ラベンダー

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ラヴァンデュラ属
ラベンダー
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: ラヴァンデュラ属 Lavandula

39種。代表種は

  • L. angustifolia
  • L. × intermedia
  • L. latifolia
  • L. stoechas

ラベンダーlavender)は、シソ科の背丈の低い常緑樹のラヴァンデュラ属(lavandula)の通称である。または、Lavandula angustifolia (通称:ラベンダー、コモン・ラベンダー、イングリッシュ・ラベンダー、真正ラベンダー、narrow-leaved lavender。以下「コモン・ラベンダー」)を指す。ラヴァンデュラ属は39種が知られ、コモン・ラベンダーの近縁種や交雑種もラベンダーと呼ばれることがあるため、ラベンダーの名で販売される苗や精油がコモン・ラベンダーのものとは限らない。

概説[編集]

ラヴァンデュラ属は、ピンク色の花を咲かせる様々な品種がある。中でも紫色の花が最もポピュラーであり、コモン・ラベンダーが有名。ちなみに、ラベンダー色とは薄紫色を意味する。

花、葉、茎は細かい毛でおおわれており、その間に精油を出す腺がある[1]

利用[編集]

コモン・ラベンダー

ラヴァンデュラ属は、ポプリの材料、ハーブティー、観賞用(鉢植え)等々に利用される。

コモン・ラベンダーやコモン・ラベンダーとLavandula latifolia (L.spica, 通称:スパイク・ラベンダー)の交配種ラバンジンの精油は、香料やアロマセラピーに用いられる。精油は、先端部分および花から、水蒸気蒸留で抽出される。ヨーロッパ薬局方には、コモン・ラベンダーの精油が収録されている。溶剤抽出法によるラベンダー・アブソリュートもある[2]。同じコモン・ラベンダーを用いても、抽出に用いる部位によって、精油の成分は大きく異なる。ラバンジンはコモン・ラベンダーより多くの精油を採ることができ、価格が安いため広く流通しているが、ラバンジンをコモン・ラベンダーとして販売する業者も存在する。ラバンジン油は、多少カンファー臭があり、コモン・ラベンダー油英語版とは成分組成も異なる[2]

フランスには、乾燥させた花を小さな布袋に入れた一種の「香り袋」(サシェ)があり、それを洋服箪笥に入れたり、ワードローブの中に下げておいたりして、香りを衣類に移したり防虫剤として利用する。あるいはその香り袋をベッドの枕の近くなどに置いて寝室に漂う香りを楽しむ。枕のつめものの一部としてラベンダーを混ぜておいて、枕に頭を置くだけで中身が自然と揉まれて香りが漂うこと楽しむフランス人もいる。

葉のみならず花も食用とされ、チャールズ1世の妃ヘンリエッタ・マリアは、ラベンダーの花を刻んで粉砂糖と混ぜ、ローズウォーターでペースト状に練った砂糖菓子が大好物で、これをビスケットなどに塗って食べていたという[要出典]

属名の Lavandula は「洗う」という意味のラテン語に由来する。これはローマ人達が入浴や洗濯の際にラベンダーを湯や水に入れることを好んだためとされる[要出典]

効能[編集]

ラベンダー(ラヴァンデュラ属)は様々な効能を期待されつつハーブの一種として用いられている。種によって成分組成は異なり、香りや薬効も異なる。

コモン・ラベンダーには鎮痛や精神安定・防虫殺菌などに効果があるとされる[3]

揮発性の油であるコモン・ラベンダー油には、コモン・ラベンダーの水溶性成分などは含まれないため、ハーブとしての効能をそのまま精油に用いることはできない。コモン・ラベンダーの精油はアロマテラピーでもっとも使われるもののひとつで、様々な効能があるといわれている。一般に言われるコモン・ラベンダー精油の効能には、近世のハーブ療法家・ニコラス・カルペパー英語版(1616 – 1654)がチンキやティーの形で治療に用いたスパイク・ラベンダーの効能が誤って引用されたものが少なくない。(チンキには水溶性・脂溶性成分が、ティーには水溶性成分が含まれる。)例えばスパイク・ラベンダーの水溶性成分には鎮痙作用があるが、これがコモン・ラベンダー精油の効能として転用されており、情報が混乱していることがわかる[2]

コモン・ラベンダーや交雑種などラヴァンデュラ属の精油は、皮膚への感作性(生体を抗原に対して感じやすい状態にすること)を除けば、比較的安全性の高い精油である。ただし、精油や精油を用いた化粧品による接触性皮膚炎アレルギー反応の報告があり、日本人のラベンダー精油の陽性率(パッチテストによる)は、1997年に劇的に増加している。これは、近年のアロマブームの影響だと考えられている。ラバンジン精油で偽和(合成成分の添加など)が横行しており、これが広く利用された影響で、ラヴァンデュラ属の精油に対する感作が上昇しているようである[2]

産地[編集]

原産地[編集]

原産は地中海沿岸とされる。

栽培地[編集]

高温多湿は苦手であり、西岸海洋性気候亜寒帯湿潤気候の地域で多く栽培されている。

フランス、プロヴァンス、ソー村のラベンダー畑

世界的に有名なのはフランスプロヴァンスで、ラベンダー畑が多数あり、特にソー (ヴォクリューズ県)フランス語版(Sault[4])という村が有名で、ラヴェンダー農家が多数いて広大なラベンダー畑がいくつも広がる。ソー村の様々なラヴェンダー製品がフランス国内、ヨーロッパ、世界各地に届けられている。ソーでは毎年夏に1日ラベンダー祭が催され、ラベンダーを用いた様々な製品が通りに並び、普段は3000人ほどしか住民がいない村に2万人ほどの観光客が世界各地から訪れる。

北海道、中富良野町のラベンダー畑

日本では北海道富良野地方のラベンダー畑が全国的に有名であり、上富良野町中富良野町ニセコ町のシンボルとしても指定される。栽培発祥地は、札幌市南区南沢であり、1942年に栽培が開始された。札幌市では、幌見峠頂上(宮の森地区)にあるラベンダー畑が有名であるが、規模は小さい。他にも、南沢にある東海大学札幌キャンパスでは、2002年よりラベンダーキャンパス計画として栽培開始される。

主な種[編集]

ヨーロッパ各地で盛んに品種改良が行われたことや、交雑種を生じやすい性質のために、品種名や学名はかなり混乱している。また植物学上の分類では同一品種であっても、産地により抽出されるオイルの成分組成や香り、生物活性(効能)が異なる事から、生産地名を加えて区分しているものもある。

芳香成分[編集]

ラベンダー色[編集]

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HTMLカラーコード[編集]

  • HTML のカラーコードでは、#DFA0D2 の色指定で lavender を表現できる。

    lavender

  • また、#FFF0F5 の色指定で lavenderblush を表現できる。

    lavenderblush

シンボリズム[編集]

ラベンダー色は同性愛者を象徴する色でもある。ピンク・トライアングルを参照。

日本人とラベンダー[編集]

昔から、フランスを旅したり滞在したことのある日本人はラベンダーのことを知っていた。フランスではラベンダーの香り袋やラベンダーオイルを用いた製品が頻繁に見られるからである。が、日本がまだあまり豊かでなかった時代、1960年代まではヨーロッパを旅する機会のない日本の一般大衆はラベンダーのことをほとんど知らなかった。

筒井康隆の小説『時をかける少女』やその映像化作品である『タイム・トラベラー』や特に1983年の映画『時をかける少女(映画)』に、物語の一種の鍵となるものとして登場したことで、それらの作品に接した人は、海外経験の無い人でもともかく、香りに特徴があるということとその名前を知った。

一方で日本が経済的に豊かになるにつれ海外旅行をする人が増え、ヨーロッパでラベンダー関連製品の香りを自身で体験する人が増え興味を持つ人が増えた。一度体験すると忘れられないような香りだからである。また、北海道でも栽培がおこなわれるようになったことで、さらに知られるようになり、北海道中富良野のファームがラベンダー製品を出荷するだけでなく畑を観光資源として活用し夏の北海道旅行で立ち寄る場所の一種の「定番」とさせたことで、非常に多くの日本人が親しむようになった。

出典[編集]

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  1. ^ レスリー・ブレムネス 著 『ハーブ事典 ハーブを知りつくすA to Z』 樋口あやこ 訳、文化出版社、1999年
  2. ^ a b c d マリア・リス・バルチン 著 『アロマセラピーサイエンス』 田邉和子 松村康生 監訳、フレグランスジャーナル社、2011年
  3. ^ Salvatore Battaglia著 The Complete Guide to Aromatherapy 2nd ed. 218ページ 出版:The International Centre of Holistic Aromatherapy
  4. ^ フランス語ではauは「オ」と発音する。この地名では「l」「t」は読まない。

外部リンク[編集]