めまい (映画)
| めまい | |
|---|---|
| Vertigo | |
ジェームズ・ステュアート(右)とキム・ノヴァク
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| 監督 | アルフレッド・ヒッチコック |
| 脚本 | アレック・コペル サミュエル・テイラー |
| 原作 | ボワロー=ナルスジャック |
| 製作 | アルフレッド・ヒッチコック |
| 出演者 | ジェームズ・ステュアート キム・ノヴァク |
| 音楽 | バーナード・ハーマン |
| 撮影 | ロバート・バークス |
| 編集 | ジョージ・トマシーニ |
| 製作会社 | パラマウント映画 |
| 配給 | パラマウント映画 |
| 公開 | |
| 上映時間 | 128分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $2,479,000 |
『めまい』(Vertigo)は、1958年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督によるアメリカ映画。パラマウント映画製作。テクニカラー、ビスタビジョン作品。後に、他の多数のヒッチコック作品と共にユニヴァーサルに売却された。日本公開は同年。
原作はフランスのミステリー作家、ボワロー=ナルスジャック(ピエール・ボワロー、トマ・ナルスジャック)の『死者の中から』。タイトルデザインはソウル・バスによる。
目次 |
あらすじ [編集]
「スコティ」ことジョン・ファーガソン刑事は、犯人を追う途中に同僚を死なせてしまったショックで、高所恐怖症によるめまいに襲われるようになり、警察を辞めてしまう。そこへ学生時代の友人エルスターが現れて、何かに憑かれたかのように不審な行動する妻マデリンを調査してほしいという。スコティはマデリンを尾行するうちに、彼女の先祖であり過去に不遇の死を遂げた人物、カルロッタの存在を知る。カルロッタは髪型から首飾りまでマデリンそっくりであり、後にスコティはエルスターに、マデリンはカルロッタの亡霊に取り憑かれていると聞かされる。
尾行を続けていると彼女は突然海に飛び込み投身自殺を図る。そこを救い出したスコティは初めて彼女と知り合うことになり、やがて二人は恋へと落ちていく。スコティは彼女を救おうと思い、マデリンが夢で見たスペイン風の村へ向かうが、マデリンはカルロッタの自殺した教会へと走っていく。スコティは追いかけるが、高所恐怖症によるめまいのために追いつくことが出来ず、マデリンは鐘楼の頂上から飛び降りてしまう。マデリンの転落は事故と処理され、エルスターは彼を慰めながら、自分はヨーロッパへ行くと告げる。
自責の念から精神衰弱へと陥り、マデリンの影を追いかけ続けるスコティはある日、街角でマデリンに瓜二つの女性を発見する。追いかけると、彼女はかつてマデリンの通っていたカルロッタの旧居のアパートに住む、ジュディという女だという。スコットはジュディとデートの約束を取り付けるが、ジュディは自責の念に駆られる。知らないふりをしてはいるが、スコティに「マデリン」として会っていたのは、誰でもない彼女自身だったからだ。高所恐怖症のスコティを利用して、エルスターの妻殺しという完全犯罪に加担していたのである。
スコティは、せっかく出会えたジュディをも失う第二のトラウマを抱えて、精神衰弱から次第に正気を失っていく。一方ジュデイは、スコティをだます過程で次第に彼を愛してしまっていた。ジュディはスコティの狂気じみた要望に素直に応え、洋服、髪型、なにもかもをマデリンと同じにし、死んだはずの「マデリン」へと次第に変貌していく(ヒッチコックはこれを「屍姦」と称している)。
ジュディとスコティはいびつな愛を育もうとするが、ある時二人でデートに行く際、その愛は破綻を迎える。ジュディの頼みでスコティが首にかけようとしたネックレスは、マデリンがカルロッタのものとして身に着けていたネックレスそのものだった。真相がはっきりと見えてしまったスコティはジュディを、マデリンが転落した教会へと連れて行き、彼女を問い詰める。高所恐怖症も忘れ、鐘楼の頂上でジュディに迫るスコティ。しかし、そのとき暗がりから突然現れた影におびえたジュディは、バランスを崩してマデリンと同じように転落する。絹を裂くような悲鳴。突然現れた影は、実はものものしい雰囲気を不審に感じて鐘楼に上がってきた修道女だった。十字を切り、転落した女の冥福を祈って鐘を鳴らす修道女。スコティは、呆然としてその鐘の音を聞いているばかりだった。
キャスト [編集]
| 役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
|---|---|---|---|
| BD版 | テレビ版 | ||
| ジョン・"スコティ"・ファーガソン | ジェームズ・ステュアート | 安原義人 | 小川真司 |
| マデリン・エルスター/ジュディ・バートン | キム・ノヴァク | 藤本喜久子 | 田島令子 |
| ミッジ | バーバラ・ベル・ゲデス | 坪井木の実 | 藤田淑子 |
| エルスター | トム・ヘルモア | 村松康雄 | 小林清志 |
| 検死官 | ヘンリー・ジョーンズ | 阪脩 | |
評価 [編集]
発表当時はヒッチコックの他の作品と同様、その女性蔑視のイデオロギーが批判されていた。徐々に評価を高め、近年ではヒッチコック作品の中でもトップクラスの傑作との評価を得ている。2012年には英国映画協会が発表した『世界の批評家が選ぶ偉大な映画50選』の第1位に選ばれた。しかしヒッチコックはこの作品を「失敗作」と語っている。当初ヒロイン役にと構想していたヴェラ・マイルズが妊娠のため降板し、キム・ノヴァクを起用したが、監督はノヴァクのキャラクターや態度(演出面に関する口出し)に非常に不満を感じていたことが、ネガティブな評価につながっている。
ヒッチコックはヒロインの女性像を、ノヴァクのような魅惑的なものではなく、清楚で健全な女性に求めていたようである。泳げない彼女をサンフランシスコ湾に飛び込ませたり、その仕打ちは苛烈なものだった。しかし「演じることを強要される」といった状態はヒロイン像につながるものがあり、それがまた彼女の魅力を高めている。
レストランでマデリンとスコティが初めて出会うシーンや、曲がりくねったサンフランシスコの道のりを写すカメラワークは評価が高い。
床が落ちるような「めまいショット」はあまりにも有名で、この作品以後、数え切れないほどの映画やCM、テレビドラマで引用されるようになった。ズームレンズを用い、ズームアウトしながらカメラを前方へ動かすことで、被写体のサイズが変わらずに広角になる。鐘楼のシーンでは、ミニチュアを作成して横倒しに置き、レールに置いたズームレンズ付きカメラを移動させて撮影している。スティーヴン・スピルバーグ監督は『E.T.』の街を見下ろす崖のシーンで完璧なシンクロを実現させている。
被写体にレンズを向けたままカメラが被写体の周りを回る、陶酔感あふれる撮影法も印象的である。この撮影法は、後にブライアン・デ・パルマ監督が『キャリー』『愛のメモリー』『ボディ・ダブル』で使っている。
タイトル映像の刻々と変化する光のパターンを製作したのは「CGの父」と呼ばれる実験映像作家のジョン・ホイットニー・シニアである。『2001年宇宙の旅』の10年も前の作品であるが、映画で見られる螺旋状の映像を連続して露光させるため、撮影手順をアナログ・コンピュータでプログラムした初期のモーション・コントロール・カメラが使われている。
この映画のフィルムは保存状態の悪さのため、非常に傷み色あせていた。これを危惧したジェームズ・C・カッツ、ロバート・A・ハリスらの手によってネガは2年かけて修復され、1996年に公開された。
ヒッチコックは、造船所の前を通り過ぎる通行人としてカメオ出演した。
アカデミー賞ノミネート [編集]
ギャラリー [編集]
外部リンク [編集]
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