチャンスと考えたフリンはエンコム社内のコンピュータから直接、アクセスさせてもらえるよう懇願。了承した2人はフリンをエンコムへと導き、またアランも不正調査とMCP破壊のために、開発途中の監視プログラム・トロンを起動することを決意する。
しかし、フリンの侵入は既にMCPによって察知されていた。結果、フリンはエンコムが実験中の物質転送機によって、MCPが支配するコンピュータの内部世界へと送り込まれてしまう。そこはMCPによる圧制下にあり、あらゆるプログラムがネットを通じて集められ、奴隷のように扱われていた。
そんな中で、フリンはアランそっくりの1人のプログラムと出会う。実は彼こそが、MCP破壊の任を帯びてアランに送り込まれたプログラム・トロンだった。
2人は計算プログラム・ラムと共に、コンピュータ世界におけるMCPの圧政を打ち砕くため、戦いを挑んでいく。
[編集] キャスト
| 役名 現実世界/コンピューター内部世界 |
俳優 | 日本語吹き替え | ||
|---|---|---|---|---|
| UMD・BD版 | TV版 | |||
| ケヴィン・フリン/クルー | ジェフ・ブリッジス | 小杉十郎太 | 小川真司 | |
| アラン・ブラッドリー/トロン | ブルース・ボックスライトナー | 土田大 | 池田秀一 | |
| エド・デリンジャー/サーク司令官 | デビッド・ワーナー | 金尾哲夫 | 富田耕生 | |
| MCP | デビッド・ワーナー | 沢木郁也 | 加藤精三 | |
| ローラ/ヨーリ | シンディ・モーガン | 日野由利加 | 土井美加 | |
| ウォルター・ギブス博士/デュモント | バーナード・ヒューズ | 城山堅 | 槐柳二 | |
| ラム | ダン・ショア | 高木渉 | 牛山茂 | |
| クロム | ピーター・ジュラシック | 檜山修之 | ||
[編集] 本作におけるCGと仮想世界シーン
本作におけるフルCGシーンは15分286カットである。CGシーンは以下の4社によって制作されている。ロバート・エイブルが設立したRA&A、MAGI、Triple-I、Digital Effectsの4社である。それぞれの主な担当シーンは、RA&Aが仮想世界へ移行するシーン、MAGIがライトサイクルやタンクのシーンなど前半主要部分、Triple-Iがソーラー帆船やMCPのシーンなど後半主要部分、Digital Effectsがメインタイトルと、劇中で「ビット」と呼ばれる浮遊物体のシーンである。
CG作成手法は、仮想世界へ移行するシーンはベクタースキャンによる描画、ライトサイクルやタンクなどのモデリングはCSG、ソーラー帆船シーンなどはPDP-10のクローンコンピュータであるFoonly F-1を使用したグーローシェーディングやフォンシェーディングによるレンダリング、などである。また、現在でもテクスチャーの作成に用いられるパーリンノイズは、MAGIに勤務していたKen Perlinが本作のために開発した技術である。
他に、当時としては画期的だった本作の特筆すべき点として、「映像(画像)チェックにデータ通信を利用した」事が挙げられる。ニューヨーク州にあるMAGIが、作成したCGをカリフォルニア州にあるウォルト・ディズニー・スタジオでチェックしてもらう為、電話回線を通してデータ送信していたのである。具体的には、まず最初にMAGIが、作成したCGを低解像度モノクロ画像でディズニーにデータ送信し、それをディズニーのアニメーターがビデオモニターでチェックしてMAGIに修正指示を出し、MAGIがそれに従って修正を行いデータを再送信し、最終チェックには高解像度のカラー画像データを送信していたのである。
本作は「世界で初めて全面的にCGを導入した映画」として話題になったが、実際は前出の通りフルCGシーンは15分と短く、コストや納期の都合等で仮想世界シーンを完全にCGで作成する事は出来なかった。この為、多くのシーンで手描きのアニメーションが代わりに用いられた。またCGのキャラクターや背景と役者などの実写素材との合成は、従来のアナログ光学合成で行われており、特にキャラクターの衣装の電子回路風パターンの発光表現などのために大量のロトスコープ用マスクを手作業で作成する必要があった。
仮想世界シーンのコンセプトデザインにはジャン・ジロー・メビウスやシド・ミードが参加している。
続編『トロン:レガシー』の監督ジョセフ・コジンスキーは、映画パンフレットに掲載されたインタビューで「(トロンは)あの年のアカデミー賞では、コンピューターによる映像は卑怯だとみなされて、失格になっている」と語った。
[編集] 「TRON」というネーミング
TRONというネーミングについては、定説がないが、当時エンドユーザーレベルでは標準的なプログラム開発環境であったBASIC言語では、インタプリタの開発支援コマンドとして「TRON (Trace On)」というものがあった。これは、プログラムを実行する際にそのプログラムのどこを実行しているかを表示しなさいというコマンドで、バグ取りの際には極めて重要なものであった。「不正を糺す=バグを取る」という意味で「TRON」というネーミングが採用されたとする説がある。
しかし、「制作者に“トロンとはBASICのコマンドのことか”と聞いたら“いや、エレクトロンのトロンだよ”と返された」という記事が当時の雑誌『スターログ日本語版』(ツルモトルーム刊)にある。 また http://www.imdb.com/title/tt0084827/trivia には、BASIC のコマンドについては、あとになるまで知らなかったとスティーブン・リズバーガーはインタビューで述べている、とある。
[編集] 脚注
- ^ a b “Tron (1982)”. Box Office Mojo. 2010年8月30日閲覧。
[編集] 関連作品
- 『トロン』(en:Tron (video game))- 本作を元にしたコンピュータゲーム。ライトサイクルゲームとも。
「ブロッケード」も参照
- 『トロン』- 1983年ごろトミーのパソコンぴゅう太用に製作された、本作を元にしたコンピュータゲーム。
- 『キングダムハーツII』- 本作を元にしたワールドが登場する。
- 『Tron 2.0』(英語版)- 本作の続編という位置づけのストーリーのコンピュータゲーム。2004年制作。日本未発売。
- 『トロン:レガシー』 - 本作の続編。2010年12月17日全世界同時公開。
- 『ディズニー エピックミッキー 〜ミッキーマウスと魔法の筆〜』- 本作を元にしたボス戦が存在する。
[編集] 関連項目
- 『ジャーニー (バンド)』- 本作および続編「トロン:レガシー」に挿入歌を提供。